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【キーパーソンインタビュー】日本初のソーシャルメディアリード 熊村剛輔氏に聞く(3 / 3)

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投稿日: 2010年2月22日

日本初のソーシャルメディアリードとしてご活躍の熊村剛輔氏に、ソーシャルメディアマーケティングへの取り組みについてお聞きしています。


— ソーシャルメディアマーケティング(以下SMM)を本格的に実践していく上で、ツールやプラットフォームの今後の進化についてはどのようにお考えですか?

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熊村:突き詰めていくとソーシャルメディアというのは、ツールでしかないのではないでしょうか。結局、ブログもTwitterも、SNSにしてもツールでしかない。人が集まって交流するためのツールとしては、以前から「オンラインコミュニティー」がありましたが、これは自分達で構築するのが難しく、専門家の手が必要でした。しかし、mixiが出てきた事で、誰でも簡単に出来るようになった。それだけの変化なんだと思うんです。

つまり、ツールとして「ソーシャルメディア」が現れている以前と以後では、人の考え方自体は、実はあまり変わってない。ネットワークを横広がりでずっと広げていきたい人と、縦に深めていきたい人と言うのは、別にツールが変わったからといってその指向は変わらないのだと思います。
たとえば欧米では、横広がりでネットワークを広げて行く為に、FacebookLinkedinなどのSNSを活用する人が多いのですが、結局の目的としては、自分達が転職に有利な状況を作るためとか、起業するときにビジネスパートナーを探したいとか、あるいはスポンサーを見つけたいとか、そういったネットワークやコネクションを広げていくために使っている。だからソーシャルメディアがあろうとなかろうとその行動は変わらない。

日本でも本質的には同じだと思います。日本の場合はどちらかというとリアルな人間関係を深めていく為に、ソーシャルメディアで活動している方が多いと言われていますが、別にmixiがなかったとしても、その行為を止めるかと言えばそうじゃない。根底で望んでいるコミュニケーションの形態というのは、実はソーシャルメディアによるものではないと思うんです。では、なぜ今ものすごく使われているソーシャルメディアと、使われていないソーシャルメディアがあるのかというと、その差はもう元々持っている根源の欲求が満たされるか否かだけだと思います。

— 企業側は大変ですね。根源的な部分は変わらずとも、テクノロジー的にはキャッチアップし続けていかなくてはならないし、それぞれに応じた対応を求められていくわけですから。

熊村:そうですね。やはり自分でしっかりと一ユーザーとして、ソーシャルメディアの中で動いている人でないかぎり、難しいのではないかと思います。良くあるのが、ソーシャルメディアのユーザーではない人たちが、SMMの施策を考えてしまうパターン。表面だけ分かったような感じで始めてしまって、実際にはあまり良く分かっていないので、形にしてみるとこんなはずではなかった、というのが多々ある。それは、やはり自分で実際に体験していないからだと思います。釣りに関する本を沢山、一生懸命読んだからといって、いきなり海釣りに挑戦して大物が釣れるかといったらそうじゃないでしょう(笑)。

— 確かに企業マーケターにとって今は、色々な課題を突きつけられている状況だと思います。まずは実際に使ってみなければ始まらないということなのでしょうが、使っていない人もいっぱい居ると思うんですよ、Twitterやってない、ブログやってない人。そういうマーケターに対して御社内ではどのように伝えているのですか?

熊村:「SMMをやるのならばやはり、まずは自分でしっかり使ってみなさい、いずれやらなくてはならない時が必ず来るから」と伝えます。今の段階ですと、別にやりたくなければやらなくてもいいという選択肢もあるかもしれないですが、僕はおそらく、遅かれ早かれ、そうは言っていられないことになると思うんですよ。

— それはマーケターとしてということですか? それとも一個人として?
熊村:まずは一個人としてです。一個人として、周囲でもっとソーシャルメディアが使われるようになったら、やらざるを得ない状況がきっと来る。そしてその時、マーケターとして人の先を行きたいのなら、今のうちからやっておきなさいということ。人の先を行っておかないと、先行で動けるメリットというものはないと常々語っています。
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— アメリカだと国土面積や国内時差のこともあって、「人に会う」ということに比較的時間や手間がかかるから、こういったものへの欲求が凄く強いと思うんです。そういう意味では、日本ではそうした欲求が少し弱いような気がしますね。

熊村:そうですね、日本ではまだ、切実さを感じている方があまり多くないのかもしれないですね。ただ、遅かれ早かれ切実な問題になってくると思います。自分の身の回りの人がみんな、Twitterでバシバシ「ツイート」し始めた時を考えてごらんなさい、ということです。そうなった時に自分がそれを知らなかったら、そこに対して「どうやってマーケティングするの?」という話になる。実際にソーシャルメディアの中に身を置き、そこで交わされている情報の内容、流布する状況、誤報への対応、そうしたものを間近に見ていく中でようやく、ソーシャルメディアの情報は玉石混淆なんだという事が、実際に自分の目で確かめていけるようになると思うんですよね。そういうリテラシーを身に付けていないと、これからSMMを活用していくのは結構厳しいかなと思います。

— 確かに今からちゃんと「ソーシャルメディア」での”泳ぎ方”を知っておかないと、玉なのか石なのかということを見極める力がつかないですよね。

熊村:今、ソーシャルメディアを使っている人というのは、多分まだそんなに多くはない。実際にターゲットとしているお客さまでは、使ってない人の方が多いかもしれないです。しかし現実問題としては、ある世界の20大ブランドで検索をかけた時に、その結果の約1/4はすでにソーシャルメディアでのポストだという事実はありますから。そういう現実をまずしっかり知ってもらうところから始めなくてはいけないと思っています。

だから今回、SMMのフレームワークを作るにあたっては、まず最初に「ソーシャルメディアを知ってもらう」ことから始めたんです。全3部構成のまず最初に、先程の「20大ブランドの検索結果に於けるソーシャルメディアの存在感」などのデータをはじめ、予算規模だとか、市場規模だとか、現在のソーシャルメディアの状況などを、良い点悪い点すべてきちんと教えて、まず理解してもらう。それを踏まえた上で、「SMMとは?」というかなり概論的なところから、「具体的に進めていくに当たってはどこに気をつければいいのか」というところに落とし込んでいって、一番最後に「企業としてSMMを実施していく際に、必ず守らなくてはいけない約束事」で結んでいます。

— そういうフレームワークの中では、企業のマーケティング担当者に問われるスキルというのも、確実に多様化してきているんじゃないですか? 今は、マーケターにとっても大変革の時で、ここで変われた人と変われない人とでは、10年後、立場や、仕事の内容や、給料など、様々なことが凄く変わる気がしているのですが、これからのマーケターに対してアドバイスはありますか?

熊村:まずは、ソーシャルメディアが広がることで、これまでよりも安価に、これまでよりも手間をかけることなく、顧客の声をダイレクトに聞く事が出来る環境が整い始めてるという事を理解しなくてはいけないと思います。

それまでは代理店というフィルターを通していましたが、ソーシャルメディアの登場によって、消費者と企業との間のダイレクトコミュニケーションの機会が増えてきているわけです。直接的なコミュニケーションだからこそ、話し上手なだけではなく聞き上手でなければならないと思います。そのためには、多方向にアンテナを張り、自分達のターゲットが本当に求めているものは何か、何を思い、何を考えているのかをしっかりと見ていくところから始めるべきなのです。

僕はよく、「SMMというのは、自分達でブログを立てたり、Twitterアカウントをオフィシャルで作ったりするだけではないですよ」と言うのですが、別に、コミュニケーションをアウトプットする場をソーシャルメディアに求めなくても、ソーシャルメディア上にある様々な言葉、会話といったものを吸い上げて、それらを何らかの形で、改良改善、あるいはイノベーティブなものに変化させていくことが出来るのであれば、それは立派なSMMだと思っているんです。

— 意外にそちらのほうが本質的だと言う人もいますよね?
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熊村:突き詰めていけばいく程、SMMとは、当たり前のことを当たり前のようにやることに徹するというのが一番のテーマなんだと感じます。なのになぜ、企業のマーケターという立場になった瞬間に、その当たり前の事が出来なくなってしまうんだろうかと自問自答しています。普通に個人としてやる時は、当たり前の事が出来るはずなのに、なんで「マイクロソフトの熊村さん」になった瞬間に、当たり前のことに一瞬躊躇してしまうんだろうと悩む時があるんですよ。

— 企業人として働いている人はみんな、そういう部分はありますよね。

熊村:昨夏、SMMのフレームワークを書いているときに、「なんでこんな当たり前のことを、わざわざ書く必要あるんだろう」と悩むことが多々ありました。しかし一方で、「見直す良い機会かな」とも思いました。アメリカでは確か、Twitterがある程度普及し始めて以降、急速に企業がソーシャルメディアに関するガイドラインを制定し、公開するのが盛んになったのですが、それを一通り読んでみると、「嘘はつかない」だとか、「人の悪口は言わないだ」とか、「間違えたらちゃんとごめんなさいと言いましょう」とか、「変に強がって意地張っちゃダメですよ」とか、極論そういう事ばかりが書かれているんですよ(笑)

— 幼児教育に立ち戻るみたいな感じですか?(笑)

熊村:本当にそうです。小さな子どもたちを諭すときに、たとえば「誰々ちゃんの悪口言っちゃだめ」とか「嘘をついちゃダメ」というように諭すコトがあるかも知れませんが、これはソーシャルメディアのフレームワークやガイドラインとあまり変わらないのでは、と思う時が度々あります (笑)

— 大人達の自浄作用が始まってるのかもしれませんね。

熊村:確かに、クライアントとエージェンシーとコンシューマー、カスタマーの関係が変わりつつある中で、自浄作用が働いて、今それがどんどん顕在化しつつあるところなのかもしれないです。

— まさに20世紀に大量生産、大量消費の時代に汚れきった垢を、今落としつつあるという感じでしょうか? ソーシャルメディアは、たとえ手法が稚拙だったとしても、変わろうとしている人に対して温かいですから、この流れをいち早く理解して自浄出来たところが、今後強くなっていくのかもしれませんね。

熊村:ソーシャルメディアに最初に参入していく、いち早く参入していくことが評価されているのは、おそらくそこにあるんじゃないでしょうか。顧客の視点からみるとまだ、「やっと企業が素の状態でコミュニケーションしてくれる気になった」という部分の評価が大きい。

— ある意味、ただ「正直者であればいい」今は楽かもしれませんね。

熊村:確かに楽だと思います。だから早く始めた方が良いんじゃないかな(笑)

— そうなると、ソーシャルメディア時代の企業というのは、そこで働いている人たちが、ソーシャルメディアにしっかりと向き合おうとしているかどうかが大きなポイントになってきますね。

熊村:実際のところ、今、ソーシャルメディアで存在感を出している企業では、その担当者がすごく純粋で、熱い方であるケースが多いんじゃないかと思います。結局、SMMでは、人間的な本質が問われてくるということなのではないでしょうか。

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熊村剛輔氏 略歴
マイクロソフト株式会社 セントラル マーケティング本部
デジタル マーケティング & アナリティクス グループ
オンライン マーケティング マネージャー
ソーシャル メディア リード
幼少より海外で過ごし、90 年代半ばから後半にかけてプロのサックス奏者として活動後、
IT 業界へ転身。
リアルネットワークス株式会社で RealPlayer のプロダクトマーケティングおよび RealGuide、RealNews のエディター・イン・チーフを務め、コールマン・ジャパン株式会社で Web マーケティング全般および E コマースを統括したのち、2006 年マイクロソフト株式会社に入社。2009 年より「ソーシャル メディア リード」として、ソーシャル メディア マーケティング施策全般に携わる。

インタビュアー:中村壮秀(アライドアーキテクツ株式会社代表)

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