Facebookページを通じてファンとコミュニケーションをしたいのに、なかなかコメントしてもらえない…、いざコメントしてもらっても、どう返信したらよいか悩んでしまう…。今回は、そんな方に参考になる事例を5つご紹介します!


企業がFacebookに取り組む最大の理由の一つは、ファンと直接コミュニケーションが取れる点。気軽なコミュニケーションからブランドへの親近感を持ってほしい、コメント欄を通じて商品に対する意見やアドバイスをもらいたい、会話をする中から、自社のファンがどんな人なのかを知りたい…。企業が、ファンとコミュニケーションを取ってみたいと思う理由は、たくさんありますよね。
でも実際には、なかなかコメントをもらえない、タイムラインにも書き込んでもらえない、というケースが多いのではないでしょうか?
そこで今回は、日本国内でFacebookを活用する企業事例をWebマーケッターが解説するブログ「Facebookプロモーション国内事例集」より、ファンとの対話が上手なFacebookページ事例を5つご紹介します。
いずれも、「ファンに書き込む理由をきちんと提供している」「書き込みやすい雰囲気づくりができている」点が共通点。今回ご紹介する事例は、全てキャラクターを用いたページ運営をしているものではありますが、キャラクターのいないページであっても十分に応用可能です。コミュニケーションが生まれるページのエッセンスを感じ取ってください!
*本記事は「Facebookプロモーション国内事例集」からの転載です。(SMM Labにて一部編集してお届けします)
 
ファンが書き込みたくなる理由をきちんと提供!
新日本製薬
https://www.facebook.com/shinnihonseiyaku
ファン数16万超えの巨大ページ、新日本製薬のFacebookページでは、ラ・ピィといううさぎのキャラクターを中心にコミュニケーションが取られています。
 

 
キャラクターでここまで遊べるのか!と感じるほどのバリエーション
まず、このページはラ・ピィといううさぎのキャラクターが前面に出した運用をしています。このキャラクターを通じたファンとのコミュニケーションがとても上手いのです。ポイントは、ファンにきちんと「書き込みたくなる理由」を提供できている点。タイプ別に具体例をご紹介していきますね。
 
コミュニケーションを発生させる
かくれんぼやセリフの穴埋めで、ファンに答えてもらうタイプの投稿をしています。特に穴埋めについてはグッときたものを、Facebookカバー写真に採用するということもあってかコメントが276件ついていました。また、結果は後日投稿で発表しており、10月のカバー写真には最優秀賞のセリフが反映されています。

 
アンケート結果で筋書きがかわる物語
ラ・ピィ物語を投稿で展開しているのですが、その結路がファンのアンケート結果によって変わるようになっています。しかもそのアンケートは、ラ・ピィとは「優雅はじめました予報」という直接関係のない診断アプリの設問のひとつで行っているのです。そのため
・診断アプリを実行した人にラ・ピィを知ってもらえる
・ラ・ピィ物語をきっかけに診断アプリの利用を促す
という両面からのメリットがあります。

 
 
日常会話を中心に、身近な存在へ
ボールド-山田キャメロン
https://www.facebook.com/Bold.JP
TVCMに出ているアノ人とお話できる!ボールドのFacebookページ。反応率は常に2~3%と高いです。
 

 
ボールドのTMに出演している山田キャメロンさんを前面に出し、コミュニケーションも(本当に本人が投稿しているかは別として)山田キャメロンさんを通して行っています。見習うべきは、「何気ない日常会話」が自然な共感を呼び、コミュニケーションを発生させている点。キャラクターだからこそできるという面ももちろんありますが、「自然体」な彼女のコミュニケーションには、ファンをどこかほっとさせる雰囲気が存在します。
 
特徴的なキャラクター
日本好きなことがわかる経歴が掲載されています。そして、投稿にも出てくるとおり特徴的なのが彼女の日本語。ところどころ間違っているあたりに親近感を感じます。よくマスコットキャラクターで末尾を変えるのと同じ効果がありそうですね。絡む敷居が下がります。
 

 
日常会話なのに盛り上がる
子どもの入学の話やママ友との女子会、こいのぼりやお弁当など日本の文化にまつわるものなどの日常の話をメインに投稿。いいね!やコメントも常に一定数ついています。

ファンが純粋に山田キャメロンさんとfacebook上でコミュニケーションをとることを喜んでいるような状態になっています。
おそらく、この現象には二つの要素があると思います。
①(CMに出ているという意味で)有名人とのやり取りができる嬉しさ
②身近に感じられる存在であり、敷居が高くない
山田キャメロンさんが愛されるキャラクターだからこそ、身近な存在になっていてニュースフィード上で友達と並んでも違和感のない存在になっているのではないでしょうか。
 
宣伝にもしっかり反応
そんな日常会話のなかにもぽつぽつと宣伝の投稿が存在します。ダウニーの使用感を投稿したりしていますね。でもしっかりファンからの反応も得ています。

 
 
臨場感のある投稿で、思わずファンの書き込みを誘う!
マルコメ/marukome
https://www.facebook.com/marukome.family
マルコメのFacebookページでは、イベントを通じた「臨場感のある」投稿が行われており、思わずファンが書き込みたくなる雰囲気が作り出されています。

 
イベントを通じてコミュニケーション
みそ汁キッチンカー「マルコメ号」では、お味噌や具を選べるお味噌汁を売っています。通常はマルコメ東京支社前に停まっているのですが、地方イベントに参加することも。この地方イベントにはイメージキャラクター丸田米男(まるたこめお)の中の人がドライバーとして現地まで行き、その過程をFacebookに上げていく取り組みをしています。現地での様子はもちろんのこと、そこまでの道中もしっかりレポート。いいね!や応援のコメント、行けなくて残念…など多くのコメントがついています。
この盛り上がりよう、
①親しみやすいキャラクター
②臨場感のある投稿
③書き込みやすい場づくり
という3点の要素が見えてきます。
 
①親しみやすいキャラクター
堅苦しくなく、宣伝であっても本人の味が出るような投稿が多いです。良い意味で丸田米男の中の人のキャラクターが染み出ていて人間味があり、好感を呼んでいるように感じます。このあたりは担当者の力量に依存するので難しいですよね。

 
②臨場感のある投稿
現地に着くまでのサービスエリアや有名スポットでの風景をリアルタイム×リアルプレイスで投稿。臨場感のある投稿はファンも「思わず」書き込んでしまいそうになるポイントだったりします。近くにいた人から声がかかったり、お味噌汁以外の話をしたりとコミュニケーションが活性化している様子がうかがえます。

 
③書き込みやすい場づくり
このイベントについては、事前告知がなされていました。「マルコメ号見つけた方、えっもしかして米男さんですかって気軽に声掛けて下さい。」という一文があるんですが、こういう気軽に声をかけられる雰囲気を出すことはFacebook上での書き込みハードルを下げるという意味でも大切です。

 
中の人はちゃんと見ていてくれる!安心感がファンの書き込みを呼ぶ
コアラのマーチ/LOTTE/ 株式会社ロッテ
https://www.facebook.com/lottekoalamarch
広く愛されるロングセラー商品「コアラのマーチ」Facebookページでは、可愛らしいキャラクターが前面に出ていますが、「中の人」の誠実さも伝わる運用が行われています。

キャラクター設定と顧客対応
このページの発言主体はコアラの“マーチくん”。特に文尾に何かの言い回しをつけるようなタイプではないのですが、発言はひらがなを多用しています。おそらくマーチくんは子どもなのでしょう、いい意味で幼さが出ていて可愛らしいです。心の距離も近づきますよね。
マーチ君は、ファンからのコメントについては基本的にそのままにしているようです。きめ細かなやり取りがなくとも、この反応率を保てるのは、商品力・キャラクター力がそもそも強いからでしょうか。
ただし、商品に関する問い合わせにはきちんと対応しており、その際の対応はマーチくんが「ロッテの人に、きいてみたよ。」言ってメッセージを伝えるという形をとっていました。

 
クイズを出した後もきちんとフォロー
コアラの絵柄シリーズ紹介。この商品ならではのコンテンツです。

何コアラでしょう?というクイズが出題され、答えは次の日に投稿されます。ファンのコメントの後にそのままコメントで回答記載しつつ、次の日も別投稿で回答をお知らせしています。コメント欄への記載は答えた人には必ずお知らせがくる方法です。別投稿で答えただけだと、クイズ解答者に届かないことがあるのでクイズを出した投稿への回答は必要ですよね。
 
ツッコミどころ満載!友達のようなFacebookページ
株式会社 LIG
https://www.facebook.com/pages/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE-LIG/151284414928781
最後に、個人アカウントよりも個人アカウントらしく、ツッコミどころ満載!クセのある投稿が何ともいい味を出している、株式会社LIGのFacebookページをご紹介します。
 
インパクト大のカバー写真とプロフィール画像
まず、ページに訪れた際の第一印象からして“他とは違う”期待感が生じます。

広報担当のジェイが放つ異質な雰囲気に目がいきつつも、裸の社員に「何??」と気をとられ吹き出しそうになり、そして真ん中にはなぜか満面の笑みの代表…キョーレツな印象と他と“違う”雰囲気です。これはページからの離脱がかなり抑えられていそうですね、思わず下の投稿を見てしまうか、そのままファンになってしまいそうです。一見めちゃくちゃ“自由”に見えるページこそ、考えて考えて作られいるのではと個人的には思います。
 
友達に近い存在
基本情報のところからいきなり「俺の名はジェイ。LIGの広報担当だ。当Facebookページでは会社を代表して俺が情報発信していく。」と宣言しているジェイ。彼の存在は、Facebookページを使った法人格ではなく「友達」という感覚に近いと感じます。だからいいね!だけではなくコメントやシェアもつきやすいのです。
ここでいくつか私がジェイを「友達」と感じたポイントをご紹介してきます。
 
①プロフィール写真が人の顔
ロゴじゃないのです。あくまでも「個人」としての印象を受けます。
 
②投稿コメントが個人的
Facebookページによくある「ファンに語りかける」感じがないのです。つぶやきっぽかったり、身内へむけた感じになっています。

 
また、線香花火やトマト祭りなど会社のビジネスとは全く関係ない投稿をしているあたりにも個人の色を感じます。

 
③客観的立ち位置
記事を紹介するときは「こういう記事書きました」「こういう記事です」といったような“紹介文”“導入文”がなく、あくまでも自分の気になる記事をピックアップして投稿した風。他社ソースと自社ソースなどの区別もなく投稿しています。

 
④キャラが立ってる
独特な口調や部分的に英語を混ぜること、ファンからの返信には必ず名前に「Mr.」などをつけることなどなどルールも含めた特徴があることで、よりそのキャラクターのエッジが立っているように感じます。何を投稿したらよいかわからない担当者よりも、ずっと軸がしっかりしているように感じます。軸がしっかりしているからこそ、ファンとの間に人と人とのコミュニケーションがうまれ絆が築けるのではないでしょうか。
 
 
以上、今回は「Facebookプロモーション国内事例集」より、ファンとの対話が上手なFacebookページ事例を5つご紹介しました。
今回ご紹介した事例は、いずれもキャラクター的な存在を前面に出した運用が行われているものですが、「奇をてらう」ことがコミュニケーションを生むポイントではありません。いずれも、きちんと「ファンに書き込む理由をきちんと提供している」「書き込みやすい雰囲気づくりができている」という点に着目し、コミュニケーションが生まれるエッセンスを、ぜひ参考にしてください。
 


<ライター紹介>
柴 佳織 (Kaori Shiba)

企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。
 
 
・Facebookプロモーション国内事例集 http://fbsample.blog.fc2.com/
・Facebookプロモーション国内事例集(FBページ)https://www.facebook.com/case.japan
・インサイトスコープ 数字から見えるFacebookのムコウ側 http://www.insight-scope.com/


 
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