X(Twitter)は、2022年10月のイーロン・マスク氏CEO就任以来、SNSプラットフォームとして大きな変化を遂げています。

一連の変化は企業のX(Twitter)担当者にとって、自社のプロモーション活動の成果を最大化させるために見逃せません。

本記事では、2022年下半期〜2023年1月にかけて起きたX(Twitter)のアップデート内容や、新たに追加された機能について解説します。

あわせて、企業が今後X(Twitter)を効果的に活用するためのヒントもお伝えします。

おすすめの資料

【2023年総まとめ】X(Twitter)キャンペーン成功事例9選

この記事でご紹介している企業の詳細施策も掲載!
X(Twitter)キャンペーンを取り組む各企業の事例を目的別に9選ご紹介しております。是非ダウンロードください。

ダウンロードする(無料)

ユーザー向けのアップデート

まずは、一般のユーザー視点でのアップデート内容を解説します。X(Twitter)の基本である「ツイートする」というアクションに関して、細かなアップデートが重ねられています。

①ツイート1件に動画、画像、GIFを同時添付できるように(2022.10.7)

1件のツイートに対して、動画、画像、GIFを同時添付できるようになりました。複数のコンテンツを添付できることで、「1ツイート=140文字以内」という字数制限以上に豊かな表現、そしてより多くの情報伝達が可能に。

例えばキャンペーンやセール訴求の場合などに、動画やGIFを積極的に活用すると、流れの速いタイムライン上でより効果的にユーザーの目を引くことができるでしょう。

②ツイート編集機能のテスト始まる(2022.9.1)

ツイート送信後に「誤字があった…」「一部だけ表現を見直したい」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか?

このようなユーザーの声を受けて2022年9月から、ツイート編集機能のテスト提供が始まりました。

編集済みのツイートの左下には、鉛筆のようなアイコンと「edited(編集された)」の表示が入ります。

そして現在、この編集機能は「Twitter Blue(有料版)」で提供されています。

③モーメント作成機能が停止(2022.12.8)

「モーメント」とは、複数のツイートをまとめる機能のこと。自分のツイートはもちろん、他ユーザーのツイートも含めることが可能です。

しかしこの「モーメント」作成機能は、2022年12月8日をもって停止。X(Twitter)社はその理由を「他の機能開発に注力するため」としています。

企業のX(Twitter)担当者にとっては、例えば商品・サービスやキャンペーンに関する情報をひとまとめにしておくことができなくなり、これまでに取り組んでいた施策を停止せざるを得なくなりました。

④認証バッジの変更開始、「Twitter Blue」が日本でも受付開始(2022.12〜2023.1) 

「認証バッジ」とは、X(Twitter)が特定のユーザーに対して付与するチェックマークのこと。

以前は「著名で信頼に値するアクティブなアカウント」「公共の利益にかなったアカウント」に対して「青のチェックマーク」が付与されていました。

しかし2022年12月以降、X(Twitter)はこのルールと認証バッジの種類を見直しました。

  • 「金のチェックマーク」:X(Twitter)が公式に認証しているビジネスアカウント
  • 「グレーのチェックマーク」:政府関係や多国籍機関のアカウント
  • 「青のチェックマーク」:Twitter Blue(有料版)契約アカウント/旧来のルールの下でX(Twitter)側が認証したアカウント

以前は、企業・クリエイターのアカウントでフォロワー数が増加し、知名度が上がった場合に、X(Twitter)宛に「認証の申請」を行って、バッジを獲得するケースも見られました。

しかし、認証ポリシーが変わった現在、X(Twitter)は「認証申請」を受け付けていません。今後、企業やクリエイターが新規で「青バッジ」を獲得したい場合には、「Twitter Blue(有料版)」を契約する必要があります。

⑤Instagramなど他SNSへの誘導禁止(2022.12.19) 

X(Twitter)だけでなく、InstagramやFacebook、YouTubeなど複数SNSを同時運用している企業は多いはず。X(Twitter)上で「当社のInstagramはこちら」「YouTubeに動画をアップしました」など、別チャネルの存在を知らせてユーザーを誘導を図りたい企業も多いと思います。

ところが2022年12月19日に、他のSNSへの誘導することを禁止する旨がポリシーページに記載されました。
しかし現在のところポリシーページ自体が閲覧不可となっており、このポリシーが適用されているか否かを確認することはできません。今後見直される可能性が高く、注意が必要です。

⑥ツイートインプレッション「View Count」の提供開始(2022.12.23)

2022年12月23日以降、ツイート一件一件に対して「インプレッション数(ユーザーに見られた回数)」を表示する「View Count」の機能が提供開始。

企業のX(Twitter)担当者にとっては、ツイート一件に対するインプレッション数を手軽に確認しやすくなりました。

しかし一方で、「View Count」は誰からも見えるので「自社のツイートがどれぐらい見られているか、競合他社からも分かってしまう」といった不満の声も挙がっています。

⑦「For you」「Following」タブでツイートを表示させることを発表(2023.1.11)

2023年1月11日以降、タイムラインに「For you」「Following」というタブが出現。

「For you」タブはユーザー一人ひとりに対してパーソナライズした「おすすめツイート」を表示させる場で、「Following」は、フォロー中のユーザーのツイートを表示させる場です。

必ずしも「フォロー関係」によってタイムラインの内容が決まるのではなく、InstagramやTikTokのように、ユーザーの興味関心に沿ったコンテンツ表示がより強化されたことを意味しています。

「時系列表示や、フォロー関係に基づいた表示よりも、一人ひとりのユーザーの興味関心に合わせた『おすすめツイート』を重要視し、X(Twitter)での滞在時間をできるだけ伸ばしたい」といったX(Twitter)社の意図が伺えます。

企業側にとっては「フォロー関係の無いユーザーに対しても、自社のツイートを届けられる可能性が出てきた」と言えます。しかしその一方で「リアルタイムな時系列表示」の重要度が下がってきていることも意味しています。

キャンペーンや新商品・セール情報など、「今すぐフォロワーに見てほしいツイート」が届きにくくなっている点も理解しておきましょう。

企業向けのアップデート

次に、X(Twitter)をプロモーションに活用する企業担当者や、広告主向けのアップデート内容を解説します。

①新プロダクト「Twitter検索キーワード広告」ローンチ(2023.1.25)

2023年1月25日、新たな広告メニュー「Twitterキーワード広告」が登場。

ユーザーがX(Twitter)内の検索窓に「検索キーワード」「ハッシュタグ」を入力した際、あるいは「トレンドキーワード」をクリックした際に、関連性の高い広告を表示させることができます。

一例として、ユーザーがX(Twitter)内の検索窓に「オーガニックコスメ」「#オーガニックコスメ」と入力した場合について考えてみましょう。

広告主側が「オーガニックコスメ」「#オーガニックコスメ」といったキーワードで「Twitterキーワード広告」を出稿していれば、自社商材に興味を持ちそうなユーザーを効果的に誘導できます。

「今この瞬間に情報がほしい」と考えて検索しているユーザーに対し、関連性の高い情報を届けられるため、強い訴求力が期待できそうです。

②広告のカスタムオーディエンスに関するアップデート(2023.1.20)

TwitterID(@ハンドル)を利用したカスタムオーディエンス(※)についてアップデートを実施。

これまでは、すべての広告アカウントでTwitterIDを利用したカスタムオーディエンスが利用可能でしたが、アップデート以降は利用するための権限申請と付与を広告アカウントごとに行うことが必須となりました。

※)カスタムオーディエンスとは:自社が保有しているリストなどをもとにターゲティングする方法。メールアドレスやX(Twitter)のID(@ハンドル)などのリストをアップロードしてターゲティングすることができる。

③「いいね」をオリジナルアイコンにできる「ブランドいいね」(2022.7.1)

2022年7月1日以降、「ブランドいいね」というプロダクトが登場。プロモツイート内の「いいね」ボタンを、ブランドを象徴するオリジナルアニメーションに変えられるというものです。

ユーザーは思わずリアクションしたくなり、その結果として、ブランドを象徴するクリエイティブがX(Twitter)上にどんどん拡散していきます。

ゲーム、メディア、エンターテイメント、テクノロジー・通信、消費財といったさまざまなブランドが、新商品・サービス発売や、ブランド認知度を高めるために活用しています。

④広告の効果測定機能が進化(2022.8.17)

X(Twitter)広告の効果測定機能が進化しました。

  • ユーザーが広告を見たり、クリックした数
  • ユーザーが広告にリアクションした後の行動追跡

などをより細かくできるようになり、広告の費用対効果をより詳しく検証することができるようになりました。

今後も、複数の新たな広告プロダクトのローンチが予告されており、X(Twitter)広告の利用価値がより高まっていきそうです。

参考:パフォーマンス広告および測定ソリューションの規模を拡大します 新しい広告フォーマットをテストしています

⑤企業・団体向け新機能:「ロケーションスポットライト」(2022.8.5)

2022年8月5日以降、X(Twitter)を活用する企業・団体向けの新機能「ロケーションスポットライト」がリリースされました。これは、無料で利用できます。

実店舗の所在地、営業時間や連絡先を表示し、ユーザーが電話やメール、X(Twitter)のダイレクトメッセージで直接コンタクトを取れるようにするための機能です。 Google Mapとも連携していて地図・道順も追加でき、ユーザーの来店を後押しします。

通常アカウントから「Twitter Proアカウント」に切り替えて、プロフェッショナル専用ツールにアクセスすると設定可能になります。

2023上半期 X(Twitter)活用のヒント

2022年後半〜2023年初頭にかけて実施されたアップデート・新機能追加内容から、今後のX(Twitter)プロモーションをより効果的にするためのヒントを見ていきましょう。

動画・GIF活用で効果的にユーザーの目を引く

「動画・画像・GIFを同時に添付可能」「ツイート編集可能」など、より細やかに表現の工夫を凝らすことが可能になりました。

基本的に「X(Twitter)は短文テキスト投稿の場」として理解されていますが、以前と比べると、ビジュアルも豊富に交えながら表現できるプラットフォームに進化しています。

キャンペーン告知、新商品・サービス告知などプロモーションに活用する際には、より訴求力・情報伝達力が高まる動画やGIFを積極的に取り入れることで、流れの速いタイムライン上でもユーザーの目に留まりやすくなるでしょう。

さまざまなX(Twitter)プロモーション手法にトライしよう

通常投稿を日々発信していく以外に、プロモーションのあり方も「Twitter検索キーワード広告」「ブランドいいね」「ロケーションスポットライト」などより多様な角度からユーザーにアプローチできるようになりました。企業のX(Twitter)担当者にとっては、ユーザーに訴求できる手法が、より幅広くなったと言えます。

新機能の活用方法をいち早く学んで、できることからまずは実践してみることが大切です。

効果的に露出を獲得し、一人でも多くのユーザーにリーチして自社の認知拡大につなげましょう。クイックに行動することが、競合他社との差別化を図る秘訣です。

【X(Twitter)プロモーションの事例をもっと知りたい方はこちら】
2022年総まとめ!SNSキャンペーン成功事例14選【Twitter、Instagram、TikTok】

X(Twitter)社の速い動きを注視しよう

イーロン・マスク氏のCEO就任以来、かつてないほど急速なスピードで日々、アップデートが続けられています。

2023年2月2日には、これまで無料で公開されていたAPIについてバージョン1.1、2両方の有料化が発表されました。詳細はまだ未定ですが、今後X(Twitter)と連携した様々なサービスに影響があると予想されます。

それ以外の機能についても、今後もさまざまな変更が加えられる可能性が大きく、X(Twitter)を活用している広告主や公式アカウント運用担当者は、その動きに注目していく必要がありそうです。

【イーロン・マスク氏CEO就任後のTwitter変化と企業への影響についてはこちら】
今Twitterに何が起きている?イーロン・マスク氏CEO就任後の主な出来事まとめ

この記事の著者

景山 真理

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、Webメディア・紙媒体で執筆のしごとをしています。専門領域はデジタルマーケティング、デジタルトランスフォーメーション。
Website:Mari Kageyama Writing Works