BtoBの営業やマーケティング活動におけるDXの一環として、動画を活用する事例が増えています。

その背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大があります。多くの企業が、「これまでの基本であった対面営業が少なくなり、代わりにWEB商談が多くなる」「展示会がオンラインに移行」「リアルのセミナーが開けなくなり、代わりにWEBセミナーを開催」「電話が通じにくく、メール等でのコミュニケーションが増加」「カタログがWEBカタログに移行」など、従来の対面を基本とした営業・マーケティング活動スタイルからの脱却を迫られているのです。

そのような中、「withコロナ時代の新しいBtoBの企業活動」をサステナブルに支える手段として現在注目を集めているのが、「カジュアル動画」の活用です。多くのBtoB企業が、ウェブカタログ、資料、メールなど、様々なチャネルに「カジュアル動画」を活用し、営業や販促、マーケティングスタイルのDXに役立てています。

今回の記事では、注目の「カジュアル動画」とは何かBtoB向け業務におけるカジュアル動画の活用事例をシーン別に7つご紹介します。

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BtoBで動画活用が進んでいる背景

新型コロナウイルス感染症の拡大により、BtoBの営業・マーケティングスタイルが大きく変化しています。株式会社マーケライズが製造業界向けに行った「営業・販促活動へのコロナ禍の影響に関する調査」によれば、92%が展示会の延期/中止、74%が商談数(オンライン含む)の減少により営業・販促面でマイナスの影響を受けたと回答しています。

その代わりに活発化しているのが「オンライン」での営業・マーケティング活動です。

同調査によれば、多くの企業が商談・会議のオンライン化やWebセミナーの開催、メールマーケティングの強化、オンライン展示会への出展など、従来の顧客とのコミュニケーション手段をオンラインに置き換えるだけでなく、自社Webサイトの改修・見直しや、動画コンテンツの制作など、あらゆるデジタル上の顧客接点の強化を図っています。

従来のオフラインにおける「密なコミュニケーション」を、今後オンライン上でどのように実現するかがこれからの肝になってくると言えます。

企業における動画コンテンツ活用の現状

そのような中、現在多くの企業がオンライン上でのコミュニケーションを豊かにするために取り組んでいる施策の一つに「動画コンテンツ」の制作があります。

2020年12月にアライドアーキテクツが行った調査によると、動画コンテンツの活用はSNS投稿やWEBサイトから、オンライン展示会・オンラインイベント、営業用メール・メルマガ・DMなど多岐に渡っていることが分かります。

また、既に動画コンテンツを業務に活用している企業担当者の85.2%は「普段の業務において動画の重要性が増しているととても感じる/どちらかと言えば感じる」と回答しており、動画コンテンツの活用は今後ますます進んでいくものと考えられます。

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withコロナ時代にBtoB営業・マーケティングで動画を活用するメリット

このようなBtoBの営業・マーケティング活動における動画活用には大きく2つのメリットがあります。

①「動画」は伝わりやすく、記憶に残りやすく、購入を促進しやすい

動画には、静止画やテキストよりも「デジタル上の情報としての優位性」があります。

動画では静止画やテキストよりも短時間で多くの情報を伝えることができます。例えば1分間の動画の場合、文字にしておよそ180万ワード、WEBページにすると実に3,600枚分の情報量を詰め込むことができると言われています(※1)

また、一般的に人の記憶に残りやすいともされています。アメリカの国立訓練研究所による「ラーニングピラミッド」という理論でも提唱されており、人の学習の定着率は、オーディオビジュアル(動画)を用いた場合、テキストの場合の2倍高いと言われています(※2)

さらに、動画は静止画よりも4.8倍視認されやすく、3.1倍購入を促進しやすいというデータもあります(※3)

②情報伝達の質を担保しやすい

動画を活用することで、営業やマーケティング担当者それぞれのオンライン上での営業スキルやネットワーク環境などに左右されず、情報伝達の質を担保しやすくなります。メンバー全員が顔をあわせて業務方針をすりあわせる機会なども減る中、「動画」を活用することで、社員毎のスキル差分を埋めることが期待できます。

動画マーケティングについて徹底解説したこちらの記事もご覧ください!
動画マーケティングとは?基本から成功ポイントまでを徹底解説【事例あり】

BtoBの営業・マーケティング活動における動画トレンド:「カジュアル動画」とは?

一方で、動画は静止画やテキストに比較して制作に時間やコストがかかることがデメリットとされてきました。

これを解決する手段として現在注目されているのが「カジュアル動画」です。

テレビCMのようなイメージの「リッチ動画」に対し、「カジュアル動画」とは、静止画や簡単な動画を組み合わせて作る15秒~1分程度の短尺動画を指します。静止画の一部だけを動かしたりするものもカジュアル動画に含まれます。「リッチ動画」がプロによる人物撮影などを必要とし、制作に最低でも1ヵ月程度は要するのに対し、カジュアル動画はツール等を用いて、最低15分程度の短い時間で自社で製作されることが一般的です。

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では、なぜBtoBの営業・マーケティング活動画面において「カジュアル」動画が注目されているのでしょうか?

①その時々の状況や場面、目的に応じて柔軟に動画コンテンツを用意できる

商品の認知を拡大したいとき、商品理解をより促したいとき、商品の比較検討に必要な情報を提供したい時、あるいは購入後のサポート・CRMの際など、BtoB業務におけるさまざまな場面で動画を活用したいニーズがあるでしょう。また、たくさんの商品数・SKUを抱える企業では、各商品ごとに動画を作るニーズもあるかもしれません。

このように、その時々の状況や場面に応じて一つ一つ動画を作りこむのは大変な労力がかかります。一方で、ツール等を利用し、日々の業務の中に当たり前にある手段の一つとして「動画」を取りいれることができれば、オンライン上でのコミュニケーションをより豊かにすることができます。

動画を一回勝負の「賭け事」のような施策にせず、商品数・チャネル別・マーケティング上の各種フェーズなど、使いたい場面に適した動画を柔軟に作れる状態を作っておくことで、動画を営業・マーケティング活動に取り入れるメリットを最大化できるのです。

②動画の量産が可能なため「PDCA」を回しやすい

また、動画を量産できることで、PDCAを回しやすくなります。どんな場面でどんな動画が刺さるのか、どういう順番で何を強調するとより伝わるのか、たくさんの動画を制作して活用するからこそ、改善して成果に繋げていくことができます

例えば、以下は、顧客向けのメールマガジンに差し込んだコンテンツ(静止画、動画①、動画②)の成果を比較した図です。静止画のクリック率を1とした場合、動画①の成果が0.98倍と静止画よりも若干悪化したのに比較し、見せ方を変えた動画②では2.1倍の効果が出ています。効果に基づき柔軟にクリエイティブを変更したからこそ得られた成果だと言えます。

③誰でも動画を作れる状態を作ることでBtoBマーケティングや営業活動の効率改善につながる

デザイナーなど特定のスキルを持ったメンバーに依存せず、社員やスタッフの誰もが動画を作れる状態を作ることで、スピード感を維持しながら営業やマーケティングコンテンツ制作の質を上げることができます。質の高いコンテンツを相対的に短い時間で用意できれば、社員やスタッフは営業・マーケティング戦略の立案や顧客への個別対応など他の業務への時間投資をしやすくなり、業務効率の改善につながります。

「カジュアル動画」についてのより詳細な説明はこちらの記事もご参照ください!
コスト削減だけではない!手軽に作れる「カジュアル動画」を活用すべき本当の理由

シーン別・BtoBの動画活用事例8選!

①オンライン展示会やWEBカタログ、WEB商談などの営業のサポートに動画を活用

対面営業が難しい現在、動画は営業をサポートするツールとして活躍します。

老舗糊メーカーのヤマト株式会社は、オンライン展示会や商談等の営業ツール、各種SNSにおいて動画コンテンツを活用しています。商品ごとに特徴や活用イメージ等をわかりやすく動画化、営業活動に役立てています。

②オンライン展示会用資料やオンライン営業用の資料に動画を活用

愛知県東部と静岡県西部を中心に、暮らしとエネルギーのサービスを提供する株式会社サーラコーポレーションは、BtoB企業向けのオンライン展示会に掲載する資料や、オンライン営業時に営業パーソンが使用する資料に動画を活用しています。

従来は紙の資料や口頭で伝えていた情報を動画化することで、より多くの情報量を視聴者に届け、見る人の感情に刺さるコンテンツの作成に成功しています。

③顧客へのメールに商品紹介動画や自己紹介動画を挿入

対面での営業が難しくなった現在、顧客とのメールコミュニケーションに今まで以上に注力している企業が増えています。動画は、顧客とのメールコミュニケーションをより円滑にすることにも役立ちます。

アライドアーキテクツ株式会社は、テキストだけでは伝わらない社員の人柄などを伝える目的で、顧客とのメールの中に署名代わりとして自己紹介の動画をGif形式で差し込んでいます(一部メンバーが実施中)。

他にも、商品紹介動画や会社紹介動画など、動画をメールのコンテンツとして上手く活用することで、顧客により内容の理解を促すことができます。

④FAXの注文書に動画に遷移するQRコードを設置

対面営業ができない代わりに、紙の資料やチラシ、リーフレットを配布することもあるでしょう。そんな時、動画は紙面では伝えきれない商品の魅力を補足するのに活躍します。

江崎グリコ株式会社は、紙のファックスの注文書に、商品について簡単に説明した動画に遷移するQRコードを設置したところ、初日売上が前年に比べて向上、動画クリエイティブが購買の動機付けにつながりました。また、同様の施策を既存顧客向けのDMでも実施しています。

⑤オンラインセミナーの待ち時間に動画を活用

BtoBマーケティング活動の一つとして、オンラインセミナーや商品説明会などを開催する機会が増えた企業も多いことでしょう。「セミナー開始前」や「休憩中」に予め用意しておいた動画を流すことによって、通常は退屈な待ち時間となってしまう時間を有効に活用することができます。

アライドアーキテクツでは、セミナー開始前の待ち時間にサービスや事例を紹介する動画を流しています。

アライドアーキテクツ中国マーケティングチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCTHPytyX53V_ZqrV_GMSsIQ

⑥ウェブサイトのコンテンツに動画を掲載

ウェブサイトに動画コンテンツを掲載することで、会社概要や商品・サービスの内容をより分かりやすく魅力的に伝えることができます。

物流業務代行を行う株式会社カネコは、同社が請け負う業務内容を公式ホームページ上において分かりやすく動画で伝えています。テキストではなかなか伝わりずらい工程も、動画で見せることで一目瞭然です。

株式会社カネコ:https://www.kaneko.vc/

⑦公式SNSアカウントのコンテンツやSNS広告のクリエイティブに動画を活用

動画は、SNS上でよりリーチしやすいコンテンツとして活躍します。カジュアルでユーザー目線に近い動画は、SNSのフィードにも馴染みやすくエンゲージメントの向上にもつながります。また、スピーディーな対応が求められるSNS運用において、カジュアルな動画を量産して活用することでPDCAを回しやすくなります。同様にSNS上における動画広告はリーチしやすく、またユーザーの目に留まりやすいため、効率改善が期待できます。

SMMLabの公式Facebookページ、Twitterアカウントでは、新着記事のお知らせに動画を活用しています。通常のリンク投稿に比較し、動画投稿の際はリーチが約2~3倍に伸びる実績が出ており、認知拡大に貢献しています。

SNSアカウントへの動画活用事例をもっと見たい方はこちらの記事もご覧ください。
SNSの動画マーケティングを成功に導く4つのポイント〜10個の事例から読み解くSNS公式アカウントへの動画活用施策〜

⑧プレスリリースに商品紹介動画を掲載

文章と画像だけとなることが多いプレスリリースに動画を活用することで、新商品の特徴やメリットをより魅力的に伝えることができます。

おせんべい、おかき、あられの総合米菓メーカー、株式会社栗山米菓は、プレスリリースに新商品の紹介動画を掲載しています。

以上、今回は「withコロナ時代」における新しいBtoB営業・マーケティング活動をサポートする、「カジュアル動画」と、その具体的な活用事例をご紹介しました。これからの新しいBtoB向けの企業活動を支える一手として、ぜひご参考ください!

アライドアーキテクツでは、800以上のテンプレートを活用しBtoB向けの「カジュアル動画」を誰でも作れる動画制作ツール「LetroStudio」を提供しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。