国内MAU9,200万人、人口の約7割()という圧倒的なユーザー数を誇るLINE。メッセージングアプリとしてだけでなく、クーポンやオンライン予約など様々な機能が存在しており、企業の販促施策に広く活用されています。
今回はそんなLINEの2022年上半期アップデート&新機能についてまとめてご紹介します。

※)LINE Business Guide 2022年7月-9月期|LINE for Business

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企業のLINE公式アカウント運用効率化につながるアップデート

①「友だち追加ガイド」の画像の種類が9種類に

友だち追加ガイドはLINEの管理画面にある機能で、友だち追加を促すためのQRコード、URLの発行、ポスターのダウンロード、ノベルティの購入を行うことができます。

今回のアップデートでは、 友だち追加を促す際の画像を9種類の中から選択できるようになりました。目的にあったシェア画像を利用することで、より効率的な「友だち追加」に繋げることが可能です。

②「ステップ配信」機能の開始条件・条件分岐設定に「オーディエンス」が追加

昨年リリースされた機能である「ステップ配信」は公式アカウントからのメッセージを送る際、友だち追加してからの日数や、年齢・性別、みなし属性といった条件を指定して自動でメッセージを送る機能です。

ステップ配信など、昨年行われたアップデートをおさらいするのにおすすめの記事
LINEの新機能・新サービス&アップデートまとめ【2021年総ざらい】

今年2月にはこのステップ配信機能の配信条件に「オーディエンス」が追加されました。オーディエンスとして利用できるものには、メッセージのクリックや開封、ウェブトラッキングなどが含まれます。これらのオーディエンスを配信開始条件や条件分岐設定として利用することで、過去配信したメッセージの開封・クリック状況などに応じて、「友だち」ごとに異なるメッセージを自動で配信することが可能。

自社ECサイトのカートに商品を追加したままのユーザーに対してリマインドを行なったり、購入者にアンケートやクチコミ投稿を促すアプローチを行うなどの施策も実施できるようになります。

③LINE VOOM専用の管理画面「LINE VOOM Studio」のリリース

昨年、これまでのタイムラインからアップデートされたLINE VOOMは動画中心のプラットフォーム。LINEの「友だち」ではなくフォローによって繋がるのが特徴で、気になるクリエイターをフォローしたりおすすめのコンテンツ表示などもあります。
このLINE VOOMの投稿作成や分析やコメント管理機能などを集約させたのが「LINE VOOM Studio」です。

「LINE VOOM Studio」のリリースに伴いこれまでの機能から仕様も変更。例えば分析に必要なデータの集計期間はこれまでの14日間から最大31日間に延長され、今までより長いスパンでの投稿分析を行えるようになりました。
LINE VOOMの運用をますます便利にそして効率的に実施できるようになったアップデートです。

LINE VOOM Studioの管理画面
画像引用:LINE VOOM|LINE for Business

LINEの運用型広告「LINE広告」でより成果をあげやすくするためのアップデート

LINEの運用型広告「LINE広告」でも、広告運用効率や成果の向上を目的としたアップデートが行われました。

①広告配信面に「ホーム」タブと「LINE Monary」が追加

LINEには「LINE VOOM(旧タイムライン)」「LINE NEWS」、「トークリスト」や「LINEマンガ」など様々な機能やサービスがあります。LINE広告はそれらに広告を配信することで、多様なモチベーションや傾向をもったユーザーと接触することができるのが特徴のひとつです。

この上半期には新たに「ホーム」タブと「LINE Monary」が配信面に追加されました。それぞれの配信面の特徴は以下の通りです。

「ホーム」タブ

  • LINEのもつ多様なコンテンツやサービスへの入り口となる画面
  • 友だちリストやLINEの各種サービスへのアクセスできる
  • 幅広いユーザーに接触できるのが特徴
ホームタブでは、サービスリストの下に広告が表示される。
画像引用:LINEの運用型広告プラットフォーム「LINE広告」、新たに「ホーム」タブでの広告配信を開始|LINE for Business

「LINE Monary」

  • ポイントやクーポンの確認ができるウォレットタブで暮らしにまつわるお金の知識コンテンツを提供しているサービス
  • 「ウォレット」とタブと「LINE Monary」の公式LINEアカウントからアクセス可能
  • 金融情報や暮らしに役立つ情報に感度が高いユーザーにリーチができる
LINE Monaryでの広告掲載場所には「ホームフィード」「記事リスト」「記事ページ」の3箇所がある。
画像引用:LINEの運用型広告プラットフォーム「LINE広告」、新たに「LINE Monary」での広告配信を開始|LINE for Business

②LINEリサーチを活用し、より効果的な広告配信に

LINEリサーチはLINE株式会社が提供するスマートフォン専用のリサーチプラットフォーム。LINEユーザーを調査パネルの基盤としているため、従来のネットリサーチと比較して学生や若年層などにもリーチすることができるのが特徴です。

LINEリサーチは昨年よりLINE広告との連携を強めており、LINE広告の詳細ターゲティング項目である「趣味・関心」を調査結果に付与することができます。

今年3月に実施されたアップデートでは、LINEリサーチ「ライトコース」のWEB集計機能「Tableau」において、LINE広告の詳細ターゲティング「趣味・関心」項目を分析軸に追加できるようになりました。

このアップデートにより、LINEリサーチで行なった調査結果と広告ターゲティング項目「趣味・関心」でクロス集計を行い、広告を配信したいターゲットの分布を可視化。広告施策でリーチしたいターゲットの把握が可能となります。

アンチトラッキング時代に対応したデータ活用環境の整備

昨今サードパーティクッキー規制、IDFA変更、「改正個人情報保護法」の施行等、マーケティングにおけるデータ活用の環境が大きく変化。それに伴い企業や各種アドプラットフォームなどは対応を求められています。

特に注目されているのが、企業が独自にもつ顧客のデータ、いわゆるゼロパーティーデータです。クッキーを利用した外部のデータに頼らず、顧客と接点をもちながら、自社独自のデータを安心、安全に活用していくべきだという考え方をもつ企業も増えています。

LINEではこうした機運の高まりを受け、LINEの各種サービスによって得られている顧客データなどを横断的に活用する施策に着手。
今年の5月には米国トレジャーデータ社との業務提携契約の締結が発表されました。

この業務提携は、トレジャーデータ社がもつ顧客データ基盤「Treasure Date CDP」に格納された顧客データと、LINEがユーザーの同意をもとに取得したデータを突合する「データクリーンルームソリューション」の共同開発を行うもの。
同時にデータ連携やソリューション開発にも取り組むと発表されており、例えばこれまで可視化しにくかったLINE広告や公式アカウントメッセージからの実購買データやオフラインコンバージョンへの可視化の実現が期待されています。

<具体的な取り組み>

①データクリーンルームソリューションの共同開発

  • LINEを基軸としたデータクリーンルームソリューションの共同開発
  • 顧客インサイトの抽出や、高いメッセージ、広告効果が期待できる顧客の抽出と配信が可能
  • プライバシーを保護しながらデータ活用を行えるプラットフォームを提供する

②LINEのマーケティングソリューションと「Treasure Date CDP」のデータ連携

  • 「LINE広告」や「LINE公式アカウント」について、「Treasure Date CDP」とデータ連携することで効果的に企業がLINEを活用できる仕組みの提供を行う
  • ユーザーごとに最適化されたメッセージおよび広告の配信、広告主の企業が抱えるシステム開発負荷の軽減が期待できる

③LINEの各種サービスにあわせたソリューション開発

  • LINEが提供している多様なサービスと「Treasure Date CDP」の連携を促進。
  • 各種サービスを利用する顧客の利便性向上により、サービスの普及と利活用を促す。

デジタル販促施策プラットフォームとしてのLINEを強化

また、コロナ以降急速にデジタル化が進んでいる生活者の消費購買行動に対して、LINEが継続して取り組んでいるのはデジタル販促施策プラットフォームとしてのLINEの強化です。

デジタル販促とはその名の通りデジタル(オンライン)を基盤とした販促施策のこと。オンライン上でのクーポン配布やSNSでのキャンペーンなどもその一つとして活用されています。

LINEはもともと、公式アカウントからのクーポン配布やLINEチラシなど、デジタル販促施策に活用できるサービスが多いことが特徴であり、コロナ禍以降はこうしたサービスのアップデートが積極的に行なわれています。

今年6月に正式にサービス提供が開始された「LINE POP Media」もそのひとつ。このサービスはLINE Beacon()を利用し、ユーザーが小売店に来店した際、LINEのトークリスト最上部にメーカー企業の広告が掲出されるものです。

※LINE Beaconとは:店舗などに設置されたビーコン端末から発信された信号情報と連動し、「LINE」から通知およびメッセージを送ることができるサービス。

小売店の店内に設置された「LINE Beacon」が「LINE Beacon」の利用を同意しているユーザーの来店を検知すると、そのユーザーのトークリスト最上部に広告が表示される仕組みになっている。
画像引用:LINE、デジタル店頭POPソリューション「LINE POP Media」のサービス提供を開始|LINE for Business

アナログPOPといった施策をデジタルで代替し、購買意思決定の直前にいるユーザーにアプローチができるこの施策は、店内で購入までの後押しを効率的に行なえるだけでなく、小売店にとってはPOP設置などの店舗スタッフのオペレーション削減にも繋がります。

2022年6月現在、小売店業ではコンビニ大手の株式会社ローソンやドラッグストア大手の株式会社サンドラッグなどで導入が予定されており、店舗での「ラストワンマイル広告」として今後に大きな期待を集めています。

いかがでしたか?今回はLINEの2022年上半期に行われた主なアップデートについてご紹介しました。
ぜひ今後の施策設計にご参考ください!