3月30日をもって一斉にFacebookページに導入されるタイムラインにより、企業にとって本当に変わることは何なのか?3つのポイントに分けて考察しました。
 
こんにちは、SMMLabの小川です。
3月30日をもって一斉にFacebookページに導入されるタイムライン。「ファンとのコミュニケーションがより重要視される」「ブランドのストーリーが求められる」といった”Facebookページの利用目的・意義”に関わることから、「Welcomeページは実質廃止になる」「アプリの使い方が変わる」といった”機能的”なことまで、様々なことが「変更点」として語られていますが、実際のところ企業にはどのようなインパクトがあるのでしょうか?また、具体的には何を考えておく必要があるのでしょうか?そして、導入後にどのような運用フローの変更が求められるのでしょうか?
今回は、「タイムライン化により、企業にとって本当に変わることは何なのか?」を、改めてSMM Labとして3つのポイントに分けて考察しました。


Tudou office / Marc van der Chijs

 
1.Facebookページの「見え方」を意識した運用が求められる
今回のタイムライン化により大きく変わったことは、Facebookページの”見た目”に個性を持たせることができるようになった点です。
従来は、最初にFacebookページを開設するときに、Welcomeページやプロフィール画像、基本データさえ設定してしまえば、その後は毎日のウォール投稿に徹し、頻繁にFacebookページの設定や見え方を確認することはなかった方が多いのではないでしょうか?
これからも、毎日の運用において「ウォール投稿」が一番重要であることには変わりありません。しかしながら、今回のタイムライン化により、「Facebookページの見た目に個性を持たせることができる多くの機能がリリースされたこと」、また、「Welcomeページが実質廃止となり、タイムライン上で最大限ブランドのメッセージを伝える必要があること」を考えると、今後は定期的にFacebookページの”見え方”をメンテナンスしていく必要があると言えます。
具体的には、以下の点について定期的に見直すようにしましょう。
 
・タイムライン投稿のステータス「トップに固定」「ハイライト表示」「非表示」
従来のウォールは「ユーザー投稿をも含めた表示を初期表示とするか否かの選択」や「非表示に選択」することはできたものの、それ以外は全て時系列順に投稿が並んでいるだけの状態でした。今後は、同じ投稿の中でも「トップに固定するもの(最大7日間)」「ハイライト表示するもの」「非表示にするもの」を選択することができます。理想としては投稿する都度、少なくとも1週間に1度は自分のFacebookページの見え方を確認し、トップに固定する投稿の設定や、ハイライト表示の設定を行いましょう。特にトップに固定する投稿は、初めてページを訪れた人の目に最初に飛び込む大切なものとなります。ブランドの良さを伝えられるような画像や、キャンペーン情報、人気のコラム等、ファンの人にアピールできる投稿を置くようにしましょう。

右上の鉛筆マークをクリックすると、「トップに固定」を選択することができる。
 
・ブランドストーリー
タイムラインに過去の「大事な出来事」を追加することができるようになりました。これにより、ブランドの設立からのストーリーをFacebookページ上で表現することができるようになりました。ブランドストーリーも、初めてページを訪れたファンにとって魅力的なコンテンツとなりますし、また既存のファンに対しても、これを機にさらにブランドへの親しみや興味関心を深めてもらえるきっかけとなり得ます。この「大事な出来事」についても、定期的に振り返り、追加していくようにしましょう。

画像:Starbucks Facebookページ タイムラインに追加されている開業時のもの https://www.facebook.com/Starbucks
 
・アプリの内容と画像
アプリ(旧タブ)も左側のメニューに無機質に表示され、文字数も限られていたため、ウォールやWelcomeページから他タブへの導線を引くのはなかなか難しく、タブメニューだけでは個性を出しにくいものとなっていました。ところが今回の変更により、タイムラインの表に表示できるアプリの数は3つに減ったものの、アプリのアイコンは目立つ場所に大きく表示されることとなり、今までよりも存在感が高まったと言えます。こちらもぜひアプリを「置きっぱなし」にするのではなく、定期的に見直し、入れ替えていくとよいでしょう。

画像:各Facebookページのアプリ表示は様々。
右上から
ソーシャルメディアマーケティングラボ:https://www.facebook.com/smmlab
Subway:https://www.facebook.com/subway
Coca-Cola:https://www.facebook.com/cocacola
Fanta:https://www.facebook.com/fanta
 
・カバー画像
カバー画像もブランドの個性をアピールするための重要な要素です。こちらも必要に応じて入れ替えを行うようにしましょう。尚、カバー画像については、Facebookの規程に注意する必要があります。こちらの記事にまとめておりますので、ご参照ください。
(参考)Facebookページ[カバー画像デザイン70選]新タイムライン移行準備の参考に!
 
 
2.Facebookページの活性度、健康度が誰の目にも明らかになる
今回の変更の中で注目を集めるのは、どうしても「カバー画像の新設」や「Welcomeページの廃止」になりがちですが、企業にとって最もインパクトがある変更点は、「誰の目から見てもFacebookページの活性度、健康度が明らかになる機能変更があった」ことではないでしょうか?
具体的には、以下のような機能変更がありました。
 
・タイムラインの初期表示は「ハイライト表示」に
従来のFBページのウォールは、すべて時系列で表示されていました。しかしながら、タイムライン化以降は初期表示が「ハイライト表示」となり、投稿したものが全て時系列で並ぶのではなく、投稿したものの中でもファンからいいね!やコメント、シェアで反応があったエッジランクの高い投稿が優先的に表示されることになります。つまり、少し前の日付で、多くの反応があった投稿ばかりがいつまでもページに表示され続けることも考えられるのです。初めてFacebookページを訪れてくれたユーザーが、過去の日付の投稿ばかりが並んでいる様子を目にしたら、「このページは最近活発には投稿が行われていないのだな」と判断する可能性も十分にあるのではないでしょうか?

 
・インサイト情報の公開
今までFacebookページに関して、ユーザーが見ることができた数字は、ページのいいね!数と話題にしている人の数のみでした。しかしながら、タイムライン化以降は(いいね!をしている、していないに関わらず)誰でもがインサイト情報の一部(具体的には、人気の週、人気の都市、人気の年齢層、いいね!数と話題にしている人の推移、ビジター数(チェックイン数)の多かった週等)を見ることができるようになりました。つまり、誰の目から見てもFacebookページの現在の活性度や健康度が明らかになり、いいね!をするかしないかの一つの指標になると考えられます。

 
・友達のアクティビティとユーザーからの投稿がまとめて右上に表示
従来から「友達のアクティビティ」は左側のタブに表示されていましたが、目立ちづらく、それによりいいね!をするかしないかの指標にはなりにくいものでした。ところが今回の変更により、友達のアクティビティはプロフィールアイコン付で右上に大きく表示されるようになりました。初めてページを訪れたユーザーにとって、そのページ上にすでに友達の顔があり、さらにページを積極的に利用しているかどうかは、いいね!をする際の重要な判断指標となるでしょう。

 
・過去の投稿に簡単にさかのぼれるように
今まではFacebookページの過去の投稿にさかのぼる際には、ひたすら下にスクロールを続ける必要がありました。ところがタイムライン化以降は、右上やページの中ほどに月毎にまとめた目次が表示されるため、それをクリックすることで簡単に過去の投稿に遡れるようになります。ユーザーは、過去Facebookページがどのような活動をしてきたのか?を簡単に調べられるようになります。

 
3.ファンとの直接的なコミュニケーションへの対応が求められる
ユーザーから直接メッセージを受け付けられる機能が開始されました。メッセージが届いても、管理人個人のアカウントあてに特にアラートは届きませんので、定期的に管理人パネルを確認し、対応する必要があります。Facebookメッセージには、ポジティブなものも、ネガティブなものも含めて、今までウォールには書き込まれなかったような内容が届く可能性があります。社内の他部署との連携もとりながら、しっかりと対応できる体制を整える必要があります。尚、このメッセージ機能は非表示にすることも可能です(Facebookページを編集→権限の管理にて設定できます)。
(参考)ソーシャルメディア最先端企業から学ぶ!社内でソーシャルメディア運用体制を整える際の4つのポイント

 
Facebookページ=「ファンサイト」という本来の目的に回帰していく
上記を通して見たときに、やはり全てにおいて「ファンの視点に立った丁寧なページ運営」、そして「ファンとのコミュニケーション」「ブランドへのエンゲージメント向上」が求められており、Facebookページを、より本質的に「ファンサイト」として利用することが求められていると分かります。
昨年は日本における「Facebook元年」とも呼ばれ、多くの企業がFacebookページを開設しました。Facebookのユーザー数の増加、そしていいね!を通じた情報の伝搬力・拡散力に注目が集まり、ともすると「Facebookページ=企業が伝えたい情報を、低コストで効率的に広めていくツール」としてのみ捉える風潮もあったかと思います。
今回のタイムライン化は、その風潮に警鐘を鳴らすものだったとも言えるのではないでしょうか。Facebookは、本来、ユーザーがユーザー間での交流を楽しむためのSNSです。企業がユーザーに宣伝をするための場所ではありません。
あなたのページでは、SNSという”ユーザーにとっての場所”において、ユーザー間で思わず会話してみたくなるような”企業ならでは”の楽しさや情報、価値をユーザーに提供できているでしょうか?今回のタイムライン化を機に一度見つめ直してみる必要がありそうです。
 
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