最近良く聞く「スマートペイメント」って何?なんとなく分かっているつもりの今どきマーケティング用語を、SMMLabがやさしく解説します!
用語説明
スマートペイメント(Smart Payment)
商取引における、現金や銀行での手続きを必要としない電子的な決済手段のこと。(野村総合研究所の定義による)
主にモバイルデバイスでの決済を指すため、「モバイルペイメント」という呼称が一般的であるが、ウエアラブルデバイスの登場等、デバイスのスマート化にともなって“スマート”ペイメントという単語が使われることが増えてきている。
iPhoneやAndroidなどのモバイルデバイスをクレジットカード決済端末にするため、導入コストを抑えることが出来、決済手数料も比較的安価なため、これまでクレジットカード決済の導入が難しかった中小企業や小規模事業者、個人経営の店舗、イベント会場やフリーマーケット、訪問販売、移動販売など様々な場所での利用が広がっている。
また、法人・個人に関わらず契約できるサービスが増え、従来は出来なかった個人間取引でもクレジット決済が可能となった。
野村総合研究所では、2012年度に45兆円だったスマートペイメントの市場規模は、2018年度に60兆5000億円へと成長すると予測している。
※参考:野村総合研究所 発表資料
スマートデバイスを活用し対面店舗でも非対面決済を可能に
スマートペイメントはモバイルデバイスを活用することから、従来のモバイルペイメントと同義に扱われがちですが、デバイスの進化だけではなく、オムニチャネルやO2Oといった企業の販売チャネルの統合戦略が進むことで、その可能性を広げています。
事業者がクレジットカード決済を導入するためには「加盟店」として登録を行う必要がありますが、その契約形態は「対面決済」と「非対面(インターネット)決済」に分けられています。そのため実店舗とネットショップを持つ事業者はそれぞれ別の契約が必要でした。
しかし、スマートフォンの普及によって消費者の購買行動がネットとリアルの区別なくシームレスに行われるようになってきたことで、対面店舗でも非対面決済を可能にする、新しい形の決済サービスが次々に生まれてきています。
支払いの利便性向上に留まらない決済連動型マーケティングへ
また、スマートフォンやタブレット端末にカードリーダを装着し決済端末機として利用したり、NFCやFeliCa、QRコード、バーコード、Beacon等を活用するソリューションや、それと連動したアプリなど、決済機能を単に「支払い」の利便性向上だけでなく、顧客開拓やロイヤリティ向上に役立てる取り組みも始まっています。
最近海外では、スターバックス、マクドナルド、バーガーキング、ダンキンドーナツなど、スマートフォンアプリを活用した“事前オーダーによるモバイル決済”に取り組む大手飲食チェーン店が増えています。
“事前オーダーによるモバイル決済”は、利用者が事前にアプリ上で商品の注文を行い、決済を済ませておくと、指定した時間に店舗に到着すれば待ち時間なく商品が受け取れるというサービスですが、アプリによって消費者の行動をアイテム毎にトラッキングしたり、使用しているソーシャルメディアからデータを取り出すことも出来るため、プッシュ通信を絡めながら来店を促進できる手段として期待されており、日本でも同様のサービスが登場し始めています。
このように決済端末にスマートデバイスを活用することで、クレジットカードの購入履歴や店舗利用履歴などのデータを収集することが出来るため、これまで以上に精度の高いターゲティングによるクーポンの発行やキャンペーン告知、広告配信などが可能となりました。
さらに、先日、Facebookがアプリとして独立させた「Facebook Messenger」に支払い機能が準備されていることが報道されましたが、Facebookのような膨大な個人データを所有するSNSが、モバイル決済サービスを始めるとなれば、さらに決済連動型マーケティングの可能性が広がるに違いありません。
イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ
この記事をシェアする