新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、世界的に社会・経済など、ありとあらゆるものに大きな変化がみられた2020年。
私たちの生活環境も大きく変化し、2021年は「ニューノーマル」、新しい生活様式に注目が集まっています。
そこで今回は先日発表されたPinterestPredict 2021から、2021年注目のトレンドキーワードと、Pinterestを活用したマーケティング施策のポイントについてご紹介します。

Pinterestとは

Pinterestはアメリカ・サンフランシスコに本拠を置く、ピンタレスト社が運営する写真・動画などビジュアルコンテンツの共有サービスです。

Pineterstを利用すると、ユーザーは自分の探したい情報について、キーワードや注目カテゴリからお気に入りのアイディアを探し、自分のボードにピンをして保存することができます。

「ファッション」「ヘアアレンジ」「メイク」「インテリア」「旅行」「レシピ」など、ユーザーがジャンル、活用アイディアごとにボードを作成し、自由にアイディアをストックできるPinterestは、ミレニアル世代、Z世代を中心に利用が拡大しています。

現在グローバルでの月間ユーザーは4億人以上ユーザーが保存したピンの数は2,400億以上に及び、Pinterestを活用したビジュアル探索が頻繁に行われていることがわかります。

Pinterestで探される情報には、「これから活用したい」、「購入したい」など、ユーザーの先の行動につながる情報が多いことが特徴です。
ピンタレスト社は、こうした特性によって蓄積されたユーザーデータを活用し、7年前から毎年年末に翌年のトレンドキーワードの発表を行っています。

2020年は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行という未曾有の事態が起こったにも関わらず、2019年末に発表したトレンドキーワードの80%を命中させるなど、そのトレンド予測の精度の高さを示しています(※1)

2021年のトレンド予測

ではここからは、先日発表されたPinterest Predict2021から、2021年の注目トレンドについてカテゴリ別にいくつかご紹介します。

①旅行で注目のトレンド

旅行カテゴリで注目のトレンドは「車」。「車中泊 おしゃれ」「男の趣味部屋 車 ガレージ 」「ドライブインシアター」などのキーワード検索数の上昇傾向が見られ、さまざまな目的をかなえる「第三の空間」としての車に注目が集まりそうです。

また、新型コロナウイルス感染症対策で人混みを避ける傾向があるなか、「アウトドア」の需要もますます高まることが予測されています。最近では一人で気ままにアウトドアを楽しむソロキャンや、キャンプ・アウトドア系YouTuberも人気です。

さらに、実際に旅行に行くだけではなく、いつか旅行を楽しむためのアイディアを探すユーザーが多い傾向も見られます。「ラグジュアリーホテルステイ」「夢の旅行先」など、コロナ禍の収束後の旅行を意識したビジュアル探索は2021年注目のトレンドとなりそうです。

②ウェルビーイングで注目のトレンド

新型コロナウイルス感染症の流行によって、心身や社会的に健康な状態を求める「ウェルビーイング」の意識はますます強くなっています。

その中でも、スピリチュアルな世界への興味は増加すると予測されます。「クリスタルのお守り」「最高の自分をイメージする」など、巣篭もり生活のなかで自己と向き合いたいという需要が高まっています。

加えて、「お風呂時間」に贅沢さを求める傾向が続くでしょう。「ゆったりバスタブ」「アロマバス レシピ」など、お風呂を楽しみ、贅沢な時間にしていくようなアイディア検索は増加しています。

また、「睡眠」への関心も高まっています。「寝る前 エクササイズ」「シルクパジャマ」「快眠ヨガ」など、睡眠環境や、入眠前のルーティーンに関するアイディア検索が増えてきており、2021年注目のトレンドになりそうです。

③フード・ドリンクで注目のトレンド

2021年も引き続き、生活者の在宅時間は長くなり、フードやドリンクのジャンルでも自宅で楽しむことができるものが人気になると予測されます。

特に、刺激の多い料理のレシピ検索が増えており、「メキシカンサルサ」「ハラペーニョゼリー レシピ」「ポキ丼 レシピ」など世界各国のスパイスを活用したレシピは2021年のトレンドとなりそうです。

また、自宅で外食気分を楽しむアクションにも注目です。例えば「飾り切り」「自家製ハーブティー」「美しい料理の盛り付け」など自宅にいながらレストランやカフェで食事をしている気分になるようなアイディアは人気。カッティングボード上にハムやソーセージを盛り付けるシャルキュトリも注目で、「朝ごはん カッティングボード盛り付け」「キャンディープレート 盛り付け」などカッティングボードのおしゃれなアイディアを求めるユーザーが増えています。

Pinterest上の「朝ごはん カッティングボード盛り付け」のキーワード検索結果。 

④インテリアで注目のトレンド

コロナ禍で在宅時間が増加していることから、インテリアにおいても在宅時間を快適にするようなアイディアがトレンドとなりそうです。

特に在宅ワーキングスペースへの関心は高く、クローゼットをワーキングスペースにした「クロフィス」や「本棚 間仕切り」など、仕事に集中できる空間作りへの需要は増加しています。

また北欧と和のテイストをミックスした「ジャパンディ」は海外を中心に人気のインテリア。日本においても徐々に人気が高まっており、2021年注目したいトレンドの1つです。

⑤ビューティーで注目のトレンド

美容カテゴリにおいて注目なのは、「素肌ミニマリズム」。ただ重ねるだけのスキンケアではなく、「自然派スキンケア」「自家製スキンケア」「ナチュラルメイク」などシンプルで肌本来の魅力を引き出すようなキーワード検索が目立ちます。

また、「インディーズコスメ」にも注目です。インディーズコスメとは大手とは異なるやり方や考え方に基づき、独自の路線で製品やサービスを提供する小規模なコスメブランドのこと。日々多くの新しい製品が誕生し、生活者の選択肢が増える中で、より自分にあった製品を求めようとする意識は高まっており、特にZ世代においては「インディーズポリッシュ」「バタフライアイメイク」などインディーズコスメを使ったポップで個性的なメイクの検索が盛んになっています。

⑥趣味・興味で注目のトレンド

趣味や興味ジャンルのトレンドで注目なのは「初心者向けのティップス」。新しい趣味への出会いを求めるユーザーによって「初心者 スケボー」「初めてのレジンアート」など初心者向けのアイディアを求める検索が増えています。

また、デジタルのカスタマイズへの関心も高まっています。特にios14のリリース後はウィジェットのカスタマイズも可能になったため、そうしたカスタマイズのアイディアや、面白い壁紙などを探しているユーザーによって「面白い ロック画面用壁紙」「スマホに触るな 壁紙」などの検索ワードが人気となっています。

ロック画面 おもしろ」で検索すると、個性的でユニークなロック画面のアイディアに溢れている。

Pinterestをマーケティングに取り入れるべき理由

Pinterestを企業がマーケティングに活用するメリットは大きく次の3点です。
①消費・購入へのモチベーションの高いユーザーがいる
②中小規模や新規のビジネスでも十分に成果を出せる可能性がある
③分析ツールを用いた効果検証体制が整っている

的中率の高いトレンド予測が成立するほどに、Pinterestのユーザーはより購買・消費行動に近いモチベーションを持ち、直近の購買やサービスの利用に結びつくようなアイディアを探しにきている傾向があります。さらに、Pinterestの投稿には、URLを紐づけることができるため、ECサイトへの導線をPinterest上から作ることも可能です。

また情報検索のされ方にも特徴があります。 検索キーワードの傾向からもわかるように、Pinterestではブランド名や商品名、企業名などのいわゆる「指名検索」はほとんど行われていません。事実Pinterestで行われている検索の97%が非指名検索、例えば「レシピ」や「収納アイディア」といったようなブランドや商品について直接言及されていない形での検索となっています。(※2)

これは、例えば、まだブランド指名検索が取れないような新規のブランド・商品、またD2CやSMBにとっても、「良いプロダクト」と「目をひくキービジュアル」があれば、十分に新しい顧客との接点を作っていくことができるプラットフォームであると言えます。

そしてPinterestではビジネスアカウント向けに「Pinterest アナリティクス」を提供しています。これを使えば、オーガニック・ペイド問わず、ビジネスアカウントのピンのエンゲージメントを確認できるほか、オーディエンスインサイトや人気のピンなどの情報を取得することができ、効率的なPinterest運用が実現します。

2021年のPinterest活用で注目したい「動画クリエイティブ」

Pinterestを活用していく上で大切なのは、なんといっても目をひくキービジュアルです。商品やブランドの特徴や、テクスチャー、魅力が伝わるようなクリエイティブを用いることで、アイディアを探しにきたPinterestユーザーに効果的にブランドや商品を発見してもらい、購入や利用につなげていくことができます。

この、目をひくという点において注目したいのが「動画クリエイティブ」

デジタルデバイスの進化やインターネット通信環境の改善により、我々の生活のあらゆる面において「動画化」は加速しています。

特に、2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、他者との直接的な接触を避けなければならない状況が続きました。こうした状況下では、動画は企業にとっても商品の情報や魅力を効果的に伝えられるクリエイティブであり、また生活者にとっても、直接見ることのできない商品のテクスチャーや使用感などを確かめるのに有益なクリエイティブとなっています。

動画マーケティングについてよくある質問10個に答えた記事はこちらです。
動画マーケティングについて、よくある質問10個に答えてみた!【マーケティング施策の「あるある」一問一答】

実際Pinterestユーザーは「メイク」や「レシピ」というキーワードと共に「動画」というキーワードでの検索も行っており、Pinterest上でも動画需要があることが垣間見れます。
もし自社のオウンドメディアなどにすでに動画がある場合は、それを活用するのも良いでしょう。

メイク 動画」での検索結果。様々なメイク動画が表示される。

なお、Pinterestではユーザーの85%がモバイルアプリを利用している(※3)というデータがあることから、テレビCMのような作りこまれたリッチなクリエイティブよりも、むしろカジュアルなスタイルの動画の方がメディアに馴染むと考えられます。

企業向けに提供される動画クラウドサービスやツールなどを活用し、スピード感を持って短尺のカジュアルな動画を量産することも、今後のPinterest活用を効率的に進めるポイントの一つと言えそうです。

また、Pinterestでは効果的なクリエイティブ作成についてのヒントも公開しています。実際の運用の際にはこうしたガイドも参考にしながら進めていくことがおすすめです。

動画クリエイティブを活用した企業事例

①Heinz

トマトケチャップでおなじみのHeinzのグローバル公式アカウントHeinz Ketchupでは簡易的な動画を活用して、目をひくアカウント運用を行なっています。
投稿されているのはいずれも10秒程度の短いもの。しかし、商品や文字が動くことによって視認性を高め、商品やブランドのイメージ付けに成功しています。

②LEGO

ブロック玩具のLEGOのグローバルアカウントでも動画が使われています。LEGOのアカウントで投稿されている動画で特に目を引くのは、日常生活に役立つLEGOの活用アイディア。スマホスタンドやビンゴゲーム、壊れた電気スタンドの修理など、あっと驚くような活用アイディアを、動画にすることでより印象的に伝えています。

いかがでしたか?
今回はPinterest社が発表した2021年のトレンド予測と、Pinterestのマーケティングへの利用のヒントについてご紹介しました。
ぜひ、2021年のマーケティング施策設計にお役立てください。