最近良く聞く「価値共創(コ・クリエーション)」とは何か説明出来ますか?なんとなく分かっているつもりの今どきマーケティング用語を、SMMLabがやさしく解説します!

用語説明

価値共創(Co-Creation)

企業が、様々なステークホルダーと協働して共に新たな価値を創造すること。マーケティングにおいては市場を価値創造の「場」と捉え、消費者を単に商品を消費する存在としてではなく、価値創造プロセスのパートナーとして、商品開発やサービス、新しいアイディアの創出などに一緒に取り組むこと。
2004年に米ミシガン大学ビジネススクール教授のC.K.プラハラードとベンカト・ラマスワミが、共著『The Future of Competition: Co-Creating Unique Value With Customers(邦訳版:価値共創の未来へ-顧客と企業のCo-Creation)』で提起した概念。

参考:『コ・イノベーション経営: 価値共創の未来に向けて』
C・K・プラハラード 、ベンカト・ラマスワミ

ソーシャルメディアで生まれる新たな価値

消費が成熟した現代社会において、製品やサービスがコモディティ化するスピードが加速し、企業は製品やサービス自体の価値だけでは差別化することが非常に困難となっています。また、消費者の価値観とそれに伴う消費行動も多様化し、企業はそのインサイトを得るために様々な努力を強いられるようになりました。

一方で、インターネットの進化とソーシャルメディアの普及により、企業はターゲットとなるユーザーとの直接的な双方向コミュニケーションを深めることが可能となり、ユーザーの声を吸い上げたり、意見を交わすことで、「参画によって創出される経験」という新たな価値を創りだすことが、差別化の源泉となりつつあります。

「モノ」より「経験」

このように企業とユーザーが一緒に価値を共創する世界観においては、企業が「モノ」を提供する時点ではなく、ユーザーが消費する際の「経験」によって価値の最大化が実現することとなります。つまりこれからの企業活動は、優れた製品やサービスを創り、販売するという交換価値(value in exchange)ではなく、製品やサービスを顧客が使用する段階における使用価値(value in use)に注目する必要があるのです。

「価値共創」プラットフォームとしてのソーシャルメディア

マーケティングのフレームワークが、商品自体に価値を重視する「グッズ・ドミナント・ロジック」(G-Dロジック)から、顧客の購買後の使用価値や経験価値を高めることを重視する「サービス・ドミナント・ロジック」(S-Dロジック)へと転換することで、企業はいかに優れた「経験環境」を構築し、顧客の経験価値を高めていくかに注力する必要があります。

ですから、共創の源泉となる消費者との共感を醸成し、共創から生まれる豊かな顧客体験を継続的に提供することが出来るソーシャルメディアを、重要な「経験環境」として整備し、いかに活用出来るかが、企業にとって「価値共創」を実現する大きなポイントとなるでしょう。

イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ