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【キーパーソンインタビュー】高広伯彦氏に聞くソーシャルメディアマーケティング(1 / 3)

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投稿日: 2009年11月24日

IMG_2206.JPG— 今回は、博報堂、電通、Googleを経て独立され、常に広告界のトップランナーとしてご活躍の高広さんに、ソーシャルメディアの時代のマーケティングについてお聞きしたいと思います。

企業のマーケティング活動は現在、その潮流が大きく変化していると思いますが、まずは現状についてどのようにお考えですか?

高広:僕は、もともとマスメディアとソーシャルメディアを分けて考えるという考え方自体が、あまり好きではないです。なぜなら、今ソーシャルメディアといわれてるものは、別に昨日今日出来たものではなくて、パソコン通信なんかの時代から存在していたもの。「Wired」誌の編集TOPだったハワード・ライン・ゴールドが書いた、『バーチャル・コミュニティ―コンピューター・ネットワークが創る新しい社会』の日本語版が出版されたのは1995年ですから、インターネットがもっとコミュニケーションを自由にして、ネットワークを楽しくするものだという考え方は、インターネットがこれほど普及する前の1994年から1995年ごろにすでに議論としてはあったわけです。

 インターネットの黎明期に期待された流れが今実現されてきていると考えれば、実は、このソーシャルメディアとか、ソーシャルメディアマーケティングというものに、今こうして「名前」が付けられたから、すごくもてはやされているだけ。その本質は昔から考えられていた事であって、人と人とのコミュニケーションというものをベースにしている点では、コミュニケーションの基本に立ち帰っていることに過ぎないと思う。

— しかし昨今の「ソーシャルメディア」を取り巻く状況変化の大きさは、今までマスメディアとのコミュニケーション、マスメディアを通じたコミュニケーションに執心していた代理店や企業の担当者にとって、あたかも「ソーシャルメディア」というものが突如出現してきたように感じられ、戸惑ったり、必要以上に怖さを感じているのでは無いかと思うのですが?

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高広:マスメディア等のいわゆる従来型メディアを使ってきた人が、ソーシャルメディアというものをなぜ理解出来ないかと言うと、普通の広告担当者にとってメディアというのはイコール広告枠があるものだったわけです。その広告枠に広告を出せば、広告と言うのは完結したのですが、ソーシャルメディアにはそのネットワークそのものに広告枠というものが存在しない。広告枠が存在すれば、広告枠を有料で買ってしまえば場所を確保出来る。ところが、ソーシャルメディアのようにユーザーコミュニティで出来上がるようなメディアの場合は広告枠を設けたからといって、それが必ずしも人々に伝わっていくわけではない。だから有料の広告枠を如何に上手く使うかという従来の発想をまず捨てる事ことが大切なんです。その枠に広告を置くという発想ではなく、人のつながりで出来たネットワークの中において、どのような情報なら伝わるか、どのような情報なら人から人に届けてもらえるかという発想に転換する。プランニングの思考や、モノを企画する思考法に転換を迫られているのは確かですね。

 広告業界では「こういう広告だったら刺さるよね」という言い方があるんですが、今から必要なのは「刺さる」ということではなく、「こういう広告だったら他の人にも伝えてもらえそうじゃない?」とか「こういうのだったら人に伝えたくなるよね」というような発想でプランを作ることなんじゃないかな。
 具体的には、ソーシャルメディアを使ったクチコミマーケティングとかバイラルマーケティングなどと呼ばれるようなマーケティング手法というのは、「広がっていく」ことを考えた「シカケ」と「シクミ」という2つの構成要素が必要なんです。「伝えたくなる」要素が「シカケ」で、「伝えやすい」機能が「シクミ」。その「シカケ」と「シクミ」がバランス良く最大化されると上手くいく。

— 「人に伝えたくなる」という視点でプランニングされ、「シカケ」と「シクミ」がバランス良く機能したという成功事例はありますか?

高広:『Hotmail』の事例は、今の時代にすごくイノベーショナルで面白い、重要な事例だと思う。『Hotmail』の無料メールアドレスから、まだ『Hotmail』のアカウントを持ってない人にメールを送った時に「あなたも無料のメールアドレスを手に入れませんか?」というメッセージが添付され、ユーザーがメールを送れば送る程それが広がっていく「シクミ」になっていた。

 当時はメールアドレスが無料で持てるというものは他になかったので、『Hotmail』のアカウントを持っていない相手にとってもHappyになるベネフィットがあり、広く伝搬していった。また「無料」でメールアドレスが貰えるという情報が人に伝えたくなる「シカケ」として作用した。つまり、『Hotmail』というサービスそのものが、広告媒体として上手く機能したわけです。

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— 『Hotmail』の事例は時代背景や「サービス」の特徴による独自な例に感じられるのですが、もう少し汎用性の高い事例もご紹介頂けませんか?

高広:東京駅で今とても売れてるお土産商品の一つに「ごまたまご」というのがあるのですが、この「ごまたまご」の一番最初のキャンペーンは東京駅構内での無料サンプリングでした。そのサンプルは、一個食べて美味しかったら他の人にも分けられるように2個入りにしていた。あとは、「ポケットモンスター」。ポケモンは自分だけだったらモンスターが育たない。他の人と戦わせることでモンスターが育てられるように作られていた。

 このように、そもそものキャンペーンやプロダクトそのものに人を巻き込めるような「シクミ」が入っているかどうかがすごく重要。例えば「AISAS」と言われる消費者行動理論の中で「Share」(共有)というのは、今一番最後に言われているけれども、僕はもっと早い段階で「Share」が出来ると思っている。ソーシャルメディアマーケティングというのは、いかに情報を伝えたくなるのかという「Share」の要素を常に考えなくてはいけないんです。

 しかし「Share」というのは、あくまでも情報を知った人が共有する「シクミ」だから、一番最初の発火点になるところを上手く作らなくてはいけないわけで、それがマスメディアなのか、あるいはソーシャルメディアなのかも含めて「伝えたくなるシカケ」をプランニングしていくのがポイントといえます。

《次回へつづく》
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高広伯彦氏 略歴
同志社大学大学院(社会学)修了業後、博報堂、電通を通じて、営業やインタラクティブ系コミュニケーションプランナー、ビジネス開発を経て、2005年から2008年までGoogleで広告商品AdWordsの sales marketing チームを率い、YouTubeの広告ビジネスなどの日本導入などを手がける。2009年1月から独立し個人事務所「スケダチ」を設立。新しい広告と新しいメディアの企画、新しい広告領域ビジネスの開発支援を行う。第二回東京インタラクティブアドアワードグランプリ他受賞暦多数。
インタビュアー:中村壮秀(アライドアーキテクツ株式会社代表)

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