我々の生活における動画への接触機会は増えており、それに伴ってマーケティング施策でも動画の活用が進んでいます。

今回はこの動画マーケティングについて、重要となってきた背景や施策の種類、成功事例・成功のポイントなどを徹底的に解説していきます。

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1.動画マーケティングとは

動画を用いて行うマーケティング施策を総称して、動画マーケティングと言います。動画マーケティングはただ動画を制作し公開して終わりではありません。その他のマーケティング施策を同様に、目的やターゲットに応じて、動画を制作し、用いる媒体や、活用手法、KPIなどを定め、その結果によって効果検証、改善に繋げていくことが大切です。

2.動画マーケティングが注目されている背景

スマートフォンの普及やインターネット接続環境の改善により、生活者は個人のインターネットに接続されたデバイスを用い、各々がメディアに接触するようになりました。このメディア接触の個人化がもたらした変化の1つが生活者の動画視聴時間の増加です。ニールセンデジタル株式会社によると、2015年6月から2019年6月までの5年間で、スマートフォンからの動画視聴は約4倍に伸びています(※1)

各SNSプラットフォームにおいても、動画コンテンツの需要は年々高まり、TikTokやInstagramリールなどの動画投稿に特化した機能やプラットフォームが登場し、利用が拡大しています。

また、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大では、人々の対面での接触機会が減少。それに伴い、商品理解やブランド理解を効率的に行うためのクリエイティブとして企業の動画活用はより一層進んでいます。

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このように、動画というコンテンツ形式が生活者にとって当たり前になってきた社会において、動画をマーケティングに活用する重要性が増しているのです。

3.動画マーケティングのメリット&デメリット

動画マーケティングのメリット&デメリットは以下の通りです。

<動画マーケティングのメリット>

①伝えられる情報量が多い

動画は、静止画やテキストよりも短時間で多くの情報を伝えることができます。例えば1分間の動画の場合、文字にしておよそ180万ワード、WEBページにすると実に3600枚分の情報量を詰め込むことができると言われています(※2)

海外では、企業の商品について知る場合、69%の人が動画の視聴を好むというアンケート結果もあります。(※3)
(※3): Video Marketing Statistics 2021

②人の記憶に残りやすい

動画は一般的に人の記憶に残りやすいと言われています。これはアメリカの国立訓練研究所が提唱する「ラーニングピラミッド」では、人の学習の定着率は、オーディオビジュアル(動画)を用いた場合、テキストの場合の2倍高いそうです(※4)。また、静止画広告と動画広告を比較した場合に、動画広告を確かに見たと回答した回答者はバナー広告を見た答えた回答者の1.7倍だったという調査結果もあります。

③拡散されやすい

情報伝達量が多く記憶に残りやすいコンテンツである動画は、SNSでの拡散も期待できます。動画は他のコンテンツと比べて、シェアをする割合が2倍であるという調査結果もあり(※3)知り合いによってシェアやいいねされた動画の方が、より視聴する可能性が高いという結果も出ています(※4)

<動画マーケティングのデメリット>

①制作に時間やコストがかかる

動画はコンセプト決定から企画・構成、撮影・編集など多数の工程を経るため制作時間は長くなる傾向があります。また、完成度の高い動画を完成させるためには外部の力を借りなくては難しい場合もあり、コストがかかる施策であることは否めません。

アライドアーキテクツが行なったアンケート調査でも、動画制作について、「制作費が高い( 40.6%)」「作れる人がいない・足りない(39.6%)」「制作時間がかかる(33.6%)」など、コストやリソース、制作時間に課題を感じている担当者が多いことがわかっています。

調査名:動画に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ
実施期間:2020年12月23日〜
有効サンプル数:221

②PDCAを回すスピードが落ちる

制作段階で時間がかかるので、作り直しにも時間を要します。オンライン施策においては、日々の成果を見ながらスピード感をもって施策を改善していくことが欠かせません。動画コンテンツはブラッシュアップの負荷が高く、PDCAを回すスピードに影響しがちです。

4.動画マーケティングを行う目的

動画マーケティングを大きく3つの目的で実施されます。

①商品やブランドの認知度をあげる<認知>

視認性が高い動画は、SNSのタイムライン上やウェブページ、街中のOOHなどにおいても、人の注意をひきやすい特徴があります。そのため、商品やブランドの認知度を効率的にあげていくことができます。
また拡散されやすいという特徴もありますので、SNSなどで拡散されることで、広告費以上の認知獲得に成功することもあります。

②商品やブランド理解を促し、好意度をあげる<ブランディング・理解促進>

商品やブランドについての好意度をあげていくためには、まず商品やブランドの魅力を伝え、理解してもらうことが必要です。
前項で述べたとおり、動画はテキストと比較して伝えられる情報量の豊富さが特徴。また商品の質感や、ブランドストーリーなど、テキストや静止画だけでは伝えることが難しいものも直感的に伝えることができ、理解促進に効果を発揮します。

③商品の購買促進<コンバージョン>

新型コロナウイルス感染症の流行を経て、我々の生活は大きく変化。消費行動においても、対面での接触を避け、オンラインでの商品購入がより一層浸透しています。オンライン上での商品購入を効率的に促進するためには、それまで店頭で受けていた商品の使い方、特徴、ポイントを理解させることが重要です。
動画を活用すれば、静止画やテキストよりもより詳細に、また直感的に商品について伝えることができ、商品の購買促進につなげることが可能です。

5.動画マーケティングのKPI

動画マーケティングを実施する際のKPIは、施策の目的に応じて設定することが大切です。

①認知を目的とした場合のKPI

商品やブランドについての認知率を高めるためには、より多くの人に動画を見てもらうことが大切です。そのためKPIは以下のようになります。

  • 動画が再生された総回数である「再生回数」
  • 動画が表示された総回数である「インプレッション数」
  • 動画を視聴した実人数を表す「ユニーク視聴者数」
  • 動画視聴によって認知度がどれくらい変化したのかを示す「ブランド認知度」

②ブランディング・理解促進を目的とした場合のKPI

動画の視聴によって商品やブランドの理解を促し、ブランディングにつなげるためには、動画をより長く視聴してもらう必要があります。そのためKPIは以下のようになります。

  • 一定秒数の動画視聴が行われた割合である「再生完了率」
  • 動画が再生された時間の合計である「総再生数」
  • ユーザー一人あたりの平均再生時間を示す「平均再生時間」
  • 動画視聴によってブランドへの好意度がどれくらい変化したのかを示す「ブランド好意度」

③コンバージョンを目的とした場合のKPI

動画を活用し、一定のアクションを促す場合には、効率的にそのアクションへ導く必要があります。そのためKPIは以下となります。

  • 広告が表示された回数における広告がクリックされた割合である「クリック率」
  • 目的としたアクションがとられた数である「コンバージョン数」
  • 動画が設置された広告LPへの訪問数におけるコンバージョンが発生した割合である「CVR」
  • 動画視聴によって商品やサービスの購買意向がどれだけ変化したかを示す「購買意向度」

動画マーケティングにおけるファネルごとのKPI設計について詳しく説明されたインタビューはこちらです。
ワコール原氏に聞く!マーケティングファネルの目的別「動画コンテンツ」の作り方とKPI設定方法

6.動画クリエイティブの代表的な活用方法6つ

動画クリエイティブの活用方法は様々です。基本的には、静止画やテキストを使っていたものを動画に置き換える、と考えると良いでしょう。

6-1.WEBサイト上埋め込みコンテンツへの動画活用

WEBサイト上のテキストや静止画のクリエイティブを、動画クリエイティブに置き換える施策です。伝えたい情報を、直感的に伝えることが可能です。
さらに、ECサイト上に商品の使い方動画を設置して購入の後押しをしたり、企業人格を伝える動画を公開してブランディングに繋げたりすることができます。
また動画をコンテンツに利用することでSEOの評価が向上する場合もあります。

6-2.YouTube・公式チャンネルの運用

企業の公式ブログの代替として、動画投稿プラットフォームであるYouTube内に公式チャンネルをもつ施策です。WEBの埋め込みコンテンツと同様に、商品説明やブランドストーリーを効果的に伝えることができます。また外部プラットフォームを利用するので生活者との新しい接点の創出もでき、チャンネル登録者を貯めることで接点を維持し、継続的に情報を届けることが可能です。

参考にしたい!企業のYouTube公式チャンネル30選はこちら。
【動画活用方法別まとめ】企業・ブランドのYouTube公式チャンネル30選!

6-3.広告バナーを動画クリエイティブに変更

Google(YouTube)やYahoo!、またFacebook、Twitter、Instagramなどデジタル広告のクリエイティブを動画に変更する活用方法です。近年動画広告市場は成長を続けており、各プラットフォームでも動画に対応した広告メニューが拡充されています。実際2020年にはTwitter、LINEなどで新しい動画広告メニューが追加されました。

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6-4.SNSキャンペーンや投稿クリエイティブに活用

SNSキャンペーンや投稿にも動画の活用は効果的です。特に視認性の高い動画クリエイティブは、タイムラインのスクロールスピードの早いSNSにおいてユーザーの目に止まりやすいというメリットがあります。また、SNSにはシェアやリツイートなど拡散機能もあるため、拡散キャンペーンと組み合わせることで、認知獲得の最大化も可能です。
動画投稿に特化したSNSである「TikTok」や、短尺動画投稿の機能である「Instagramリール」機能など、動画にフォーカスしたプラットフォームや機能のリリースも活発であり、SNSでの動画活用はますます注目の施策となるでしょう。

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6-5.オフライン施策への動画活用

屋外広告(OOH)や、店頭のPOPなどオフラインで動画を使う活用方法です。視認性が高い動画は、SNS同様歩行者などの注意をひきやすくOOHのクリエイティブにも適しています。
また、店頭のPOPに動画を活用すれば、商品理解を促し、商品の使用イメージを伝えて購買意欲の向上につなげることもできます。

6-6.BtoB企業の営業・販促コンテンツとしての動画活用

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、BtoB営業スタイルは大きく変化。WEB商談の増加や展示会・セミナーのオンライン化が進み、メールでのコミュニケーション機会が増えています。この状況下において、BtoB企業の営業・販促活動に動画を活用する企業が見られるようになりました。商品の使い方やサービスを説明する動画、メールなどに添付する社員の自己紹介動画など活用方法は様々。今後もBtoB営業の動画活用ニーズは高まると思われます。

7.SNSで行う動画マーケティングの媒体別特徴

7-1.YouTube

日本国内のアクティブユーザー数は約6,200万人(2018年12月)、週に1回以上動画を視聴するユーザーの89%がYouTubeを利用しているという調査結果(※5)もあるほど、動画視聴プラットフォームとして人気の高いYouTube。
動画に対する積極的な視聴態度があるのが特徴であり、最適な動画の長さもSNSの中で一番長い2分だと言われています(※6)。商品購入前の情報を探しているユーザーも多く、商品の使い方や魅力、特徴について伝える動画投稿にも向いているプラットフォームです。

7-2.Twitter

月間アクティブユーザーの67%がTwitterを使って情報検索をしているTwitter(※7)では、ユーザーの消費行動におけるあらゆる段階で情報が探されています。実施施策の目的に応じて、訴求内容を柔軟に変更しましょう。タイムライン上で目を引き、どんな動画かがすぐにわかるような工夫もよいでしょう。
また、同時にTwitterは拡散性に優れたプラットフォームなので、動画が拡散されれば、より高い施策効果が得られる場合もあります。
リツイートキャンペーンと組み合わせることで、拡散を最大化し、より多くの認知獲得に成功している事例もあります。
(※7):Twitterでわかる現代の消費行動パターン

7-3.Instagram

InstagramもTwitter同様に情報検索が多く行われ、特にトレンドや流行のヒント、自分の趣味にあった商品やサービスを探すための検索が活発が行われているという傾向があります。また、SNSの中でも生活者の購買行動との関係が深いため、購買促進を目的とした施策にも適しています。Instagramライブの活用や、ショッピング機能に動画を組み合わせて使うのも良いでしょう。

2020年には短尺動画投稿に特化した「Instagramリール」機能もリリースされ、Instagram上での動画コンテンツニーズは今後も高まっていくと予測されます。

Instagramリールの概要について説明している記事はこちらです。
【Instagramのショートムービー特化機能】Instagramリールとは?

7-4.TikTok

短尺動画投稿に特化したプラットフォームであるTikTokの国内ユーザー数は950万人(2018年12月)若年層を中心に高い利用率があるのが特徴です。
ユーザーが動画投稿に慣れているプラットフォームなので、ユーザーが真似したくなるような動画投稿やキャンペーンを行うことで、沢山のユーザー投稿を生み出して拡散、認知獲得に繋げることができます。「TiikTokユーザー白書」によれば、TikTokユーザーは広告に嫌悪感を抱いている割合が高いため、活用する動画や発信するメッセージも広告色を抑え、リアル感をもってもらえるようなコミュニケーションを心がける必要があります。

7-5.LINE

国内ユーザー数8,600万人、アクティブ率85%と、圧倒的なリーチ力が魅力のLINE(※8)特に広告において、動画配信面の拡充に力を入れています。
また、LINEで多様なサービスを利用するユーザーデータを横断的に活用した「クロスターゲティング」機能もリリースされており、より効率的な広告運用を行う環境も整っています。

7-6.Facebook

日本国内ではビジネス層である30代〜50代のユーザーが多く、特に50代男性の48%が利用しているプラットフォームであるFacebook(※9)でも、動画投稿や、動画広告施策を実施することができます。
Facebookは匿名性が低く、SNSの中でも特に公式性が高いという特徴があります。そのため、企業としての姿勢や、取り組みなど公式的な情報発信に向いているプラットフォームです。こうした企業人格を伝える発信する場合も、動画を活用することで、豊富で記憶に残りやすい情報を届けることができます。

8.動画制作の5つの方法

動画マーケティングに使用する動画には様々な制作方法があります。

8-1.自社制作

自社内での動画制作は、比較的低コストで制作が可能です。自社内で行うため、共通認識をもちやすく、イメージのすり合わせもスムーズに運びます。また、スケジュールの調整も比較的柔軟に対応可能です。一方で社内の人員の調整が必要となります。最近は動画の制作を自社で行うためのクラウドサービスやツールなども豊富に提供されているため、社内のリソースや予算に応じて最適な方法を選択すると良いでしょう。

動画を自社制作する手順ややり方について解説した記事はこちら
動画の作り方をやさしく解説!企業担当者が今日からできる動画制作・入門編

8-2.動画制作会社へ依頼

動画を専門に制作している会社に依頼する方法です。動画制作会社によって得意としている領域も様々であり、予算や制作期間なども異なります。施策の目的や予算、作りたい動画のイメージなどから制作会社を選定しましょう。自社制作と比較すると、コミュニケーション作業が発生し、スケジュールの自由度は下がりますが、クオリティを担保しやすく社内の人員への負担を抑えることができます。

8-3.広告代理店へ依頼

大きな施策のなかの1つに動画活用施策が含まれている場合などには、広告代理店へ制作を依頼すると便利です。また、広告クリエイティブに動画を活用する場合、広告運用と一括で依頼することもできます。一方で、制作会社への依頼同様コミュニケーション作業が発生し、スケジュールの自由度は下がる傾向があります。

8-4.クラウドソーシング

クラウドソーシングを利用し、動画制作依頼する方法です。より自社の希望にあったクリエイターを直接見つけられる可能性があります。一方、クリエイターとのやりとりを自分で行う必要があるため、外部制作のなかでも負担が大きくなりやすい傾向があります。

8-5.インフルエンサーへ依頼

SNS上で多数のフォロワーを抱えるインフルエンサーに動画制作を依頼する方法です。インフルエンサーが抱えるフォロワーにリーチし、拡散も見込めます。ただし、動画はインフルエンサーの創造物なので内容に細かい指示をすることはご法度。動画を二次利用するためには二次利用契約など別途費用が発生することもあるので注意が必要です。

9.動画マーケティングの事例5選

次に、動画マーケティング事例をご紹介します。

①豊富な切り口の動画を自社サイトに掲載:ヤマサ醤油

大手調味料メーカーであるヤマサ醤油のHPでは「ヤマサムービーギャラリー」という動画コンテンツを集約したページがあります。

このページは、「TVCM」、「ブランド・商品」、「スマイル・ビギナーズ」、「料理・レシピ」の4つのカテゴリ別の動画が掲載されています。商品パッケージを開発した企業の社長のインタビュー動画や、ソムリエが商品を使った料理とワインとのペアリングについて語った動画など、様々な切り口の動画でブランドや商品の理解を効果的に促しています。

②カメラライフが楽しくなるライブ配信を実施:オリンパス ライブ|OMデジタルソリューションズ株式会社

オリンパスのYouTube公式チャンネルでは、カメラの使い方や写真鑑賞のポイントを教え得るライブ配信に注力しています。これまで同ブランドでは「オリンパスカレッジ」というカメラの使い方や写真の撮り方などを対面で教えるイベントを実施していました。しかし、コロナ禍において対面での実施が難しくなるなか、オンライン講座であるYouTubeのライブ配信を開始。現在、チャンネル登録者数は1.29万人となっています。
初心者から上級者まで幅広い層に向け、様々なテーマでカメラライフが楽しくなるような情報を発信し、商品・ブランド理解やブランド好意度の向上に成功している事例です。

③CM素材をキャンペーンで拡散して認知獲得:イオン公式|イオンリテール株式会社

イオンリテール株式会社が運用しているイオンの公式Twitterアカウントでは、キャンペーンに動画を活用しています。
動画は、新商品や季節商品のCM動画を活用RT形式のキャンペーンを実施して動画を拡散させ、効率的な認知獲得に成功しています。またキャンペーンは当落がその場でわかるインスタントウィン形式をとり、ユーザーの参加障壁を下げ、拡散の最大化にもつなげています。

2020年に実施された注目のSNSキャンペーン事例をまとめました。
【2021年のSNSキャンペーン設計の示唆に】2020年話題になったSNSキャンペーン事例まとめ11選

④親しみやすい GIF画像でエンゲージメント向上:pino(ピノ)/ 森永乳業|森永乳業株式会社

森永乳業株式会社が運用しているpino(ピノ)/森永乳業の公式Twitterアカウントではオーガニック投稿にGIF動画を活用しています。
例えば、クリスマスには高速で通り過ぎるピノを持ったサンタクロースを、煙突の上でぴったり止めるゲームのGIF動画を投稿。700件を超えるいいねの他、リツイートや引用リツイートも多数行われ、エンゲージメントの高さが伺えます。動画をうまく活用し、フォロワーの親近感や好意度の醸成に成功しています。

⑤配信面にあった動画クリエイティブを活用:STAUB ストウブ|ツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン株式会社

鋳物ホーロー鍋・ストウブの公式Instagramアカウントでは、タイムライン投稿、IGTVへの動画投稿を実施。タイムライン投稿では、動画の冒頭にどんなレシピを紹介する動画なのかが完結にわかる文字タイトルを表示させ、ユーザーの興味関心をひく工夫をしています。
またIGTVは、動画視聴を目的としているユーザーが多いため、動画の企画をシリーズ化して関連性を示し、継続的な動画視聴を促しています。
同じ動画活用施策でも、配信面の特徴をとらえたアカウント運用を行なっている事例です。

10.動画マーケティングを成功へ導くポイント4つ

最後に、これまでを踏まえ、動画マーケティングを成功させるポイントについて解説します。

①施策の目的を明確にする

動画マーケティングの目的は動画を作ることではありません。まずは、施策の目的を明確にし、それに動画が適切かどうかを判断してから、施策設計にうつりましょう。同時に、目的に応じた配信面や手法を選び、KPIを設定することも重要です。

②リソースを十分に確保する

自社制作・社外発注のいずれの場合も、動画制作にはそれなりの時間やリソースの負担がかかります。リソースの確保をあらかじめ行なっておくことで、納得できる動画マーケティング施策を実施することが可能です。

③施策を実施するメディアに適した動画クリエイティブを心がける

動画をどこで見るのかによって、ユーザーの接触態度や心理は異なります。動画マーケティングを行う際には、活用先のメディア特性を捉え、そのメディアに馴染む動画を制作することが重要です。

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④PDCAを回し、施策改善を行う

もちろんマーケティング施策ですので、他の施策同様に、KPIを確認し、その結果から仮説・検証を行なって施策の改善を進めていくことが必要です。施策改善を行うことができる運用体制を整え、施策を実施すると良いでしょう。

いかがでしたか?
今回は動画マーケティングについて、その特徴や手法、動画制作方法や事例についてご紹介しました。ニューノーマル時代に、ますます注目の動画マーケティング。ぜひこれからの施策設計にお役立てください!