地域・地元だけでなく、全国からファンを集めるにはどんな情報を発信するといいのか?どんなFacebookページが興味を持ってもらえるんだろう?・・そんな時に参考になるFacebookページ事例を4つご紹介します。

 
地方で活躍されている企業で、地域や地元からだけでなく、全国からファンを集めるのにFacebookページをうまく活用できないだろうか?そのためには、どんな情報を発信すればよいのだろうか…、と、お悩みの方は多いのではないでしょうか?
その企業・店舗、地域ならではの情報を見つけ、発信することで、エンゲージメント率の高いページを運用されている企業様もいらっしゃいますが、そこにはどんな工夫やコツがあるのでしょうか。
今回は、日本国内でFacebookを活用する企業事例をWebマーケッターが解説するブログ「Facebookプロモーション国内事例集」より、ソーシャルメディアの特徴を上手く活かし、全国からのファンを集めるのにFacebookを活用している事例を4つご紹介します。
共通しているのは、あなたがいつも目にしている日常の些細なことであっても、ファンを魅了する情報になりうるということ、そして、そういった日々の継続的な共有・発信が共感を生むということです。ぜひ参考になさってください!
1:栃木県/ホテル    栂の季/ホテル栂の季(つがのき)
2:京都府/飲食     京都祇園 天ぷら八坂圓堂
3:高知県/製造・販売  虎斑竹専門店 竹虎/竹虎(株)山岸竹材店
4:埼玉県/農業     sonmin-ソンミン-/フリーダムビレッジ株式会社
*本記事は「Facebookプロモーション国内事例集」からの転載です。(SMM Labにて一部編集してお届けします)
 
1:栂の季/ホテル栂の季(つがのき)
https://www.facebook.com/tsuganoki
女将の人柄がにじみ出ているFacebookページ。サービスが大切な業種だからこそ、この『ひとけ』を感じられるということが良いのかもしれません。一つの投稿に対する「いいね!」などのファンからの反応も10%以上のときもあり、ファンから支持されていることが伝わってきます。栂の季のFacebookページをご紹介します。

 
ライブ感のある現地からの挨拶
その日の鬼怒川温泉の様子を写真付きで伝える挨拶投稿。「こんにちは」「おはようございます」から挨拶が始まり、当日の温度感や最近の出来事を伝えています。

挨拶のように日々のコミュニケーションを重ねるということは、ファンとの関係性を築くなかで非常に重要です。絵文字なんかも適度に使用しているところも、親近感がわきますよね。当日の温度感や最近の出来事についての投稿は、現地の様子が想像しやすい分、心の距離が縮まります。季節やその日の様子を写した写真は季節感を伝えたり、行ってみたいという気持ちにさせるような効果があります。
 
裏を見せることで質の高さを伝える
スタッフが「ガラス細工」「さしこ絵付け」などの勉強会を受けた話や、キリン・ドラフトマスターズ・スクールを修了したという話を投稿。こういった裏の話は知られざる部分ですが、あえてFacebookページに載せることで、スタッフのサービス向上にむけた取り組みをしていることがわかります。

また、女将が木更津市場の買受けに行く様子も投稿されており、こういった日々お客様のためにしていることを発信することでサービスの質の高さ、もしくは質を向上させようとしている姿勢を伝えています。
 
宣伝とは違う切り口のお料理投稿
旅館の『ウリ』のひとつであるお料理。そのお料理をFacebookページに出すケースをよく見かけます。ただし紹介の仕方によっては、宣伝色が強くなってしまうこともあります。栂の季では宣伝とはまた違った切り口でお料理投稿をしています。
ハート型に折り曲がった葱を「幸せねぎ」と名付け、「そっとお客様のお鍋に入れておきますので・・見つけてくださいね?」という投稿をしています。この投稿を見るだけで幸せな気分になったり、「こういうことあるよね」という共感を得られるため、「いいね!」が沢山ついています。女将の人柄も垣間見える瞬間でもあるため、この旅館に行ってお鍋を食べたいという気持ちにさせてくれます。

また、右は朝食の話題。挨拶にはじまり、セリの効能などを説明しています。いきなりお料理の話から入ってしまうと宣伝色が強くなりがちですが、こうやって紹介されると自然に「いいね!」したくなりそうです。
 
プレゼントキャンペーンで「いいね!」を後押し
ファン数キリ番達成後のプレゼントキャンペーンはよく見かけますが、このページでは達成する前からプレゼントの予告をしていました。

予告をしておくことで、このタイミングで初めてページに訪れた人がファンになることの後押しになります。また、少ないですが、投稿もシェアされています。キリ番達成後は栂の季ペア宿泊券が当たる懸賞を実施していました。
コメントを読んでいるかぎり、この栂の季のページは濃いファンが多い印象を受けます。そういった意味でも、普段このページを見ている人に還元でき、喜ばれるキャンペーンになっていて良いのではないでしょうか。
 
2:京都祇園 天ぷら八坂圓堂
https://www.facebook.com/gion.endo
 
京都にある天ぷら屋さん。いいね!などの反応率はコンスタントに5~6%、高いときで10%以上、チェックイン件数も650件以上と盛り上がっているページです。京都祇園 天ぷら八坂圓堂のFacebookページをご紹介します。

 
食欲をそそる!季節も感じる!役にも立つ!食材紹介
食材として使う野菜や魚の紹介をしています。

 
この投稿のポイントは以下3点です。
①宣伝から入らず、まずはお役立ち情報を提供
最初に食材にまつわる小ネタや説明をしています。
②基本的に旬ものを紹介するので季節を感じる
季節感のある投稿は一般的に反応率が高いです。写真とあわせて思わず「いいね!」をしたくなりそうです。
③天ぷらの写真に食欲をそそられる
「食べたい」⇒「行きたい」といった心理的変化につながりそうですね。写真で目をひき、いきなり宣伝するのではなく、でも最後にはお店の誘導しているあたり、かなり巧いです。
 
観光情報 お店のことではない有益情報を提供
京都御所の一般公開や京都非公開文化財特別公開の告知をしています。

 
この投稿は何がいいのかというと…以下3点です。
・お店のこと(直接・間接的な宣伝)ではなく、有益な観光情報を発信できている
・お店に近いため、同時に来店も促すことができる
・ファンの目に留まり、反応が得られるような写真を使える(綺麗な風景は反射的にいいね!しちゃいますよね)。
店内の様子から雰囲気が伝わる
お店に飾っているお花や、お庭にあるオブジェなどの紹介をしています。お店の雰囲気が伝わってきますね。

 
非日常、文化を感じる『着物』は反応も良い!
仲居さんの着物を紹介しています。柄などの解説もしているのですが、こういった非日常や、文化を感じる写真は反射的にいいね!が集まる傾向があります。

 
来店機会を逃さず、記憶にも残る店舗情報
このページで一番特徴的なのは、すべての投稿に対してお店の名前、住所、電話番号、サイトのURLとFacebookページのURLが記載されていること。
これには以下2つの効果があります。
①来店機会を逃さない
行きたいなと思ったら、すぐに予約が取れます。サイトから詳細も調べられます。投稿からFacebookページに遷移したり、検索しなおす必要がないのです。便利ですよね。
②お店を覚えてもらえる
何度もお店の名前や場所を目にすることになるので、ファンの記憶に残ります。その時はニーズがなくても、いざニーズが顕在化したときにすぐにお店を想起してもらえますね。
このページは細かいところまで工夫が盛りだくさん。飲食店は学ぶことが多いですね。
 
3:虎斑竹専門店 竹虎
https://www.facebook.com/taketorayondaime
 
竹という『和』の商品を扱っていながらも、web上ではかなりエッジのきいた(※)コンテンツを展開している竹虎。Facebookページでは一貫して、想いや『竹』の味が伝わってくるような運用をしています。反応率もコンスタントに1%以上。虎斑竹専門店 竹虎のFacebookページをご紹介します。
※web上では映画やテレビ番組、アニメ等のパロディなどを使ったコンテンツもあり、全般的にインパクトに残るかつ吹き出すような内容が目立ちます(http://www.taketora.co.jp/special/po0001.html)。

 
竹文化が伝わる商品紹介
その季節にあった商品を、風情を感じるような写真や紹介文と一緒に投稿しています。昔はこういうモノが一般的に使われていたんだろうな、と想像を掻き立てられます。

制作工程を投稿。加工前の竹や制作途中の商品写真、制作工程を写した動画などを投稿。人が動いている感が伝わってくるからこそ、『文化』を感じる気がします。

節々で、「竹文化を伝えていきたい」というメッセージが投稿されているので、運営者の想いも伝わってきます。
 
なかの人を前面に出した運用

運営者が写真でも頻繁に登場し、竹と一緒にいる日常風景を投稿しています。また、言葉づかいも方言そのままで投稿しているからこそ、ページに味が出ていますね。
 
動画で『空気』を伝える

この投稿はちょっとびっくりしました。春の嵐に揺れる竹を撮影した動画。本当にただそれだけの動画なのですが、この竹が揺れる様子とざわざわとした音から伝わる『空気感』は、文字や写真だけでは伝わらないと感じます。
観る人によって印象が違うと思いますが、静かな環境でちゃんと耳を傾けると、竹や自然に対してあたたかい気持ちになりそうです。
 
4:sonmin-ソンミン-/フリーダムビレッジ株式会社
https://www.facebook.com/sonmin.jp
 
Facebook naviのFacebookページランキング『栽培/農業』カテゴリで1位(2013年3月15日時点)のsonmin-ソンミン-のFacebookページをご紹介します。反応をコンスタントに得ていて、高い時で4%を超えるくらい。一貫して運営者の想いが伝わってくるページです。

 
作物を育てている様子や成長の過程を発信
農業は、生産者と消費者との間で商品についての情報が非対称性が特に高い業種。だからこそ、このようにFacebook上で、なかの様子や工程を見せるといった情報公開は反応を得やすいのだと思います。

Facebookから話はそれますが、一時スーパーで「顔の見える野菜」が流行った時期がありましたが(そして現在もこの取り組みは続いていますよね)、どういう人が育てているか知るだけでも反応が大きいくらいに農業については消費者との間に情報の非対性があり、かつ口に入るものだけに消費者の関心も高いということなんだと思います。
 
日々の投稿を通して、想いやスタンスを伝えていく
想いやスタンスが伝わるなーと感じたポイントを3つに整理してみました。
 

①投稿文にスタンスが伝わるワードを盛り込む
日々の様子を配信するなかに無農薬、無化学肥料、有機栽培という言葉が出てきたり、『sonmin オーガニック ツアー』の様子が投稿されているのを見ると、ユーザー側にも自然と『有機農業や自然農業で安全な作物を育てているんだ』ということが伝わります。
 

②想いが現れている行動を写真におさめる
農作業をしている方々が「sonmin」とプリントされた服を着ているのですが、これが手作り。そのsonmin Tシャツ作りについての投稿も見受けられます。基本情報を読むと「オシャレして、ファッショナブルでスタイリッシュな新しい農業スタイル」と記載さえているのですが、この文章を読まなくともこういった投稿を目にしていると、なんとなく「今までの農業のイメージとはちょっと違う」ということを感じてもらえるのではないでしょうか。
ちなみに、一つひとつ手作業でロゴをプリントしている動画もアップされています。
 

③一見関係ない投稿が実は重要
些細だけれど重要なのが日々のちょっとした嬉しい出来事の共有。温床の中で発見したキノコやドングリの写真なんかも投稿されているのですが、こういう小さなところに運営者の心が垣間見えるものです。逆にこういった投稿がないと宣伝チックになってしまうかもしれませんよね。
 
最後に、農業は生産者と消費者の間の情報非対称性が高いからこそ、発信する情報源も豊富です。ただ、農業を営んでいて、こういった内容をweb上で発信できる人が希有。そこが難しいところではあるのですが…比較的Facebookとは(やりようによって)親和性の高い分野なのではと思います。
 
以上、今回は「Facebookプロモーション国内事例集」より、地方のお店や企業で、Facebookを上手に活用し全国からファンを沢山集めているページ事例を4つご紹介しました。ぜひ参考にしていただければ幸いです。
 


<ライター紹介>
柴 佳織 (Kaori Shiba)

企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。
 
 
・Facebookプロモーション国内事例集 http://fbsample.blog.fc2.com/
・Facebookプロモーション国内事例集(FBページ)https://www.facebook.com/case.japan
・インサイトスコープ 数字から見えるFacebookのムコウ側 http://www.insight-scope.com/
 
■関連記事
・「ニッチ」な市場にこそソーシャルが効く! 新たな顧客層の需要喚起にFacebookを上手く活用しているページ事例3選
http://smmlab.jp/?p=15632
・“気づいたら好きになってる”がカギ! ストーリーで魅せるFacebookページ事例4選
http://smmlab.jp/?p=15632
・「ソーシャルグラフ」とは?~今さら人に聞けないマーケティング用語をおさらい!
http://smmlab.jp/?p=17255