新型コロナウイルスの感染拡大により人々の生活様式や消費行動が大きく変化する中、企業の販促・プロモーション活動も大きくアップデートする必要に迫られています。各社はこの激動の変化の時代を、どのように乗り越えようとしているのでしょうか?
今回は、コロナ禍中にリニューアルした「湖池屋プライドポテト」が大ヒット中、話題の株式会社湖池屋 広報部 堀崎 知穂氏にインタビュー。
「湖池屋プライドポテト」のプロモーション施策や、コロナ禍による同社の販促・プロモーション戦略の変化、今後力を入れていく施策について詳しくお聞きしました。
※本記事は2021年3月16日(火)にアライドアーキテクツ株式会社が開催したセミナー「デジタル販促×SNS最前線#2 withコロナ時代の2021年にリテール・メーカーが挑戦するSNSを活用したデジタル販促戦略とは?」の内容を編集したものです。
コロナ禍の生活者に寄り添うメッセージで商品をPR
-2020年、新型コロナウイルスの影響で湖池屋の販売促進施策にはどのような変化がありましたか?
新型コロナウイルスの影響で世界が大きく変わる中、湖池屋でもお客様にどのような変化があったのかを把握するためにアンケートを行いました。
その結果、コロナ前は小腹を満たしたい時や口寂しい時にスナック菓子を選ばれる傾向にあった一方で、コロナ後は「在宅率が多くなることによるストレス解消」や、「リラックス・気分転換したい時」にスナック菓子が選ばれるようになったことが分かりました。
2020年は、このようなお客様の変化も参考としながら商品の発売やリニューアルを行ったことが大きな変化です。
例えば、リニューアルした「湖池屋プライドポテト」は自分へのごほうびとして、同じくリニューアルした「じゃがいも心地」はおうちでゆっくりと過ごすくつろぎタイムのお供として選んでいただけるように、販売促進活動を行いました。
-コロナ禍による生活者の変化を受けて、湖池屋では具体的にどのような販促施策を行いましたか?
スーパーやコンビニへの来店頻度が減り、事前に商品に関する情報を集めてから店頭で買い物をするお客様が増えていましたので、まずはSNSやWEB上で商品を知っていただく機会を作ることが重要だと考えました。
そこで私たちが力を入れて取り組んでいるのが、Twitterのフォロー&リツイートキャンペーンです。湖池屋では毎週月曜日に新商品を発売しておりますが、そのタイミングで露出を高められるように、さまざまな企画を考え実施してきました。
例えば、こちらは「じゃがいも心地」のTwitterキャンペーンです。「おうちでのくつろぎタイムに、じゃがいも心地をお召し上がりいただきたい」という想いを込めて、おうちでのリラックスタイムにお使いいただけるルームウェアと「じゃがいも心地」をセットにしてプレゼントしました。
✨🌈🦄
— コイケヤ【公式】 (@koikeya_cp) September 30, 2020
じゃがいも心地で、いきましょう!
ほっこりほくほく夢心地🌛+.゚
プレゼントキャンペーン
🦄🌈✨
1.@koikeya_cp をフォロー
2.これをRT(10/6迄)
3.応募完了
大人可愛いルームウェアを着て、じゃがいも心地を食べる。素敵リラックスタイムをお過ごしください♪#湖池屋 #ジェニファーパメラ pic.twitter.com/DFfrvGgEjY
「HASHED POTATO(ハッシュドポテト)」という商品のTwitterキャンペーンは、「テレワーク萎えのお供に」というテーマで打ちだしました。
コロナ禍によりテレワークが推進される中、最初は「家でお仕事いいね!」という方が多かった一方で、徐々に腰痛・頭痛などの身体的な問題が出てきたり、お子さんが保育園に行けずに家にいてなかなか仕事にならなかったり…「テレワーク疲れ」という声も聞こえるようになってきました。
そこで私たちは「テレワーク萎え」という造語を作り、テレワーク中にも食べやすい「HASHED POTATO」をお召し上がりいただきたいという想いを込めて実施したのがこちらのキャンペーンです。ユニークな絵も交え、生活者に寄り添うメッセージが伝わるように心がけました。
~テレワーク萎えのおともに~
— コイケヤ【公式】 (@koikeya_cp) September 7, 2020
こんな時はハッシュ時!?
ハッシュドポテトでスマートリセットキャンペーン✨
\フォロー&RTで応募!/
HASHED POTATO 1箱を10名さまに🎁
みなさんのテレワーク萎えエピソードもあれば、ぜひ教えてください(。・ω・。) #テレワーク萎え #こんな時はハッシュ時 pic.twitter.com/gEms7W1vvP
「湖池屋STRONG(ストロング)」という商品のTwitterキャンペーンは、「大人解放ポテトチップス」というメッセージで打ち出したところ、約7万リツイートと大きな反響をいただき、過去最高のキャンペーン応募数を記録しました。
新・湖池屋STRONG誕生‼
— コイケヤ【公式】 (@koikeya_cp) March 8, 2021
■■■3箱まるごと■■■
プレゼントキャンペーン
☑フォロー&RTでご応募🎁
→3/14まで
心を解放する力強い味わい!
新定番「黒胡椒レモンチキン」、サワークリームオニオン、鬼コンソメの3箱(計36袋‼)お届けします。 pic.twitter.com/ydmP24jTOw
このような企画の際に心がけているのは、お客様にいかに自分ごととして捉えていただけるメッセージにできるかです。企業が「これを発売しました」とだけ伝えても響きませんので、きちんとお客様に寄り添ったPRをすることが重要だと考えています。
メインのSNS公式アカウントはTwitter、お客様とのコミュニケーションを重視
ーSNSアカウントの運営体制を教えてください。
私たち湖池屋のメインのSNS公式アカウントはTwitterのコイケヤ【公式】アカウントです。ブランドごとにアカウントを持つのではなく、コイケヤ【公式】として単体のアカウントで運営を行っています。他にも、ムッシュ・コイケヤというコイケヤポテトチップスの公式キャラクターのTwitterアカウントもありますが、メインはコイケヤ【公式】アカウントになります。
Twitter公式アカウントは土日祝日を除き、ほぼ毎日投稿しており、お客様が求める情報をいち早く正確にお届けできるようにしています。商品に関するテレビ放送があればリアルタイム実況も行いますし、お客様と一緒に会話を楽しめるアカウントにすることを心がけています。
他にはFacebook公式アカウントと、湖池屋オンラインショップの会員様に向けたLINE公式アカウントも運営中です。
FacebookはTwitterに比べると高価格帯の商品やこだわりの強い商品に反響があります。現在は週2~3回の頻度で投稿しています。
CMの受け皿としてTwitterキャンペーンを実施
ー湖池屋の販売促進施策において、SNSマーケティングをどのように位置づけていますか?
今の生活者は、何か気になるものがある時に、すぐにSNS上でその情報を検索する習慣があると感じています。よって、まずはSNS上で露出を増やし、情報が検索されたときにしっかりとそれに応えられる状態を作っておくことが大事だと考えています。
例えば、今年の2月にリニューアル発売した「湖池屋プライドポテト」に関しても、テレビCM放映のタイミングでSNS上での露出を最大限にするために、Twitterキャンペーンツール「echoes」を活用し、Twitter上でインスタントウィン形式のキャンペーンを実施しました。
これにより、女優の永野芽郁さんが出演、一度聞いたら忘れられないクセになるリズムのCMをきっかけに商品を知っていただいた方が「プライドポテト」とTwitterで調べたときに、キャンペーン参加を通じてより商品のことを知っていただける状態を作りました。
\その場で当たる🎯/
— コイケヤ【公式】 (@koikeya_cp) February 1, 2021
おいしいがとんでもない。
新!湖池屋プライドポテト
プレゼントキャンペーン 🎊
1.@koikeya_cp をフォロー
2.本ツイートを2/2 11:59 までにRT
3.結果が自動返信で届く
200名様に新プライドポテト6袋セットを🎁✨#湖池屋
規約:https://t.co/MJPgZzKASn pic.twitter.com/BxqreS4D7Y
このキャンペーンは、テレビCMをきっかけにキャンペーンを知った方がその場で気軽に参加いただけるように、当たり外れがその場で分かるインスタントウィン形式で行いました。また、当落の結果はTwitter上ではなく、湖池屋のウェブサイトに遷移して発表し、さらに別のキャンペーンへの応募を促すことで、プライドポテトのことをより深く知っていただけるように工夫しました。その結果、総リツイート数・総参加者数共に、(その時点における)湖池屋Twitterキャンペーンの最高値を更新、ウェブキャンペーンも最大の参加応募数を記録することができました。
おかげ様で、リニューアルしたプライドポテトは、コロナ禍中の「ごほうび」というコンセプト、印象的なCM、そして設計を工夫したTwitterキャンペーンの相乗効果で大きな反響をいただき、当社の大ヒット商品となりました。
これからもお客様に寄り添った商品作り・企画設計を
-これからの展望を教えてください。
SNS公式アカウントの運営担当として日々感じているのは、SNSは本当にお客様の生の声が聞こえる場所だなということです。
コロナ禍により、私たちの生活は大きく変化しています。これからも、そうした変化を含めてしっかりとお客様の声を聞き、社内にも伝えることで、お客様に寄り添った商品やキャンペーン企画を作っていきたいと考えています。