新型コロナウイルス感染症の影響を受け、店頭に買い物に行く回数や店頭での滞在時間の減少、計画購買ニーズの増加など、消費者の行動は大きく変化しました。また、店頭でのサンプル品の提供やチラシの配布など、従来有効であった販促手法も難しくなっており、小売・流通やメーカーによる集客・販促手法にも新しい生活様式への対応が求められています。

そのような中、「LINE」は、2020年10月15日に中堅・中堅企業向けにイベント「LINE SMB DAY」を開催、新生活様式に対応するさまざまな機能・サービスや事例を紹介しました。

今回の記事では、本イベントの中から「小売・流通/メーカー」が活用できるLINEデジタル販促ソリューションの内容と、現在LINEを活用して集客の効果を上げているドラッグストアの事例をご紹介します!

小売・流通/メーカー企業が押さえておくべき「LINE」のデジタル販促ソリューション

LINE公式アカウントは、多くの企業の集客に利用されているサービスです。2020年9月時点でLINE公式アカウントのアクティブアカウント数(月に1度以上機能を利用している認証済みアカウント)は24万にものぼり、その内の16%がショッピング・小売店のアカウントです。

今回の「LINE SMB DAY」では、小売店・メーカー向けの複数のデジタル販促ソリューションが紹介されました。

1.LINE POP Media、店内での販促に有効(2020年9月~トライアル提供開始)

「LINE POP Media」は、LINE Beaconを活用し、店内でLINEを開いているユーザーにおすすめの商品情報やクーポンなどを配信できるソリューションです。コロナ禍により店頭でのチラシの配布や、人手不足により店頭POP掲示が難しい…などの場合でも、店内のユーザーに確実に情報を届けることができます。今後、皆に同じ情報を届けるだけではなく、ユーザーに「1 to 1」で欲しい情報を送れる仕組みも準備中です。

また、LINE POP Mediaの特徴は、お店の外にいてもユーザーと繋がりつづけられることです。店内にいるときに顧客が通知に気づかなくても、家に帰った時にLINEを開いてもらうことで、次回の来店のきっかけを作ることが可能です。

2.LINEで応募、誰でも気軽に参加できるキャンペーンソリューション

「LINEで応募」は、 LINEが抱える8,600万(2020年9月時点)のユーザーの誰もが気軽に応募ができるキャンペーンを開催できるソリューションです。LINEチラシやLINE公式アカウントなどから告知したり、店内においてLINE POP Mediaを通じてリマインド通知を送ることで参加を促進します。従来は「LINEセールスプロモーション」として提供していたサービスが、この度、よりユーザーが利用しやすい「LINEで応募」に改変されました。

応募方法も、対象の商品を購入しそのレシートを活用して応募するもの、シリアル番号を入力するもの、シールを集めて応募するもの、LINE Payの決済と連動したものなど、さまざまな形式を用意していく予定です。

「LINEで応募」の特徴は、ユーザーが店舗にいない時でも繋がりつづけられること、コミュニケーションを取りつづけられることです。

例えば、キャンペーンに参加した後に「キャンペーンの有効期限が迫っている」旨のリマインド通知などができるようになります。また、ユーザーはLINE内で自分が参加中のキャンペーン一覧を参照できるようになるため、ユーザーが「応募したけどクーポンを使い忘れてしまった」といった状況を防ぐこともできます。

「LINEで応募」は、コロナ禍により実店舗での顧客の滞在時間が短くなったり、クーポンなどの販促物を受け取ってもらいにくくなったりしている今、有効に機能するデジタル販促ソリューションとして、今後全国のコンビニ、スーパー、ドラッグストアなどで展開を開始していく予定です。

3.LINEチラシ、開始1年で1,200万ユーザーを突破!

「LINEチラシ」は、これまでオフラインでの配布が中心だったチラシやDM(ダイレクトメール)を、ユーザーの興味関心や生活エリアに合わせ、パーソナライズされた状態で情報を配信するデジタルチラシサービスです。

2019年10月のサービス開始から1周年を迎えた現在、ユーザー数(「LINEチラシ」LINE公式アカウントの友だち数)が1200万ユーザーを突破。コロナ禍によるユーザーの計画購買ニーズ(予め買うものを計画してからお店に向かうこと)の高まりも背景に、2020年8月時点のPV数は3月比で340%に増加しています。

「LINEチラシ」は、ユーザーがLINEチラシで店舗ページを「お気に入り登録」すると、その企業のLINE公式アカウントの友だち登録されることが特徴です。友だちに登録されれば、その後LINE公式アカウントを通じてプッシュのメッセージが配信できるようになります。

さらに、最近追加された新機能「今日のチラシ」にも注目です。「今日のチラシ」は、毎日のお買い物の前にプッシュ通知でいつものお店のチラシを届けられる機能であり、これによりユーザーはお得な情報を逃さずに買い物しやすくなります。

このようなLINEの各種ソリューションを活用することで、店外・店内、購買後~再来店に至るまで、一貫して販売促進につなげることができます。また、今までの性別や年齢などの「属性ターゲティング」だけでなく、例えばユーザーがお店に行こうとしているタイミング、お店で何かを買おうとしているタイミングなど、ユーザー毎の「状況ターゲティング」が可能になります。

事例紹介:ドラッグストア「ウエルシア薬局」が推進する、LINEを活用したデジタル販促

セッション2「集客・購買・囲い込みまで。LINEで実現する“小売店向け”デジタル販促」では、調剤併設型ドラッグストアを展開するウエルシア薬局株式会社 商品本部 販促企画部長 清田明信氏が登場、同社が実践しているLINEを活用した販促施策が紹介されました。

・従来の折込チラシ等を中心としたアナログ販促から、デジタル販促へシフト中

ウエルシア薬局では、従来の折込チラシ等を中心とした「アナログ販促」から「デジタル販促」へシフトしており、2020年ついにデジタル販促がアナログ販促を上回りました。清田氏は、「今後さらにこの割合が開いていく可能性がある」と説明しました。

・LINE公式アカウントを「マスメディア」代わりに活用、LINEプロモーションスタンプも導入して認知拡大

ウエルシア薬局は、LINE公式アカウントをたくさんのユーザーに情報を届ける「マスメディア」のような存在として位置付けています。LINEプロモーションスタンプも導入し、認知拡大につなげており、現在の友だち数は800万人にのぼります。

毎月末の金・土・日曜日に「LINE公式アカウント」と「自社アプリ」で「1品10%引きクーポン」の配信を行っており、それによりLINEの友だち登録数が増えるだけでなく、自社アプリのダウンロード数も増える成果をあげています。

・LINEチラシを活用、月間400万PVを超える強力な媒体に

当初なかなかLINEチラシのお気に入り数が伸びずに苦労したものの、トーク画面で告知するなど様々な場所での露出や、キャンペーンなどを通じて「LINEチラシ」の存在をより知らせることで、現在は月間400万PVを超える強力な媒体になってきたそうです。

現在は、従来からの折込チラシを置き換えた「全体チラシ」を月に2回出しており、その間にも、商品部が選んだ良い商品だけをセレクトした「ミニチラシ」も毎週配信しています。

清田氏は、「折込チラシから比較するとまだ規模感は小さいが、LINEチラシの費用対効果はとても良く、若年層向けへのリーチも見込める。今後も折込チラシと上手くすみ分けしながら活用していきたい。また、全体配信だけでなく、1 to 1で必要な人に必要なチラシが届くような仕組みに期待したい」と語りました。

以上、今回の記事では「LINE SMB DAY」から、「小売・流通/メーカー向け」のLINEデジタル販促ソリューションの内容と、現在LINEを活用して集客の効果を上げているドラッグストアの事例をご紹介しました。コロナ禍により消費活動が大きく変化する中、企業の販促施策にも新たな対応が求められています。LINEの各種ソリューションも、その一つのツールとして検討してみてはいかがでしょうか?

4,000名に「ニューノーマル時代の消費行動」を聞いたアンケート調査結果をまとめました!食品・日用品、外食、ファッション・美容商品など、さまざまな買い物シーンにおけるコロナ前後の変化を分析しています。調査結果は、以下よりダウンロードいただけます。