即時性と拡散性に優れ、ユーザーの活発な会話が行われる場であるX(Twitter)。そんなX(Twitter)上で広告を配信するX(Twitter)広告の特徴や活用メリットとは何なのか?今回はX(Twitter)広告の概要から出稿方法・成功のためのポイントまで、X(Twitter)広告の「知りたい」を徹底的に解説しました。

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1.X(Twitter)広告を始めるまえにおさえておきたい媒体特性

X(Twitter)広告を始めるまえに、X(Twitter)の媒体特性について簡単におさらいします。

X(Twitter)の日本国内における月間のアクティブアカウント数は4500万(2017年10月時点)
全世界では3億3000万アカウント(2019年Q1時点)がX(Twitter)を利用しています。

X(Twitter)を使って情報検索をするユーザーは、日本国内のユーザーの67%だと言われているように(※)、X(Twitter)にはリアルタイムな情報を求めているユーザーが多い傾向があります。

同時にX(Twitter)はリアルタイムの情報をユーザーが「RT(リツイート)」することで情報が拡散されしばしば「バズ」という状態が生まれやすいプラットフォームです。

この「即時性」と「拡散性」の高さがX(Twitter)の大きな特徴だと言えるでしょう。

また、X(Twitter)で探される情報は、ユーザーの消費行動と深く結びついています。アライドアーキテクツの調査によると、企業アカウントをフォローしているX(Twitter)ユーザーのおよそ5割弱が、企業からのサービスや商品の新情報やセール情報を求めているという結果もあります。

企業はX(Twitter)を活用することで、新しい商品やサービスの情報を求めるユーザーと接点をもち、自社の商品やサービスをPRすることができるのです。

2.X(Twitter)広告のメリット4つ

では、X(Twitter)を活用したマーケティング施策の1つであるX(Twitter)広告にはどんなメリットがあるのでしょうか。

2-1.メリット①拡散性が高く広告費以上の成果がでる場合がある

X(Twitter)のタイムライン上に配信する広告は、通常のオーガニック投稿と同様にユーザーがリツイートを行うことができます。そして、リツイートされた広告に対するアクションについては広告費が発生しません。つまり、広告がリツイートされれば、かけている広告費以上の成果を出すこともできるのです。

2-2.メリット②潜在層ユーザーにリーチできる

また、広告がユーザーによって拡散されれば、そのユーザーのフォロワーがその広告を見ることになります。これは、自社で設定したターゲット以外のユーザーである可能性もあり、企業側で想定していなかった潜在層のユーザーにリーチすることも可能となります。

2-3.メリット③ユーザーの興味関心軸を利用した効率的なターゲティング

X(Twitter)には、自分の趣味など興味関心によってアカウントのフォローが生まれるという特徴があります。そのためX(Twitter)広告の興味関心ターゲティングやフォロワーターゲティングを利用すれば、自社の商品やサービスに関心が高いユーザーにリーチすることができます。

また、キーワードターゲティングでは、特定のキーワードについてツイートしたり検索したりしたユーザーに広告を表示させることもできます。そのため、商品やサービスの情報を求めているユーザーに対して効率的に広告を出すことが可能です。

X(Twitter)広告のターゲティングについての解説を読む

2-4.メリット④X(Twitter)社から提供される豊富な情報・リソース

X(Twitter)には、広告をはじめとしたX(Twitter)マーケティングの活用方法から基本のポイントまでを紹介する記事や動画コンテンツが豊富にそろっています。2020年にはX(Twitter)広告のeラーニングプラットフォームである「Flight School」がリニューアルされました。また、Twitter Japanでは、広告認定パートナープログラムも新設しています。X(Twitter)広告の運用代行を行う広告代理店の中から運用経験や実績によってランクごとにパートナーを認定。代理店を挟んだX(Twitter)広告運用を検討中の企業に嬉しい動きです。こうした企業のX(Twitter)活用をサポートする体制が整っているのも魅力の1つです。(2021年9月情報更新)

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3.X(Twitter)広告の種類

X(Twitter)広告は大きく分けると、運用型広告である

  • 「プロモアカウント」
  • 「プロモツイート」

1日1社限定の買い切り型広告である

  • 「プロモトレンド・ファーストビュー・プロモトレンドスポットライト」

に分けられます。自社で出稿することができるのは運用型広告である「プロモアカウント」「プロモツイート」の2つです。

3-1.プロモアカウント

ターゲットとなるユーザーに広告を表示し、アカウントのフォローを促す広告です。
「おすすめユーザー」、アカウント検索画面、スマートフォンアプリのタイムラインなど様々な場所に表示されますが、配信場所を選ぶことはできません。

タイムライン上に表示されるクリエイティブには、プロフィールのヘッダー画像が使用されます。広告配信中にヘッダー画像をアップデートすればプロモアカウントの広告ツイートの画像も自動的に更新されます。

プロモアカウントの表示例。フォローするをクリックすることでアカウントをフォローすることができる。
画像引用:フォロワー数キャンペーンを作成する|Twitter for Business

3-2.プロモツイート

ターゲットユーザーに広告ツイートを表示させるプロモツイートは、リーチ数、ウェブサイトのクリック数、動画の再生数、アプリのインストール数など様々な目的の広告配信に利用されます。

広告キャンペーンの配信目的についての説明を読む

配信面は「タイムライン」「検索結果画面」「プロフィールページ」の3つです。また配信目的によっては、X(Twitter)と連携している外部のモバイルアプリへ広告を配信することも可能です。
タイムラインは全ての配信目的で固定されており、その他の「検索結果画面」「プロフィールページ」は広告配信面から除外することができます。

配信面についての詳しい説明を読む

3-3.プロモトレンド、ファーストビュー、プロモトレンドスポットライト

1日1社限定の買い切り型広告であるプロモトレンド、ファーストビュー、プロモトレンドスポットライトを利用すれば、話題化やよりインパクトの強い広告出稿施策ができます。

①プロモトレンド

「話題を検索」ページの「おすすめ」と「トレンド」タブ、ユーザーのタイムライン、プロフィールページに24時間広告を表示させます。 話題を探しにきているX(Twitter)ユーザーに大規模にリーチし、広告内で指定したハッシュタグを利用したツイートを促すことができます。

②プロモトレンドスポットライト

X(Twitter)の「話題を検索」ページの最上部に、動画、GIF、静止画クリエイティブを用いた広告を表示させます。視認性が高い場所に表示させることで、高い認知率が見込めます。また、プロモトレンド同様に、指定したハッシュタグを利用したツイートを生み出すことができます。

プロモトレンド(左)、プロモトレンドスポットライト(右)の表示例。ユーザーが話題を探しに来ているトレンド画面に広告を出稿し、指定したハッシュタグを利用したツイートの醸成を効率的に行える。
画像引用:買い切り型広告商品|Twitter for Business

③ファーストビュー

ユーザーがその日最初にX(Twitter)にアクセスした際、そのユーザーのタイムラインの最初の広告枠に動画広告を表示させます。(静止画、GIF、テキストのみのクリエイティブには対応していません)圧倒的なリーチ力と、強いインパクトが魅力の広告商品です。

これらの買い切り型広告商品は自社運用ができませんので、出稿の際はX(Twitter)社やエージェンシーに問い合わせる必要があります。

4.X(Twitter)広告の出稿手順

ここからは自社で出稿が可能な「プロモアカウント」「プロモツイート」の出稿方法をみていきます。

まず、前提としてX(Twitter)広告を始めるためには、X(Twitter)アカウントの開設が必須です。また、新規で開設したX(Twitter)アカウントでは広告アカウントを取得するために数週間の運用実績が必要となります。X(Twitter)アカウント自体を新しく始める場合にはご注意ください。

X(Twitter)広告の出稿手順は以下の通りです。

  • 1.広告アカウントの作成
  • 2.広告配信目的(キャンペーン)の設定
  • 3.X(Twitter)広告の出稿手順③広告グループの作成
  • 4.X(Twitter)広告出稿手順④オーディエンスの設定
  • 5.X(Twitter)広告出稿手順⑤プレイスメントの設定
  • 6.X(Twitter)広告出稿手順⑥クリエイティブの設定

5.X(Twitter)広告の出稿手順①広告アカウントの作成

まず、お使いになるX(Twitter)アカウントの中に広告アカウントを開設します。広告アカウントの作成は、ホーム画面の「もっと見る」をクリックし、「Twitter広告」から行うことができます。

Twitter広告を選ぶと、「オートプロモート設定」か「Twitter広告設定」かを尋ねる画面が表示されるので、ここで「Twitter広告を設定する」を選択。次の画面では、国とタイムゾーンを答えます。

次の画面に進むと、キャンペーンの作成画面になりますが、一旦こちらの画面は閉じて、広告アカウントをアクティブにするために、支払い情報の追加を先に行うことをおすすめします。
支払い情報は、画面右上にあるアカウント名をクリックして表示される「クレジットカードを追加する」から行います。入力の際は使用するクレジットカードの有効期限が十分にあることを確認してください。

6.X(Twitter)広告出稿手順②広告キャンペーンの作成

広告施策において、配信目的の設計は全てのベースとなる非常に重要なものです。運用型のX(Twitter)広告では「ブランド認知度の向上」「検討」「コンバージョン」の3つのカテゴリ、8つの目的で広告を配信することができます。

キャンペーン作成ツールで表示される広告キャンペーンの目的選択画面。8種類のキャンペーン目的から施策に最適な目的を選ぶ。

6-1.ブランド認知度の向上

ブランドの認知度の向上を狙った場合、広告ツイートがより多くの人に見られるようにする「リーチ」を目的として設定することができます。新商品やブランド、キャンペーンなど認知を獲得したい場合に最適なキャンペーン目的です。

課金形式は広告が1,000回表示(インプレッション)されるごとに費用が発生するCPM課金(コスト・パー・ミル)となっています。

6-2.検討

検討フェーズの広告キャンペーンでは6種類の配信目的があります。

①動画の再生数

  • 目的:動画の再生数増加
  • 特徴/利用シーン:動画クリエイティブは視認性が高く、静止画と比較してより多くの情報を伝えられるため、商品・ブランドの理解促進やブランドストーリーを伝える施策に適している。
  • 課金形式:CPV課金(広告動画の1回視聴あたりで費用発生)

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②プレロール再生数(※)

  • 目的:プレロール動画の再生回数の増加
  • 特徴/利用シーン:商品やブランドと親和性の高いユーザーに広告を届けて親近感や愛着心の醸成ができる。
  • 課金形式:CPV課金(広告動画の1回視聴あたりで費用発生)

※)プレロール:X(Twitter)と提携しているコンテンツ配信パートナーの動画の本編の前に再生される動画広告のこと。商品やブランドと親和性の高いユーザーに広告を届けて親近感や愛着心の醸成をすることができる。

③アプリのインストール数

  • 目的:アプリのインストール数の最大化加
  • 特徴/利用シーン:X(Twitter)はモバイルで利用するユーザーが多くアプリ広告と相性が良い。興味関心軸によるターゲティングで自社アプリにニーズのあるユーザーを狙い撃ちできる。
  • 課金形式:CPCA課金(広告経由でアプリのインストールが行われた時点で費用発生)

④ウェブサイトのクリック数

  • 目的:指定WEBサイトへの誘導数の最大化
  • 特徴/利用シーン:情報検索が盛んなX(Twitter)上で、新商品やサービスの情報を求めているユーザーを自社サイトへ誘導できる。
  • 課金形式:CPC課金(広告ツイート自体がクリックされた時に費用発生)、CPLC課金(外部サイトへのリンクがクリックされた時点で費用発生)

⑤エンゲージメント数

  • 目的:広告に対するユーザーのアクション(クリック、いいね、リツイートなど)であるエンゲージメント数の最大化
  • 特徴/利用シーン:広告ツイートを通してユーザーと活発なコミュニケーションを行い、ブランド推奨意向や好意度の醸成に繋げることができる。
  • 課金形式:CPE課金(エンゲージメントが発生した時点で費用発生)

⑥フォロワー数

  • 目的:フォロワー増加の最大化
  • 特徴/利用シーン:ターゲットユーザーのフォローを促し、見込み客との良質な接点をつくることができる。
  • 課金形式:CPF課金(アカウントがフォローされるごとに費用発生)

6-3.コンバージョン

コンバージョンを目的とした配信目的には「アプリのリエンゲージメント数」があります。これは、アプリをすでにダウンロードしているユーザーに実際にアプリを使ってもらうことを目的とした広告配信で、X(Twitter)のアプリカードという広告フォーマットを利用して配信が可能です。

アプリカードについての説明を読む

課金形式は、アプリを開くためにアプリカードをクリックした際に費用が発生するCPAC(コストパーアプリクリック)課金です。

キャンペーンの目的を選択したらキャンペーンの詳細を入力します。こちらでは、日別の予算や総予算、広告配信期間の設定を行います。入力が終了したら「次」を押して広告グループの設定に入ります。

7.X(Twitter)広告の出稿手順③広告グループの作成

X(Twitter)広告では1つの広告キャンペーンの中で、予算やクリエイティブ、ターゲットの異なる複数の「広告グループ」を作成することができます。

まずは基本情報を入力します。選択するキャンペーン目的によって内容が異なる場合がありますが、主な入力項目は以下の通りです。

①広告グループ名
②広告配信期間(任意)
③広告グループの総予算(任意)
④入札タイプ(必須)

運用型のX(Twitter)広告はオークション形式を採用しており、入札は「自動入札」「上限入札単価」と「目標コスト」から選ぶことができます。

  • 自動入札:最小限の費用(予算内)で最大の結果が出るように最適化するもの。初心者におすすめの入札方法。
  • 上限入札単価:課金対象となるアクションごとに支払う上限金額を設定するもの。アクションごとに支払う金額を予測するスキルが求められる。
  • 目標入札単価:フォロワー数、ウェブサイトのクリック数、リーチ、アプリのインストール数、アプリのリエンゲージメント数目的のキャンペーンで選択が可能。課金対象となるアクションごとに支払ってもよい入札額を設定。目標額以内に収まるように入札額が最適化される。

8.X(Twitter)広告出稿手順④オーディエンスの設定

広告を誰に配信するか、にあたるのが「オーディエンス」です。

8-1.オーディエンスの特性による絞り込み

まず、広告を配信するユーザーの基本属性(デモグラフィック情報)で絞り込みをします。X(Twitter)広告には①オーディエンス属性と②端末の2種類があります。

①オーディエンス属性

<必須>

  • 年齢:広告を配信するユーザーの年齢を絞り込む(全年齢に配信も可能)
  • 性別:広告を配信するユーザーの性別を絞り込む(男女両方に配信も可能)

<オプション>

  • 地域:国、都道府県、地域、都市、郵便番号で絞り込む
  • 言語:ターゲットとなるユーザーやそのフォロワーが使用する言語を指定する

②端末(任意)

X(Twitter)広告では、ユーザーがX(Twitter)を利用する際のデバイスや接続環境によるターゲティングを行うことができます。
端末指定を行えば、iPhone向けアプリのインストールを促す広告施策を行う場合には、iosのユーザーに限定して広告を配信することも可能です。

また、アプリのインストール数、アプリのリエンゲージメント数を目的とした広告キャンペーンでは、ユーザーがインターネットへの接続にWi-Fiを利用しているかどうかも選ぶことができます。Wi-Fiを利用しているユーザーに絞って広告を配信すれば、通信環境が良い状態でアプリインストールやアプリの利用を促すことが可能となります。

端末指定で絞り込めるのは以下の項目です。

  • オペレーティングシステム:ios、androidなどX(Twitter)を利用しているOSを指定
  • 端末モデル:特定の機種を利用しているユーザーに広告を配信
  • 携帯会社:ユーザーが利用している携帯電話キャリアを指定
  • つながり(アプリインストール数、アプリのリエンゲージメント数のみ):Wi-Fiを利用しているユーザーに絞って広告を配信

8-2.オーディエンスタイプの指定

オーディエンスタイプを指定したターゲティングでは、X(Twitter)ユーザーの興味や関心をもとに広告を配信するユーザーを指定することができます。興味関心での繋がりや会話が生まれるX(Twitter)の特性を最大に活かしたターゲティング機能とも言えます。

オーディエンスタイプの指定で利用できるターゲティング軸は以下の通りです。

①キーワード

特定のキーワードについて、検索、ツイートやそのキーワードが含まれるツイートに反応したユーザーをターゲティング、または除外します。

②フォロワーが似ているアカウント

特定のアカウントのフォロワーと類似した行動をとるユーザーに広告を配信または配信対象から除外します。例えば、SMMLabのX(Twitter)アカウント(@smmlab)を配信対象に指定すれば、アカウントのフォロワーと類似しているデジタルマーケティングやSNSマーケティングに興味関心の高いユーザーに広告を配信することができます。

フォロワーが似ているアカウントを指定すると、そのアカウントを追加した時のオーディエンスの想定数が表示される。

③興味関心

X(Twitter)ではツイート内容やフォローアカウントなどから、ユーザーの興味関心を推測。スポーツ、ビジネス、美容、ゲームなど25カテゴリー・350種類以上のトピックから、広告施策で狙うターゲットと親和性の高そうなものを選んでターゲティングを行います。

④映画・テレビ番組

X(Twitter)はテレビや動画コンテンツを見ながらツイートされることが多いことも特徴。この特徴を利用し、特定の映画やテレビ番組についてツイートしたり関連ツイートにリアクションをしているユーザーにリーチします。

⑤イベント

旬の話題や今起きていることが強い関心を集めるX(Twitter)で、特定のイベントについてX(Twitter)上で会話をしているユーザーを指定して広告を配信します。言語と地域のターゲティングを共に行うことでより精度の高いターゲティングを行うことができます。

イベントを利用したターゲティングでは、エンターテイメントやスポーツイベントの他に、X(Twitter)上でよく浮上するハッシュタグなどを指定して広告配信ユーザーを絞り込むことができる。

⑥会話トピック

ユーザーの安全かつ活発な会話を促すための取り組みに注力しているX(Twitter)上で、ユーザーが行なった会話をもとに10,000種類以上のトピックについてそのトピックに興味があると思われるユーザーに広告を配信します。

⑦ツイートにエンゲージメントしたユーザー

自社のアカウントのツイートにエンゲージメント(クリック・いいね・リツイート・返信など)をしたユーザーに広告を配信します。

8-3.カスタムオーディエンス

X(Twitter)広告ではすでに自社に興味を持っている人、既存顧客などのリストをもとに特定の人を対象とした広告配信を行うことができます。これはカスタムオーディエンスとよばれ、以下の3つの種類があります。

①リスト

メールアドレスや、X(Twitter)アカウント名などのリストを使い、ターゲティングを行います。

②ウェブサイトアクティビティ

ウェブサイトに最近アクセスした人たちに向けて広告を配信します。X(Twitter)のウェブサイトタグを利用することでデータを収集することができます。

③アプリアクティビティ

アプリをダウンロードしたユーザーや、登録したユーザーに対して広告を配信します。

8-4.X(Twitter)広告のターゲティングにおけるAND条件とOR条件

X(Twitter)広告では、オーディエンスの基本属性によるターゲティングはAND条件です。複数の条件を指定した場合、設定した条件を全て満たすユーザーにのみ広告が配信されます。

一方、オーディエンスタイプ、カスタムオーディエンスで設定した条件はOR条件となります。よって、設定した条件のいずれかを満たすユーザーに広告を配信します。

そして、オーディエンス属性によるターゲティングは、オーディエンスタイプ、カスタムオーディエンスによるターゲティングと掛け合わせて利用することができます。

例えば

①オーディエンス属性:日本、30〜39歳、女性
②興味関心:メイク、コスメ
③キーワード:アイメイク、ワンポイントメイク

という条件でターゲティングを行なった場合、①と②の条件を満たすユーザー、①と③の条件を満たすユーザーそれぞれに広告が配信されます。

9.X(Twitter)広告出稿手順⑤プレイスメントの設定

プレイスメントとは、広告をどこに配信するか、いわゆる配信面にあたるものです。プロモアカウント、プロモツイート共通の配信面は以下の4つです。

①ホームタイムライン

ターゲティングしたユーザーのタイムラインに表示されます。どの広告キャンペーンにおいてもデフォルトで配信されるため、除外は不可です。

②検索結果画面

ユーザーが検索を行なった検索結果の画面に広告を表示します。プロモツイートの場合はこの配信面を除外して広告配信を行うことが可能です。

③プロフィール

ユーザーがプロフィールにアクセスした時に広告を表示します。検索結果画面と同様、プロモツイートの場合はこの配信面を除外して広告配信を行うことができます。

④X(Twitter)オーディエンスプラットフォーム

「アプリのインストール数」「アプリのリエンゲージメント数」「ウェブサイトのクリック数」目的のキャンペーンでは、X(Twitter)が連携しているX(Twitter)外のモバイルアプリに広告を出稿することができます。

10.X(Twitter)広告出稿手順⑥クリエイティブの設定

プロモツイートでは多様なクリエイティブフォーマットを利用することができます。

10-1.利用できる主なクリエイティブのフォーマット

X(Twitter)広告はテキストのみでの出稿も可能ですが、静止画や動画と組み合わせることにより、より高い広告効果を発揮することができます。基本となるのは以下の3つです。

  • 静止画:1枚〜4枚の静止画クリエイティブと、テキスト(ツイート本文)をセットにしたクリエイティブフォーマット。
  • GIF:タイムライン上で自動再生されるアニメーションGIF画像とテキスト(ツイート本文)をセットにしたクリエイティブフォーマット。60秒未満のGIF画像は自動的にループ再生される。
  • 動画(プロモビデオ):動画とテキスト(ツイート本文)をセットにしたクリエイティブフォーマット。2021年6月からは、質の高い動画再生や視聴完了率を重視するニーズに応えるため、動画の15秒視聴の完了の目的に最適化を行う「15s view」という入札モデルも採用されている。(2021年9月情報更新)
入稿規定や仕様は変更となる場合があります。出稿前に事前にご確認ください。

10-2.X(Twitter)広告ならではのフォーマット:Twitterカード

また、X(Twitter)広告のクリエイティブには「Twitterカード」と呼ばれるものがあります。Twitterカードを利用すると、広告ツイート内に画像や動画をカードとして表示でき、より高いエンゲージメントが期待できます。

遷移させたいWEBのURLをそのまま記載した場合(左)と、Twitterカードを利用した場合(右)。商品やブランドの印象を視覚的に伝え、リンク先への遷移を促すことができる。
画像引用:ウェブサイトカードを活用しましょう|Twitter for Business

Twitterカードには大きく以下の3つの種類があります。それぞれ動画・静止画の両方に対応しています。

・ウェブサイトカード:設定したリンク先への遷移を促すためのフォーマット。

・アプリカード:モバイルアプリのインストールやエンゲージメントを促進するためのフォーマット。

・カンバセーショナルカード:ハッシュタグを含んだ選択肢をCTAボタンとして利用したプロモツイート。CTAボタンに設定したハッシュタグを拡散させブランドや商品に関する会話の活性化につなげることができるフォーマット。動画、静止画双方に対応しており、入稿規定は通常のプロモツイートの入稿規定に準ずる。静止画の場合はCPE、動画の場合はCPV課金。

カンバセーショナルカードを利用した広告の表示例。自社運用をしている企業の初期設定では利用できないため、X(Twitter)社への問い合わせが必要となる。
画像引用:カンバセーショナル広告|Twitter for Business

10-3.その他の広告フォーマット

・カルーセル広告:2〜6つの画像または動画(カルーセルカード)をスライド表示させることができるフォーマット。複数商品を紹介したり、ブランドストーリーを伝えやすい。スライド表示させる画像の順番は指定できるが、広告出向中の編集は不可。静止画と動画の組み合わせも非対応。

・Amplifyプレロール(インストリーム動画広告):X(Twitter)社が提供しているコンテンツパートナーが配信する動画本編の前にプレロール型の動画広告を挿入するメニュー。自社のブランドとマッチしたパートナーの動画コンテンツの中で広告を再生し、ターゲットユーザーにブランドや商品についてのメッセージが伝えやすい。2021年4月にはプレミアムカテゴリーの追加やデザインや表示方法の見直しといったアップデートも実施されている。(2021年9月情報更新)

・プロモ投票:ツイートのエンゲージメント数、動画の再生数を目的としたキャンペーンで利用可能。広告ツイート内にユーザーが投票可能な最大4つの選択肢を設け、ユーザーのアクションを喚起することができるインタラクティブな広告フォーマット。

カルーセル広告(左)、Amplifyプレロール(中央)、プロモ投票(右)の表示例。
画像引用:広告クリエイティブの仕様|広告クリエイティブの仕様

10-4.広告クリエイティブの入稿方法

X(Twitter)広告では、

①過去に投稿したオーガニックツイートを広告クリエイティブに利用する
②広告用のツイートを新しく作る

以上2つの方法でのクリエイティブの入稿が可能です。

①過去に投稿したオーガニックツイートを利用する

過去に投稿したオーガニックツイートをそのまま広告クリエイティブとして利用する方法です。キャンペーン作成ツールのクリエイティブ一覧から広告に使いたいツイートを選択して設定することができます。

②広告用のツイートを新しく作る

また、X(Twitter)広告では新しく広告用のツイートを作成することもできます。クリエイティブにある、ツイートを作成ボタンをクリックして作成を開始します。

ツイートを作成ボタンを押すと、ツイート作成ツールが開きます。ツイート本文入力画面にテキストを入力し、組み合わせる画像フォーマットを選択してください。

組み合わせる画像フォーマットの入力画面。Twitterカードを利用する場合の、ヘッドラインやURLの入力はここから行う。

また、キャンペーン作成ツールで作成したツイートは広告キャンペーンの対象となるユーザーにのみ表示させるプロモ専用ツイートにすることができます。プロモ専用ツイートはターゲット以外のユーザーのタイムラインには表示されませんし、検索結果にも表示されません。もし、オーガニック投稿としても利用したい場合は、チェックボックスを外す必要があります。

作成した広告ツイートは右側に自動的にプレビュー表示されます。モバイルとデスクトップ双方での見え方を確認することができます。
全ての入力が終了したら、ツイートボタンでツイートを行います。また、下書き保存や予約投稿を選ぶこともできます。

ここまで入力し、次へボタンをクリックすると、広告キャンペーンと広告グループの確認画面に移動します。

もし別の広告グループを追加したい場合は「新しい広告グループ」をクリックして広告グループを追加してください。

全て確認し、問題なければ入稿完了です。キャンペーンを開始ボタンからキャンペーンを始めることができます。

11.X(Twitter)広告の運用と効果測定

X(Twitter)広告では、広告マネージャーを利用し、日々の広告出稿状況の確認やレポーティングを行うことができます。広告マネージャーの画面は、カスタムフィルターやカスタムデータを利用してカスタマイズすることも可能。それぞれの機能の概要は以下の通りです。

①カスタムフィルター

複数の広告キャンペーンや広告グループ、広告ツイートの中から確認したいものを素早く検索できるようにフィルタリングする機能です。「(キャンペーン)目的」「ステータス」「お支払い方法」「キャンペーン名」でフィルタリングすることができます。また、一度設定したフィルターを保存することも可能です。

カスタムデータは、画面上部のキャンペーンフィルターを使って設定することができる。
画像引用:X(Twitter)広告マネージャー|Twitter for Business

②カスタムデータ

レポートで抽出したい項目を自由にカスタマイズすることが可能です。またフィルター同様カスタマイズを保存することができるので、何度でも同じ項目のレポートを出すことができます。

設定した測定データをカスタムレポートとして保存し、迅速な広告キャンペーンの分析を行うことが可能。
画像引用:X(Twitter)広告マネージャー|Twitter for Business

12.X(Twitter)広告を成功に導くポイント4つ

最後に、X(Twitter)広告を活用するポイントについてご紹介します。

12-1.ポイント①複数のフォーマットを利用する

X(Twitter)広告はフォーマットの豊富さが魅力です。また3種類以上の広告フォーマットを使用すると、広告キャンペーンの認知度が20%、購買意欲が7% 向上したという調査結果もあります(※)。広告運用を行う時は複数のフォーマットを使って、ユーザーの印象に残る広告にするのがポイントです。

12-2ポイント②複数の広告ツイートを利用する

また、それぞれのフォーマットごとに複数の広告ツイートを用意することも効果的です。ターゲットとしているユーザーにどのようなテキストが届きやすいのか、どのような画像を使えば反応が良いのかなど、複数パターンを用意して効果検証しながら運用改善を行うことでより高い施策効果が期待できます。

12-3.ポイント③ターゲットユーザーのX(Twitter)上での行動の仮説をもつ

X(Twitter)は、ユーザーの興味があること、関心のあることを軸にフォローが生まれる特徴があります。また、興味があること、知りたいことを日々検索する場でもあります。この特性をふまえ、X(Twitter)広告でオーディエンスを設定する時には、自社のターゲットユーザーがX(Twitter)上でどんなアカウントをフォローし、どんなツイートを行い、どんな情報を検索するかなど、X(Twitter)上での行動の仮説を立てることが大切です。同時にオーディエンスごとに広告グループを作成し、どのターゲティング軸でより成果がでているのかを確認しながら、予算の配分などを変更していくのも良いでしょう。

12-4ポイント④複数の施策と掛け合わせて広告を利用する

X(Twitter)広告で利用する広告ツイートはオーガニック投稿と同様にリツイートやいいねなどエンゲージメントが発生します。そのため、例えばフォロー&リツイートキャンペーンと組み合わせて広告を出稿することで、認知度の向上やフォロワー増加の最大化につなげることができます。また、こうした施策で増加したフォロワーとの接点を維持し、購入意向やブランド好意度を向上させるためには、オーガニック投稿によるコミュニケーションが欠かせません。このようにX(Twitter)広告だけでなく複数の施策を複合的に実施することで施策効果を高めていくことが可能となります。

いかがでしたか?
今回はX(Twitter)広告の種類や特徴、出稿手順から活用ポイントまでを徹底解説しました!ぜひX(Twitter)広告を活用したX(Twitter)マーケティングの施策設計にご参考ください。

アライドアーキテクツではX(Twitter)ユーザーが企業公式アカウントをどのように利用しているか、その利用実態を調査した調査結果を公開しています。X(Twitter)ユーザー実態の把握にご活用ください。