Facebookページを作ってファンを集めてみたものの、中々「いいね!」やコメントがもらえず、悩んでいる担当者の方も多いのではないでしょうか?Facebookページの目的は企業の目指すゴールによって違ってきますが、もしも「エンゲージメント」の向上を目指すなら、ぜひ一方的な情報発信だけでなく、ファンにもコンテンツ作りに参加してもらう取り組みにもチャレンジしてみてください。今回はファンによって生成されたコンテンツを上手く活用しているFacebookページをご紹介します。


 

 
こんにちは、SMMLabの藤田です。
誰でも簡単に文章や絵、写真、映像、音楽などのコンテンツを作り、発表できるようになった2000年代後半から、UGC(User Generated Content)は企業のマーケティングにとっても無視できない存在として注目されてきました。しかし、現在ではブログのみならず、TwitterやFacebook、YouTubeやニコニコ動画など、UGCを伝えることのできるネット上のメディアが爆発的に増加したことで、もはやあえてUGCという言葉を使うまでもない状況になっています。
ただ、これまでのUGCは企業と直接の接点がないネットユーザーによって作られるものも多かったため、企業にとってはコントロールしにくく、マーケティング活用も難しい面がありました。その点、Facebookページで接点を持った「ファン」ならば、日頃のコミュニケーションを通じて、ブランドや製品・サービスを理解してもらった上でコンテンツを作ってもらうことが出来るのです。今だからこそ、Facebookページを活用して、UGC(User Generated Content)ならぬFGC(Fan Generated Content)を産み出し、エンゲージメントレベルを高める取り組みを始めるべきではないでしょうか?
 
 
FGCを産み出すためにはまず、ファンがコンテンツを作るための“動機”と、投稿発信しやすくする“環境”を支援しなくてはいけません。どんな内容なら参加したくなるのか?どれだけ気軽に投稿出来るか?参加するとどんないいことがあるのか?それを自社のマーケティングストーリーに合わせて設計することが重要です。フォトコンテストなどはファン参加型の取り組みとして人気ですが、投稿された作品をどう活用するかまで視野に入れて企画を考えてみると、FGCを生成するのにも効果的な施策となるはずです。
それでは具体的にFGCの生成に成功しているFacebookページを見てみましょう。
 

1)自社メディアの施策から生まれたコンテンツをFacebookページで紹介

MINI Japan
https://www.facebook.com/MINI.Japan


 
 
 
 
 
 
MINI Japanではディーラーで開催したハロウィン仮装コンテストの写真をFacebookページのアルバムで紹介しています。実際にディーラーに足を運んだ人がどんな人なのかを可視化することで、参加者以外のファンにも自分事として共感を生み出しています。
 
 

撮ってくれんね!南島原 コンテスト
https://www.facebook.com/minamishimabaracity


こちらは南島原市の観光PRのために開催されている「撮ってくれんね!南島原 コンテスト」に応募された作品を紹介するために作られたFacebookページです。

Facebookページの役割が明確なため、ファンにページの意図が伝わりやすく、アクションがしやすくなっているので、《「シェア」して南島原の魅力を伝えよう!》というコメントと共に紹介される応募作品には、たくさんの「いいね!」やコメント、シェアがついています。
 
 

2)専用のアプリを制作してコンテンツを収集



プリングルズ (Pringles Japan)
https://www.facebook.com/PringlesJapan

プリングルズでは、キャラクターのMr.Pと一緒に撮影した写真を投稿することでポイントが集められ、プレゼントが当たる「ザ・グレート東京チェイス」というアプリを通じて集まった写真を、タイムラインで紹介したりカバー画像に利用しています。終了までの期間中もキャンペーンへの注目を維持出来るほか、その投稿を通じてさらに参加者が増える効果も期待できます。
 
 

3)Facebookページのイベント機能を利用してコンテンツを収集

 
クラブパナソニック CLUB Panasonic (JAPAN)
https://www.facebook.com/club.panasonic.jp


Facebookページのイベント機能を使って画像を投稿してもらい、その画像をタイムラインで紹介しています。日常の利用シーンが伝わってくる画像と添えられたコメントが、実際の利用者が語るリアルな「ブランド」ストーリーになっていて、共感を集めています。
 
 
 
 
 
 
こどもちゃれんじ しまじろう
https://www.facebook.com/shimajiro.jp


 
こちらは有料のコンサートに参加した人が投稿できる「感想」投稿イベントを実施。Facebookページのファンというだけでなく、有料のコンサートに足を運ぶ熱量の高い人の投稿を集めることが出来、タイムラインの温度感を上げることに成功しています。
 
 

4)Facebookページで集めたファンのコンテンツをタイムラインで紹介

 
オーストラリア Australia
https://www.facebook.com/AustraliaJP

Facebookページ内で開催中のフォトコンテストに応募された作品を紹介することで、更に参加者を集めることに成功。応募が1, 000点を超える人気となっています。また、タイムラインでの反響が大きい写真は、カバー写真として採用するなど、ファンの承認欲求を上手く満たしています。簡単なことですが、「あなたのイチオシ」というフレーズを採用することで、応募作品の質を上げることにも成功しているのではないでしょうか?
 
いぬねこてくてく powered by いぬのきもち・ねこのきもち
https://www.facebook.com/inuneko.me

こちらもフォトコンテストの応募作品をタイムラインで上手に紹介しています。Facebookでシェアされやすいペット写真の中でも特に反響が大きそうな「赤ちゃん」をテーマにしたことがポイントではありますが、「赤ちゃんだった、あの頃の写真を投稿してみてください。」と添えたコメントで、参加者の対象範囲を広げていることに注目です。単に画像を紹介するだけでなく、コメントでファンのモチベーションを高める工夫が伺えます。
 
かにと言えば北釧水産
https://www.facebook.com/hokusen

こちらは試食モニターの募集をFacebookページで行なっていますが、その感想を投稿しやすいようにFacebookページにファンからの投稿を許可しています。Facebookページは、「権限の管理」でファンがページに投稿できるように設定することが出来ますが、意外と許可していないFacebookページが多いようです。不適切な語句や表現を制限するツールも用意されていますので、上手く活用しながらFacebokページをファンに開放してみてはいかがでしょうか?
Facebook公式ヘルプ:Facebookページへのユーザー投稿の管理
https://www.facebook.com/help/407894169267325/
 
 
リッチギザ (フリトレー)
https://www.facebook.com/richgiza

こちらは製品の抽選プレゼントを開催する際に、当選者へ投稿内容を提案することで、当選後の書き込みを誘発しました。当選後の書き込みを参加・選定の条件にすることはプロモーションガイドラインに抵触しますが、ファンが自発的に投稿したくなるような呼びかけは工夫する価値がありそうです。
 
米肌 -MAIHADA-
https://www.facebook.com/maihada.jp

 
 
ファンにFacebookページヘの投稿を許可しても、そのままでは「他のユーザーの投稿」に埋もれてしまいます。そこでこちらのページでは、ファンからの投稿をページ名で再度タイムラインにシェアし、ページのファンに広くアピールすることで「いいね!」を獲得、ファンの投稿への感謝を伝えることに成功しています。また、元の投稿者には「お知らせ」が届くことで、Facebookページへの再訪も促すことが出来ます。
 
スイマーバ ジャパン Swimava Japan
https://www.facebook.com/pages/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%90-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3-Swimava-Japan/144333755626826

 
Facebookでは画像での投稿が反応を得やすいことはご存知だと思いますが、伝えたいメッセージにあったインパクトのある画像を用意するのは中々難しいものです。こちらのFacebookページではフォトコンテストに応募された画像を活用して、メッセージを効果的に伝える投稿を工夫しています。既成のコマーシャルな画像を使った投稿よりもたくさんの「いいね!」を獲得していることにご注目ください。
 
 

5)ファンが「自分事」に転換しやすい、日常シーンでの製品画像を収集

 
ストウブ(staub)
https://www.facebook.com/staub.japan

ブランドイメージを大切にするFacebookページでは、とかく「綺麗」なコマーシャル写真ばかりを並べがちですが、その中にあえてファンが日常生活の中で撮影した画像を紹介することで、見ている人に自分の生活に取り入れた時のリアルなイメージを伝えることが出来ます。生活感を上手に出すことで、人間的な親しみやすさや温かさを演出することが可能です。
 
ウィルキンソン Wilkinson
https://www.facebook.com/wilkinson.japan


 
Facebookページの文脈に沿ったファンの投稿を産み出すために、「ウィルキンソンビュー」という専用のページを用意し、どんな写真を投稿してもらいたいのか、意図するところを明確に伝えています。また投稿をシェアする際にもどのような点が採用のポイントだったのかを書き添えることで、コミュニケーションの中でコンテクストを醸成しています。
 
 

6)Facebookページで生成したファンのコンテンツを自社サイトで活用

 
ゼブラ (ZEBRA)
https://www.facebook.com/ZEBRA.jp


Facebookページで製品レポーターを募集し、そのモニター募集とファンから投稿をキャンペーンページのコンテンツに活用しています。自社サイト内でFacebookページのキャンペーンを紹介し、ファンになってもらい、参加した投稿をまたキャンペーンページのコンテンツにすることで、今までキャンペーンが終わってしまったら、それきりになってしまっていた参加者とFacebookページでつながり続けることが出来ます。自社サイトの訪問者をFacebookページのファンにするという発想から、キャンペーンを企画してみてはいかがでしょうか?
 
 
サッポロビール(Sapporo Beer)
https://www.facebook.com/sapporobeer

 
こちらは新製品のキャンペーンということで、ブランドにちなんだポーズの画像を集めることで、見ている人に興味を持たせる企画です。参加したファンの友達のニュースフィードや、キャンペーンサイトに転載した投稿画像などの見え方を考慮した、参加するファンの視点での動機形成が考えられています。
 
「お客様の声」は自社サイトで重要なコンテンツの一つですが、どうやって集めたらいいかお困りの企業も多いとおもいます。Facebookページでのモニターは関係性を明示しやすいので、いわゆる「ステマ」と捉えられることが少なく、購入者でなくとも使用感の参考にしてもらいやすいでしょう。Facebookページで集めたファンのコンテンツは、キャンペーンページだけでなく、自社サイトの販売ページなどにも応用ができそうです。
 
 
いかがでしたでしょうか?
Facebookページに「いいね!」をしてくれたファンだからこそ、信頼してブランドや製品・サービスを語ってもらうことが出来、熱量のあるコンテンツを作り出すことで、ファン以外のオーディエンスにも影響を広げていくことが出来るはずです。FGCによってエンゲージメントレベルを高めていくことは、将来的なファンとの共創へつながり、Facebookページのコミュニティー化への足掛かりとなるでしょう。他社との差別化がますます重要となるコンテンツの生成には、ファンの力を借りたFGCの活用をぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
 
■参考記事
・ワンステップ上を目指す!Facebookページを「コミュニティ」として進化させるための5つのC
http://smmlab.jp/?p=12096
・Facebookインサイトから知る!クチコミを生み出すウォール投稿記事とは?
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・今すぐ使える! 7つの投稿アイディアでFacebookページのエンゲージメントを高めよう
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