ソーシャルメディアマーケティング(以下SMM)に積極的に取り組まれている企業の担当者に、現場でのSMM活動の実際についてお聞きするインタビューシリーズ【企業担当者に聞くSMM最前線】

 
こんにちは、SMMLabの小川です。今回は、前回に引き続き、クチコミがクチコミを呼び、まったく無名の状態からネット年商3, 000万円以上のショップに急成長したエプロンECショップ【シュクココロ】下田真美氏のインタビューをお届けします。


下田氏が語る、ファンに愛されるコミュニケーションの極意とは?
前回記事:http://smmlab.jp/?p=5033

お客様の想いを大切に、真摯に受け止め丁寧に対応する
――お客様との日々のコミュニケーションではどのようなことを心がけていますか?
人には想いがあると思っているので、まずはそれを無視してはいけないと思っています。また、インターネットというのは顔が見えないため、どういう人がいて、どういう人が発送してというのが分からないので、お客様も不安ですよね。ですので、お一人お一人を大切にし、真摯に対応するよう心がけていますし、スタッフにもそのように指導しています。また、できるだけ「自然体」でいることも心がけていますね。

シュクココロの商品がお客様の手元に届くまでの様子についても、ホームページ上で、写真付きで丁寧に説明されている。
 
――お客様とのコミュニケーションに関して、具体的なエピソードを教えてください。
シュクココロのエプロンは、特にクリスマスやホワイトデーのシーズンには、多くの男性の方から女性へのギフトとしてご利用いただいているのですが、相談の電話をいただくことがあるんですね。例えば、「いつも黒やグレーを着る妻に華やかなものをプレゼントしたいのですが、ローズ柄と、黒の水玉とどちらがいいでしょうか?」などのご相談があります。また、若い方からですと、「母の還暦のお祝いに赤の水玉をプレゼントしたいのですが、着るでしょうか?」というご相談や、年配の方からですと、「私もこういう可愛いエプロンを着てみたいのですが、大丈夫でしょうか?」というご相談もあります。
そのようなご相談には、できるだけ親身に、でもお客様の”向こう側”にまで踏み込むことはないようアドバイスするようにしています。皆様、基本的には、「着てみたい、プレゼントしてみたいんだけれども、ちょっとだけ抵抗がある」状態だと思うので、「少し背中を押して差し上げる」ようにしています。
 
ブログで頂いた声をホームページや商品開発に活用
――お客様から頂いた声はどのように次に生かしているのですか?
お客様から「何色が欲しい」とのリクエストを頂けることがあり、デザインをする際のヒントにさせていただいております。モニプラでも「新作エプロンを作るに当たって、シュクココロに作ってほしい色・柄のエプロンを募集」というイベントを実施したことがあるのですが、その時は色・柄だけでなく、デザインのイラストを描いてくださった方が何名かいらっしゃって、とても感動しました。
子供向けエプロンも販売しているのですが、これも「親子でペアのデザインが欲しい」というモニターの方からのお声で作ったものなのです。いつもデザインを1人で考えているので、一緒に考えてくださる仲間がいるということは本当に嬉しいですし、財産だな、と思っています。
――実際にエプロンを利用された方の声をホームページに掲載されていらっしゃいますね?
モニプラを通じて書いて頂けたブログ記事を、「お客様の声&シュクココロファンのくちこみサイト」としてホームページに掲載しています。やはり、とても反応が良いですね。現在ショップで人気No.1のデザインは、「お客様の声」が掲載されているデザインなんですよ。数ある商品の中で選ばれるのには、やはりクチコミの効果が大きいからだなぁと思います。
実は、ホームページを立ち上げた当初から、お買い上げ頂いたお客様への商品到着確認メールで「商品はいかがでしたか?」と問いかけをしており、多数の嬉しい感想も頂いていたのですが、勝手に「お客様の声」としてホームページに載せるわけにはいかないですよね。でも、モニプラを通じて書いていただけたブログ記事は、このように二次利用が可能な点も魅力的だと思います。

左:現在人気No.1のエプロン http://www.apron-syukucocoro.com/SHOP/AS-13.html
右:同エプロンに対してのモニター記事を同じ商品ページ内に掲載
 
実名制のFacebookで、より本物のファンの方と交流を
――Facebookページ開設の目的と今後の見通しを教えてください。
Facebookは実名使用ですので、より本物のファンを集めることができるのではないかと考えました。また、ホームページ内に、ファンの方の顔が掲載されることで、初めてショップサイトに入ってきてくださったお客様に安心してお買い物を楽しんでいただけると思っています。ブランディング目的と、質の良い本体サイト作りの一環として、Facebookページを使わせて頂いています。今後は、エプロンの試着会や意見会などを開き、お客様とお顔を合わせて、直接お声を聞く機会が持てればと考えております。

シュクココロFacebookページリンク
 
常に進化し続ける商品作りをし、業界内のリーディングカンパニーでありたい
――今後シュクココロが目指す姿を教えてください
シュクココロの商品だけでなく、シュクココロという会社自体を日本中の方に知っていただき、より生活の中で身近に感じていただけるような企業でありたいと強く思います。新商品作りに気持ちを込めるように、たかがエプロンではなく、お友達やご家族の方にお勧めしたいと思っていただけるように、常に進化し続ける商品作りをし、情報の発信をしていきたいと思っています。
今までお客様が私を成長させてくださった、また一緒に成長させてくださっていると実感しています。身の程がどこまでついていけるか分からないのですが、これからも業界内のリーディングカンパニーを目指して、頑張ってまいりたいと思います。
――最後に、同じようにインターネット通販サイトを運営されている方にアドバイスをお願いします
自分の想いを込めたオンリーワン、自信のある商品を、そしてインパクトのある商品をお客様に確実に伝えていけたら成功すると思います。あとは、きちんとしたブランディング戦略を実施し、お客様に「知ってもらうこと」の実践が拡大の一歩かと思います。また、まずは挑戦してみること、そしてどこまでやるかやらないかの見極めをきちんとしていくことも大切だと思いますね。

<インタビュー後記>
インタビューを通して、商品の作り手であるオーナー下田真美氏による商品への愛情の深さを非常に感じました。お客様に愛される商品作り、サービスづくりをするためには、まずは発信者自身がその商品に対して並々ならぬこだわりと深い愛情を持っていること、そしてファンの方に心から感謝する気持ちが大切であり、そのような作り手側の気持ちがショッピングサイトやFacebookページ、日々のコミュニケーションにも表れ、ファンの心に伝わっているのだな、と感じました。また、ネットショップを立ち上げたばかりの小さな企業が、ソーシャルメディアで「見つけてもらい」、クチコミしてもらうことで拡大していったという点に、改めてソーシャルメディアのパワーを感じました。(SMM Lab 小川)
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下田真美氏 プロフィール
株式会社シュクココロ 専務取締役、エプロンショップ【Syuku Cocoro】代表
シュクココロ【素敵な可愛いエプロン専門店】: http://www.apron-syukucocoro.com/
2011年度Eストアー東京都の銘店金賞受賞、2009年度Eストアークチコミ大賞受賞
インタビュアー:小川 裕子(アライドアーキテクツ株式会社 SMMLab)
■参考リンク:国内最大規模の企業ファンサイトモール「モニプラ」
http://socialmedia.monipla.jp/
■【企業担当者に聞くSMM最前線】
・株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン 高橋 淑恵氏(1/2):
http://smmlab.jp/?p=5027
・タマホーム株式会社Facebook課 川野和義氏(1/2):
http://smmlab.jp/?p=2717
・ライフカード株式会社 鎌倉早佑理氏(1/2):
http://smmlab.jp/?p=2473
・リーデル(RSN JAPAN 株式会社) 西村 敏雄氏(1/2):
http://smmlab.jp/?p=681
・ハウスウェルネスフーズ株式会社 丸山佳代氏(1/2):
http://smmlab.jp/?p=19