日常生活の中でなかなか登場する機会のないニッチな商品を、ソーシャルでうまくアピールしたい!新たな顧客層を増やすには?そんな時に参考になるFacebookページ事例を3つご紹介します。


 

あなたの会社で扱っている商品・サービスはどのようなものですか?
一般の人からはなかなか理解されにくい「ニッチ」で「マニアック」な商品や、敷居が高く近づきがたいと思われているサービス、日常生活の中でなかなか登場する機会のない商品もあるでしょう。
Facebookページを始めたものの、「どうやって商品やサービスをアピールしていけばよいのか」、「新たな顧客層を開拓するにはどんな工夫をすればよいのか…」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、本当はこうした「ニッチ」な市場にこそ、ソーシャルメディアの特徴が活かされる側面が多々あるのです!
ソーシャルメディアを活用すれば、「ニッチ」な商品のコアファンの友達から、今までそのような分野に特に興味のなかった友達の興味を喚起できる可能性があるんです。つまり、企業にとってみれば、今までなかなか出会えなかった人(潜在顧客層)にリーチできるということです。
また、従来型の限られた「枠」ありきのマーケティングではなかなか自社の魅力を伝えきれなかった商品であっても、ソーシャルメディアでは豊かな表現で発信できますし、また、消費者に向かって直接伝えることができます。
今回は、日本国内でFacebookを活用する企業事例をWebマーケッターが解説するブログ「Facebookプロモーション国内事例集」より、「ニッチ」な市場で、 新たな顧客層の需要喚起にFacebookを上手く活用しているページを3つご紹介します。人気記事の第二弾!
▼第一弾はこちら▼
「ニッチ」な市場にこそソーシャルが効く! 新たな顧客層の需要喚起にFacebookを上手く活用しているページ事例3選
ぜひ参考になさってください。
 
*本記事は「Facebookプロモーション国内事例集」からの転載です。(SMM Labにて一部編集してお届けします)
 
黒豆屋/菊池食品工業株式会社
https://www.facebook.com/kuromameya
まずは、黒豆屋のFacebookページをご紹介します。
黒豆をネタにうまく投稿内容を広げています。書いてある内容だけでなく、担当者の人柄がページからにじみ出ているあたりも、ページの反応率が高い理由のひとつなのではと感じますね。

 
商品の話から始めない
黒豆って、多くの人にとっては毎日食べるものではない、つまり、食品のなかでは比較的ニッチな商品になるわけです。
そのため、Facebookページでは黒豆自体に興味がない(なかった)人にも興味を持ってもらうことが、まず必要です。
①黒豆屋では、人々に広く受け入れられる『健康』を切り口にした黒豆コンテンツ(左)を配信していました。こういった健康ネタで、興味をひき黒豆の存在をアピールするというのは巧い流れですね。突然黒豆の話ばかりされても、たまにしか食べない人にとっては嫌がられそうです。たまに黒豆とは関係ない投稿(右)なんかも織り交ぜているあたりにも注目したいですね。

 
②ほか、黒豆屋では『黒豆の煮汁効果』という投稿も行っています。これは投稿冒頭に「白髪・抜け毛への効果」といった誰かの課題・問題を強く打ち出していることが特徴です。しかも、結局商品である黒豆の価値を伝えています。

 
ニュースフィードに投稿が流れてきても、自分と関係があると感じてもらえないと読んでもらえない環境においては、上記のように見ている人がいかに「自分ごと」としてとらえてくれるような内容を投稿できるかが勝負です。
しかも、シリーズ化しておくと投稿のスケジューリングや投稿作成も楽なのでおススメです。
 
日常ネタは身近さを感じられる
日記というかたちで製造工程などの『裏側』を垣間見ることができる投稿(左)、日常の風景の話を出すことで身近感を抱いてもらえるような投稿(右)を行っています。

 
これらはいずれもファンとの心の距離が縮まりそうですね。
 
具体的な利用方法の提案で、購入を後押し
レシピ投稿は、食品系Facebookページでよく見るテーマです。でも商品購入の検討機会や動機の提供になるので、重要です。ただし、自社の商品の特徴がわかるモノでないと、その他多くの料理写真に埋もれてしまうので注意が必要ですね。

 
イベントネタで盛り上がろう
黒豆の日など商品に関係のある日は必ず押さえておきましょう。また、新年の挨拶なども大事です。旬なネタはファンからの反応も大きいので、チャンスを逃さないようにしましょう。

 
売り時はしっかり宣伝
Facebookページで宣伝したら嫌われる…と思っている方も多いのではないでしょうか。実際ファンに宣伝が煙たがられる傾向もあります。
でも、ニーズがあるのであれば、有益な情報なのです。売り時を逃すと損するので、そこはFacebookページであってもしっかり告知していきましょう。

 
最後に、このページは様々な心理ステータスのユーザーに対応した投稿コンテンツが用意されていることが全体的にページが盛り上がっている大きな要因だと考えています。そして、節々から感じる運営者の人柄も言及せずにはいられません。謙虚な姿勢やきめ細やかなコメント返信などが、ファンから好感を持ってもらい人気である秘訣なのだと感じます。
 
 
R&D シューケアマイスター/株式会社 R & D
https://www.facebook.com/shoecaremeister
続いて、R&D シューケアマイスターのFacebookページをご紹介します。
ありそうでなかった靴のケアについてのページ。人気の要因は、テーマがニッチだからというのもあるけれど、スタッフの個性が出ていて、いい味出しているというところにありそう。

 
記事の書き方が巧い!
このページを運営している株式会社R&Dでは、店舗ごとにブログを運営しています。その経験がもとになっているのか、スタッフのみなさんの書く記事が巧いのです。
まず、Facebookの投稿から思わずブログに飛んでしまうような記事をご紹介します。
左側は靴のお手入れトラブルについての投稿。靴にセロハンテープを当てて何かをはがしているという衝撃的な画像が目をひきます。そして「リキッドタイプの靴墨を使ってないですか?」一文。該当する人はこの一文を読んだら、惹きこまれてしまいそうですよね。そして「裏ワザ」をご紹介しますという一言が、ブログ記事への期待を膨らませ、思わずブログを見てしまいます。
目をひく画像、「自分のことかも」と思わせる一文、記事への期待をもたせるひと言、の3つがポイントですね。

 
続いて右側です。こちらは、靴のクリーニングbefore、after。このように前後の写真を見せるというやり方もブログ記事に飛ばすためには非常に有効です。
 
店舗のある場所をさりげなくアピール?
毎回文章の冒頭に、あいさつ代わりにニックネームを記載しています。そして、文末にも記載。「エスプリ軍曹」「かまぼこBOY」「磨きオヤジT」「タコヤキBOY」など、ニックネームがかなりユニーク。印象に残ると同時に、何度も見ていると親近感がわいてきます。

 
そして、注目したいのは店名とセットで紹介しているケースが多いということ。文末には「大阪工房 JR大阪三越伊勢丹8階 メンズシューリペア 磨きオヤジT」「大阪工房 タコヤキBOY」「池袋西武 かまぼこBOY」など署名のように書かれているのです。
このような投稿が流れてくると、自然と店舗のある場所を知ることになります。単に「池袋」だけでなく「池袋西武」とどこの百貨店に入っているかレベルでわかるのがミソだと思います。
 
個性あふれる投稿
このページの投稿は、本当に個性が出ているのです。靴に関する毎回の投稿もそうなのですが、スタッフの私物から、食べたものまで結構個人的な投稿も多いです。親近感がわきますね。

 
クイズでコミュニケーション
どこの靴かという問題を出して、答えてもらうというクイズ。「これ知ってる!」と思わず書き込みたくなるようなブランドはコメントが多くつくのではないでしょうか。

 
R&D シューケアマイスターのページはスタッフが代わるがわる投稿していて「ひとけ」が伝わってきます。ブログを読んでいても感じるのは、スタッフ自身が楽しんで記事を書いているな、ということ。運営する人自身が楽しむことがFacebookページが盛り上がる一番のポイントかもしれませんね。
 
 
3:口内炎なおさナイト トラフルちゃん/第一三共ヘルスケア株式会社
https://www.facebook.com/trafulfan
最後に、口内炎なおさナイト トラフルちゃんのFacebookページをご紹介いたします。

 
口内炎ができる傾向の強い人がファン化してくれれば
・既存顧客はリピートしてくれる
・新規顧客は短いサイクルでニーズが顕在化するタイミングがくるため試してもらいやすい
(価格帯が低い商品だからこそ、というのもあります)
という可能性があるのではないでしょうか。そういう意味ではFacebookと親和性が高い商品ですよね。
ちなみに、このページを見ていて感心するのは2点
・コンテンツのバリエーションが多岐にわたる
・投稿に絶妙なセンスがある
ということです。では、いくつかコンテンツをご紹介していきたいと思います。
 
共感コンテンツ
ともかく口内炎ができる人が共感しそうなコンテンツが多いです。

 
例えば…
・トラフルクイズ!…口内炎ができやすい場所などおもわず「あるある」と言いたくなりそう
・アンケート…「口内炎ができるとわたしはこうなる」っていうことを募集。これも「あるある」共感ネタですよね。
ほかにも口内炎ができる場所などの小話があったりします。
 
お役立ち情報
・痛い時のおすすめレシピ…口内炎が治るために必要な栄養素が摂れ、かつ、炎症部がしみないレシピがたくさん掲載されています。

 
ファン化コンテンツ
・疲れてナイト?チェック!…疲れは口内炎ができる要因のひとつ。ということで変わった画像を投稿しています。
・トラフルちゃんのひとりごと…「ドラマで料理つくってるの、たいてい男子なんですよね。」「今週もおつかれさまでした、来週また…お会いしましょ…ふあぁぁぁぁ」(←あくび)など、口内炎とは関係ないことつぶやいているんですが、なんだか共感がもてます。

 
・旬ネタ「クリスマスには気が早い?」「紅葉狩り行って来ました!」など、旬なネタはいいね!も集められて心の距離も縮まりそうです。

 
キャラクター設定をしているからこその気軽にコミュニケーションが取れる
トラフルちゃんというキャラクターの発言がユニークで絶妙に面白い。投稿に思わず「いいね!」したくなるほど。

 
一応キャラクター設定もあり、語尾に「~ナイト!」なんてつけたりしています。この個性的なキャラクターが、ファンとのコミュニケーションハードルを下げていますね。
 
商品情報
ページ名、キャラクター名が商品名もしくは商品名を含んでいるので、記憶に残りやすいというメリットがあります。それに加え、たまに商品情報もちゃっかり投稿に差し込んでいることも、購買への後押しになっていそうです。

 
 
以上、今回は「Facebookプロモーション国内事例集」より、「ニッチ」な市場で、新たな顧客層の需要喚起にFacebookを上手く活用しているページ事例を3つご紹介しました。ぜひご参考にしていただければ幸いです。
 


<ライター紹介>
柴 佳織 (Kaori Shiba)

企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。
 
 
・Facebookプロモーション国内事例集 http://fbsample.blog.fc2.com/
・Facebookプロモーション国内事例集(FBページ)https://www.facebook.com/case.japan
・インサイトスコープ 数字から見えるFacebookのムコウ側 http://www.insight-scope.com/
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