「ダイレクトマーケティング」とはどんなマーケティング手法なの?今さら聞けない「ダイレクトマーケティング」の基礎について、しっかり解説していきます。
ダイレクト・マーケティングとは?
ダイレクト・マーケティングとは、顧客ひとりひとりに対して企業が直接コミュニケーションを行い、商品やサービスの宣伝・販売を働きかけるマーケティング手法のことです。顧客をマス(集団)として捉えるのではなく、一人ひとりのニーズにあわせたこのマーケティング手法は、デジタルマーケティングの重要度が増す中で企業が避けては通れないマーケティング手法となっています。
一方、ダイレクトマーケティングの対義語としては「マスマーケティング」があります。具体的にはテレビやラジオなどのマス広告を活用して行うマーケティング手法のことを指した言葉です。
双方に良い点、難しい点が存在する中で、目的やゴールに沿ってそれぞれの手法のよいところをうまく活用しながら、多角的なマーケティングを実施することが、今後の企業のマーケティング活動にはますます重要となってくるでしょう。
ダイレクトマーケティングの手法とそのメリット&デメリット
では、ダイレクトマーケティングには具体的にどのような手法があるのでしょうか。ここではその代表的なものをそれぞれのメリット&デメリットとともにご紹介します。
①メールマーケティング
顧客やターゲットに対し、メール(郵送物)でのアプローチを行うマーケティング手法です。商品カタログやお得な情報等を掲載した郵送物を送り、商品購入などを促します。
また、直接的な販促物に限らず、会員や顧客向けの会報誌等を送付することで既存顧客との関係構築の手段として活用される場合もあります。
一般社団法人日本ダイレクトメール協会の「DMメディア実態調査2023」によると、自分宛のダイレクトメールの開封率は75.1%と非常に高くなっていることから、しっかりと情報を届けることができる手法であることがわかります。一方で、ダイレクトメールを送るためには名前と正確な住所を把握する必要があり、間違っていた場合には正しく届かないというデメリットもあります。また、印刷や郵送等のコストもかかるため、施策の実施には無駄なコストがかからないようにするための、綿密な施策設計が必要です。
②Eメールマーケティング
ダイレクトメールの手法を、Eメールで行うマーケティング手法です。認知獲得から顧客との関係構築まで幅広いフェーズで活用されています。
ダイレクトメールと比較すると印刷や郵送等のコストがかからず、また即日配信できるため、よりライブ感のある情報を届けることができるEメールマーケティング。マーケティングツールを活用し、開封率等の成果をより詳細に把握することで、迅速に施策のPDCAを回していくことが可能です。
一方で、ダイレクトメール(郵送)と比較して開封率が低い点や、スパムフォルダに分類されてしまうこともあるといったデメリットもあります。
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③テレマーケティング
テレマーケティングは、電話を使って顧客に購買を促すマーケティング手法のこと。中でも、既存顧客や見込み顧客に電話をかけてコミュニケーションを行う「アウトバウンド」、コールセンター等の問い合わせ窓口にかかってきた電話に対応する「インバウンド」の大きく2つのパターンに分けることができます。
アウトバウントとよく似ているものに「テレアポ(テレフォンアポインター)」がありますが、電話をかける相手の選び方が違います。テレアポの場合は自社の顧客ではない電話番号の相手に対して無差別に電話をかけるのに対し、テレマーケティングのアウトバウンドの場合は潜在顧客や既存顧客が相手となっています。
テレマーケティングは潜在顧客、既存顧客に直接アプローチすることができるため、満足度の引き上げに大きな効果を発揮することが期待できます。一方で、対応を間違えれば大きな機会損失にもつながることから、対応方法や手順、荷電を行うまでのトレーニング等、施策の準備に時間がかかるといった側面もあります。
④WEB広告
今や企業のマーケティング施策のなかでWEB広告(デジタル広告)はなくてはならない存在となっています。
WEB広告は低予算で始めることができる、広告の効果検証を迅速に進めることができる等のメリットがありますが、多くの企業が参入しているだけに広告単価は年々上がっており競争は激化しているという現状があります。
また、ステマ規制の施行(景表法の改正)やAIの台頭など、環境の変化も激しいのが特徴であり、こうした変化に日々キャッチアップしながら施策を実施していく必要があります。
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⑤SNSマーケティング
SNSマーケティングはSNSを介して顧客とコミュニケーションを図るマーケティング手法のひとつです。企業が公式アカウントを運用して情報発信を行ったり、キャンペーン等を通じてユーザーとコミュニケーションをとったりなど、双方向的な施策ができるのが魅力です。
SNSは各プラットフォームごとに特徴があり、SNSを運用するためにはそれらの特徴をしっかりと把握する必要があります。また、プラットフォームの仕様は日々変化していくので、きちんとキャッチアップしなければなりません。運用体制の構築や炎上リスクへの備えなども求められるマーケティング手法です。
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⑥Web接客(チャット・ポップアップ)
Web接客はウェブサイト上で、店舗にいるようなリアルタイムな接客を行うマーケティング手法です。チャット機能を使って顧客をサポートしたり、ポップアップにクーポンやおすすめを表示したりします。近年はAI技術の進化により、チャットボットを活用したリアル性の高いWeb接客が行われるようになり、ECを活用したビジネスを始めとして活用されています。
Web接客は顧客に対して直接的にコミュニケーションができ、かつテレマーケティングよりもより人的リソースの削減が見込めるメリットがあります。
一方でWeb接客を実現するためには、Web接客ツールを活用する必要があります。また、ただツールを導入するだけではなかなか成果に結びつくことは難しく、計画、実行、検証、対策のPDCAをきちんと回していく必要があります。
ダイレクトマーケティングを成功に導くための5つの心得
ではそんなダイレクトマーケティングを成功させるにはどんなことに気を付けたらいいのでしょうか?
【心得その①】それぞれの手法の特性をよく理解する
前述のように、ひとくちにダイレクトマーケティングと言ってもその手法は様々です。また、それぞれの手法に得意なことや苦手なこと、メリットやデメリットが存在しています。
まずはそれぞれの手法の特性をしっかりと理解することが大切です。
【心得その②】目的にあった手法の選択を行う
それぞれの手法を理解したら、自分たちのマーケティング課題のどこを解決したいのか、「目的にあった手法の選択」が必要となります。
例えば、新商品の認知を最大化したいと考えた場合、シェア・拡散が行われやすいSNSマーケティングの活用は効果的であると考えられます。一方で、より購入に近いところにいる顧客に対しては、Web接客やテレマーケティングなどを活用することで、購入への後押しをダイレクトに行うことが可能です。
【心得その③】クロスマーケティングの視点を大切に
目的にあった手法の選択が大切であるのと同時に、、複数の施策をかけ合わせる「クロスマーケティング」の視点を持つことも重要です。
ひとつの施策ですべての成果をあげようとしたり、それぞれの施策を点でとらえるのではなく、大きなマーケティングの中の一つのファンクションと捉えて、施策の全体像を描く視点を持つことが必要なのです。
【心得その④】ターゲットの解像度を上げる
ダイレクトマーケティングはその名の通り顧客に直接働きかけることができるのが特徴です。よって、働きかける対象であるターゲットに対する理解を深めることで、より効果的な施策選択と設計を行うことが可能となります。
同じWeb広告でも、どのターゲットにどの訴求をぶつけるかによって効果は変化していくことから、ターゲットユーザーを知り、趣向や生活パターン等についての仮説設計を行ってから施策を実行すると良いでしょう。
【心得その⑤】マーケティングを『運用』する意識をもつ
ダイレクトマーケティングの手法には、その効果を把握し分析できるというメリットがあります。ダイレクトマーケティングを行って得られた結果について、そのプロセスとともに、良い点や改善点を洗い出し、施策をブラッシュアップすることで、より大きな成果につなげていくことができます。
いかがでしたか?
今回はダイレクトマーケティングについて解説しました。ぜひ今後の施策にご参考ください。