日頃家族を支えるお母さんに感謝の気持ちを伝える「母の日」。毎年様々な企業が母の日にあわせたキャンペーンやSNS投稿を行なっています。

今回はそうした企業のSNS投稿やキャンペーンのなかから、参考にしたい事例10個をピックアップ。その工夫ポイントを解説します!

Twitterを中心にSNSのトレンドが学べるセミナーを開催しています。

母の日のSNSキャンペーン事例

①商品を使って母子で楽しめる母の日を提案【株式会社ロッテ】

製菓メーカー・株式会社ロッテでは、「母の日は、ママといっしょに。」をキーワードにSNSキャンペーンを実施。
このキャンペーンは、同社のチョコレート「ガーナ」を使用した、親子で楽しめる簡単なお菓子作りのアイディアを提案するとともに、作った作品の写真をInstagram、Twitterに投稿してもらうものです。「プレゼントや手紙も素敵だけど、母の日は母子でおしゃべりしませんか」というメッセージを、親子で行うお菓子作りを通して伝え、SNS上にそれを体現するようなUGC(※)を生み出すことに成功しています。

キャンペーン特設ページ。 商品を使って親子で楽しめるお菓子のレシピの紹介の他、キャラクターが動き出す「ぬりえAR」も提供している。

※UGCとは:UGC(User Generated Contents)とは企業ではなく、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのこと。

UGCについては、こちらの記事でさらに詳しくご紹介しています。
UGCとは?マーケティングにおける活用手法・事例・注意点を徹底解説!

②引用リツイートで当選確率をアップさせ積極的な参加を促す【大塚製薬株式会社】

大塚製薬株式会社が、同社の商品「オロナミンC」の Twitterアカウントで実施したのは「#家族みんなに元気ハツラツ キャンペーン」。
これは、アカウントをフォローして対象ツイートをリツイートするだけで応募ができる手軽なものになっています。さらに、単純なリツイートではなく、引用ツイートで母の日のメッセージを書くと当選確率がアップする仕組みも採用し、ユーザーの積極的な参加を促しています。

キャンペーンツイート。同社の商品のイメージカラーを基調にわかりやすいクリエイティブを利用している。

企業公式アカウント開催のTwitterキャンペーン利用実態調査についてまとめた資料のダウンロードはこちらから

③ママたちの本音を集めて商品PRにつなげる【株式会社エムール】

家具・寝具の販売を行なっている株式会社エムールでは、「おねだり母の日メッセージキャンペーン」を実施しました。
このキャンペーンでは「 #EMOORママの本音祭り」をつけて、SNSでお母さんの本音を投稿してもらうものです。インセンティブはありませんが、本当は言いたかった本音を投稿テーマにすることで、気軽な参加を呼びかけています。

また、集まった本音をランダムでHPに掲載。世の中のお母さんの苦労から、先進国の中でも日本のお母さんの睡眠状況は深刻というデータを見せ、快眠につながる商品への導線を作っている事例です。

キャンペーンの 特設ページ。 SNSに投稿された「お母さんの本音」から、商品訴求へとつなげている。

④母の日のお手伝いグッズをインセンティブにして商品訴求 【ライオンケミカル株式会社】

蚊取り線香や入浴剤などの製造販売を行う化学工業メーカーのライオンケミカル株式会社。同社がTwitterで実施したキャンペーンは「#掃除はボクにまかせて 母の日キャンペーン」です。
このキャンペーンは同社の公式Twitterアカウントをフォローし、キャンペーン対象ツイートをリツイートすることで応募ができるもの。インセンティブに同社のお掃除グッズ採用し、「同社の商品を使えばお掃除が楽々にできて、お手伝いもばっちり」というメッセージを訴求しています。

キャンペーン対象ツイート。同社のキャラクターを使ったキャンペーンクリエイティブと、「#掃除はボクにまかせて」というメッセージがわかりやすく表現されている。

⑤インスタントウィンキャンペーンで参加者数の最大化&サイトへ誘導【花キューピット株式会社】

母の日のプレゼントの定番と言えばお花。全国の花店の配達ネットワークをもとに花の通信配達受注業務を行なっている花キューピットの公式Twitterアカウントでは、母の日に合わせて「 #今年母の日にしたいこと」キャンペーンを実施しました。

このキャンペーンでは、アカウントをフォローし、対象ツイートをリツイートすることで当選者にのみDMが届くインスタントウィン形式を採用。毎日参加できるキャンペーンにすることでキャンペーン参加者数の最大化をねらっています。また、「#今年の母の日にしたいこと」をつけてツイートを行うことでWチャンスに応募が可能となっており、ユーザーの参加意欲を高めている仕組みのキャンペーンです。

さらに、キャンペーンクリエイティブには以前Twitterで募集した母の日エピソードを利用。エピソードの続きを読むために同社のキャンペーンサイトへ誘導し、そのまま母の日のおすすめ商品の訴求にもつなげています。

キャンペーン対象ツイート。Wチャンスやキャンペーンサイトへの誘導など複数の成果を出すことができるキャンペーン事例となっている。

母の日のSNS投稿事例

①時流に合わせたメッセージと簡易動画で投稿を印象的に【 株式会社ドミノ・ピザ ジャパン】

宅配ピザのドミノピザのInstagramアカウントが昨年の母の日に行なった母の日投稿は、コロナ禍という状況に配慮したもの。「家に一緒にいるなら対面で、離れているならオンラインで」というメッセージに「 #stayhome」といったハッシュタグも利用しながら、同社の企業姿勢を示しています。

また、投稿クリエイティブには「おうち時間」スタンプを利用。さらに、文字が動いて見える簡易動画によって、投稿の視認性を高め、投稿を印象的に見せる工夫がされています。

実際の投稿。静止画の写真に文字のアニメーションを組み合わせるという、取り組みやすい簡易動画で投稿の視認性を高めている。

②クリエイティブに仕掛けを加えてエンゲージメントを向上 【カルピス株式会社】

「 カルピス”水玉通信”」のTwitterアカウントが昨年の母の日に投稿したツイートではクリエイティブに仕掛けを加えています。
同アカウントでは、画像を用いたツイートがタイムライン上ではトリミングされて映ることを利用し、画像をタップすることで初めて見えるメッセージを載せたクリエイティブを投稿。

画像を見るためにツイートをクリックさせるほか、投稿を見た人にいいねやリツイートを呼びかけるテキストも合わせてツイートすることで、投稿のエンゲージメントの向上につなげている事例です。

実際の投稿。画像をタップしなければ見ることができないメッセージというユニークな投稿で、ユーザーの興味を喚起しながらエンゲージメントを高めている。

③母の日をきっかけに商品PR【コンビ株式会社】

母の日をきっかけとして自然に商品のPRを行なっているのは、ベビー用品の製造・販売を行うコンビ株式会社の公式Instagramアカウント
同アカウントの投稿では、静止画のカルーセルを採用。同社の赤ちゃんだけではなくママも使えるという商品のポイントを、複数枚の静止画クリエイティブで表現し、商品の理解促進を行なっています。

実際の投稿。柔らかい印象のイラストから、子育てのあるあるを紹介し、ストーリー性をもたせて商品の理解促進を行なっている。

④目に止まりやすいスロット動画を利用して母の日とともに商品PR【興和株式会社】

キューピーコーワの公式Twitterアカウントは、昨年の母の日投稿で同社の商品とカーネション、ありがとうの文字が回るスロット動画を投稿しました。
母の日のプレゼントの定番であるカーネーションと、同社の商品を組み合わせることで、母の日をきっかけとした商品PRを視認性の高い動画の形で実現している事例です。また、ツイート本文では、コロナ禍のゴールデンウィークで例年以上に疲れているであろうお母さんを気遣うことで、同社の商品が母の日のプレゼントに適しているという点を伝えています。

実際のツイート。くるくる回るスロットの動画はTwitterのキャンペーンクリエイティブなどに用いられることもあり、視認性の高いクリエイティブパターンの1つである。

⑤対面での商品理解促進が限られる中、YouTubeを活用して商品訴求【株式会社阪急阪神百貨店】

2020年のコロナ禍以降、実店舗での対面接客が限られるなか、企業はデジタル上の接点を活用して生活者とコミュニケーションをとる必要がでてきました。
株式会社阪急阪神百貨店でも、公式YouTubeチャンネル・HANKYU BEAUTY CHANNELを通して、商品訴求や購買促進施策を行なっています。

同社が今年投稿した動画では、実際に店舗で働く美容部員が出演し、母の日のギフトセットを利用したメイクを紹介。これまで対面で行なってきたコミュニケーションを動画上で行いながら、電話での商品予約を促し、動画をみて商品を予約・購入した顧客に先着でプレゼントを用意して、販売促進に繋げています。

実際の動画。実際に日頃顧客と接点のある美容部員が、わかりやすくポイントを解説している。

母の日のSNSコミュニケーションの特徴とポイント

記念日や季節性のあるSNS投稿やキャンペーンは取り組みやすいものである反面、様々な企業が実施する傾向にあります。
そのため、日頃のアカウントの投稿とのバランスも見ながら、自社のアカウントならでは、の要素を加えた投稿にすることで、よりユーザーに届きやすいものにすることができます。

つまり、独自性(オリジナリティ)を出していくことが大切なのです。

今回ご紹介した事例は、クリエイティブや企画、メッセージなどどれもユーザーに見つけてもらいやすい工夫がほどこされた独自性のある事例だと言えます。

また、母の日は女性向けの商品訴求に最適、かつ若年層(子供世代)への訴求がしやすいイベントでもあります。企業と生活者との接点のデジタル化が進む中で、若年層にリーチしやすいSNSを活用したデジタル販促施策は、母の日に合わせた販促施策を実施するのに適したプラットフォームなのです。

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