こんにちは、SMM Lab研究員の瀬戸口です。
今回は、アメリカのリサーチ会社が18歳以上の1, 491人の米国在住の人を対象に調査した「Facebook上での過ごし方」についてのデータをご紹介します。
先日9月11日に米Nielsenにより発表されたソーシャルメディアに関するレポートにて、2011年5月に米国のユーザーが最も長く滞在したウェブサイトはFacebookで、滞在時間の合計は1カ月間に535億分間となり、2位のYahoo!(172億分)や3位のGoogle(125億分)を大きく上回ったと報じられました。
資料:The Social Media Report by Nielsen
また、10月8日にTHE NEXT WEBにて発表された記事によれば、アメリカ人の18~24歳中、なんと98%がソーシャルメディアを利用中とのことです。
To view the full report which comes as a downloadable PDF file, click here.
彼らは一体Facebook上で、何をしているのでしょうか?
そこを紐解くことが、Facebookマーケティングを成功させるカギになるはずです。
今回の調査結果はアメリカのものですので、そのまま日本に当てはまるとは言えませんが、Facebook上でのユーザー行動の特徴をつかむ上で、ぜひ参考にしてください。
以下、Constant Contactとリサーチ会社のChadwick Martin Baileyが18歳以上の1, 491人の米国在住の人を対象に調査したデータです。
【1】1週間にFacebookで過ごす時間
18歳以上のアメリカ人の52%は、一週間に少なくとも一時間はFacebookで過ごしています。
尚、一週間の内6~10時間利用する人(1日平均1時間以上、と読み替えることもできるでしょう)も、35歳未満では35%、35~49歳では24%、50歳以上であっても13%に及んでいます。
【2】ソーシャルメディアでブランドと接する機会
他のソーシャルメディアと比べてみると、Facebook上でブランドと接する機会が断然多いのがわかります。これはひとえには言えませんが、文章に限らず、写真や動画、アプリなどのファンを引きつけるコンテンツがユーザーにリーチしやすい点が理由として考えられます。SMMLabでも以前から取り上げているように、コンテンツをシェアしてもらうためには、まずはユーザーの目にとめてもらわないといけません。
また、35歳以下のユーザーの56%は、Facebookで自分の好きなブランドとの接点を持っているようです。
【3】Facebookで、ページに「いいね!」をしている数
Facebookユーザーの78%は、「いいね!」しているページの数は10個未満とのことです。これは、ユーザーが無闇やたらにLikeを押しているのではないことを示しています。
【4】Facebookで、ページに「いいね!」をする理由トップ5
58%のユーザーは、自分がもともとそのブランドの顧客だから「いいね!」をすると答えています。オフラインでもオンラインでも、一度ユーザーとブランドの接点があれば、「いいね!」を押してファンになってもらいやすいということが言えます。「新規の顧客」を連れてくることばかりでなく、まずは「既存の顧客」に自分のFacebookページをいかに認知させ、「いいね!」をしてもらって、その後の関係を深めていけるか、というところがポイントになります。35%のユーザが「自分がそのブランドのファンであることを、友人に示すため」に「いいね!」をしている、というデータも要注目ですね。
その他、ファンになる理由として挙げられているのが、「ディスカウント等の情報を得られるから」というもののようです。ディスカウントはまだファンではない潜在的なファンを呼び込むための手段として効率的ですが、無計画に乱用するとファンでもないファンを集め、結果エンゲージランクが下がるということにもなりかねませんので、注意が必要です。
【5】ユーザがFacebookで、ブランドと接するタイミング
77%のユーザーは、ブランド(Facebookページ)の「投稿」や「ニュースフィード」を読むことで、ブランド(Facebookページ)と接しているようです。つまり、まずはそのユーザーのニュースフィード上に、自分の「投稿」が表示され、そして「目に留まる」ことが重要であると言えます。(この点については、”エッジランク”に関係する、過去のこちらの記事も参考にしてください。)
【6】Facebookページの「いいね!」を取り消したことがあるか
ユーザーの76%は、一度「いいね!」をしてファンになったFacebookページを「アンライク」(いいね!を取り消す行為)したことがないと答えています。しかし15%はアンライクしたことがあると答えていますので、油断は禁物です。投稿があまりにもしつこい場合や、たまに投稿する内容が対してファンにとって有益でないものであれば、アンライクするきっかけを与えてしまうので注意しましょう。
【7】「いいね!」を押してファンになった後、自分の友だちにそのページを勧める割合
ユーザーの56%は、自分が「いいね!」を押してファンになった後、友だちにそのページを勧める傾向にあります。尚、56%の内16%は、多くのページについて勧めたい、と答えていますが、残りの40%は、いくつかのページのみと答えていますので、その「いくつか」にいかに残れるか、という点がポイントになります。
【8】「いいね!」を押してファンになった後、そのブランドから商品を買う意向があるか
ユーザーの51%は、「いいね!」を押してファンになった後、そのブランドから商品を購入する意向があるようです。尚、50歳以上の人々は、ファンになったブランドの中でも、いくつかのブランドのみ、購入する意向があると答えています(全年代で見ると、その回答をした人の割合は35%ですが、50歳以上に絞るとその割合は44%にまで上がります)。これは、50歳以上の人は一度「いいね!」をしてファンになれば、その後の購買につながる可能性が高いことを示唆していると言えるでしょう。
【9】Facebookユーザーは何をして時間を過ごしているのか
トップは、自分のウォールへの投稿で49%、二番目は「ニュースフィードを見る」で45%という結果です。一方で、ブランドのページを訪問する人は14%にとどまっています。Facebookページを運用する人にとって、まず「ニュースフィード」で目にとめてもらうことが重要、ということを裏付けるデータといえるでしょう。(目にとめてもらうのに、「写真」は有効な手段の一つです。この点については、過去のこちらの記事も参考にしてください。)
また、女性の方が男性よりも「自分のウォールへの投稿」に費やしている、というデータも興味深いですね(女性が55%に対して男性は42%)。女性の方が、情報発信に積極的ということでしょう。
【10】Facebook上で、「いいね!」を押してブランドのファンになった人はどれぐらいブランドからの情報が欲しいのか
ユーザーの69%は、自分が「いいね!」を押してファンになったブランドの中で、関心の差があると答えています(ファンになったすべてのページから、等しく情報がほしいと思っているユーザーは31%にとどまります)。尚、ユーザの45%が、Facebook上で受け取る情報のほとんどが似たり寄ったりだと感じている、という点も要注目です。いかに、自分のページが、ユーザーにとって「受け取りたい情報」を発信できるのか・・、自分がユーザ側の視点に立って考えてみることも必要でしょう。
以上、今回はアメリカで行われたFacebookユーザに関する調査をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
今回の調査データから、改めて、以下のポイントが大切と言えます。
・まずは「既存顧客」をFacebookページにつれてきて、さらにエンゲージメントを高める
・ニュースフィードで目に留めてもらうことが必要
・いかに「他と同じ」ではなく、独自の有効な投稿ができるか?
ぜひ、今後のFacebookページ運用の参考にしてください。
尚、スライドの全体は以下からご参照いただけます。
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