現在、たくさんの企業がマーケティングにおいて生活者自らの発信である「UGC」を活用した施策に取り組んでいます。
今回はそんな取り組みの中から、おすすめの事例を厳選してご紹介します。

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UGC活用でCVR改善や売上アップに成功した事例を詳しくご紹介。活用背景や成果につながるポイントをご覧いただけます。

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UGCとは<簡単におさらい>

UGCはUser Generated Contents=ユーザー生成コンテンツのこと。ユーザー(一般生活者)によって作られたコンテンツの総称です。
SNSやブログ、各種投稿サイトや電子掲示板(BBS)、プロフィールサイトに投稿されたものから、そのコンテンツに対してのコメントやレビューについてもUGCに含まれます。

UGCは一般的に

  • 生活者目線の率直な感想や意見である
  • 身近(信頼する)人からのおすすめである

といった特徴があり、商品購入などにあたって生活者の重要な判断材料として注目されています。とくに「ググるからタグるへ」という言葉に象徴されるように、ユーザーの情報検索手段としてSNSのハッシュタグ検索の活用が進むにつれ、企業のマーケティング活動においてもUGCの重要性は高まっています。

UGC活用に取り組んでいる最新施策事例

そんなUGCは実際のマーケティング活用にどのように利用されているのでしょうか。さっそく事例を見ていきます。

まずUGCを活用するためには、UGCが生まれる環境作りが大切です。キャンペーンの実施は、UGCを生み出すきっかけとなる施策として広く活用されています。

事例①30周年記念キャンペーンでポジティブな投稿をSNSに|カルビー株式会社

カルビーが発売しているグラノーラ「フルグラ」では、商品発売30周年を記念したありがとうキャンペーンを実施。商品を使ったモザイクアート写真を募集しInstagramにポジティブな声を発生させています。
Instagramに思わず投稿したくなるような投稿テーマを設定し、うまくUGCの生成に成功。「30年間支持されている人気商品である」というブランドイメージと認知につなげた事例です。

キャンペーンの投稿をピックアップして、ストーリーズに掲載。丁寧なコメントをのせてユーザーとのコミュニケーション活性化にも取り組んでいる。

事例②キャンペーンのダブルチャンスでUGCを生成|マルトモ株式会社

キャンペーンのWチャンスという形でUGCの生成に取り組んでいるのはマルトモ株式会社の公式Twitterアカウント(@Marutomo_CoLtd)。

毎日参加できるインスタントウィン方式のキャンペーンでは、キャンペーン投稿のリプ欄で指定ハッシュタグ「 #マルトモのこれが好き」をつけたコメントを募集。ユーザーからの率直なコメントがかかれたツイートがたくさん生まれ、Twitter上でのクチコミの生成に成功しています。

「これが好き」という自分語りをしたくなるハッシュタグを利用することで、それぞれのユーザーが自分の言葉で同社の商品の魅力について発信している。

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また、ユーザー目線のクチコミを投稿してもらうためには、お手本を作っていくのも大切です。UGC投稿のお手本となる施策として、「アンバサダー」施策があります。

事例③絵本の楽しみ方を親目線で発信してもらう|株式会社kadokawa

実際に子供を育てている親の目線で、絵本についての情報を発信してもらう、そんなアンバサダー施策に取り組んでいるのは株式会社KADOKAWAの絵本のInstagramアカウント(@kadokawa_ehon)です。

同アカウントでは2020年からInstagram上でのアンバサダー施策を開始。お子さんの年齢ごとにアンバサダーを起用し、リアルな子育て世代のUGC生成に取り組んでいます。このようにUGCのお手本としてアンバサダーを起用することで、「こんな風に投稿すればいい」と他のユーザーに示すことができ、UGC投稿へのハードルを下げることに繋がるのです。

年齢別に子供の反応や気がついたことなどを中心に投稿してくれるアンバサダー投稿は、一般ユーザーの貴重な情報源になるだけでなく、今後商品について投稿するユーザーにとっての道しるべになる。

アンバサダーやインフルエンサー施策に取り組む事例をまとめました。
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また、UGCが自然発生的に生まれる状況を作り出すことに成功している事例もあります。

事例④顧客の声を聴きながら商品開発を行う姿勢でUGCが発生|株式会社meeth

人気スキンケアブランド「meeth」は、ブランドの立ち上げ当初から商品づくりの過程を案内したり、Instagramライブなどを通じたコミュニケーションに取り組むなど、ファンに寄り添ったブランド運営を行ってきました。

そのため、同ブランドのハッシュタグを使ったUGCが自然と発生する土壌ができあがり、そのUGCをみた別のユーザーがUGCを投稿するという連鎖も生まれています。
ファンとこうした関係構築を行うのは一朝一夕でできることではありませんが、持続的にUGCを生んでいくためには大切な姿勢です。

meethのInstagramのハイライトでも、お客様の声としてUGCを紹介。ユーザーの生の声が新しいUGCを生み出す連鎖を作っている。

meethのUGC活用について詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
広告宣伝費ゼロでも急成長。話題のD2Cブランド「meeth」がUGC活用に踏み出した理由とは|Letroブログ

そして生み出されたUGCは、単なるSNS上のクチコミとしてだけではなく、マーケティングの様々な施策や場面に置いて活用することが可能。
そのひとつがSNSアカウント運用への活用です。

事例⑤商品紹介にUGCを利用し、クチコミ+商品紹介で購入を後押し|株式会社ニトリ

ニトリの公式Twitterアカウント(@NitoriOfficial)では、Twitter上に発生している同社の商品に関するツイートを引用リツイートの形で紹介しています。

ツイートでは、投稿に感謝する言葉とともに、商品詳細ページのURL案内。生活者視点のツイートとともに商品の説明を加えることで、クチコミを自然に利用し、購入意欲の引き上げにつなげている事例です。

お客さんの実際のツイートを引用しながら商品詳細ページのURLを案内し押し付けがましくないコミュニケーションを行なっている。

Twitter上のUGCは購買活動にどう影響している?クチコミする動機は?
UGC生成に成功したTwitterキャンペーン事例まとめ8選

Instagramのハッシュタグは「フォロー」することができます。自分の興味のあるハッシュタグをフォローし、同じハッシュタグを使って投稿した他のユーザーの投稿をチェックすることで、そのハッシュタグ自体がコミュニティとなっていることもよく見られます。指定ハッシュタグでUGCを投稿してもらうことによって、同じハッシュタグを気にしているユーザー同士のファンコミュニティ生成にも繋げることができます。

事例⑥ハッシュタグでひとつのコミュニティを作りあげる|オンジャパン

スイス発のシューズ&アパレルブランド「オン」ではInstagramで「#onrunning」「#runoncloud」「#OnFriends」といったハッシュタグ投稿を呼びかけています。

ランニングを楽しむコミュニティの人気は高く、ランニング関連商品を扱うブランドも増えている中、「オン」では日頃から商品を使っているファンの連帯感を生み出すようなハッシュタグを活用。ハッシュタグで商品のファンをつなぎ、UGCを活用したコミュニティ作りに繋げています。

公式インスタグラムのプロフィールページ。bioからハッシュタグを案内。ハッシュタグ検索をすると、ランニングや同ブランドの商品を楽しむたくさんのUGCを見ることができる。

ファンコミュニティなどファンとの交流に力を入れている企業事例まとめはこちらです。
ファン作りにつながる・マーケティング施策事例10選

さらに、商品の認知や理解だけに止まらず、UGCを購入の後押しに利用することも効果的です。

事例⑦ユーザーに寄り添うUGCでCVRが改善|natural tech株式会社

企業からの情報発信だけでは本来の魅力や、「実際に使ってみてどうなのか」といったことが伝わりにくい場合もあります。
そんな時にも、UGCは大きな効果を発揮します。

葉酸サプリの「mitas series」、妊娠線予防クリーム「mitera organics」、漢方由来のスキンケア製品「BEAW」など、マタニティ・ビューティー・ライフスタイルのカテゴリで複数のブランドを展開しているnatural tech株式会社も、UGC活用で成果を発揮している企業のひとつ。
同社ではユーザーの嫌がることはしない、寄り添うコミュニケーションを大切にしており、本当のお客様目線の発信であるUGCを自社のECサイトや広告LPに利用
フェーズにわけてUGCを出し分けたり、掲載位置や見せ方などにいたるまで効果検証を重ねながら、CVR1.38倍という高い成果を出しています。

LPにおけるUGCの掲載位置や見せ方を細かく検証し、効果の高いやり方を探しながらUGC活用に取り組んでいる。

natural techのUGC活用についてもっと詳しく知りたい方はこちら
ROIは1,000%以上。成長D2Cカンパニーnatural techが考えるUGCの魅力とは|Letroブログ

これからのUGC活用で注目される「運用」という考え方

このように、様々な場面で取り組まれている「UGC活用」。

これまでSNSは「企業がユーザーに直接情報発信ができる場所」と捉えられがちでしたが、UGCのニーズの高まりなどから、「ユーザーに自分たちの魅力を発信してもらう場所」へと形を変えています。

こうした変化に対応し、ユーザーにとって「魅力を発信したくなる」商品やコミュニケーションをとりながらUGCを上手に企業活動に取り入れ効果検証していくことで、事業に大きな成果をもたらしている企業も見られるようになっています。

こうした「UGCを運用」する考え方はこれからますます重要となりそうです。