ブランドコミュニケーションにおいて、良いプロダクト・訴求内容を用意できているはずなのに、思うように反応が得られない——そんなもどかしさを感じたことはないでしょうか。
かつては、多額の予算を投じてタレントを起用したTVCMを制作すれば、それだけで生活者の目に留まり、話題化にもつながりました。しかし今、生活者が情報に触れる機会の多くはSNSの比重が高まってきています。TikTokやInstagramのアルゴリズムやユーザー行動に最適化されていない、あるいは媒体特性に合わないコミュニケーション設計のままでは、どれだけ予算や労力をかけても、生活者に届く前に埋もれてしまいます。
生活者がちょっとした空き時間にSNSを開き、個人も自由に発信できる時代。テレビCMや屋外広告も含むあらゆる販促プロモーションに、生活者が思わず話題にしたくなる・拡散したくなる設計が求められています。
近年、注目されているのが、生活者の購買心理を可視化する手法「CEPs(カテゴリーエントリーポイント)分析です。CEPsとは、生活者が商品カテゴリーを想起するきっかけとなるシーンを指すもので、CEPs分析によって「どのようにしてその商品が思い出されるか」という購買心理をデータでとらえることができます。
しかし、こうして「どのようにして想起されるか」を正しく定められたとしても、「どう伝えるか」が伴わなければ、その価値は生活者に届きません。
こうした「良い企画・訴求内容を用意しても、思うように反応が得られない」という課題に対し、伝えたい内容を、思わず反応してしまうクリエイティブへと橋渡しする役割を担うのが、アライドアーキテクツの提唱する「CoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)」です。
本記事では、CoEPsとは何か、その位置づけや重要性、具体的な活用方法、そして実際の活用事例まで、基本から分かりやすく解説します。
▼CEPs(カテゴリーエントリーポイント)について詳細はこちら
CEPs(カテゴリーエントリーポイント)とは?ブランドが誰に何を訴求すべきか突き止めよう
CoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)とは?
CoEPsとは、生活者が「思わず反応してしまう」クリエイティブの仕掛けを指す言葉です。
CEPs分析によって導き出される「カテゴリー需要が起こるシーン・きっかけ」、そしてその商品カテゴリーを買う目的(カテゴリー便益)、そのブランドを選択する理由(ブランド便益)——これらはいずれも、生活者が商品・ブランドを想起する上で重要なデータインサイトです。
このデータインサイトという「何を伝えるか」を、生活者が思わず反応してしまうように「どう伝えるか」へと橋渡しする役割を担うのが、CoEPsです。
具体的には、以下のような要素がCoEPsに該当します。
これらは、SNS時代のコミュニケーションを設計する上で蓄積されてきた、いわば「思わず反応してしまう仕掛け」のナレッジです。データインサイトとこうしたクリエイティブの仕掛けを掛け合わせることで、初めて生活者に「伝わる」コミュニケーションが成立し、分析結果が実際の反応・購買へとつながっていきます。
例えば、「冒頭2秒のフレーズと映像」は、TikTokやInstagramのショート動画における代表的なCoEPsの要素です。ユーザーは興味を持てなければ即座にスワイプして次のコンテンツへ移ってしまうため、冒頭のわずか1〜2秒で視線を止められるかどうかが、その後最後まで見てもらえるかを大きく左右します。動画冒頭に印象的なフレーズや映像を配置することは、典型的な「仕掛け」の例といえます。
なお、図中にある「3℃1(サンドイッチ)」は、アライドアーキテクツにおいてこのデータインサイトとクリエイティブの橋渡しを専門に担うクリエイティブチームの名称です。3℃1の詳細については、別記事もあわせてご覧ください。
CoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)を活用した施策の例
生活者が思わず反応してしまう仕掛けは、さまざまな媒体で見ることができます。
例① RIZAP TVCM|視覚的なインパクト、魅かれる音
結果を見せるビジュアルと、記憶に残るBGM・フレーズの両面から、思わず二度見・二度聞きしてしまう仕掛けです。
例② ブラックサンダー 交通広告|あるある共感ネタ
義理チョコ市場において、あえて「本命にはならない」ことを開き直ったキャッチコピー。
多くの人が薄々感じていた”義理チョコあるある”を代弁する仕掛けです。
アサヒ飲料「三ツ矢サイダー」事例のご紹介
また、ここでは、CoEPsの考え方を実際に取り入れ、成果につながった事例として、アサヒ飲料株式会社「三ツ矢サイダー」の取り組みを紹介します。
背景と課題
「三ツ矢サイダー」をはじめとする人気ブランドを展開するアサヒ飲料は、これからの需要の中心となるZ世代へのアプローチを課題としていました。既存のオウンドメディアでも一定のリーチはできていたものの、限られた投資でZ世代へピンポイントにアプローチすることが難しく、Z世代が多く利用するTikTokの運用に着目しました。
CEPs分析による強みの発見とCoEPsの活用
データ分析プラットフォーム「Kaname.ax®」を活用したCEPs分析の結果、三ツ矢サイダーには「アレンジ用途」というCEPsが、競合と比較しても明確に突出していることが数値として明らかになりました。
このCEPsを軸に、クリエイティブチーム3℃1は「三ツ矢サイダーで食べられる保冷剤を作ってみた」という動画を企画。TikTokでZ世代に人気の「お弁当文脈」や「ライフハック」といったCoEPsの要素を掛け合わせ、CEPs分析で見えた強みを、生活者が思わず反応してしまうクリエイティブへと落とし込みました。
成果
この動画は、TikTok・Instagram合計で400万回再生を超えるバズを記録。再生数だけでなく、「買ってやってみたい」「今度お弁当に入れてみる」といった購買・行動意欲の高いコメントが多数寄せられました。
さらに、このバズを受けて社内では数時間後に店頭POPの制作が決定し、営業部門の商談ツールとしても活用されるまでに発展。SNS上での反応が、店頭という実際の購買接点にまで結びついた好例となりました。
▼詳細は、こちらのインタビュー記事もあわせてご覧ください。
“三ツ矢サイダー”をアレンジしたショート動画が400万回再生バズ「アサヒ飲料」CEPs分析から店頭POP展開まで一気通貫のSNS戦略
まとめ
本記事では、CEPs・カテゴリー便益・ブランド便益というデータ分析で導き出した、想起につながる「What(何を伝えるか)」に、生活者が思わず反応してしまう「How(どう伝えるか)」となるCoEPs(コミュニケーションエントリーポイント)を掛け合わせ、コミュニケーションを設計することの重要性を解説しました。
CoEPsは、特別な才能やセンスがなければ実践できないものではありません。日頃SNSを見ている中で、思わず指を止めてしまった投稿があれば、何がその反応を引き出したのか——そんな視点で振り返ってみると、自社ブランドに応用できるヒントが見つかるかもしれません。
なお、アライドアーキテクツが提唱する「CoEPs」は、同社が20年にわたるSNS運用で培ってきたナレッジをもとに体系化されており、業界やカテゴリーを問わず活用できるものです。将来的には、こうしたナレッジを学習したAIによる抽出の仕組みも開発が進められています。
こうした一連の設計・実行を、ナレッジと専門チームの力で一気通貫サポートするのがクリエイティブチーム3℃1です。自社ならではのCoEPsを活用し、成果につなげたいという方は、ぜひ3℃1へお気軽にご相談ください。
▼3℃1(サンドイッチ)のサービス詳細はこちら
https://service.aainc.co.jp/3do1
