Facebookページを開設してどのくらい経ちましたか? 初めに設定した目標に対する進捗度はどのくらいですか? そしてこれから、Facebookページをどのように進化させていきますか?



こんにちは、SMMLabの藤田です。
Facebookページを始めるにあたっては、「いいね!」ファン数1万人とかエンゲージメント率○%といった具体的な数値を目標にすることが多いと思いますが、その目標を達成した後、次は何を目指しますか?
今回は、Facebookページの成熟度をチェックし、現状からさらに進化させるためにはどうしたらよいかを考えてみたいと思います。


 
実際に運用してみると、Facebookページの成長には段階があることが分かると思います。「いつまでに」という成長のスピードや、「こうなったら」といった段階の目安は、各企業の目的や予算、運用方法によりますが、Facebookページの成長度によって、マーケティングへの活用法が異なることを念頭に置いておくべきです。そして、自社のFacebookページが今どの段階なのか、次に目指すのはどのような状態なのか、今設定している目標は正しいのかを定期的に検証してみましょう。
 

Facebookページの成熟度

 

 
「Facebookページの成熟度」をファンとの関係に重点を置いて考えると、Level1新規ファンを獲得するフェーズ⇒Level2獲得したファンとの関係性を維持するフェーズ⇒Level3ファンを自社のサポーターに育成するフェーズと定義することが出来ます。現在日本のFacebookページはこのLevel3の段階のものが多く、そこから先を模索しているという企業が多いのではないでしょうか?
「1万いいね!を目標にしていたが、集まってくれた人が「ファン」と呼べるのか分からない」
「ファンからの反応が少ない」
「いいね!をしてくれたファンがFacebookページに再訪してくれない」
「ファンを集めて何をしたら良いか分からない」
Facebookページが安定運用出来るようになると、こうした不安や疑問を感じることも少なくないでしょう。Facebookページが目指すべきLevel4は「ファンとの関係性を深め、協力して新しい価値を創り出す段階」です。そのためにはFacebookページを企業と消費者がつながるだけの場ではなく、企業に関心を持って集まってきたファン同士がつながる場=コミュニティに進化させていく必要があるのです。Facebookページをコミュニティ化するにはどうしたらいいか? 5つのキーワードから考えてみましょう。
 
 

Facebookページを「コミュニティ」として進化させるための5つのC

 

Concern【巻き込む】

Facebookページをコミュニティ化する出発点は、人がそこに参加したいと思うきっかけをつくることです。
投稿への「いいね!」は増えたけれど、コメントがつかない、シェアされないというのは、Facebookページにファンが関わり合いたくなるようなコンテンツが少ないのではないでしょうか? 同じような情報ばかりが繰り返し配信、記載されるだけのページだと、多くのファンは興味を失ってしまうことでしょう。企業が発信する情報への反応も徐々に薄れていくはずです。
そこで、ファンがもっと参加したくなるコンテンツの提供を心がけましょう。クエスチョンでもいいですし、アンケートや人気投票、コンテストなど、気軽なアクションを誘発するコンテンツを提供することで、Facebookページにファンを巻き込んで、一緒に楽しむ場所であると印象づけましょう。
 

Co-Experience【体験共有】

ファンの参加をさらに増やそうとするなら、ファンに「参加する価値」を見いだしてもらうことです。まずは、発売前に自分「だけ」がすでにサンプルを手にしている、自分も開発プロセスに携わった新商品が発売される等、人に思わず言いたくなるような要素を積極的に提供しましょう。
例えば、ファン限定でライブ動画を配信したり、ファンの関心の高いテーマでウェブセミナーを開催するなど、ネット上でファン同士が一緒に楽しめる体験の機会を提供し、その感想をFacebookページで共有してみましょう。時間と場所を共有し一緒に体験することで、ファン同士の「共感」を感じてもらうことが出来るはずです。そして、ファンが体験したブランドや商品にまつわるストーリーを他の友人にも共有しやすくしましょう。
 

Connect【繋げる】

Facebookページが「同じ興味・関心を持った人たちが集まっている場所であり、参加して楽しむことが出来る」という認知が広がり、ファンがお互いの存在を認め合うようになったら、次はファン同士を互いに結びつけましょう。つながりを強く意識してもらうにはリアルでのイベントやセミナーで体験を共有することです。リアルな場で繋がることで参加者には「仲間意識」が芽生え、コミュニティの一員であると感じてもらえるようになるでしょう。共通した話題で他の人と強いつながりを感じたら、自然とブランド全体とも強いつながりを感じるようになるはずです。
Facebookページの「同質性の密度」を高めることで、コミュニティには参加する意義と価値が生まれます。そして企業がこうしたファンのネットワーク作りを積極的に助ければ、メンバーの参加がさらに加速され、企業に支援を受けていることを実感できるようになります。
 

Co-Creation 【共創】

企業とファンだけでなくファン同士も繋がり「コミュニティ」となったFacebookページでは、能動的に参加・貢献してくれるファンのモチベーションを高め、維持するための取り組みを用意しましょう。
例えば、新製品の開発プロジェクトを実施するとします。その時、製品の仕様や特徴に関するアイディアや意見、ディスカッションの様子は全てFacebookページで公開しましょう。他社製品との違いや製品の利点などを合せて検討してもらうなどすれば、消費者視点での商品の差別化が出来るのではないでしょうか。寄せられたアイディアは他のメディアやチャネルでも積極的に共有し、コメントや評価、投票などを募ることでファンとそうでない消費者の嗜好の違いも調査出来ます。
新製品の開発をファンを中心とした消費者の手にゆだねることで、ファンは自身のアイデアや意見が他の消費者にどのように評価されるか、最終的にどのように商品化されるかといった流れを、「自分ごと」として考えながら参加することが出来、着実にロイヤリティが醸成されることでしょう。
また、企業は製品開発の全ての行程でファンに協力してもらうことで、設計や開発のコストが抑えられるだけでなく、製品プロモーションにも強い味方を得ることが出来ます。ニーズや課題そのものの発見から課題解決、さらには新たな価値創造までを企業とファンが恊働して取り組むことで、需要創造型マーケティングが実現できるはずです。
 

Collaboration【共同作業】

「共創」を通じて深いロイヤリティが生じたファンは、あたかも企業の一員のようにマーケティングの一端を担う存在となります。企業とファンがマーケティングを共同作業していくことで、真の意味での消費者理解が進み、ブランドや商品には付加価値が生まれます。そしてファンが新しいファンを生み出し、不毛な価格競争や、コモディティ化を避けることが出来るようになり、ブランドや商品は唯一無二の存在として選ばれ続けることが出来るようになるのです。
 
 
あなたのFacebookページを「コミュニティ」として進化させるヒントは見つかりましたか?
随所に従来からのマーケティング手法のエッセンスが取り入れられていることからも分かるように、「Facebookマーケティング」というのは全く新しいものではありません。今までのマーケティング手法では出来なかったこと、難しかったことをFacebookというプラットフォームが可能にし、企業のマーケティングは、より自由に様々な施策にチャレンジ出来る可能性を手に入れたのです。ぜひ固定観念にとらわれることなく、「ファン」とのコミュニケーションを楽しむことから始めてください。
 
 
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