昨今、LINE広告において動画の配信面・在庫が増加しています。今後LINE広告において成果を出し続けるためには、動画フォーマットの攻略がますます重要になると考えられます。
そこで今回は、LINE株式会社 広告・法人事業本部 クリエイティブプランニングチームの中根氏、林氏に、LINE動画広告における最新トレンドや事例、日々の広告運用の回し方、少ないリソースで動画クリエイティブを制作するコツについて、詳しく教えていただきました。
※本記事は2021年9月27日(月)にアライドアーキテクツ株式会社が開催したセミナー「LINE×ソウルドアウト 動画広告でCTR約3倍!?「勝ち」クリエイティブ大公開!~成果が出るPDCAのコツを伝授~」の内容を編集したものです。
※本記事でLINE社が紹介している内容は、配信効果および広告審査通過を保証するものではありません。また、あくまで2021年9月時点でのトレンドとなりますので、今後の市況等によって変動する可能性があります。
今回、LINE広告のノウハウを教えてくださったお二人
LINE広告で勝つクリエイティブ、大前提として押さえておくべきことは?
-LINE広告で勝つために、大前提として押さえておくべき「クリエイティブ制作のポイント」があれば教えていただけますか?
ポイントは4つあります。
1. 複数のクリエイティブフォーマットとそれぞれに最適なクリエイティブを用意
2. タイトル要素がとても重要
3. 複数の訴求軸や表現で作り分ける
4. 適切な本数を用意する
以下、一つずつ見ていきましょう。
LINE広告には多様な配信面があり、静止画は1:1、カード、画像(小)、カルーセル、動画は1:1、16:9、9:16(縦型)など、複数のクリエイティブフォーマットがあります。一種類だけではなく複数のクリエイティブフォーマットに挑戦し、それぞれに最適なクリエイティブを用意すると良いでしょう。
優先すべきフォーマットは何かと、動画フォーマットにおけるお勧めクリエイティブについてはこの後お話しします。
クリエイティブに添えるタイトル(テキスト要素)を変えるだけでも配信効果が大きく異なることがあります。複数のタイトルを試し、反応の良いタイトルを見つけていくと良いでしょう。
商品やサービスの魅力を広告で伝えるときに、一つの表現や偏った訴求を行っていると、ターゲットリーチが広がらなかったり、ユーザーに飽きられてしまったりする可能性があります。ぜひ色々な切り口や見せ方でクリエイティブを作ってください。
LINE社では、1クリエイティブあたりの月間コンバージョン数が10件以上発生するように、クリエイティブの本数をご用意いただくことを推奨しています。
例えば、月間予算が50万円で目標の獲得CPAが5,000円の時、月間のコンバージョン目標件数は100件になりますよね。1クリエイティブあたり10件の原則に基づくと、コンバージョン数100件÷1クリエイティブ10件=クリエイティブ本数は10本必要という計算になります。
もちろん、実際に運用する中でよりクリエイティブの本数が必要な場合や、そこまで本数を用意しなくても良いケースもあります。大切なのは、予算や運用状況に応じて、柔軟に本数を用意できる体制を持っておくことです。
LINE広告、複数あるクリエイティブフォーマットの優先順位は?何から試すべき?
-複数のクリエイティブフォーマットを柔軟に使い分けることが大事だと分かりつつも、リソースの観点で全てを実施できない場合もありますよね。複数あるクリエイティブフォーマットのうち、「まずはこれから試すべき!」という優先順位はあるのでしょうか?
インプレッションが出やすく、広告効果が担保されやすいフォーマットは、静止画の1:1と動画の1:1のフォーマットです。まずこの2つを優先的に制作し入稿いただきたいですね。動画クリエイティブの制作が難しい場合は、まずは静止画の1:1と画像(小)のフォーマットから試すことを推奨します。
ただし、今は動画に取り組むことで、静止画とはまったく違う効果を得られるケースもたくさん出てきているんです。機会損失を防ぐために、動画フォーマットにもチャレンジすることをお勧めします。
■関連記事:LINE動画広告の配信面・クリエイティブ規格についての情報まとめ
https://service.aainc.co.jp/product/letrostudio/article/line-videoad
LINE広告、クリエイティブ運用の推奨パターンは?
-パターンテストの仕方や差し替えタイミングなど、クリエイティブ運用はどのように行っていけばよいでしょうか?
複数のクリエイティブフォーマットと複数の訴求軸を用意して検証を回していただくことが大切です。
具体例でご説明しましょう。
①配信開始時
どのフォーマットと訴求軸の反応が良いかを確かめるために、あらかじめ複数のフォーマット・複数の訴求軸を用意します。
例えば、フォーマット(静止画/動画)、訴求(価格訴求/効能訴求)、メインビジュアル(商品メイン/人物メイン)を掛け合わせると、全部で以下8つのクリエイティブパターンができます。
<静止画のフォーマット>
- 価格訴求・商品メイン
- 価格訴求・人物メイン
- 効能訴求・商品メイン
- 効能訴求・人物メイン
<動画のフォーマット>
- 価格訴求・商品メイン
- 価格訴求・人物メイン
- 効能訴求・商品メイン
- 効能訴求・人物メイン
どれが勝ちクリエイティブとなるかを見極めるために、あらかじめ複数のパターンを用意し、配信を開始してください。
②配信開始から7~10日くらい
配信してある程度日数がたつと、それぞれのパターンのインプレッション数、クリック数、コンバージョン数に差が出てきます。
このタイミングで勝ちパターンを判定し、効果が良くないものは停止し、効果が良かったものだけを残してください。そして、効果が良かったもの/良くなかったものに対し、それぞれなぜその結果になったのかの原因を分析し、仮説を立てます。
③配信開始から20日目前後
仮説に基づき、効果が良かったものの横展開を行うなど、新たなクリエイティブを投入します。
この3つのサイクルをグルグルと回すことで、良いクリエイティブの表現を見つけていってください。
LINE広告で成果につながる動画クリエイティブとは?
-LINE広告の動画フォーマットで高い成果を得るために、クリエイティブで工夫するポイントがあれば教えてください。
まず、LINE広告全ての動画フォーマットに共通するTipとして以下3点をお伝えします。
1. 1フレーム目/1シーン目で配信効果が決まる
2. 長く視聴してもらいたい場合はシーンの構成とテンポが重要
3. バーティカルは3:4のエリアに重要な要素を入れる
一つずつ説明していきますね。
LINEのアプリを利用されている方は、スクロールしたりスワイプしながら画面を見ています。全てのユーザーが指を止めて動画広告を視聴してくれるわけではありません。
ですから、ユーザーの画面に動画広告が表示された瞬間にアテンションを取り、指を止めてもらう工夫がとても大切です。
上の例で言えば、「初回限定500円」のメッセージが1フレーム目で全て見えている方が、クリックあるいは視聴を維持できる可能性が高いです。
より長く視聴してもらいたい場合は、シーンの構成とテンポが重要です。上記の例のように、クイズや診断のような構成にすることで、より視聴率が担保できた事例があります。
バーティカル(9:16)の縦型動画を配信する場合は、3:4のエリアに重要な要素を入れてください。タイムラインなどの配信面において、デフォルトでは3:4で表示されるためです(タップ後に9:16の縦型動画が開く仕様です)。
-商材別に、見られやすい動画の傾向はありますか?どのような尺の、どんなタイプの動画を作成するのが良いのでしょうか。
目的別にお勧めのタイプが異なります。
①注意を引き、興味を持ってもらいたい場合:5~12秒の短尺動画がお勧め
- GIFアニメ風の、シーン遷移がなく一部の動きでアテンションをひく動画
- 映像の一部が動くような動画
- UGC風のショートムービー的な動画
- 続きは遷移先で、といったティザー的な動画
- インパクトのあるテキスト中心の訴求表現
お勧めの商材
コスメ、健康食品、美容、食品/飲料、金融サービス、アプリ、フィットネス
②バリエーションや工程を見せ、商品理解を促したい場合:10~30秒くらいの動画
- 3シーン以上で複数商品やバリエーションを紹介する動画
- 開封や利用シーンなど、工程や物事が進捗するような動画
- how to風で視聴維持がされやすい動画
- 時間経過とともに商品理解が深まる動画
お勧めの商材
コスメ、健康食品、美容、食品/飲料、金融サービス、教育、ファッション、EC
③ストーリーや世界観を通じて興味を持ってもらいたい場合:20~60秒くらいの動画
- ゲームプレイ風の没入感がある動画や、商品の世界観を伝える動画
- マンガなどストーリー性のある内容で視聴維持がされやすい動画
お勧めの商材
ゲーム、電子書籍
■関連記事:【目的別で解説!】LINE用の動画活用事例5選
https://service.aainc.co.jp/product/letrostudio/article/line_movie.example.html
効果的な動画クリエイティブを素早く用意するためにできる工夫とは?
-動画クリエイティブの準備は、静止画に比較し、人的リソースの面やコスト面でハードルが高い印象があります。効果的な動画クリエイティブを素早く準備するために、工夫できるポイントがあれば教えてください。
「動画」というと作りこまなければいけないイメージがありますが、制作コストや時間を抑えて作ったクリエイティブでも、十分に広告配信効果が担保できている事例がたくさんあります。
①アテンションを引くために、一部分だけが動く動画も有効
静止画の一部だけが点滅したり、位置が動いたりするような動画もアテンションを引く上で有効です。静止画の勝ちクリエイティブの一部を動かして動画にしてみるのもよいでしょう。
■関連記事:「エーザイ」が、静止画の一部を動かす動画をLINEで配信し成果を上げた事例についてのインタビューはこちら
https://smmlab.jp/article/eisai-line-interview/
②静止画をスライドショー形式にして動画化する
静止画をスライドショーのように見せるだけでも、効果が担保しやすい事例があります。単純な静止画よりも多くの情報量が伝えられる広告になります。
③冒頭3秒間の訴求が重要なため、冒頭部分の検証だけでも有効
冒頭3秒間のメッセージを変えるだけでも、配信効果が大きく向上する事例があります。既存の動画素材がある場合は、冒頭シーン(1フレーム目・1シーン目)だけのアレンジ・検証も行ってみましょう。
最新!LINE動画広告事例
-最後に、最新のLINEの動画広告の事例をいくつかご紹介ください。
実際に成果が出ている動画広告クリエイティブを5パターンご紹介します。
①開封動画と商品画像を一緒に見せる
上半分で商品が届いた際の開封動画を見せ、下半分に商品の具体が伝わる静止画動画を配置するデザインです。
開封動画だけを配信する場合、動画をよく見ないと商品の詳細が分からず、アテンションを取りづらくなってしまうケースがあります。
開封動画に加えて、商品の具体的な内容が分かる静止画を一緒にレイアウトしておくことで、商品イメージの開封時のリアリティを同時に伝えることができます。
②丁寧なお知らせ+シンプルなデザイン
LINE広告の縦型フォーマット(9:16)において、企業から手紙が届いたような演出にすることで、しっかりと読み込まれコンバージョンレートが担保される事例が出ています。
縦型フォーマットでは、配信時にクリエイティブが画面を大きく占有するため、ある程度の情報量があってもユーザーに興味を持ってもらうことができます。
このタイプのクリエイティブは、業界を問わず広く成果が出ている印象です。企業からの長いメッセージのお知らせに、つい目を留めるユーザーが多いようです。
③ユーザー目線のコピー
ユーザーが実際にサービスや商品を利用しているシーンを動画でリアルに見せながら、そこにユーザー目線のコピーを添えることで、親近感を出したり、リアリティを感じてもらいやすいクリエイティブにできます。
④高級な印象を与えるデザイン
高級感があるデザインを担保しながら、静止画の一部を点滅させるなどの注意を引くような動きを入れることでクリックされやすい動画に仕上げることができます。
⑤羅列した商品が右から左・縦方向に動いていくような表現
商品を並べ、ベルトコンベアーのように右から左、下から上などに流れていく表現のクリエイティブです。
商品をただ左右や上下に流す動きを加えるだけで、作りこんだ表現ではないのですが、ユーザーのアテンションが取りやすく、大きく成果を伸ばした事例もあります。
LetroStudio:未経験者でもLINE動画広告クリエイティブが簡単に作れます
LetroStudioは、今回ご紹介したようなLINEの動画広告クリエイティブが、誰でも簡単に15分で作れる動画制作ツールです。
LINE広告の「勝ち動画テンプレート」も多数ご用意。また、“動かせない” ”追加できない” ”消せない” のストレスがない自由度の高い編集機能を備えており、勝ち動画クリエイティブの横展開や、ちょっとした修正・調整もラクに実現できます。月額固定料金のプランをご用意しているので、何本でもクリエイティブを制作でき、広告運用のPDCAスピードアップにも役立ちます。
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