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ハブラシやハミガキなどのオーラルケア商品で有名なサンスターは、健康食品を通販で販売する事業も展開しています。通販事業における現在の主力商品は、コレステロールを下げる野菜の力を含んだ特定保健用食品「緑でサラナ」です。

同社は、かねてより新聞広告を中心に同商品の通販売上を拡大してきましたが、2017年ごろからはオンラインでの販売も強化。「緑でサラナ」のオンライン売上は5年前に比較し飛躍的に成長しています

今回は、サンスター株式会社 ダイレクト統括部 ダイレクト営業部 デジタルグループで、デジタル広告を中心とした新規顧客獲得~既存顧客向けCRMを担当している西村将也氏に、「緑でサラナ」のオンライン売上成長の裏側をインタビュー。同社はどんな工夫をしてオンライン売上を伸ばし続けてきたのか、詳しくお話を伺いました。

※本資料は、2022年4月22日(金)にアライドアーキテクツ株式会社が開催したセミナー「緑でサラナを展開するサンスターのここでしか聞けない裏バナシ」の内容の一部を編集したものです。さらに、本資料用に特別に実施したインタビューの内容も掲載しています。

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「緑でサラナ」、オンライン売上が5年間で飛躍的に成長

-西村さんのご担当を教えてください。

サンスターで通販事業を行う部署に所属しています。デジタルを活用したオンライン通販売上の向上がミッションで、デジタル広告による新規顧客獲得から既存顧客向けのCRMまで一気通貫して担当しています。

西村将也氏
サンスター株式会社 ダイレクト統括部 ダイレクト営業部 デジタルグループ 西村将也氏

-サンスターの健康食品通販事業の状況を教えてください。

サンスターというとハブラシやハミガキなどのオーラルケアのイメージが強いと思いますが、健康食品の通販事業も約30年前から展開している歴史のある事業です。主力商品は特定保健用食品の「緑でサラナ」です。一部の百貨店やスーパーなどの小売店にも展開していますが、売上のほとんどは個人のお客様向けのダイレクト通販が占めています。

緑でサラナ1
サンスター健康食品通販事業の主力商品「緑でサラナ」

-通販事業の顧客獲得のチャネルは?

「緑でサラナ」は、従来より新聞広告を中心に通販売上を伸ばしてきました。デジタルにも取り組んできましたが、2016年ころまではオンラインでの売上を伸ばすことには苦戦していたんです。

しかし、その後2017年ころからデジタルでの新規顧客獲得に改めて注力し、見直しを行ったことで状況が変わりました。それ以降、2022年に至るまでの5年間でオンライン売上は飛躍敵に成長中です。

この5年間、商品の中身そのものはリニューアルしていません。打ち手を変えることで売上を伸ばしてきました。

-2017年のデジタルへの注力開始から現在まで、ずっと順調にオンライン売上が伸びてきたのでしょうか?

ずっと順調に売上が伸びてきたわけではありません。ポイントとなった期間は2つあります。一つ目は、デジタル広告投資による右肩上がりの成長曲線が緩み始めた2018年から2019年にかけてです。二つ目は、新規顧客獲得のさまざまな手法をやりつくした上で、変わらず成長曲線を維持することができた2020年から2021年にかけてです。

「緑でサラナ」のオンライン売上推移
「緑でサラナ」のオンライン売上推移

記事LP施策の見直しで、広告出稿量400%伸長に成功

-2018年から2019年の壁を突破するために行ったことは?

大きく二つあります。サイトリニューアルによるオンライン売り場の見直しと、記事LP強化によるGoogle/Yahoo!での新規顧客獲得への注力です。

今回はサイトリニューアルの詳細は割愛しますが、一つこだわったポイントは商品を使い続けてもらいやすいユーザビリティにすることです。サイトリニューアルというと、プラスでコンテンツを提供することに目が行きがちですが、不満なく商品を継続していただけるサイトにすることも大事だと考えました。例えば定期購入をお休みしたいときにはボタン一つで休会できるなど、すべてウェブで完結できるようにしています。結果としてそれが長期的な売上に貢献すると考えています。

記事LPではそれまでの指名キーワードに加えて一般キーワードの攻略を強化したことで出稿量を400%伸ばすことができ、オンライン売上の成長軌道をもとに戻すことができました。

-記事LPで行った施策の内容は?

それまでも記事LP×GoogleやYahoo!の検索広告施策には取り組んでいましたが、「コレステロール×下げる飲み物」のような、商品に直接つながるキーワードでしか獲得できていませんでした。

その一方、実際にユーザーが検索するクエリを見ると「コレステロールはなぜ上がるのか?」「コレステロールが高いと何がダメなのか?」「コレステロールを上げない/下げるために自分でできる対策は?」といった一般キーワードのボリュームが多い状態でした。そこで、改めて流入の多い検索クエリを調べ、それぞれの検索クエリの検索意図を見直し、検索意図に沿ったコンテンツを一つ一つ作っていきました

それによって、コレステロールとの掛け合わせのキーワードの幅を増やすことができ、それぞれの記事からのCVRも上がって、Google、Yahoo!経由での獲得数を飛躍的に伸ばすことができました。

2020年以降はLTV思考に転換。CRMを見直すことでF2転換率が5%上昇

-2020年から2021年にかけて、何に注力することでオンライン売上を伸ばし続けることに成功したのでしょうか?

「緑でサラナ」はもともとモニターから定期購入への転換率が良かったので、当初はとにかく新規顧客数を増やす方が事業の伸びしろを作れると考え、デジタル広告を中心に新規獲得に注力してきました。

それをある程度やり切った2020年以降はCPA主義からLTV思考に転換し、改めてCRMを見直すことでF2転換率の改善に注力することにしました。

それにあたり、まずは顧客とどのタッチポイントでどんなコミュニケーションを行っているかを改めてすべて並べました。その中で優先度が高いと考えて行った施策が、①オフライン制作物の見直し、②メールコミュニケーションの見直し、③定期顧客とのタッチポイントへのUGC活用の3つです

これらの施策を積み重ねることで、F2転換率を5%上げることができました

①オフライン制作物の見直し

2017年からオンラインに注力を始め、ウェブ用のLPやバナーはどんどん新しいものを制作しPDCAを回していましたが、オフラインの制作物はつい優先度を後回しにしていました。

ウェブ用のクリエイティブはどんどん今っぽいコミュニケーションに変わってきているのに、オフラインは時代遅れのままだったのです。

そこで改めて今のコミュニケーションのトンマナに合わせるため、商品に同梱する冊子などのオフラインの制作物を見直しました。

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「緑でサラナ」の商品同梱物のデザイン Before/After

左側が以前のデザインです。表紙のデザインが今のトンマナと異なるだけでなく、中身も新聞調にしており、コレステロールについての説明をびっしりと書いている状態でした。

右側が今のデザインです。本商品を使用した方のコレステロール値の変化を示すグラフなどの企業として最低限お伝えしたいことは残しましたが、あとはお客様の飲用シーンなどのコンテンツに変えて、全体的な文字量を減らしました。

また、本品スタート前のお試し期間を「モニター」という建付けにしていたので、同梱物でも「モニターとしてアンケートに回答お願いします」というコミュニケーションに絞りました。こうすることで、お客様に「モニターに参加しているんだ」という意識を持っていただき、アンケートへの回答率を伸ばすことができました。

②メールコミュニケーションの見直し

F2転換を促すメールについて、件名からテキスト形式/HTML形式、コンテンツ内容まで、さまざまな検証を行いました。

一つ面白かったのが、アンケートへの回答を促すメールはHTML形式よりテキスト形式のメルマガの方がずっと反応が良かったことです。HTML形式でコテコテの企業感があるものより、テキスト形式のほうが1 to 1で、担当者から自分に送られてくる感覚があったのかなと。ただし、アンケートに回答いただくことで特典があることをお知らせするメールはHTML形式の方が反応が良かったです。

検証をすればするほど、メールは改善の余地が大きい施策だなと感じました

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「緑でサラナ」F2転換を促すフォローメールの一例

③定期顧客とのタッチポイントへのUGC活用

定期顧客とのタッチポイントにUGCを活用することで、定期顧客向けLPのCVRが120%改善しました。LPで効果の良かったUGCは、メルマガやオフラインの制作物などにも利用するなど、さまざまなタッチポイントでUGCを活用しています。

お客様の声は以前から活用していたのですが、企業がデザインする見せ方だと、どうしても作ったクチコミのような印象を拭えなかったため、UGC活用ツール「Letro」を使ってInstagramの投稿をそのまま埋め込む見せ方に変更しました。より本物のお客様の声であることが伝わり、信頼性を補完できるようになったと思います。

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「緑でサラナ」F2転換誘導LP上にお客様の声(UGC)を掲載し、LPのCVRは120%改善。

UGCの効果測定を行うことも大切です。Letroの管理画面でどのUGCの効果が良いのかを見て、PDCAを回しました。

検証する中で分かったことは、既存顧客向けと新規顧客向けでは、効果の良いUGCが異なるということです。

例えば、緑でサラナをまだ一度も飲んだことがない新規顧客にとっては、味はとても大事な要素なので、味についてコメントしたUGCを見せて「私も飲めそうだな」と思っていただけると購入の後押しになります。一方、一度飲んだことがある既存顧客向けには、「自分の生活シーンにこんな風に取り入れています」など、継続に対してポジティブなUGCの効果が良い傾向にあります。商品を自分ごと化していただくために必要な情報はお客様のフェーズによって違うので、しっかりとUGCを出し分けて運用することが重要だと思います。

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既存顧客向けのLPでは継続することに対してのポジティブなUGCを活用。

デジタルを取り巻く環境が激変する中でも、成果を出し続けるために

-昨今、広告に関する規制が厳格化し薬機法も改正されるなど、デジタル広告を取り巻く環境は激変しています。その中でも売上を伸ばし続けるために大切な考え方は何だと思いますか?

獲得効率を下げるためにPDCAを回すことは当たり前ですが、CPMの高騰を許容できる体制を作るためにCPA主義を脱却し、LTVを伸ばす思考を持つことが大切だと思います。LTVが伸びれば許容できるCPAの幅も広げられますから、新規顧客獲得に偏重するのではなく、継続いただくための商品・サービス作りやコミュニケーションに注力すべきだと考えます。

また、今後は広告の規制や薬機法改正により表現の幅が狭まっていきます。ある意味、どの企業も同じようなことしか言えなくなるわけです。その一方で、ECに参入する企業は増えており、ユーザーのリテラシーも上がっています。企業がLPを作って言いたいことを言っているだけではユニークな状態が作りづらく、お客様に「自分のための商品」と思ってもらうことは難しくなるでしょう。

そのために、記事LPを通じてお客様の知りたいことに応えたり、モニターとしてアンケートに回答いただいたり、既存顧客のUGCを活用して自分ごと化を促すことが大切だと考えます。もちろん定性インタビューやUGCを通じて、継続しているお客様のインサイトを知る努力も欠かせません。

これからは、企業から責任をもって伝えなければいけないことを伝えるだけでなく、その価値に対してお客様が実際にどう感じてくれているかを掴み取り、お客様と一緒に価値を作り上げていくことが重要なのではないでしょうか。

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  • 新規顧客向けの日々のLP・広告のPDCAのやり方は?
  • インハウスと代理店の切り分け、どうしてる?
  • UGC活用における薬機法対策は?

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