ソーシャルリサーチのデータ分析結果から「顧客との関係性」を把握し、適切なマーケティング施策を設計するための方法をご紹介します!

 
ソーシャルリサーチの分析データからマーケティング施策を最適化
 
 
皆様こんにちは、ソーシャルメディアマーケティング事業第一本部の藤田雅志です。
 
前回は「ビックデータ」の活用方法について、具体的な業務プロセスと事例を交えてご紹介しましたが、今回は仮説検証プロセスの中で最も重要な「マーケティング施策の実行」と並行してアンケートなどを活用する「ソーシャルリサーチ」について、その特徴とデータ活用方法をご紹介します。
 
前回記事:【活用事例に学ぶ】
「ビッグデータ」分析でCRMデータの価値を最大化する業務プロセスの実例
http://smmlab.jp/?p=24127
 
 

そもそも「ソーシャルリサーチ」って何? 通常のリサーチと何が違うの?

 
以前ご紹介した「消費者の“本音”を引き出し“共創”する!ソーシャルメディアのリサーチ活用」の記事では、「ソーシャルリサーチ」を「ソーシャルメディアを活用したインターネットリサーチ」と定義しました。
通常のインターネットリサーチと大きく違う点は、以下の2点です。
 
(1) 一般のソーシャルメディアユーザーに対して実施するので、より「消費者の声」に近いデータが取得できる
(2) ソーシャルメディアを通じてリサーチをするので、リサーチ後も回答者と関係性を構築できる(これが最も大きな違いですね!)
 
 
ソーシャルリサーチを活用する目的は多岐に渡りますが、主なニーズとしては以下の3つがあげられます。
 
<ニーズ1>  Facebookページにおけるファン(若しくはファン候補)との関係性を
「見える化」して運用状況の有効性を把握し、今後の運用施策に活用する
<ニーズ2>  商品・サービスに対する満足度やニーズを把握し、
新しい商品企画アイデアを発見する
<ニーズ3>  クチコミ分析を行いマーケティング施策の精度を高め、
アンケートを通じて施策有効性を検証する
上記のようなニーズに対し、ソーシャルリサーチではどんなアプローチができるでしょうか?
 
 

ソーシャルメディアユーザーとつながるメリットとは?

 
エンゲージメントを構築していく上で、顧客との関係を把握するためにソーシャルリサーチを活用するには、以下の3つのアプローチが考えられます。
 
<アプローチ1> 未顧客と既顧客との共通項を見つける
<アプローチ2> 顧客化までのプロセスを発見する
<アプローチ3> 見込客の優先度を識別する
各々を具体的にご紹介していきます。
 

アプローチ1 未顧客と既顧客との共通項を見つける



未顧客.既顧客の共通項
 
例えば、未顧客と既顧客とのアンケートデータを比較した結果、「新しいものが好き」「アウトドアが好き」という共通点が見つかった場合は、この2項目を回答している未顧客は既顧客と似た価値観を持っているので、顧客になる可能性が高いと考えられ、コミュニケーション優先度が高いと人であると言えます。
 
 

アプローチ2 顧客化までのプロセスを見つける

 
顧客化プロセス発見
 
例えば、顧客になるまでのプロセスで、「商品への興味は横ばい」「商品理解度は上昇」「コンテンツ満足度は増加」して顧客化することが分かった場合、この3項目のバランスや変化によって顧客化に向け、どの段階にいるのかを把握する事ができ、それぞれに合わせた顧客化へのコミュニケーションを行う事ができます。
 
 

アプローチ3 見込客の優先度を識別する

 
顧客化優先度の識別
 
例えば、20項目のアンケートを取っていても、その内18項目は未顧客と既顧客とで回答傾向差異が無く、「家族を大切にする」「お金よりも自由時間が重要」という2項目のみで差異があるとすると、この2項目のみを見込客へ調査することで、その方が顧客になる可能性がどのくらいあるのかを知ることができ、効率的なコミュニケーションを行う事ができます。
 
 

リサーチを通じてファンとのつながりを考える

 
上記の通り、未顧客を顧客化するには、画一的なコミュニケーション(例えば、何千人ものメーリングリストへ同じ内容のメルマガを送るなど)ではなく、未顧客の状態をしっかり把握し、継続的に有効なコミュニケーションをとることが大切です。
通常のインターネットリサーチでは、回答者に対して継続的なコミュニケーションを取るのは難しい(ほぼ不可能?)ですが、ソーシャルメディアでは、例えばキャンペーン等の接点でファン(候補)の声を聴き、状態を正確に継続的に把握することが可能です。
従ってリサーチのみならず、例えばキャンペーンの企画の考え方も下記のように変化していきます。
 
キャンペーン企画の位置づけ
 
新商品発売やサービススタートアップの段階では当然、短期的に新規のファン候補(購買見込客)を獲得してくることが重要ですが、情報発信型の一方向的・画一的なコミュニケーションから、相互のコミュニケーションが取れる双方向層、継続的に商品を購入してくれるファン層、まるで自社の社員かのように商品開発アイデアなどを積極的に発信してくれる共創層へと、顧客との関係性を深化させていく長期的な視点のマーケティング戦略へと切り替える事が重要です。
例えばユーザーとの関係性を以下のような5階層に分類し、いかに顧客との関係性を深化させるかを基本的な考え方として、マーケティング施策を検討してみましょう。
 
ファン階層
 
自社(やブランドなど)のFacebookページに「いいね!」をしてくれた人をよく「ファン」と呼びますが、正確には「ファン候補」だと思います。企業から発信される情報やイベントなどを通じて、「ファン候補」から「共感層」⇒「双方向層」⇒「ファン層」⇒「共創層」へと関係性を深化させ、上記でご紹介した3つのアプローチのように、各層にいるファンやファン候補を未顧客と既顧客に分解し、データを分析するとマーケティング施策もよりきめ細かく的確な施策になると思います。
 
 
最後に、リサーチ結果を確実に施策へ展開するための重要なポイントを3つご紹介します。
 

ポイント1 アンケート分析から得られた課題をシンプルにまとめる

 
アンケートデータの分析というと、単一集計・クロス集計などを行い、その集計結果がどうたったのかを数十ページものレポートにまとめることが良くあります。
しかし、大切なのは数字をまとめることではなく、その数字からどんな示唆が得られるかをしっかり考察することではないでしょうか。そして「得られた示唆」から課題を引き出し、具体的な改善策を検討することがデータ分析の目的であるべきです。
 
 

ポイント2 「得られた示唆」を関係者と共有する

 
アンケートレポートを上司に報告する事は良くあると思いますが、社内横断的にブランドや商品に関わる人たちで共有し、施策改善にすぐ着手することが重要です。
 
 

ポイント3 ソーシャルメディアを活用したアンケートデータ

 
アンケートデータは集計結果にだけ目が行きがちですが、もう1つのポイントは実は「ソーシャルメディアを通じて繋がっているファン」の声を聴くということです。会員制サービスの形態をとっているビジネスであれば別かも知れませんが、一般的にインターネットリサーチを行う場合は、回答者が自社の顧客かどうかは関係ありません。
いわゆる市場調査のようにその方が良い場合もありますが、自社のファン(若しくはファン候補)から声を聴くことが重要であることも少なくありません。そして、会員制サービスでなければ、ソーシャルメディアはファンとのつながりが継続的に保てる重要な場でもあります。
 
ソーシャルメディアを通じてリサーチを行い施策に展開する方法を、今回は「顧客との関係性」という観点でご紹介しました。
とは言え、日常の担当業務や企業内におけるお立場でお悩みの点は様々だと思います。「こんな事に困っているんだけど…」「こんな事をやってみたいんだけど…」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
 
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