配信環境の高速化、モバイルデバイスの爆発的な普及により、デジタルコンテンツのリッチ化は今後ますます進んでいくと考えられています。また、新型コロナウイルス感染症が拡大し、対面で人と会う機会が減少している昨今、デジタルコンテンツが果たす役割はより大きくなりつつあります。

現在は撮影の機材や配信のコストも低下し、手軽に動画を作成することが可能になりましたが、だからこそ、一体どんな動画を作成したら、自社にとって有益なコンテンツになるのか?企画や内容がより一層重要になってきています。

そこで今回は、ビジネスに効果的な動画コンテンツのアイデアをまとめてご紹介します。

商品やサービスを動画で紹介する

新しい顧客向けに、商品やサービスの機能、使い方、開発ストーリーなどを動画で紹介しましょう。自社ウェブサイトやECサイトへの掲載、営業活動・商談時、オンライン資料や展示会への活用など、さまざまな用途が考えられます。

1. 商品・サービスの機能・概要紹介

製品やサービスの特長や機能をわかりやすく説明するのが目的。テキストだけでは伝えづらい機能も、動画であれば視覚的にわかりやすく伝えることができる。

文房具メーカー「ヤマト」が発売する、学習のためのちぎれるミシン目入りフィルムふせん「Chigiru暗記用」の説明動画。動画を見ることで、具体的にどのようなシーンで活用する商品なのかを理解できる。

2. 商品・サービス利用のデモンストレーション

商品・サービスを実際に使っているシーンを見せることで、より商品・サービスへの理解を促し、親近感を醸成、自分ごと化を促進する。

マンツーマン英会話「GABA」無料体験レッスンを受ける際の流れを動画で伝えている。実際に自分が無料体験レッスンに行った際に何をするかが体感的に理解できるため、申し込みのハードルを下げるのに役立つ。

3. 商品・サービスの開発ストーリー

商品開発の秘話や開発者の思いを動画で伝える。テキストだけではなく動画を使ってストーリーを伝えることで、より共感を醸成することができる。

トヨタ自動車「ヤリス クロス」の開発ストーリー。チーフエンジニアをはじめ開発陣がヤリス クロス開発の裏側のストーリーや熱い想いを語っている。

4. 顧客向けプレゼンテーション

顧客向けのセミナーなどを動画にまとめる。動画であれば、時間・場所の制約なく、顧客の都合の良いタイミングでコンテンツを視聴してもらうことが可能。

アライドアーキテクツの中国マーケティングチャンネルでは、顧客向けに開催したセミナーの内容を動画で配信している。

5. カスタマーサポート

正しい使い方や知識を動画で解説する。商品・サービスへの理解を深める事で、顧客満足度を高める。購入前に商品に対する疑問を解決できるので、返品率の低減・カスタマーセンターへの問合せ低減にもつながる。

家族型ロボット「LOVOT」のマニュアルムービー|開封編。 箱が届いてから、セットアップを完了し、LOVOTとの生活を始めるまでの一連の流れが動画で分かりやすく解説されている。

企業を動画で紹介する

さまざまなステークホルダーに向けて、動画で企業の紹介をしましょう。投資家向け(IR)、メディア向け(PR)、採用時、顧客向けの企業ブランディングなどに利用できます。

6. 経営陣によるプレゼンテーションやインタビュー

経営陣が企業姿勢や製品開発ポリシーを直接語ることで、信頼を得る。また、社長のプライベートや人柄に迫るような動画を公開することで、親近感を醸成する。

丸紅は、広報部のメンバーが社長に30の質問を通して柿木社長のプライベートや信条に迫る動画を公開している。

7. 企業の設備や工場を紹介

バーチャル工場見学のように体験による印象の好感化、安心・安全面の伝達。製造工程を知ることで、企業やブランドのこだわりや品質の良さを伝える。

カゴメは、カゴメの契約農家で収穫したトマトがジュースになるまでの様子を伝えるバーチャル工場見学動画を公開している。畑で野菜が採れるところから実際のジュースになるまでの一連の様子がよく分かる動画になっている。

8. 投資家向けプレゼンテーション

投資家向けの説明会などを動画公開し、アーカイブからいつでも見られるようにすることで、新規/既存投資家に見てもらう機会を増やす。

株式会社LIFULLは事業戦略説明会の様子をYouTubeで公開している。事業説明資料を公開するだけでなく、説明した音声つきで動画で見ることにより、より理解を深めることができる。

9. 世の中の話題やニュースに対する企業からのメッセージ発信

世の中で話題になっていることやニュースに対して企業からのメッセージを動画で発信する。世の中の注目している話題ととともに、企業の姿勢を伝えることができる。

ある主婦が「冷凍餃子は手抜きだ」と夫に言われたというツイートに対し、味の素公式Twitterが「手抜きではなく、手間抜きである」と応答したことで話題になった「冷凍餃子 #手間抜き論争」。これを機に、味の素は「冷凍餃子が144もの工程によって丁寧に手間暇かけて作られていること」を可視化した動画を制作、動画は90万回を超える再生数を記録した。

10. 社員インタビュー

社員がその企業で働く意義ややりがい等を語ったり、社員の一日に密着した動画を公開したりすることで、採用のアピールをする。また、仕事内容についての理解を促進し、採用時のミスマッチを防ぐ。

リコーは、とある営業社員の一日に密着するドキュメンタリー動画を公開している。朝から夜までの一日の仕事の流れや、仕事を通してどのような人とかかわるのか等が理解できる動画になっている。
11. 社内の様子や雰囲気を伝える
サイボウズは緊急事態宣言中のオフィスの様子を動画で伝えている。この動画を通して、オフィス出社とリモートワークのハイブリッド型の働き方をどのように進めているかなどがよくわかる。

広告、マーケティング・プロモーションで動画を活用する

広告やマーケティング・プロモーションに動画を活用することで、より短い時間でたくさんの情報を伝えること、テキストよりも鮮明に人々の記憶に残すことが期待できます。

12. コマーシャル動画

テレビ用に作成したCMをそのまま動画にしたり、CMの続きやCMの裏側ストーリーを動画化することで、制作した質の高いコンテンツをより有効活用する。

「BULK HOMME」木村拓哉さんを起用したTV-CMのメイキングムービーをYouTubeで公開している。

13. ティザー動画

新商品やサービス、新CMの情報などを事前に動画で少しずつ公開していくことで、興味を引き、注目を集める。SNSで話題になりやすいメリットもある。

「サッポロ一番」では、人気タレントを起用している同社企画「ひとてま荘」にこの秋何か楽しいことが起きる予感!というティザー動画を公開、Twitterでも多くのコメントがつき、話題になっている。

14. バイラル動画

思わずシェアしたくなるような面白い動画や、目を引く動画、驚きを生み出す動画を公開することで、ネット上などでクチコミを広げ、認知度を高め、人々の記憶に残す。

アース製薬がトイレ・洗面台用洗剤「バブルーン」を使用した様子を伝える動画を自社のInstagram、Facebook、YouTube公式アカウント、およびママ系の外部メディアに公開したところ、一般ユーザーの目に留まり、TikTok上でシェアされ、「#バブルーン」のハッシュタグは1億回以上も再生された。元ネタはアース製薬が戦略的に仕込んだもの。それを一般の方に面白がってもらえたことで予想以上に大きな話題となり、店頭から商品が消えるほどの反響となった。

15. SNSキャンペーン告知用の動画

SNS広告のクリエイティブに動画クリエイティブを活用する。従来から成果が良い静止画の勝ちクリエイティブの一部を動して「静止画風動画」を作ることで、クリエイティブ検証の幅を広げることができる。

ハウス食品グループは、Twitterキャンペーンを告知する動画を制作している。キャンペーンのクリエイティブを動画にすることで、タイムライン上でより目を引く投稿になっている。

16. SNS広告用の静止画風動画

SNS広告のクリエイティブに動画クリエイティブを活用する。従来から成果が良い静止画の勝ちクリエイティブの一部を動して「静止画風動画」を作ることで、クリエイティブ検証の幅を広げることができる。

https://letro-studio.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/exported/fD7ZBfGSpqDCkFhmibvoqIFaLfZI3IEmwsrX0iUI.mp4
妊活サプリ「ベルタ葉酸マカプラス」を提供する株式会社ベルタは、Facebook/Instagram広告において、静止画の一部を動かす動画クリエイティブを出稿している。その結果、静止画クリエイティブに比べて動画クリエイティブはCVRが1.1倍、CPO改善率が11%となり、高い成果を出すことに成功。

17. 縦型・SNS用ショート動画

InstagramストーリーズやTikTok、YouTubeショートなど、モバイル向けの縦型で短い尺の動画は、より気軽に視聴してもらいやすく、多くの人の目に触れやすい。

列車見張・交通誘導警備等の警備業を首都圏を中心に展開している大京警備保障株式会社のショート動画。「大京警備保障のおじさんが可愛いを目指すチャンネル 」というチャンネル名で運用している。

18. WEBチラシ動画

チラシの情報を動画にまとめてメルマガやSNS等で投稿することにより、画像のみよりも目を引くクリエイティブに仕上がる。

https://letro-studio.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/exported/0q64s4FCpSFH0g86PvpvLhfseeE6VGORlAtayWUL.mp4
動画制作ツール「LetroStudio」が提供しているWEBチラシ用動画テンプレート。

19. 動画SEO対策

商品やサービスのターゲット層が検索しそうな情報を提供する動画を公開し、検索エンジンでの動画SEOや、YouTube内の検索対策をする。

ワコールは、「ブラ 洗い方」「バスト 測り方」などの検索ボリュームの多いコンテンツを「How to 動画化」することで検索対応を強化している。「バストサイズの測り方」の動画はオーガニックで66万回以上再生されている(2020年9月時点)。

20. コンテンツ・マーケティング

商品やサービスの潜在層に役立つ価値のあるコンテンツを発信することで、顧客から商品・サービスを見つけてもらい、理解してもらい、ファンになってもらう。

Faber Company「ミエルカチャンネル」はSEO関連のさまざまなノウハウを紹介する動画を定期的に公開している。同社がSEOについてのプロであることが十分に伝わってくる動画となっている。

21. コンテンツのダイジェスト動画

読んでもらいたいコンテンツのダイジェスト動画を冒頭に置くことで、忙しくて全てのコンテンツに目を通せない人にも、要点を伝えることができる。

動画制作ツール「LetroStudio」のブログでは、ノウハウを伝える記事の冒頭にダイジェスト動画を置いている。それにより、記事を最後まで読了する時間がない読者にも、効率的に30秒で記事の内容を説明している。

22. メルマガのコンテンツ

メルマガに動画コンテンツを入れ込むことで、顧客の目を引くと同時に、内容の理解を促す。

https://letro-studio.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/exported/jYW3wyPe3tR09o0FrfZZ9tjKSreG2anACK2YrXzk.mp4
アライドアーキテクツは、テキストだけでは伝わらない社員の人柄などを伝える目的で、顧客とのメールの中に署名代わりとして自己紹介の動画をGif形式で差し込んでいる(一部メンバーが実施中)。動画を活用することで、顧客とのメールコミュニケーションをより円滑にすることに役立てている。

カスタマーボイスを動画で紹介する

いわゆる「お客様の声」を文章ではなく、動画で収録します。商品やサービスの利用者が実際に顔出しをして感想やコメントすることで、文字だけでは伝わらない説得力が生まれます。

23. 動画インタビュー

実際の利用者の成功体験を、視聴者が自身に投影しやすい。導入イメージの想起を促進できる。

https://f.hubspotusercontent00.net/hubfs/2021159/20210819_coloris_interview/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%B9_%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E7%A8%BF_0826.mp4
UGC活用ツール「Letro」では、事例紹介記事の冒頭に顧客のインタビュー動画を置いている。テキストで読むだけよりも、実際に顧客がどのように語ったのかがよく伝わる。

24. ケーススタディ

導入前と導入後をストーリーとして伝える事が出来るので、具体的な提案として、視聴者が課題解決の流れをイメージしやすい。

LINE for Businessでは、顧客のサービス導入経緯や実際の活用方法、導入後の成果などを顧客が語った動画を公開している。

25. 街頭インタビュー

生活者への街頭インタビューを動画化、実際の街の人がどのような課題感を持っているのか、その商品やサービスにどんな感想を持っているかを伝えることで、親近感を醸成する。

メルカリは、メルカリフリマ会場にて、メルカリユーザーから「メルカリを使用していないユーザー向けへのコメント」を集めて動画化している(2014年公開)。

社内向けコンテンツに動画を活用する

社内向けのコンテンツを動画で収録する。時間や場所を選ばずに、社員の都合のよいタイミングで何度でも視聴してもらうことができるため、ナレッジの蓄積や社内情報の共有に役立つ。

26. 社員向けトレーニング・マニュアル

社員向けに、商品の使い方などについてのトレーニングを動画で配信する。例えば販売拠点が全国にあり、一人一人へのトレーニングや説明などが難しい場合でも、時間・場所を選ばずにトレーニングができる。

27. 新入社員用オリエンテーション

各人が都合の良い時間に繰り返し見ることが出来るので、より深く理解出来る。また、管理者は閲覧状況を把握しやすくなる。

28. 動画社内報

社内の様々な情報を動画で配信する。社員の人柄、他店の様子など、普段は見られない姿を動画で配信することで、社内カルチャーの浸透等に役立つ。

29. 経営陣からのメッセージ

会社の業績、経営目標、ビジョンなどを、経営層が従業員に対して直接語りかけることで、自社のビジョンの共有が出来る。

30. 福利厚生に関する情報

防災、健康に関するマニュアルの共有や福利厚生施設の紹介、健康管理のアドバイス等に利用する。

今回は「動画にはこんな使い方もあるんだ」という気付きを得ていただきたいと思い、あえて数を多くご紹介してみましたが、自社での活用がイメージ出来る活用法は見つかりましたでしょうか?プロ並みの技術や多額の予算がなくても、アイディア次第で動画を効果的に活用することは可能です。ここでご紹介した事例は、あくまでも動画活用の実施イメージとして参考にしていただけたらと思います。

アライドアーキテクツは、業界最大級のテンプレート数と柔軟な編集機能で誰でも15分で動画が作れる動画制作ツール「LetroStudio」を提供しています。専任のコンサルタントが導入時のレクチャーから、どんな動画をいつどうやって制作していくかの方針のご相談、おすすめの制作例のご紹介など、密にコミュニケーションを取りながらお客様の動画制作・活用の成功をサポートします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事の著者

SMMLab編集部

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