即時性と拡散性に優れたSNSプラットフォームであるX(Twitter)。
企業のマーケティングで活用されることも多く、その手法は様々です。そこで今回はX(Twitter)を活用した企業のマーケティング施策について、媒体特性や、最近の傾向を解説すると共に、マーケティング手法やそのポイント、事例を紹介していきます。
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1.X(Twitter)のユーザーデータと特性
現在のX(Twitter)のユーザー傾向は以下の通りです。
・日本における月間のアクティブユーザー数は4500万人(2017年10月時点)
・全世界におけるアクティブユーザー数は3億3000万人(2019年Q1時点)
・日別のアクティブユーザーは増加傾向にあり、2021年の第3四半期の決算では全世界におけるmDAU(収益化可能な1日あたりのアクティブユーザー)が昨年度より13%増2億1100万人(※1)
・日本国内では10代、20代のユーザーが多いが、30代のユーザーも36%(※2)
X(Twitter)は若年層に強いイメージがありますが、実際は30代以上のユーザーも多く、アライドアーキテクツが行った調査では30〜50代まで幅広い年齢層に利用されています。
X(Twitter)は即時性が高いメディアであり、最新の情報を求めるユーザーが多いのが特徴です。X(Twitter) Japanによると、月間のX(Twitter)ユーザーの67%がX(Twitter)を使って情報検索をしていると言います(※3)。
また性別によって検索されやすい情報は異なり、女性ユーザーはグルメ、美容、ファッション、料理、男性ユーザーはインターネット/テクノロジーや時事問題の情報を多く見る傾向があります(※4)。最も利用されている検索方法はキーワード検索で、X(Twitter)で情報を検索する72%のユーザーがキーワード検索を利用しています(※5)。
企業がX(Twitter)を利用して情報を発信する際には、X(Twitter)ユーザーに「検索されやすい」キーワードを意識した発信を心がけると良いでしょう。
独自アンケート調査や様々なデータから、X(Twitter)ユーザーの実態を分析したコラム記事はこちらからご覧いただけます。
▶【2023年1月更新!】データからみるTwitterユーザー実態まとめ
2.X(Twitter)はどんなプラットフォームなのか〜2021年のアップデートから紐解く〜
X(Twitter)が2021年注力してきた取り組みは、大きく以下の4つに分類されます。
①会話の安全性の向上のための取り組み
②健全なプラットフォーム育成のための取り組み
③積極的に会話が生まれるプラットフォームにするための取り組み
④企業(広告主)によって利用しやすプラットフォームにするための取り組み
①会話の安全性の向上のための取り組み
②健全なプラットフォーム育成のための取り組み
- 第17回「Twitterの透明性に関するレポート」の発表
- Twitter初のグローバルインパクトレポートを公開
- 責任ある機械学習イニシアティブの開始
- 政府および国家当局関係メディアアカウントの識別に関する取り組みの拡大
- Twitter認証申請条件の明確化と新しい申請プロセスの導入
- COVID-19ワクチンの誤情報に対する取り組みのアップデート
- #世界報道自由デー で特に地域のジャーナリストを支援
③積極的に会話が生まれるプラットフォームにするための取り組み
- #花火駅伝でユーザーのツイートを花火に
- #環境の日 「#消えないでほしいもの」を募集
- 七夕の願いを #24時間短冊 で
- 夏祭りの屋台をTwitter上に再現 #Twitter夏祭り 2021年を開催
- 検索タブをビデオフィード化するテストを開始
- フリート機能の停止
- 音声のDM(ダイレクトメッセージ)を送信可能に
- スペース機能の提供開始
- コミュニティ機能のテストを開始
- 世界の一部地域で有料サブスクサービス「Twitter Blue」の提供を開始
- チケット制スペースのテスト導入
- チップ機能の導入
- スーパーフォロー制度をアメリカ、カナダで先行導入
④企業(広告主)によって利用しやすプラットフォームにするための取り組み
- 広告主にとってのプラットフォームの安全性を強化
- TwitterとMedia Rating Council(MRC)、ブランドセーフティ認定の合意
- Twitter for Professionals(Twitter Proアカウント)の導入
- Instagramの投稿をTwitterでシェアするとカードプレビュー形式で表示されるように
- Twitter広告 認定パートナープログラムを新設
- TwitterAmplifyプレロール動画「プレミアムカテゴリー」の追加などアップデートを実施
- Twitterのプレミアム動画広告に新しい入札方法「15s view」が登場
X(Twitter)は一貫して「ユーザーが特定の話題について安全に会話を楽しむプラットフォーム」を目指し、日々新機能提供やアップグレードを行っています。
2021年も、X(Twitter)アカウントのセキュリティ強化、ユーザー向けのガイドブックの発行などユーザーにとって安全なプラットフォーム作りに取り組んだほか、プラットフォームの透明性を高めるために、様々なレポートや施策を実施。
さらに、ユーザーがX(Twitter)で会話をするきっかけを提供するイベントや、テキストだけでない「音声」でのコミュニケーション機能の提供など、X(Twitter)上で人々が楽しく対話するための様々な仕組みをリリースしてきました。
また、広告主にとっても、X(Twitter)が安全かつ快適なプラットフォームとなるよう、アカウント運用に役立つ機能の追加や、広告商品のアップデートに力を入れています。
これらの機能開発やアップデートによって、X(Twitter)のもつ「即時性」「拡散性」といった特徴を活かしつつ、ますますアクティブな会話が生まれるプラットフォームとなり、その独自性を高めています。
X(Twitter)の2021年新機能&アップデート内容をおさらい
▶Twitter(ツイッター)の新機能&アップデートまとめ【2021年のおさらい】
3.X(Twitter)マーケティングで実施できる施策
3-1.公式アカウント運用
アライドアーキテクツの行った調査では、X(Twitter)ユーザーの半数以上が1つ以上の企業公式アカウントをフォローしていると回答するなど、X(Twitter)ユーザーにとって企業アカウントのフォローは自然なことになっていることがうかがえます。
同時に、同調査では、企業アカウントをフォローしているユーザーがもっとも求めているのは「サービスや商品の新情報やセール情報」、「X(Twitter)上で参加できるキャンペーンの情報(割引クーポン等)」など、直接的なメリットにつながる情報だという回答が目立ちました。
こうした結果から、企業公式アカウントでは自社アカウントのフォロワーがどんな情報を求め、メリットを感じるのかを見極め投稿制作にあたることが求められます。
『X(Twitter)ユーザーによる企業公式アカウント利用実態調査』は、以下より無料ダウンロードいただけます。
▶https://smmlab.jp/whitepaper/survey-for-twitter-users-2021/
また、X(Twitter)は会話を楽しむプラットフォームです。X(Twitter)のアカウント運用ではフォロワーと積極的なコミュニケーションを行うことで深い関係性を作ることに成功している企業アカウントも多く存在します。
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カルピスの公式アカウント「カルピス”水玉通信」ではおみくじ投稿やあるあるネタなど親しみやすいコンテンツでフォロワーと積極的にコミュニケーションを行っている。
ファンとのコミュニケーションに積極的に取り組んでいる事例を紹介
▶ファンとの積極的なコミュニケーションに取り組んでいる施策事例10選
さらに、X(Twitter)の「拡散性」を生かすことで、フォロワー以外に情報を届けることができるのもX(Twitter)公式アカウントの特徴です。ユーザーが思わず誰かに知らせたくなるような有益な情報やハッシュタグのトレンドにのった投稿をすることで、新しい接点を作っていくことができます。
一方で、X(Twitter)はよくない情報も広まりやすため、企業はX(Twitter)上ので情報検知を定期的に行い、万が一の時に素早く対応できる体制を整えておくことが大切です。
X(Twitter)アカウント運用のコツをお手本にしたアカウントとともに紹介
▶企業公式Twitterアカウントはどう活用する?運用のコツ7つ!参考にしたい企業アカウント14選とともに解説
3-2.X(Twitter)広告
X(Twitter)では、X(Twitter)のタイムラインや検索結果、トレンド検索画面などに広告を出稿することができます。
X(Twitter)広告は、興味や関心によって繋がりがうまれるというX(Twitter)の特性をいかし、ユーザーの興味・関心を軸にしたターゲティングの精度が高いのが特徴です。
また、タイムライン上に出稿する広告は、オーガニック投稿と同様に「いいね」や「リツイート」の対象となるため、広告クリエイティブの工夫により広告自体を拡散させ、出稿金額以上のリーチを得られる可能性があるのも、X(Twitter)広告ならではです。
これらを踏まえ、X(Twitter)広告運用においては
①デモグラ情報だけでなく、ターゲットの興味・関心について細かく仮説をたててターゲティングを行う
②ターゲット層の興味をひくような広告クリエイティブを活用する
ことがポイントとなります。
X(Twitter)広告の特徴、メリット、出稿方法まで徹底的に解説した記事はこちらから
▶Twitter広告の知りたいがわかる!特徴・種類・出稿手順を徹底解説!成果をあげるTwitter広告スタートガイド【2021年度最新版】
3-3.X(Twitter)キャンペーン
X(Twitter)を活用した企業のマーケティング施策として盛んに行われているのがX(Twitter)キャンペーンです。X(Twitter)ユーザーにとっても企業キャンペーンは馴染みのあるものになっており、アライドアーキテクツの調査ではX(Twitter)ユーザーの68%が企業のX(Twitter)キャンペーンに参加したことがあると回答しています。
X(Twitter)キャンペーン=フォロワー獲得だけじゃない!
▶目的別・おすすめのTwitterキャンペーン手法を早見表はこちら
X(Twitter)で実施できるキャンペーンの形式で代表的なのは以下の3つです。
①「フォロー&リツイート」キャンペーン
②「フォロー&ハッシュタグ投稿」キャンペーン
③「フォロー&写真投稿(マストバイ)」
X(Twitter)ユーザーにとって、キャンペーンへの参加の決め手となるのは「参加の手軽さ」。アライドアーキテクツが行った調査では、57.2%のユーザーが応募時の手間がかからない点をX(Twitter)キャンペーンの参加で必要な要素だと回答しています。
そのため、アカウントのフォローと対象ツイートのリツイートのみで参加が完了する「フォロー&リツイート」キャンペーンはユーザーの参加を促しやすく、アカウントのフォロワーを効率的に増やし、対象ツイートの拡散を促すことができます。
またこうした気軽さを追求した、「インスタントウィン形式」のキャンペーンも人気です。これは、X(Twitter)のオートリプライ機能を利用し、ユーザーがリツイートや指定ハッシュタグ投稿などのアクションをとることで、キャンペーンの当落をその場で知らせることができるものです。
X(Twitter)上で簡単に参加でき、その場で当落がわかるという即時性の高さを兼ね備えたこのキャンペーンは、フォロワー獲得と拡散の最大化につながりやすいキャンペーン形式だと言えます。
最近では、X(Twitter)キャンペーンを利用した販促施策に取り組む企業も見られ、キャンペーンをきっかけとして、様々な成果をあげている事例もあります。
「LINEプレイ」では、X(Twitter)キャンペーンで自社アプリを連動させ、アプリダウンロードの促進に成功している。
参照元:【Twitterキャンペーン参加ユーザーの7割をアプリに誘導!】「LINE プレイ」がechoes Appを活用し自社アプリ連動型Twitterキャンペーンを開催!Twitterインスタントウィンと組み合わせ、Twitter×アプリ連携の最大化を実現した取組とは?
InstagramやTikTokの事例も紹介
▶【2022年のSNSキャンペーン設計のヒントに】2021年注目されたSNSキャンペーン事例まとめ14選
X(Twitter)を活用したマーケティングに関するよくある質問10個に回答している記事はこちら
▶【2021年からTwitterを始めたい方必見!】Twitter企業アカウント担当者のよくある質問10個に答えてみた!~マーケティング施策の「あるある」一問一答
いかがでしたか?
今回はX(Twitter)マーケティングについて徹底的に解説をしてきました。
X(Twitter)キャンペーンを実施する時は広告を併用することで、その施策効果が高まります。また、キャンペーンで獲得したアカウントのフォロワーに対する日々の情報発信やコミュニケーションは大切です。
X(Twitter)マーケティングを実施するには、こうしたX(Twitter)がもつ様々な機能をフル活用することがポイントになってくるでしょう。
ぜひ来年度の施策設計にお役立てください。
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※1)Q3 2021 Letter to Shareholders|Twitter
※2)Nielsen Mobile NetView 2017年9月度|ニールセンデジタル株式会社
※3)Twitterでわかる現代の消費行動パターン|Twitter Japan
※4)暮らしの情報とTwitter|Twitter Japan
※3)モバイル&ソーシャルメディア 月次定点調査(2020年6月度)|株式会社ジャストシステム