(2020年8月22日 情報更新)

Facebook社は、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界的に多くのスモールビジネスが打撃を受けていることを背景に、2020年5月19日に新機能「Facebook Shops(Facebookショップ)」を発表しました。

公式発表はこちら:
Introducing Facebook Shops: Helping Small Businesses Sell Online
https://about.fb.com/news/2020/05/introducing-facebook-shops/

「Facebook ショップ」は、スモールビジネスでも、無料で簡単にECショップを持つことを可能にするもの。

企業は、多数のユーザーがいるFacebookおよびInstagramのアプリ内に簡単にECショップを持つことができ、進化したライブコマース機能やロイヤリティプログラム、新しい商品に出会える発見タブなどを通じて、ユーザーに豊かなショッピング体験を提供できるようになります。

日本でも2020年6月16日に提供が開始、今後数か月をかけてより多くのビジネスや利用者が利用できるように範囲を拡大させていくとしています。
日本国内での提供開始についての公式発表はこちら:
Facebookショップを国内で提供開始、中小ビジネスのオンライン事業をサポート

本記事では、現段階で発表されている機能の内容をご紹介します。

スモールビジネスからグローバルブランドまで、無料で簡単にECショップを持つことが可能に

多くの企業が新型コロナウイルスに伴う外出規制に伴う店舗クローズを余儀なくされる中、今後生き残る道として「オンライン化」は欠かせません。「Facebook ショップ」は、スモールビジネスからグローバルブランドまで、ありとあらゆる企業がFacebook/Instagramのアプリ内で顧客と繋がることを可能にします。

Facebook公式発表内動画

・作成は無料で、手続きはシンプル。

・Facebook ショップに載せたい商品をカタログから選んで掲載、カバー画像や色のトーンを変更することでショップの見た目(デザイン)もカスタマイズ可能。

・すでにFacebookページショップやInstagramのショッピング機能を利用しているビジネスは自動的にショップに移行し、メールやアプリ内の通知を受け取り次第、コマースマネージャを通じてショップの外観をカスタマイズしたり、商品を整理してコレクションを作成したりできるようになる。(但し、使用にあたっての各種条件を満たしており、Facebook社による審査で承認される必要あり)

・FacebookページやInstagramのプロフィールからだけでなく、ストーリーズや広告からもアクセス可能に。

・US内でローンチされている「Checkout(決済機能)」(※)を利用していれば、アプリ内で注文から決済まで全て完結可能。

・リアル店舗にいるのと同じように、ユーザーはWhatsAppやMessenger、Instagramダイレクトメッセージからお店にダイレクトに質問ができる。

・将来的にはそのようなダイレクトのチャット内から注文も可能に。

Instagram ショップは、商品やブランドを発見する新たな場所に

2020年6月にアメリカから、7月30日以降は日本も含むさまざまな地域でInstagram ショップを順次開始、「発見タブ」を通じ、ユーザーがお気に入りの商品を見つけ、購入できる新たな場所を提供します。
日本国内での提供開始についての公式発表はこちら:
Instagram、ショッピング体験を充実させる新機能「Instagramショップ」を発見タブに導入

・「beauty」「home」などのカテゴリでフィルター、お気に入りのブランドやクリエイターのものを一つの場所で購入できるようになる。

・今年の後半には、ナビゲーションバーに「shop tab」を追加、インスタグラム内でワンタップでInstagram ショップにアクセスできるように。

ライブコマース機能も充実

・ライブ配信前に、Facebook ショップやカタログに関連商品をタグ付できるように。それによりライブ配信中、動画の下部に該当商品を表示できるようになり、ユーザーはより簡単に商品情報をチェックしたりそのまま購入することが可能になる。

・FacebookおよびInstagramで本テストを開始予定で、数か月の間により広く展開を開始する予定。

ロイヤリティプログラムをFacebookアカウントにも繋げる

・企業のロイヤリティプログラム(ポイントプログラムなど)をFacebookアカウントに繋げることを可能にするテストを開始する。

・それによって、ユーザーは自身のポイント等を管理しやすくなる。

・スモールビジネスがFacebook ショップを通じてロイヤリティプログラムを持ち、管理できる方法を検討している。

パートナーシップ

・Shopify、BigCommerceなど複数のパートナーと連携し、スモールビジネスをサポートしていく。

AI / AR技術を駆使、ショッピング体験を豊かに

Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、自身のFacebookにて、「AIやARの技術を駆使し、より豊かな買い物体験を提供していく」と語っています。

・フィード内の商品を自動で画像認識しタグ付することで、ユーザーが気に入ったものをすぐに購入が出来るように

・スモールビジネスでも、ECショップのトップページを訪れる人の好みにあわせて自動でパーソナライズして提供できるように

・サングラスやリップスティック、コスメなどをバーチャルで試すことができるように

まとめ

日本でも現在コロナショックに伴い、オンライン化・EC化が急速に進んでいると、さまざまなメディアで報道されています。

新型コロナのEC影響、緊急事態宣言の全国拡大で注文数50%増も(通販通信、2020年5月11日)

新型コロナウイルスが楽天・Amazon・Yahooショッピングでの購買活動に与えた影響(ECCLab、2020年5月8日)

「2019年1月~3月と2020年1月~3月を対象とした、「3大ECモール合計の月次売上昨対比」を見ていこう。例年2月は1月より売上が少ない傾向にあるが、2020年は2月が1月の売上を上回っている。また、昨対比は1月107%、2月113%、3月114%と月を追うごとに増加している。」

BASE、ネットショップ開設数が100万突破 3月下旬以降、実店舗や観光関連業でのEC開設相次ぐ(ECZine、2020年5月16日)

このような状況を踏まえると、ユーザーが毎日のようにアクティブにアクセスしているInstagram/Facebook内に無料で簡単にEC Shopが構築でき、かつさまざまな手段で魅力的に、かつシームレスにユーザーにリーチできる本機能は、スモールビジネスへの救世主となるかもしれません。今後の機能解放や、新たな発表にも注目していきたいと思います。