Twitter、Instagram、Facebook、YouTube、Pinterest、Google+など、様々なSNSで使用できる「ハッシュタグ」を活用するユーザーが増えています。そこで今、ハッシュタグがどのように使われているのか?SNSの女性ユーザーを対象に利用実態を調査しました。

 

 
今回SMMLabでは、InstagramやTwitterなどの利用頻度が高い女性SNSユーザー約4, 500名を対象に、ハッシュタグがどの位使われているのか、ハッシュタグがどんな目的で使われているのかを調べてみました。
 
ハッシュタグは、特定のキーワードに関して、自身と繋がっていないユーザーが投稿したコンテンツであっても、簡単にまとめて閲覧出来るため、話題になっているテーマに関する投稿を効率よくチェックしたり、同じ興味・関心を持つ人と新しくつながることが出来ます。こうした「一覧性」のメリットから最近、SNSの利用頻度が高いユーザーを中心に活発に使われるようになってきていますが、今回の調査では女性SNSユーザーが情報収集において、ハッシュタグ利用の新たなメリットを感じていることが分かりました。
 

「女性SNSユーザーのハッシュタグ利用実態調査」調査結果

 
■調査概要
調査名称 : 女性のハッシュタグ利用状況と利用しているSNSについての実態調査
調査主体 : アライドアーキテクツ株式会社
調査時期 : 2015年1月14日〜1月25日
調査方法 : Facebookアプリ「モニプラ」(https://apps.facebook.com/monipla/)上でアンケート調査を実施
有効回答数 : 4, 563名
※本調査の内容を転載・ご利用いただく場合は、「アライドアーキテクツ株式会社調べ」とクレジットを記載してください。
 
 

Q. ハッシュタグをつかったことがありますか?

 ※グラフはクリックすると拡大表示出来ます

 
まず、ハッシュタグの利用経験について聞いたところ、調査対象全体では、「使ったことがある」(36%)と「知っているが使ったことはない」(18%)を合わせて、半数をやや超えたぐらいと、まだまだハッシュタグの認識は高いとは言えません。
しかし、20代以下に限ってみると、ほぼ半数の47%が利用経験があり、「知っているが使ったことはない」(20%)まで合わせると、ハッシュタグの認識は約7割となり、若年層ではすでにハッシュタグの利用が進んでいることが分かります。
 
 
 

Q. ハッシュタグを利用したことのあるサービスは何ですか?


 
次にハッシュタグを利用したことがあるユーザーに、どのサービスで利用したことがあるかを聞いたこところ、対象全体の83%がTwitterと回答。続いてFacebook(28%)、Instagram(21%)となっており、「ハッシュタグ=Twitter」のイメージは根強いものの、Facebookでのハッシュタグ利用も徐々に進んでいることが分かりました。
また、20代以下に限るとInstagramでの利用が34%と、30代〜40代(16%)の倍以上となっており、若年層はInstagramでのハッシュタグ利用が活発である様子がうかがえます。
 
 
 

Q. ハッシュタグの利用目的はどれですか?


 
ハッシュタグの利用目的では、「気になる商品や情報を検索するため」が6割を超え、ユーザーの多くが、ハッシュタグを情報の「検索」に活用しているようです。また、20代以下では「友達などが投稿しているハッシュタグに興味を持ちチェックをするため」が40%と高く、友人のハッシュタグがユーザー自身の興味・関心に高い影響を及ぼしていることが分かります。
 
 
 

Q. ハッシュタグで検索した経験のある商品カテゴリーはどれですか?


 
ハッシュタグで検索したことのある「商品」について聞いてみたところ、全体では「食品」(49%)がトップ、次いで「化粧品」(42%)となり、その後は「レシピ」(22%)、「家電」(22%)、「アパレル」(21%)という結果になりました。
しかし、20代以下ではアクセサリー(25%)とアパレル(29%)が他の年代と比べて高く、若年層がファッション情報の検索にハッシュタグを積極的に活用していることが分かりました。これは若年層のハッシュタグ利用サービスで、ファッションブランドやモデルなどの利用が盛んなInstagramの活用度が高かったことに通じる結果です。
 
 
 

Q. どのような理由でハッシュタグ検索を行いますか?


 
ハッシュタグで検索を行う理由としては、30代以上では「特に理由はない」が最も多かった一方、20代以下では「検索が簡単なため」(40%)がトップで、若い年代であるほどその「手軽さ」に魅力を感じていることが分かります。
また、「情報が整理されているため」(19%)、「リアルタイムで情報を得られるため」(16%)、「見ているだけで時間が潰せるため」(14%)と、他の年代に比べて具体的な回答が多く、若年層であるほどより明確な目的のもとにハッシュタグが活用されていることが分かります。リアルタイムで整理された情報を、手軽に閲覧して時間を消費するという傾向は、若年層がスマートフォンからSNSを利用することが多いからではないでしょうか。
 
 
 

Q. 今後、ハッシュタグを利用して検索してみたい情報は何ですか?


 
 
今後、ハッシュタグを利用してSNS上で検索したい情報としては、6割以上が「商品の口コミ探し」と答えており、ハッシュタグが今後、口コミの伝搬に大きな影響を与える可能性があります。また、20代以下では「好きなアーティストなどの最新情報探し」、「ブランドなどの最新情報探し」という回答も3割を超えており、企業は自社のマーケティング的に効果があると考えられる、ハッシュタグを用意しておく必要がありそうです。
 
 
 

まとめ

今回の調査では、特に20代以下の女性ユーザーが、SNS上の情報収集のためにハッシュタグを積極的に活用し始めている現状が明らかになりました。スマートフォン経由でSNSを利用し、ビジュアルによるコンテンツ消費が日常化している若年層にとって、ハッシュタグ検索は自身の興味・関心を可視化出来る、利便性の高い検索行動となっているのでしょう。
しかし、現状ではまだ、ハッシュタグのみで商品の詳細情報までを入手したり、商品を購入したりすることは難しいため、検索エンジンで有益な情報を、より効率的に探すためのキーワードを、ハッシュタグによる検索結果から見出している可能性が高いと考えられます。
つまり、若年層においては、検索エンジンにキーワードを入力して情報を探し出すという従来の検索行動の前に、まずはハッシュタグを活用してSNS上のクチコミ情報などを探るという、「ハッシュタグ起点型」の新たな検索スタイルが浸透しつつあると言えます。
したがって、ハッシュタグによる興味・関心の喚起、醸成は、企業にとって新たな顧客接点となりえます。ですから、今後はこうしたSNSユーザーの検索スタイルの変化に対応して、ハッシュタグを効果的に活用するマーケティング施策を検討していく必要があるでしょう。
 


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