日本のInstagramユーザーの利用率も高いInstagramストーリーズ。この機能をうまく企業アカウントが活用するにはどうすれば良いのでしょうか?今回はInstagramストーリーズの概要説明と企業事例をご紹介します。
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Instagramストーリーズとは
Instagramストーリーズとは、Instagramにある24時間以内で消える投稿機能のことです。Instagramアプリの画面上部の丸いアイコンをタップすると閲覧することができ、基本的に広告以外はすべてフォローしているアカウントからの投稿のみが表示されます。
Instagramストーリーズで投稿できるもの
Instagramストーリーズでは写真(静止画)と動画を投稿することができます。
BGMやスタンプ、エフェクトを利用することで、簡単に投稿の作成が可能であり、24時間で消えるという手軽さもあってちょっとした日常のシェアなどを目的として幅広く使われています。
Instagramストーリーズの機能
Instagramストーリーズには、投稿をリッチにみせるための様々な機能があります。
①スタンプ機能
Instagramストーリーズは投稿に追加できるスタンプが豊富に用意されています。
スタンプの中には、フォロワーに質問を投げかけることができるQ&Aスタンプや、「どっちが好き?」「どのくらい好き?」などを聞くことができるアンケートスタンプ。さらにクイズを出題することができるクイズスタンプなどもあります。
また、場所のタグ付け、アカウントのメンション、BGMの追加、外部ページへの遷移を促すリンクスタンプ、イベントまでの残り時間を表示するカウントダウンスタンプも利用が可能。スタンプをうまく活用することで目的に合ったストーリーズ投稿を作成することができます。
<Instagramストーリーズの主なスタンプ>
- 場所(位置情報)スタンプ:ストーリーズを投稿する時に、位置情報を追加できるスタンプ。
- メンションスタンプ:ストーリーズに特定のアカウントをタグ付けすることができるスタンプ。
- お題スタンプ:自由にお題を設定し、他のユーザーと共通のテーマで投稿しあうことができる大喜利のようなスタンプ
- 質問スタンプ:自分で設定した質問に対して、他のユーザーから答えを募集することができるスタンプ
- ミュージック:自分のストーリーズ投稿に音楽を追加することができるスタンプ
- 絵文字スライダースタンプ:投稿をみたユーザーに絵文字を左から右にスライドしてもらい、その投稿に対する反応を示してもらうスタンプ
- アンケートスタンプ:自由に設定した質問に対して、ユーザーに答えを選んでもらいアンケートをとることができるスタンプ
- クイズスタンプ:クイズを設定し、投稿をみたユーザーに回答してもらうことができるスタンプ
- ハッシュタグスタンプ:ストーリーズ投稿にハッシュタグを追加できるスタンプ
- リンクスタンプ:ストリーズから外部のサイトへ遷移させるリンクを追加できるスタンプ
- カウントダウンスタンプ:特定のイベントについて、そのイベントが開始されるまでを指定日時や指定時刻でカウントダウンができるスタンプ
②ARエフェクト機能
スタンプと同様、投稿を装飾するものに「エフェクト機能」があります。InstagramストーリーズのARエフェクトは、リアルタイムで撮影している写真や動画に使用できるものと、すでにカメラロールに保存されているものに追加することができるものの2種類があり、リアルタイムに対応しているエフェクトの方が種類が豊富です。ARエフェクトを利用してリアルタイムで撮影した動画や写真は、一度カメラロールに保存して投稿し直すこともできますので、色々なやり方を試してみるのがオススメです。
また、Meta社の「Spark AR」を使えば、誰でも簡単にオリジナルのARエフェクトを作成することが可能。メタバースが注目されるなかで、ARエフェクトを活用したプロモーションの需要の高まりも予想されています。
③ハイライト機能
Instagramストーリーズの投稿は原則として24時間で閲覧ができなくなってしまいますが、ハイライトとしてお気に入りのストーリーズ投稿をアーカイブし、プロフィール画面に表示させることができます。
Instagramのプロフィールは、新しくアカウントをフォローしてもらうために非常に重要な情報です。ストーリーズのハイライト機能を活用すれば、アカウントに興味をもってプロフィールを見にきたユーザーに対して、自分たちのブランドやアカウントが発信している情報についてより詳しく知ってもらうきっかけ作りもできます。
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④リポスト機能
フィードやリールの投稿は、ストーリーズにリポストすることができ、フィードで投稿した投稿をストーリーズにシェアしてリーチを高めることができます。
また自分のアカウントの投稿以外の投稿をシェアすることも可能なので、自分たちのアカウントにメンションをつけて投稿してくれたユーザーの投稿や、ブランド独自ハッシュタグを利用して投稿してくれたユーザーの投稿をリポストすることもできます。
リポストする場合は、あらかじめ「メンションやハッシュタグ投稿を紹介する場合があること」を伝えたり、投稿の前にDMなどで一声かけるなど、投稿元のユーザーに配慮してすすめていくことがおすすめ。細やかなコミュニケーションはエンゲージメントやユーザーとの信頼度を高めることにもつながります。
Instagramストーリーズ機能を活用するメリット
Instagramストーリーズの活用にはいくつかのメリットがあります。
①全画面表示でダイナミックにビジュアル訴求
縦長で画面全体にダイナミックに表示されるInstagramストーリーズは、投稿を見ている間に他の投稿が目に入ることがないので、没入感のあるビジュアル訴求ができることが特徴。商品の質感なども印象的に伝えることができ、より記憶に残してもらうことが可能です。
②ライトなエンゲージメントが期待できる
Instagramのフィード投稿にコメントを行うと、そのコメントが他のユーザーにも見えてしまうことから大きなアカウント(フォロワー数の多いアカウント)であればあるほど、投稿へのコメントのハードルは高くなりがちです。
しかしストーリーズの場合、コメントはDMとしてその投稿者のみに表示され、投稿へのいいねも投稿者にしかわかりません。そのため、フィード投稿よりも投稿に対するアクションが気軽であるというメリットがあります。
③双方向コミュニケーションがしやすい
また同時に、Instagramストーリーズには質問やクイズなど、投稿を閲覧したユーザーを巻き込んだコミュニケーションができる機能が充実。質問に答える、顧客アンケートをとるなど、「顧客の声」を収集してマーケティングに生かしていくことにも向いています。
Instagramストーリーズを利用することで、友達やブランドとの距離を縮めてくれるという調査結果も発表されており、企業と生活者とのコミュニケーション手段の重要な1つとなっています。
④日本のユーザーは特にストーリーズの利用率が高い
また、Meta社(旧Facebook社)には、日本におけるデイリーアクティブアカウントの70%がストーリーズ機能を利用しているという内部データがあり、ストーリーズは日本のInstagramユーザーに広く浸透していることがわかります。
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⑤告知などリアルタイム性のある投稿に適している
Instagramのフィードやリールタブは、そのユーザーに合わせておすすめの投稿が表示されるため、必ずしも最新のものが表示されるとは限りません。フォローしているアカウントの投稿でも、最新の投稿ではなくひとつ前の投稿が表示される、ということもあるのです。一方でストーリーズは24時間で消えてしまうため、比較的リアルタイム性をもった情報を届けるのに適しています。また、ユーザーも新しい情報に触れることに好意的であるという特徴もあります。これを活用すれば、例えば、フィードのポスト内容をストーリーズでシェアすることでフォロワーに最新の投稿に気づいてもらいやすくなります。また、カウントダウンスタンプを利用して、日付が決まっている予定の告知をすることにも向いています。
Instagramストーリーズを活用したアイディア事例
続いて、実際にストーリーズを活用している企業事例をご紹介していきます。
アイディア①リアルタイム性をいかして情報告知にストーリーズを利用
先述の通り、ストーリーズはフィードやリールと比較すると新しい情報を届けやすい場所となっています。このリアルタイム性をいかし、情報告知にInstagramストーリーズを利用している企業も多くあります。
ファンケルの公式Instagramアカウント(@fancl_official)もストーリーを活用して最新の情報発信を行なっているアカウントのひとつ。同アカウントではライブショッピングの告知にInstagramストーリーズを利用しています。告知投稿では、カウントダウンスタンプを使いながら、ライブショッピングまでのカウントダウンを行なって盛り上げる工夫もみられます。また、その他「今月の情報」として新商品やイベントの告知も行なっています。ストーリーズのリアルタイム性を上手に生かし、情報告知をしている事例です。
アイディア②フォロワーと積極的なコミュニケーションをとってファン作りに
ストーリーズには質問スタンプやアンケートスタンプなどユーザーとコミュニケーションをとるための機能が充実しています。これらのスタンプを活用し、ストーリーズを通してユーザーと積極的なコミュニケーションをとり、ファン作りに繋げることもできます。
WEGOの公式Instagramアカウント(@wego_official)ではストーリーズの質問スタンプを利用してフォロワーから「お悩み相談」を募集。コーディネートのコツや、体系別の着こなしポイントなどについてプロの視点からアドバイスを送っています。
また、ファンマーケティングに定評のあるよなよなエールの公式Instagramアカウント(@yonayona.ale)でもアンケート機能を活用したストーリーズ投稿を実施。フォロワーのリクエストでスマホの壁紙を作るなど、商品をPRするだけではなく、商品、ブランドを介したコミュニケーションでファンとの距離を縮めることに成功しています。
WEGOのSNS戦略についてはこちらのインタビュー記事もご覧ください
▶【大切なのはお客様が求めるものを問い続ける姿勢】WEGOが語るInstagramマーケティング成功のポイント!【2021/Instagram×EC・最前線②】
ヤッホーブルーイングのファンマーケティングに迫るインタビュー記事はこちら
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アイディア③ハイライト機能を使ってアカウントの特徴を的確に表現
ストーリーズのハイライト機能は、そのアカウントのプロフィール画面を充実させるうえでとても重要です。ハイライトの見せ方を工夫すれば、アカウントの特徴やブランドの世界観などを一目で理解してもらうこともできます。
RIZAPの公式Instagramアカウント(@rizap_official)では、ストーリーズのハイライトに「腕」「ヒップ」など、パーソナルトレーニングジムである同ブランドの個性が伝わるタイトルをつけ、ブランドのイメージを一目で伝えています。
また、ピザーラの公式アカウント(@pizza_la_official)は、ブランドのハイライトのカバーをイメージカラーである赤にし、統一感を作ることに成功しています。
アイディア④ブランドメッセージやストーリーを伝える
商品やサービスの選択をする際に、企業人格やブランドの取り組み、コンセプトを判断材料とする生活者が増えています。
Instagramのストーリーズを通して、こうした企業の取り組みや、伝えたいメッセージを上手に伝えているアカウントもたくさんあります。
例えば、D2Cアパレルブランドの「HushTug」はモンゴルの貧困問題と向き合うビジネスモデルで成功をおさめています。同ブランドの公式インスタグラムアカウント(@hushtug_jp)では、ブランドのこれまでのあゆみを「これまでの物語」としてストーリーズに投稿。ハイライト機能を使ってまとめ、ブランドに興味をもったユーザーに理解を深めてもらうアプローチを行なっています。
アイデア⑤フィードやリールの投稿をシェアして投稿のリーチを高める
Instagramリールやフィード投稿をシェアするのもInstagramストーリーズの活用方法のひとつです。
三井住友銀行(SMBC)の公式Instagramアカウント(@smbc_official)では、フィード投稿をストーリーズでシェア。Instagramストーリーズのアンケートスタンプを活用しフォロワーの興味を喚起し、該当のフィード投稿へ効率的に誘導しています。
また、工具メーカーボッシュプロフェッショナルの公式Instagramアカウント(@boschprofessionaljapan)では、過去に投稿した工具の種類別にハイライトでストーリーズ投稿をまとめています。フィード、リールなどさまざまな投稿を情報を求めるフォロワーのもとにしっかりと届けている事例です。
アイディア⑥外部メディアへの誘導にストーリーズを活用
Instagramのフィード画面にはURLのリンクを貼ることができません。そのため、フィードの投稿から外部のコンテンツ(オウンドメディアやECサイト)へ誘導を行うことは難しい側面があります。
一方ストーリーズにはリンクスタンプがあり、外部サイトへの誘導を簡単に行うことができます。
トヨタの公式Instagramアカウント(@toyota_jp)では、Instagramのストーリーズ投稿から同社が運用しているYouTubeチャンネル「ランクルちゃんねる」への誘導を行なっています。それぞれの投稿にアイキャッチとなるタイトルをつけながら、リンクスタンプで動画へのリンクURLを掲載。ストーリーズをみて興味をもったユーザーをそのままチャンネルへ遷移させています。
また、コクヨのぶんぐ公式Instagramアカウント(@kokuyo_st)ではオウンドメディア「KOKUYO MAGAZINE」へのリンクをInstagramストーリーズにおいています。学び記事や工作記事といった形で記事のしゅる別にハイライトをわけ、自社コンテンツへの興味喚起を行なっています。
アイディア⑦ストーリーズで活用できるフィルターの公開
ストーリーズの投稿とは少し異なりますが、前述の通りストーリーズなどで利用できるオリジナルのARフィルターを利用する企業も散見されています。
ユーザーが「使ってみたい」「面白い」と思ってくれるフィルターを作り使って貰えば、ユーザー発信でブランドや商品の認知獲得に繋がります。海外では、商品パッケージのQRコードからARフィルターにアクセスできるといった実際の販促施策に取り組んでいる事例もあることから、今後様々な使われ方がでてくることも予測されています。
例えば、レブロンの公式Instagramアカウント(@revlonjapan)で公開されているARフィルターは、フィルター越しに同ブランドのリップの色を試すことができるもの。コロナ禍で店頭でのテスターが制限される中、Instagramの機能で商品を疑似体験をしてもらい、商品購買意欲の向上につなげています。
また、松屋フーズのInstagramアカウント(@matsuya_foods)でもオリジナルのフィルターを公開中。「松屋しか勝たん」「牛めし食べたい」という個性的なメッセージをInstagram風におしゃれにアレンジしたユニークなフィルターで、ユーザーに認知を促しています。
アイディア⑧UGCをシェアして商品についてユーザーに知ってもらう
リポスト機能を使い、UGCをシェアすることもオススメです。UGCのシェアはユーザーとのコミュニケーションに役立つだけでなく、ハイライトにまとめることで商品について調べている生活者の購買の後押しにもなる有効な施策です。さらに、他のユーザーの投稿をきっかけに「私もUGCを投稿してみよう」といったモチベーション作りにも生かすことができます。
ニトリの公式Instagramアカウント(@nitori_official)では「お客様の声」としてユーザーからの商品を使った投稿をストーリーズでシェア。そのひとつひとつに丁寧なコメントを返しながら、実際の生活の中でニトリの商品がどのように使われてどんな価値を提供しているのかを、生活者目線でしっかりと訴求しています。
また、ジェルネイルシール「ohora」のInstagram公式アカウント(@ohora_jp)でも「#推しohora」「#ohoraコーデ」などのハッシュタグでユーザー投稿を募集し、ストーリーズでシェアしています。シールタイプのジェルネイルという新しいジャンルの商品について、ユーザーの声を紹介しながら認知拡大、商品理解促進に成功している事例です。
Instagramストーリーズ活用でおさえておきたい3つのポイント
ここまで、Instagramストーリーズの基本的な使い方や活用メリット、実際の企業活用事例を見てきました。最後にこれらを踏まえてInstagramストーリーズを活用する際におさえておきたいポイントについて簡単にご説明します。
ポイント①フォロワーとのコミュニケーションの場として活用する
Instagramのストーリーズが表示されるのは、広告以外では原則としてフォロワーのみです。(プロフィールを見にきたユーザーが、ハイライトを確認するのは可能)
そのため、基本的にはストーリーズを「フォロワーとの交流の場所」として捉え、フォロワーに知ってほしい情報発信や、フォロワーの意見やリアクションを求めるような投稿を行なって活用していくことがおすすめです。
ポイント②エンゲージメントを高める工夫を
ストーリーズ活用のメリットでも触れましたが、Instagramストーリーズはユーザーが投稿に対してリアクションするハードルが低いため、質問スタンプ、クイズスタンプ、絵文字スライダースタンプなど、インタラクティブなコミュニケーションにぴったりの機能を活用しながら、エンゲージメントを高める工夫を行うことがポイントです。フォロワーとエンゲージメントの高いアカウントと見なされれば、フィード投稿などその他の投稿のインプレッション数向上も期待できます。
ポイント③クリエイティブは縦長を意識
ストーリーズはスマートフォン縦長のダイナミックなクリエイティブが特徴です。文字の見せ方、画像の配置の仕方など、スマートフォンで視聴した際に全画面で表示されることを意識してクリエイティブを制作するのがポイントです。
いかがでしたか?
今回はInstagramストーリーズの概要と、ストーリーズを上手に使ったアイディア事例をご紹介しました。ぜひ日頃のアカウント運用にお役立てください。