Instagramの2023年はどんな新機能やアップデートがあったのか。2024年のInstagram活用施策をより効果的なものとするためにおさらいしておきたい、新機能&アップデートについてまとめました。

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若年層ユーザーの利用を支えるためのアップデート

どんなソーシャルメディアプラットフォームにとっても、若年層ユーザーに利用してもらえるプラットフォームを目指していくことは、ビジネスの存続という観点から重要なことです。
一方で、デジタルネイティブと呼ばれる今の若年層世代は、ソーシャルメディアの危険性やその安全な利用についても敏感な世代であり、プラットフォーム側もそうした若年層ユーザーやその親世代のユーザーに対してプラットフォームの安全性や信頼性を訴えていくことが重要となっています。

Instagramは、継続的にこうした若年層ユーザーのInstagram利用の安全性を高める取り組みに積極的であり、2023年もそのためのアップデートを行っています。

新たな年齢認証方法のテストを日本でも開始(2023/03/02)

2019年より、Instagramを利用するためには、利用者の生年月日の登録が必須となっており、年齢確認書類(運転免許証など)のアップロードが求められていました。
これに加えて、Instagramでは今回新たに年齢確認としてセルフィー動画の録画のテストを開始しています。
この機能はプライバシーに配慮した年齢認証方法を提供する企業のYotiの技術と連携して行われているテストです。Instagramを提供しているMeta社では、デバイスやApp Storeが年齢制限のあるアプリを提供し、10代の利用者がすべてのアプリで年齢にふさわしい体験ができることを目指しています。

10代の若者向けに年齢に応じた広告エクスペリエンスを目指した取り組み(2023/1/10)

広告に接触し、商品購入などの判断を行うという点において10代のユーザーはまだ十分に成熟しているとは言えません。こうしたことを考慮し、InstagramをはじめとしたMeta社の提供するサービスにおいては、10代に表示される広告の制限を強化しています。
今回のアップデートでは、ターゲティングに活用できる情報を「年齢と居住地」の2種類に限定するほか、10代のユーザーが自ら表示される広告をコントロールできるようにもなっています。

10代の若者とその家族をサポートし、アプリに費やす時間をさらに簡単に管理できる新機能を発表(2023/06/27)

また、10代ユーザーの保護者が10代ユーザーのアプリの利用をコントロールする機能の拡充も随時行われています。2023年6月の発表では、

  • Instagram の DM やメッセンジャーでの望ましくないやり取りを制限する新しいツールの導入
  • 保護者がアプリ上での十代の若者の体験をより詳細に把握できる監視ツールを追加などのアップデートが行われています。

若年層に向けたマーケティングについてはこちらもご覧ください
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クリエイターの活躍を支えるためのアップデート

プラットフォームが人気のあるクリエイターにとって活躍の場であればあるほど、そのクリエイターのファンも自ずとそのプラットフォームを利用する時間や頻度が増えていきます。
そのため、クリエイターにいかに利用してもらうかということもSNSプラットフォームにとっては重要事項のひとつとなっています。このようなことを背景とし、Instagramはクリエイターがプラットフォームを利用しながら活躍の場を広げるための施策にも注力しています。

米国においてギフトスタンプの機能提供を拡大(2023/2/8)

Instagramのギフトは、いわゆる「投げ銭」と呼ばれるシステム。Instagramでは、フォロワーが応援しているクリエイターのリール投稿に対して対してギフト(投げ銭)スタンプを送ることで直接的に金銭的支援をすることができます。現在Instagramではこのギフトスタンプ機能提供の米国での拡大に注力。これによってInstagramライブ中に贈ることができるバッジ以外にも、Instagramを利用しているクリエイターがInstagram上で収益を得るチャンスが広がっています。

クリエイターの収益化を支える「サブスクリプション」提供開始(2023/07/25)

また、日本においては7月にクリエイターが収益化を目指すことができる「サブスクリプション」の提供が開始されています。
サブスクリプションを利用すると、クリエイターは登録者に対して限定コンテンツなどの特典を提供することができるようになります。これによってそのクリエイターのファンやフォロワーとより深い関係を築くと同時に、定期的に収入を得ることができるようになるのです。

招待者限定のホリデー ボーナスをテスト(2023/11/6)

Instagramでは2023年末に米国、韓国、日本のクリエイターを対象に、Instagram で招待制の新しいホリデー ボーナスのテストを実施しました。
ホリデーボーナスは、そのコンテンツがコンテンツ収益化ポリシーに合格している限り、ボーナス期間中に受け取ったリールの再生数と写真の表示数に基づいてクリエイターが収入を得ることが可能となるもの。2024年1月以降は、年末年始ボーナスとしてリニューアルされています。

クリエイターがフォロワーとつながることができるメッセージングツール“ブロードキャストチャンネル”の提供(2023/2/16)

ブロードキャストチャンネルはクリエイターが大規模にフォロワーと直接関わることを可能にする 1 対多のメッセージング ツールです。クリエイターはブロードキャスト チャンネルを使用してフォロワーに最新情報を提供し、テキスト、写真、ビデオ、音声メモ、アンケートなどを共有することができます。

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リールなど投稿に関するアップデート

また、Instagramを利用するユーザーの体験価値を高めるため、各種投稿機能にもアップデートを加えています。

今の気持ちや近況をテキストで残せる「ノート」機能が日本で導入(2023/01/31)

ノートはダイレクトメッセージ(DM)の画面に最大60文字の短いテキストを残すことで今の気持ちや近況をシェアできる新しい機能です。
共有範囲を「フォローバックしているユーザー」「親しい友人」から選ぶことができ、文字だけの気軽なシェアによってカジュアルなコミュニケーションの発生をねらった機能となっています。

②Instagramリールのテンプレートにおけるアップデート実施(2023/7/18)

Instagramリールのテンプレートをより簡単に使えるようにすることを目的として、Instagramではテンプレートブラウザーのリニューアルを実施。テンプレートブラウザーでは、ユーザーはInstagramリールのテンプレートをカテゴリ別に閲覧でき、おすすめやトレンド中、保存済みのテンプレートや音声などによって整理することができます。同時にテンプレートの作成機能や編集機能も強化され、わずかなタップ操作で質の高いリール動画を作れるようになっています。

音楽を使った投稿制作とコラボ機能のアップデート(2023/8/11)

Instagramでは、フィードに投稿される写真カルーセルに音楽を追加できるようになりました。投稿する写真に合わせた曲や、その写真にまつわる思い出の曲を追加することで、よりエモーショナルに、投稿をカスタマイズすることが可能です。
また、最大3人の友人を招待して、フィード投稿、カルーセル、またはリールを共同作成できるコラボ機能の拡張も実施。
音楽やコラボによってインスピレーションにあふれたコンテンツシェアを活性化させ、Instagramの体験価値を高めるアップデートを行っています。

その他知っておきたいアップデート

Instagram の静かモードの提供(2023/1/19)

この機能は、Instagramの通知をオフにし、受け取ったダイレクトメッセージに対して静かモードであることが自動返信される機能です。ユーザーの中には運転中や仕事中、勉強時間などInstagramから離れて集中したいユーザーもいます。こうしたニーズに応えたこの機能によりInstagramはユーザーにとってより快適であり、ユーザーそれぞれが自分に適した使い方の提供を実現しています。

InstagramとFacebookのサブスクリプション「Meta認証」提供開始(2023/07/13)

Meta認証のサブスクリプションは、InstagramとFacebookで利用でき、公的機関発行の本人確認書類を提出することでアカウントが本物であることを示す認証バッジを獲得できるなどのメリットがあります。サブスクリプションはInstagramもしくはFacebookから直接購入することが可能であり、認証バッジの他にもなりすまし対策のモニタリングを強化してくれるなどのサポートをうけることができます。
さらに、このメタ認証はビジネスにも徐々に拡大されており、メタ認証を受けたビジネスはこれまでの認証バッジだけでなく、メタ認証済みビジネスとして紹介されます。その結果、検索結果の上部またはその近くに表示されたり、フィードでフォローする推奨の認証済みビジネスとして表示されたりなどのメリットを受けることが可能となります。

まとめ

ここまでInstagramの2023の主なアップデートや新機能について簡単にご紹介してきました。

2023年は特にクリエイターの収益化などをサポートするためのアップデートや、クリエイターをはじめInstagram上での表現の幅を広げるための新機能、アップデートの実施が多く見受けられました。このようなことから鑑みると、今後もInstagramによるクリエイターを重視する取り組みはより活発になると考えられます。企業アカウントにとっては、こうしたクリエイターと手を取り合い、協力しあいながらInstagramを活用していくことが重要となっていくでしょう。

またメタ認証をはじめ安全性の強化にも取り組んでいるInstagram。企業がビジネスに利用する場合、自分たちがポリシーにのっとった安全なアカウントであると証明していくことは必須です。

プラットフォームがどのようなアップデートを行っているのかということに注目しながら、「Instagramがどんなプラットフォームを目指しているのか」を今一度考え、Instagramのマーケティング利用にいかしていく姿勢がInstagram活用の成果をあげるポイントの1つとなりそうです。