ソーシャルメディアを介して、オンラインからオフラインへの送客にも功を奏したアメリカの中小企業事例から、そのエッセンスを抽出!

*本記事は『Mashable』(英語)から転載記事です。SMMLabが翻訳、一部編集してご紹介しています。

IMAGE: FLICKR,   F H MIRA

 
――オンラインとオフラインの境界はない。小売店とECに境はない。
ここ数年、総合的なキャンペーンは増えている傾向にあります。ところが一方で、いくつかのビジネスは未だに、マーケティングということになると、オンラインかオフラインを明確に区別しています。プラットフォーム横断型の方法で運営するのが望ましいのに。
「オンラインとオフラインを繋ぐ架け橋とは、ずばりソーシャルメディアである」
Avalaunch Mediaの主宰Matt Siltal氏は言います。
 
EC企業がソーシャルメディアを通じてプロモーションすることとオフラインの実店舗がローカルイベントやダイレクトメールを通じて売り込むことは最も自然なことです。
RetailNext(アメリカの小売店調査・分析会社)のバイスプレジデントMaria Fernandez Guajardo氏曰く、消費者の89%は、パーソナライズド(*)された場合、その広告主のモバイルメッセージサービス(メルマガやモバイルアプリ)に登録するそうです。(Vibes2013年の調査より引用)
<*パーソナライズド/パーソナライゼーション…個人の興味・関心にフォーカスしてマッチング精度の高い広告を配信すること>
 
店頭での販促施策はもはや、あらかじめ企画される必要はなくなっています。しかし店頭プロモーションは送客のきっかけにもなるし、顧客にソーシャルメディアやアプリ、E-メールを通じて(プロモーションの実施を)通知することも可能です。
 
「昨今では、リアルタイムのモニタリングやプッシュ通知を活用して、店頭での分析をもとにマーケティングすることが可能になり、集客が良くなければその事実をすぐに気付かせることができる」とFernandez Guajardoは言います。さらにこう続きます。
「そしてソーシャルメディアやその他のモバイル情報にアクセスしながら買い物をしている人にとって、キャンペーンは即座に(購入の)引き金になりうるのです。」
 
企業やブランドがいかにしてオンラインとオフラインの橋渡しをしているのか、そしてその経験からスモールビジネスが何を学べるでしょうか。次の事例から、みていきましょう。
 
 
ECとオフラインのプロモーション
 

生地の感触や縫製の質などの感覚なしに、衣類品をオンラインで注文することは、ちょっと気が引けますよね。スーツのような高価格なアイテムのときほど余計に。
その点、INDOCHINOは、男性向けオーダーメイドスーツを販売しているECサイトです。
また、「Traveling Tailor」と名付けられた、リアルの場で顧客がサイズ測定・生地の確認・プロと一緒に他のカスタマイズについて話し合いを受けられる(期間限定、各地に移動する予約制)プログラムを提供しています。
 
同様のものとしてBlurbがあります。
これは(Web上でオーダーをすると)質のいい素材で自己出版本をプリントしてくれるというもの。このBlurbは、ワークショップやイベントの開催に加えて、ポップアップショップ(期間限定店舗)を開いています。リアルな接点を持つことによって確実に、このサービス新たな一面を紹介できるし、オンラインでは表現するのが難しかった商品の質を直接体験する機会を与えているのです。
 
またStorefrontは、ブランドやリアルの場で商品を売る定期的なソリューションを探しているECと、空きスペースのマッチングサービスを提供する会社です。
これはZipcar(*)や、職人技が光るチョコレート会社Cocotuttiなどのブランドも使っていました。
(*Zipcar…予約や決済までオンラインのみで完結するカーシェアリングサービス。)
Zipcarは、リアルの空間を使って物理的な展開はしていませんでした。しかし、オフラインのポップアップストアに訪れた消費者とも取引が生じ、そのCVRは、(オフライン)プロモーションのROIがわかる明らかに高い数値だったようです。
 
これらのどの事例においても、リアルの場で行われたマーケティングプロモーションは、商品などへの高い理解や、顧客との関係構築の機会を提供したことは、明らかです。
 
 
ブリック&モルタル、そしてオンラインプロモーション
 
1枚の画像は1000の言葉ほどの価値がある、と言われています。
 
ある理髪店は、シンプルなブログが、自身の伝統的なサービスについての言葉が伝わる唯一のものだと気付きました。
ユタのProvoにあるDanburry Barberは、日々、顧客の写真と、地元メディア・もしくはそれ以上の規模でメディア掲載情報を集めて投稿しています。
同様に理容師・Clark Walkerは、個人ブランディングにInstagramを使いました。そうすることで彼は、ニューヨークにあるFellow Barberで働くことになりました。

Danburry Barber keeps a blog featuring its clients at its shop in Utah.


 
ダイエットコークがローンチしたキャンペーン「The Heart Truth」は、女性に向けて心臓病防止の認知拡大を試みました。その方法とは、ハッシュタグ「#showyourheart」を商品パッケージに付け、そしてTwitterもしくはInstagramでそのハッシュタグが付けられた投稿は、コンテストにエントリーされるというもの。
 
このようなデジタルの存在価値を示すにあたり、物理的なモノを使うことの重要性は、Chris Broganによる次のような問いかけに、よくまとまっているのではないでしょうか。
「もしあなたが誰かに、何かの印刷面を手渡しして、そこにWebサイトのアドレスが一切書かれていなかったら、どんな風に思いますか?」
 
 
オンラインとオフラインを広げるキャンペーン
 
Movemberという男性特有の病気・健康意識を高めるためのキャンペーン(日本でいう、乳がん啓発活動である「ピンクリボン」のようなもの)をご存知ですか?
このMovemberが力を入れていたオンラインキャンペーンが話題を呼び、国を跨ぎ、7ヶ国でお祭りのように催されるまでに至っています。
 
パーティーなどにケータリングをすることで有名な、5つの都市に拠点を設けるトラックの移動販売型アイスクリームブランド・Coolhauの場合もみてみましょう。商品をオンライン上で売っているのに加え、ホールフーズ(アメリカの大手スーパーマーケットチェーン)やL.Aの大規模店舗でも販売しています。
また、このブランドは人気ドラマ『Dexter』のファイナルシーズンのお祝いするために、ドラマにちなんだ「キラーコンボ」と呼ばれるアイスクリームサンドウィッチを考案して無料でふるまい、全国の店舗のみならず、CoolhausのWebサイトでも顧客を魅了しました。
 
複数ある中でも、このブランドが誇るプロモーション施策のトップには、アクティブに活用しているInstagram上での存在感が挙げられるでしょう。CoolhausのInstagramアカウントは直近のイベントと関連性の高い”飯テロ”画像や動画で埋まっているのです。

 
ソーシャルメディアはマーケティングキャンペーンにおいて、主要なフィードバックと、その循環に作用しています。いずれのIRL(=In Real Lifeリアルでのイベント)は、ブランドと消費者、両者のソーシャルメディアでの投稿がきっかけとなっているにちがいないでしょう。結果として、ソーシャルメディアの投稿が、次のイベントの宣伝にもなりうるのです。
オウンドメディア、ソーシャルメディアやWeb広告プラットフォーム、このいずれもハブ(中枢)として据えておくことで、全てのユーザー循環を維持することができます。
 
 
◇元記事:How to Bridge the Gap Between Online and Offline Marketing
http://mashable.com/2014/03/12/online-irl-marketing/
Copyrighted 2014. Mashable, Inc. 107649:214DS
 
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