ファンが「シェア」するときの心理学に基づき、なぜあなたのコンテンツがソーシャルネットワークでシェアされないのか、9つの理由に分けて説明された記事をご紹介します。
 
こんにちは、SMM Labの小川です。
Facebookページのファンがウォール投稿に全然反応してくれない、何を投稿したらよいかも分からない…、そんな悩みをお持ちのFacebookページ運用者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、socialmediaexaminerより「あなたのコンテンツがソーシャルネットワークでシェアされない9つの理由」をご紹介します。

All about smartphones / Denis Dervisevic


 
コンテンツをシェアしてもらうには3つのステップがある
Facebookでは、1ヶ月の間に300億個ものコンテンツ(投稿、写真、リンクなど)がシェアされていると言います。HubSpotのDan Zarrella氏によれば、その多くの情報の中から自分のコンテンツを「シェア」してもらうには、以下の3つのステップを踏む必要があります。
1)まずはコンテンツが人々の目に触れること
2)きちんとコンテンツを読んでもらう、もしくは見てもらうこと
3)コンテンツをシェアするモチベーションを持ってもらうこと
NewYorkTimesはLatitude Reseach社と共同で2, 500名への調査を実施、「シェアの心理学」についての研究結果を発表しました。その調査結果に基づき、「あなたのコンテンツがソーシャルネットワークでシェアされない理由」が9つのポイントでまとめられています。それでは、早速見て行きましょう。
 
1. 信用していない

あなたのコンテンツが信用できるとわかるまで、ユーザーはシェアしようとはしません。世界的に見て、56%の人は”道理的に正しい”と思ったビジネスしか信用しないという結果が出ています(The 2011 Edelman Trust Barometer)。また、興味深いことに2010年から2011年にかけて米国、英国、日本はビジネスを信用すると答える人の割合が著しく低下していることが見て取れます。

信用してもらう第一歩は、「正直で、オープンであること」です。ネガティブなコメントが付くことを恐れて真実を隠してしまったり、過剰によく見せようとしたり、また嘘をついてはいけません。
 
2.ユーザーは、ブランドに対して何も思っていない
残念ながら、ユーザーは最初から、あなたのブランドのことを長期的に覚えていることはありません。ユーザーが気にかけているのは、”そのブランドが私に最近何をしてくれたのか?”ということです。
ユーザーは価値ある情報やお得な情報、同じ興味分野を持つ人との出会いを求めています。これらの情報を提供し続けることができなければ、ユーザーはどこかへ行ってしまいます。逆に言えば、あなたの提供するコンテンツで彼らの興味を引き続けることも可能です。彼らの期待を超えるコンテンツを提供し続けることが、ポイントとなります。
 
3.投稿内容が退屈
ユーザーは、面白くて好奇心をそそられるコンテンツをシェアする傾向にあります。
以下のフォルクスワーゲンのビデオを御覧ください。こちらは、スターウォーズのパロディーですが、4, 000万人もの人が視聴しています。一方で、フォルクスワーゲンの伝統的なマーケティングコンテンツの視聴数は、100万人ほどにしか達していません。人は、ユーモアのあるものをシェアしたがります。クリエイティブなスタッフを雇って、楽しいユーモアを投稿内容に入れましょう。

 
4.ユーザーは、ブランドそのものよりも、ブランドによりもたらされる結果に興味を示す
ユーザーは、自分が情熱を傾けているものに対してシェアします。朝起きて「よし今日は◯◯ブランドに対してXXをしてあげよう」とは思わないでしょう。しかし、自分が情熱を傾ける分野、例えば貧困状態を救うことや、GreenPeaceをサポートすること、地域のチャリティーを活気づけることなど、自分が気にかけていることに対しては、時間を費やすことを厭いません。
例えば、CREE社は、ただの「ライト」といってしまえば、退屈なだけで終わってしまうテーマを、「アメリカ全ての公共スペースを明るく照らすこと」というテーマに置き換え、人々の関心を引きました。

ユーザーに、あなたの人間的な側面を見せましょう。それによって、ユーザーがどんな結果に関与することができるかを示し、口コミで広げてもらうチャンスを提供しましょう。
 
5.ユーザーは、他の人と関係を築くためにシェアする
ユーザーは他の人と関係を築くことに価値を感じるのであり、必ずしもブランドと関係を築くことに価値を感じているのではありません。ユーザーは、興味関心をシェアできるコミュニティーを探しているのです。その彼らの探しているコミュニティーを、あなたのブランドはもしかしたら作ることができるかもしれません。
NewYorkTimesの調査結果によれば、
・回答者の78%は、普段は交流する機会がない人と交流したいためにリンクを利用する
・回答者の73%は、コンテンツをシェアすると同じ興味の人たちとつながることができると思っているそうです。
RedBullは、「音楽」をキーワードに、上手にコンテンツをシェアしてもらう投稿を行っています。

ユーザーが、「あなたの投稿を他の友人たちにシェアしたいと思う」理由は何でしょうか?
RedBullはそれ以外にも上手にコンテンツ作りを行っています。以前のこちらの記事も参考にしてください。
Red Bullに学ぶ ソーシャルメディア好みのコンテンツを作るマインドセットとは?
 
6.ユーザーは、評価してもらえる方法を探している
人は友達から信用を得たいと思っており、ある分野でのエキスパートに見られたいという欲求があります。「シェア」は、オンライン上でのその欲求を満たすものであると言えます。調査対象ユーザーの68%は、自分自身の信用を得るための広告的役割として、コンテンツをシェアすると答えています。
あなたの投稿は、ユーザーがシェアしたときに、そのユーザー自身の信用をアップし、他の友人からの印象をUPするものになっていますか?
 
7.ユーザーは、シェアすることで情報を管理している
調査対象ユーザーの73%は、シェアをする際に、その情報を十分に深く理解しようとしているといいます。加えて、85%は他の人の反応を読むことで、その投稿に対する理解を深めることができていると言います。
ユーザーは、考えをまとめるためにあなたのコンテンツをシェアしているかもしれないことを頭に入れておくべきです。投稿するときに、ユーザーの考えに何か新しいヒントを与えることができているかを確認しましょう。
 
8.読者を誤解している

People / ThisParticularGreg

NewYorkTimesは調査結果に基づき、「オンライン上で情報をシェアする人」を7つのタイプに分類、さらにそれぞれにアプローチするのに適切なツールをまとめました(内1つはsocialmediaexpaminerの記者によるもの)。自分のFacebookページのファンがどのようなタイプなのかを理解することは、ファンのシェアするモチベーションを上げるヒントになります。あなたは、自分のファンの特徴を理解していますか?また適切なツールを選択できていますか?
1.利他主義者
利他主義者は、信頼性が高く、利用価値のある情報をシェアします。好まれるツール:Facebook、email
2.出世第一主義者
出世第一主義者は、高学歴で、ネットワークに価値を提供することで名声を求めます。専門的なコンテンツを好んでシェアします。好まれるツール:Linkedin、email
3.流行主義者
流行主義者は、”情報の時代”に生きている若い人々です。TwitterとFacebookを使い、エッジの立ったクリエイティブなコンテンツを好んでシェアします。シェアの目的は、オンラインでのアイデンティティを高めることです。好まれるツール:TwitterとFacebook
4.ブーメラン
ブーメランは、例えそれがネガティブなものであったとしても、人々から反応を得られるような情報を進んでシェアします。好まれるツール:Facebook、email、Twitter、ブログ
5.コネクター
コネクターは、他人とつながるために情報をシェアします。他のシェアする人のタイプに比べ、最もリラックスした形でシェアをするタイプです。好まれるツール:Facebook、emailメール
6.選別主義者
選別主義者は、上記のどのタイプよりも慎重に誰と何をシェアするのかを考えます。シェアするコンテンツをパーソナライズし、コンテンツに対する反応を期待します。好まれるツール:email
7.流行を起こす人 ビジネスリーダーやマーケター等、ビジネスや業界におけるニュース、トレンドをキャッチアップするために、素早く、そしてアグレッシブに情報をシェアします。エキスパートとして見られる(あるいは見られたいと思っている)典型的なタイプです。好まれるツール:Twitter、Facebook 、LinkedIn
上記はアメリカの調査結果に基づくため必ずしもそのまま日本に当てはまるとは言えませんが、「自分のファンが、どのようなモチベーションをもってシェアをするタイプなのか」「好んで使っているツールは何か?」問い直すことは大切です。
以前のこちらの記事も参考にしてください。
“シェアする人”をファンに出来てる?図解で知る「ソーシャル消費者」
 
9.メール対応のほうがよりパーソナルになれる
ユーザーは、FacebookやTwitterなどのメディアよりも、eメールの方がプライベートなものと認知しており、より頻繁に情報をシェアします。確実なフィードバックを得たい時は、eメールの方が向いていると言えます。ソーシャルメディア単体でなく、ソーシャルメディアにeメールのシステムを統合することも検討するとよいでしょう。
 
Facebookでは80文字以内の投稿の方が27%以上シェアされやすい
Dr.Rachnaの研究によれば、よりシンプルなコンテンツの方がシェアされやすいことが分かっています。80文字以内の短い投稿の方が、27%以上シェアされやすいという結果が出ているそうです。投稿内容を考えるときは、誰にでも分かりやすい内容を心がけることが大切です。投稿した瞬間にすぐ反応してもらえないコンテンツは、その後時間がたっても反応されることはありません。
最後に、コンテンツをシェアしてもらうことは最初のステップであることを忘れてはなりません。これは、今後のロングエンゲージメントを築く上での最初のステップであると認識しましょう。
 
以上、今回はあなたのコンテンツがソーシャルネットワークでシェアされない9つの理由をお届けしました。大切なのは、「自分が伝えたいこと」ではなく、「ファンが知りたいこと、ファンが求めているもの」を徹底的に考えることだと感じます。自分たちの独りよがりの投稿になっていないか?、ファンが反応しにくい投稿内容になっていないか?、改めて考え直してみてはいかがでしょうか?
 
■紹介記事:
9 Reasons Why Your Content Is Not Shared on Social Networks: New Research | Social Media Examiner
http://www.socialmediaexaminer.com/9-reasons-why-your-content-is-not-shared-on-social-networks-new-research/
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