日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?

ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。

用語説明

データマイニング(Data mining)

企業に大量に蓄積されるデータを解析し、その中にある潜在的かつ決定的に重要なパターンや法則性を抽出する方法のこと。鉱山で大量の土砂を掘り出して、その中から極めて少量の金塊を掘り当てる作業のように、潜在的な顧客ニーズを採掘する作業であることから、データマイニング(Data mining=データの採掘)と言われる。通常のデータの扱い方からは想像が及びにくい、ヒューリスティック(heuristic、発見的)な知識獲得が可能であるという期待を含んでいることが多い。
データマイニングの成果を端的に表す例として、1990年代の中頃、大手のスーパーマーケットチェーンで、大量の販売データから「赤ちゃんの紙おむつを買うお客はビールを買う確率が高い」という結果が出て、おむつの近くにビールを配置することによって両方の売り上げをあげたという話がある。

ビッグデータの発展とデータ解析技術の向上

1990年代以降、インターネットの登場・急速な普及により、世の中のデータ量がそれまでとは比較にならないほど急速に増加しました。そしてここ2年ほどは世界的にソーシャルメディアやスマートフォンの普及が進んだこと、またクラウドサービスが発展したことにより、データ量増加のスピードは劇的に加速しており、現在インターネット上を流れるデータの90%は、なんとこの2年以内に生成されたものとも言われています。そしてこのデータ量は2年毎にほぼ倍増、5年後には現在の10倍、10年後には50倍に膨らむともされています。
また、データ量が急激に増加するだけでなく、それを高速で処理するハードウェアや技術も進化しています。現在では、統計学やパターン認識、人工知能などの様々なデータ解析の技法を大量のデータに網羅的に、かつ高速で実施できるようになりました。
このような背景から、大容量のデータの中から潜在的な顧客ニーズを読み解く「データマイニング」が、今後の企業にとって最も重要な課題の一つであると言われています。

これからのデータマイニングが抱える課題

ビッグデータ時代のデータマイニングにおいて最も大きな課題とされているのが、適切にデータを取り扱える人材が不足しているという事実です。どんな統計分析手法を用いるかを決定し、得られた解析結果から有益な情報を引き出すためには統計学の知識が必要となりますし、また解析結果を実際のマーケティングや経営、ビジネスそのものに活かすためには、全体を俯瞰できる経営的センスが不可欠です。
また、ビッグデータ時代においてデータをより有効に活用していくためには、企業がそのデータを各組織内で保持しておくのではなく、「全社のもの」として組織間の壁を取り払い、あらゆるデータベースを「統合」していくことも求められるでしょう。

データの先には「人」がいる

なお、データ解析を行う際に一つ忘れてはならないのが、それらデータは全て「人」の何らかのアクションや気持ちの積み重ねであるということです。
数字を追いかけるのは大切なことですが、取りつかれてしまうと、目の前のユーザーが見えなくなる恐れがあります。データの解析結果をただの「数字」ではなく「顧客の行動・気持ちの表れ」として受け取ること、そしてデータ解析結果の「行間」に人間的なイマジネーションを働かせて実際のビジネスに活かしていくことも大切なのではないでしょうか?

イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ