写真や動画の投稿だけではなく、Instagramライブやショップ機能など様々な用途で使用されているプラットフォームであるInstagram。
そんなInstagramの2022年上半期に行われた新機能リリース&アップデートについてまとめました。
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若年層が安全に利用できるプラットフォーム作りの強化
若年層でもSNSが気軽に利用できるようになっている今、トラブルを未然に防ぎ安全なプラットフォームを作ることはメディアに課せられた責務。
Instagramでも若年層を意識した健全なプラットフォーム作りの強化に取り組んでいます。
セーファーインターネットデーで公開「リールで知ろう!インスタANZENヒント」
今年2月、オンラインの安全に関する教育・啓発活動が世界中で展開されるセーファーインターネットデー(Safer Internet Day)に合わせてInstagramが発表したのは「リールで知ろう!インスタANZENヒント」です。
この取り組みは、若年層に人気のあるクリエイター5名がInstagramを安全に使うためのヒントについてリール動画を投稿するというもの。2020年3月から継続しているプロジェクト「#インスタANZENカイギ」の一環で、嫌がらせコメントを防ぐ非表示ワード機能や、相手をブロックせずにDMなどのやりとりを制限できる機能など、若年層が巻き込まれがちなSNS上のトラブルに対処するための機能について紹介しています。
ペアレンタルコントロール機能の強化
Instagramは若年層のユーザー同様に、若年層ユーザーの保護者に対しても子供に安全に使わせることができるプラットフォームになるよう務めています。
そのひとつとして強化されているのが「ペアレンタルコントロール機能」です。
Instagramのペアレンタルコントロール機能は、保護者から10代のユーザーに対してペアレンタルコントロールツールへの招待を行う、もしくは子供から保護者に招待を送ることで利用できます。この機能を使うことで、
- 具体的な時間を設定してInstagramの利用を制限
- 子供がアカウントや投稿への報告を行なった場合に内容を把握し、子供がトラブルに巻き込まれる可能性や現状を把握する
といったことが可能になります。
また、ペアレンタルコントロール機能の利用を管理する「ファミリーセンター」ではペアレンタルコントロール機能の利用の仕方を紹介するチュートリアル動画や専門家からの知識共有なども行われ、保護者と10代のユーザーが安心してInstagramを利用できる環境を整えています。
ユーザーの快適なInstagram利用を助ける機能のリリース
Instagramがもつ機能が増え利用目的や利用ユーザーの意識が多様化するなかで、自分とは合わないコンテンツ、必要のない情報も増えてきます。
Instagramは「大切な人や大好きなものとあなを近づける」というミッションを掲げていますので、こうしたInstagramでのユーザーのストレスを軽減することにも力を入れています。
不適切なコンテンツをコントロールする機能の強化
Instagramでは昨年、発見タブに置ける不適切なコンテンツ(おすすめに関するガイドラインに違反するコンテンツ)の表示をコントロールするアップデートを行いました。そしてこの6月にはこの機能を検索やリールなどおすすめのコンテンツ(フォローしているアカウント以外の投稿)が表示される全部の配信面で利用できるようになりました。
このコントロールには「表示を増やす」「通常の表示」「表示を減らす」という3つのオプションがあり、表示される不適切なコンテンツの量を管理することができます。また、18歳以下のユーザーは「表示を増やす」を選択できないなど若年層ユーザーへの配慮もされています。
フィードに表示されるコンテンツを管理する「お気に入り」機能と「フォロー中」機能
Instagramフィードに表示されるコンテンツは「お気に入り」機能と「フォロー中」機能を利用することでコントロールすることができるようになりました。
「お気に入り」機能を使うと、そのユーザーのフィードにはお気に入りリストに追加したアカウントの最新投稿が表示されるようになります。フォローしているアカウントが多く、好きなクリエイターや親しい人からの投稿を見逃してしまうというユーザーはこの機能を利用することでお気に入りの投稿をしっかり確認することができます。
一方「フォロー中」機能では、ユーザーがフォローしているアカウントからの最新投稿が表示されます。
この切り替えはアプリ画面トップのInstagramの文字をタップすると選ぶことができ、ユーザーの快適なコンテンツ閲覧を助けています。
広告トピックの管理機能に関するアップデート
また、表示される広告についても、ユーザーが細かく設定できるようにアップデートが加えられました。
そもそもInstagramのAIはユーザーのInstagram上での行動でそのユーザーの興味関心トピックを判別し、トピックに振り分けています。広告主は広告配信時にこのトピックを選ぶことで、自分達の広告に興味をもってくれそうなユーザーに対して広告を配信することができるのです。
Instagram広告の出し方はこちらの記事で詳しく解説しています!
▶【2022年版】Instagram広告完全ガイド!初心者でもわかる広告の出し方を徹底解説
今回のアップデートでは、ユーザーは自らがどの広告トピックに振り分けられているのかを確認し、さらにそのトピックでターゲティングされた広告に対して「表示を減らす」選択ができるようになりました。この設定を行うことで、ユーザーは興味のない、見たくない広告の表示頻度を下げ、より快適な広告体験を得ることができます。
同時に、広告トピックの「検索」では、広告配信に利用されるトピックの検索することができ、ユーザーは検索してヒットしたトピックについても「表示を減らす」選択が可能です。 さらに、今後は「表示を増やす」という選択ができるような開発も予定されており、Instagram上の適切な広告体験を促す取り組みは継続していく見込みです。
メッセージ機能を快適に使うためのアップデート
Instagramはコンテンツの閲覧やシェアだけでなく、コミュニケーションツールとしても利用されています。Instagramのメッセージ機能に今回追加された新機能は、ユーザーが快適にこの機能を使い、コミュニケーションをスムーズに行うことができるようにするものです。
- 閲覧しながら返信:フィードの閲覧中に新しいメッセージが届いた場合、閲覧を中断することなくメッセージ返信ができるアップデート。
- 友達にすばやく送信:Instagramでみつけた興味深い・面白いコンテンツについて、シェアボタンを長押しすることで親しい友達にその場ですぐシェアできるアップデート。
- オンラインの友達を確認:受信箱の一番上には今チャットできるオンライン状態の友達が表示されるようになるアップデート。
- 曲を再生、一時停止、リプレイする:各種音楽配信サービスと連携し、曲のプレビューを30秒間シェアできる新機能
- 通知なしにメッセージを送信:「@silent」をつけてメッセージを送信すると、相手に通知が届かなくなるアップデート
- 友達グループのアンケート機能:Instagramのグループチャット内でアンケートをとることができる新機能
ビジネス・クリエイターのチャンスを広げるアップデート
一般ユーザーの快適なInstagram利用を実現しながら、ビジネスやクリエイターアカウントがユーザーとつながりチャンスを広げるためのアップデートも行われています。
お気に入りの投稿をプロフィール画面に固定
アカウントのフォロワーを増やすためには魅力的なプロフィール作りが欠かせません。6月に行われたアップデートでは、プロフィールをより充実させるためにお気に入りの投稿をトップに固定することが可能となりました。
Instagramのプロフィールの書き方をおさらい
▶Instagram(インスタグラム)の魅力的なプロフィールの書き方とは?企業公式アカウントのためのポイント解説
Instagramのプロフィールを閲覧するユーザーの3分の2はフォロワー外からと言われているように、プロフィールはユーザーがそのアカウントがどんなアカウントかを判断する重要な要素です。このアカウントがどんな投稿を行なっているのか、どんな情報を発信しているのかが伝わる投稿をピックアップしてプロフィールに固定すれば、プロフィールを見に来たユーザーにアカウントの魅力を的確に伝え、効率よくフォローを促すことが可能になります。
ライブ配信におけるモデレーターの設定が可能に
ビジネス、クリエイターともにInstagramのライブ配信を活用したフォロワーとのコミュニケーションに取り組むアカウントが増える一方で、悪質なコメントなど荒らし行為が見られるケースもあります。
この対策のために行われた今回のアップデートでは、ライブ配信を行うアカウントは自分のライブ視聴者の中からモデレーターを選べるようになりました。
モデレーターには以下の権限が与えられます。
- ライブ配信中の悪質なコメントの報告
- 特定の視聴者のコメントのオフ
- 荒らし行為などを行なっている視聴者を配信から外す
モデレーターを設定することによって、ライブ配信者自体は自分の配信に集中しつつ、安心してライブ配信を行うことが可能です。また、ライブ視聴者は誰がモデレーターなのかは表示されることがないので、モデレーターにとっても安全な機能となっています。
ライブ配信後には、モデレーターの対応をまとめたレポートを閲覧することもでき、必要に応じたさらなる対策を講じることもできます。
リールのタグ付け時にクリエイターのカテゴリを表示
クリエイターやビジネスがコラボしてひとつのリール動画を制作した場合、制作に携わったアカウントを動画にタグ付けすることもあります。
新しい機能では、タグ付けと同時にそのクリエイターのカテゴリ(例:ダンサー、写真家、メイクアップアーティストなど)を表示することができます。タグつけされたアカウントが動画の制作過程においてどのような役割を担ったかをわかりやすく伝えると同時に、動画をみたユーザーが新しいクリエイターと出会うことも可能となります。
Instagramリールで使える新しい機能の追加やアップデート
Instagramリールをより使いやすくするための新しい機能追加やアップデートも順次実施予定です。
- テンプレート:他のユーザーが投稿した既存のリール動画をテンプレートとして利用し、簡単に動画を作成できる機能(5月に実装済み)
- サウンドエフェクト:ドラムやエアホーン、コオロギなどユニークなサウンドエフェクト(効果音)を動画に加えることができる機能
- 自分の動画から音だけを取り込む:カメラロールにある自分の動画から音源や音声だけを取り込み、リールの動画に利用できる機能
- インタラクティブなスタンプ:アンケートやクイズなど動画を見たユーザーと双方向的なコミュニケーションができるスタンプ機能
- 動画の尺の延長:リールとして投稿できる動画の尺がこれまでの最長60秒から90秒に延長され、リール動画で表現できる内容の自由度が向上。
2022年下半期・Instagramを上手に活用するためのポイント
こうしたInstagramのアップデートを踏まえた2022年下半期にInstagramを上手に活用するためのポイントは、以下の通りです。
ポイント①誰に情報を届けたいのかを改めて明確に
Instagramのアルゴリズムは、各ユーザーのInstagram上の行動をもとに「そのユーザーが好みそうなコンテンツ」「関係がありそうなユーザーからの投稿」を優先して表示させています。
Instagramのアルゴリズムを理解したい方におすすめの記事はこちら
▶Instagramのアルゴリズムとは?アルゴリズムを攻略して効率的なアカウント運用を行うポイントを解説【事例あり】
この上半期に加えられたアップデートでも表示される広告のコントロール機能や「お気に入り」機能のリリースに見られるように、ユーザーが「好ましいと思うコンテンツが適切に表示される」ための取り組みが行われており、パーソナライズ化の流れはますます加速していくとみられます。
そのため、どんな趣味や好みを持った人に届けたいのかが曖昧な投稿やメッセージを行なっていてはせっかくの投稿もユーザーに届きにくくなってしまいます。
改めて、自社のアカウントがどういった人をターゲットにしているのかを明確にしていくことが大切なのです。
ポイント②自分ごと化してもらう
またユーザーが「自分に関係のある」「パーソナライズされている」体験をすることが増えていけば自ずと自分ごと化されない投稿の印象は薄くなっていきます。
発信するコンテンツを作る際はユーザーに「自分に向けた情報である」「自分と関わりのあるコンテンツ」であると思わせる工夫が必要です。
例えばイベントや行事といった季節性のあるネタに基づいた情報発信を行うこともおすすめ。そのほか生活者視点のリアルなクチコミであるUGCを活用したコンテンツは、自分ごと化されやすい特徴があります。
クチコミを活用したマーケティングを成功させるためには?
▶クチコミマーケティングとは?最新の種類と成功ポイントを解説【2022年最新ガイド】
ポイント③Instagramリールに取り組んでみよう!
この上半期はInstagramリールのアップデートも目立ち、ユーザーがリールを積極的に活用するようになりInstagramもリール機能を重視していることがうかがえます。
Instagramリールは、フォローしているアカウント以外の投稿もおすすめ表示されるため、新しいユーザーと出会い接点をつくるきっかけ作りには効果的です。
リール動画を簡単に作るための機能も充実してきましたので、Instagramリールを効果的に取り入れてInstagram運用を充実させましょう。
いかがでしたか?今回は2022年上半期・Instagram新機能&アップデートについてまとめてご紹介しました。ぜひ今後のInstagram活用にご参考ください。