お客様からコメントや意見が寄せられたら・・、ハプニングが起きたら・・、ソーシャルメディアでどんな対応をすればよいのだろう?おそらく、多くの運用担当者の方が経験しているのではないでしょうか。そんな時に参考になるFacebookページ事例を3つご紹介します。


 
「飛行機が遅延して、目玉メニューの材料が届かない、どうしよう・・」
ハプニングが起きてしまい、ハラハラ・・そんなとき、あなたはどんな行動を起こしますか?
「届いたうち、1つが腐っていた・・」、「いつも売り切れ!」
お客様からこんなコメントや意見が寄せられたら、あなたはどんな対応をしますか?
 
今回は、日本国内でFacebookを活用する企業事例をWebマーケッターが解説するブログ「Facebookプロモーション国内事例集」より、実際に、このようなケースが起きたときに、事実を隠さず、ファンに誠実に情報を共有して信頼を得ている、さらには応援コメントまでついてしまうような、強いファンとの絆が生まれているFacebookページを3つ、ご紹介します。
共通するのは、「顧客を大切にする姿勢」がページを通してきちんと伝わってくるところ。
「見せかけ」だけではできない、本来の企業姿勢が問われる部分と言えます。
こちらの事例を参考にしながら、あなたのページでは実現できているか?、ぜひ振り返ってみてくださいね。
1:アンティカピッツェリア ダ・ミケーレ/ 株式会社バルニバービ
2:感動野菜産直農家 寺坂農園
3:ほっともっと/HottoMotto/株式会社プレナス
*本記事は「Facebookプロモーション国内事例集」からの転載です。(SMM Labにて一部編集してお届けします)
 
1:アンティカピッツェリア ダ・ミケーレ/ 株式会社バルニバービ
https://www.facebook.com/japan.michele
 
昨年オープン当初から人気、個店の飲食店ではファン数が多めの3, 400超え。「いいね!」などの反応率が3~5%、最高13%超えをしたことも!!広告を使わずに、ここまでの盛り上がりを見せているということです。
ウォール運用に参考になるポイントがたくさん!のアンティカピッツェリア ダ・ミケーレのFacebookページをご紹介します。

 
冒頭の「飛行機が遅延して、目玉メニューの材料が届かない、どうしよう・・」というのは、この企業のエピソードです。
 
ハプニングにもたくさんの応援が!
空輸便が遅れて、お店にチーズがない、というハプニングがありました。
そこで、このページでは、この事実を隠さず、お客様にシェア。成田でピックアップが終わって、お店に向かう車のなかで到着予定時間を投稿したのです。

ファンからは、たくさんの応援のコメントがついていました。このような投稿を見ると、無事到着するように、がんばれ!と応援したくなると思いますが、コメントまで寄せてくれるというのは、ページの運用姿勢にお客様が共感しており、強い絆が生まれているからこそですね。まさに、ピンチをチャンスに変えた事例です。
 
その他にも、共感させる工夫が随所にあり、魅力的に感じさせるコンテンツを提供しています。
 
開店までの様子を発信
12年1月31日のオープンまでの様子をウォールで紹介。お店づくりの裏側が垣間見えるというのがポイントです。
例えば、ナポリで作られた特別仕様の窯を東京湾からお店に搬入・設置するまでの工程を写真つきでライブ投稿。窯の火入れ作業や、12トン!の食材をトラックでお店に運ぶ様子など…普通はテレビ番組でもなければ見れないシーンですよね。
他にはオープンまで「愉快な仲間達紹介」と題して、ユーモアを交えたスタッフ紹介などもしていました。

 
日本進出までの経緯を物語に
パブロの日記というタブがあり、そこにはミケーレの歴史や日本進出までの経緯が紹介されています。

内容は外部ブログに飛ぶようになっています。日本進出の経緯は、短い物語仕立て(第○話という連載形式、文調も物語形式)になっていて、読みやすく楽しめる状態に編集されています。表現も工夫していますね。
 
リアルタイム×リアルプレイス
その時、その場所で投稿するからこその臨場感って、ありますよね。
リアルタイム×リアルプレイスでの投稿は事後にまとめてよりも盛り上がる傾向にあります。
このFacebookページではレセプションや開店時のお店の様子を写真付きで投稿しています。
ちなみに開店時の投稿の反応率は13.65%(話題にしている人74/リーチ542)とのこと。驚きです!

 
お店の方針変更もファンとシェア
お客様の声から、予約やメニュー、営業時間などの見なおしをしたものをFacebookに公開。
そこからさらに意見がコメントされたりと、フィードバックの場になっています。

このFacebookページは本当に担当者の運用が丁寧という印象を受けます。
上記のようなファンの意見にも丁寧に応え、ちょっとしたコメントにもマメに返事をしていました。
飲食だけに、運営者の対応がお店の雰囲気やサービスを連想させられます。
 
2:感動野菜産直農家 寺坂農園
https://www.facebook.com/terasaka.nouen
ファン数が4万2千人ちかく、「いいね!」などの反応率が2~4%、高いときで6%ほどの人気ページ、感動野菜産直農家 寺坂農園のFacebookページをご紹介します。コメントも多くついています。

 
冒頭の「届いたうち、1つが腐っていた・・」というのは、この企業のエピソードです。
 
あえてネガティブも出す、お客様の声紹介で信頼度アップ
お客様のご感想はがきを公開、良いものだけでなく、「1本だけ、腐っていた・・」というネガティブな情報も出しています。それに対し「期待していただいていたのに申し訳ない気持ちでいっぱいですm(__)m」「誠意を持って、愛をこめて対応させていただきたい」からご連絡くださいと電話番号を記載しています。

この対応をFacebook上でオープンにすることで、腐っていたことを教えてくれた顧客との関係構築だけでなく、その他のオーディエンスにも良い影響を与えることができるのです。
 
その他にも、信頼を生む工夫が随所にあります。
 
外から見えないものを見せる
Facebookでは、ふだん外からは見えない中の様子や人が見え、そこから想いが伝わってくるような投稿をすると、とても「いいね!」などがつき反応が良い傾向にあります。

 
それに農業って、生産者と消費者の間で情報の非対称性が大きいですよね。それもあってか、農業の過程や事務所の様子などの投稿は多くの反応を集めています。

どうせ中の様子を投稿するのであれば見たことのないインパクト大な光景もおすすめです。また、投稿を通してスタッフへの感謝の気持ちを伝えたりする投稿はスタッフのモチベーションアップにもつながりそうですしね。
 
Facebookだからこそ『タテマエ』にならない理念紹介
理念を発表していますが、わざとらしくなく好感を持てます。そのポイントは2点。①手作り感が伝わる表現 ②日々の情報発信があってこそ、です。

①キレイに印刷されたものではなく、社内で見る用のホワイトボードに記載されたものだからこそ『見せる用に作った感』がないです。
②日々、経営者や社員の想いが伝わるような投稿をしているからこそ、こういった理念を見ても納得できますよね。
 
3:ほっともっと/HottoMotto/株式会社プレナス
https://www.facebook.com/hottomotto
 
最後にご紹介するのは、ほっともっと/HottoMottoのFacebookページ。現在ファンが4万4千人以上いるのですが、「いいね!」などの反応率が2~3%。高いときで6%以上になるページ。お弁当やお惣菜が当然人気ですが、それ以外の情報発信がとても参考になります!

 
冒頭の「いつも売り切れ!」というのは、この企業のエピソードです。
 
ファンとのやり取りがきめ細か
何気ない投稿に添付されたきのこご飯のアップに、「きのこご飯、夕方行くといつも売り切れ・・」というコメントが寄せられました。

このとき、売り切れになってしまう理由に加え、直接店舗に連絡します、という返事をしたりと、うわべだけの対応じゃないことが伝わってきます。これこそ信頼を得る運用の最重要ポイント!ファンとのやり取りを見ていると、運営者の方の対応がとっても丁寧なことがわかります。
ファンとのやり取りが多すぎて全部は紹介できませんが、ここまで丁寧に返信するとすごく時間かかりそうです。運営者の方のきめ細かな返信もステキなのですが、そこまでFacebookページに時間をさけるということは、会社としても力を入れているのだろうと推測できます。この姿勢こそが、ファンとの強い絆につながっているのですね。
 
その他にも、信頼を生む工夫が随所にあります。
 
ブランドイメージの向上
お弁当やお惣菜の投稿ももちろん超重要なのですが、それ以外でもおいしさへのこだわりや安全安心、環境への配慮などをアピールしています。

上のキャプチャのように消費期限が短い理由は安心安全を訴求しています。お箸は「竹箸」を使っていて環境に配慮していることも訴求。こういった情報はブランドイメージを向上させるのに有効ですね。
 
「食べたい!」と感じるような投稿
「食べたい!」と感じるような投稿のポイントは①写真と②投稿時間です。①は言うまでもないですよね。②の時間ですが、ほっともっと/HottoMottoの場合お昼前の11時半ごろか夜18時半~20時すぎの投稿が多いです。お腹がすくような時間にご飯の写真を見ると反射的に「いいね!」を押してしまいそうですよね。

また、調理工程などのこだわりも紹介しています。手間をかけているということが伝わってきますね。『おいしさ』の根拠を説明するという切り口の投稿も良いですね。
 
ファンにきいてみる、というコミュニケーション
このページが盛り上がっている要因の一つにファンに質問していることが挙げられます。いくつか選択肢を提示し「みなさんはどれがお好みですか??」と質問すると沢山コメントがついているのが見受けられます。

選択肢が提示してあるというのがポイントです。過去の投稿(右)を見ているとフリーアンサーの質問は回答数が少なかったりします。より答えやすい工夫をすることで、ファンとの交流の場になっていますね。
 
以上、今回は「Facebookプロモーション国内事例集」より、ファンとの強い絆が生まれている事例を3つご紹介しました。ぜひ参考にしていただければ幸いです。
 


<ライター紹介>
柴 佳織 (Kaori Shiba)

企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。
 
 
・Facebookプロモーション国内事例集 http://fbsample.blog.fc2.com/
・Facebookプロモーション国内事例集(FBページ)https://www.facebook.com/case.japan
・インサイトスコープ 数字から見えるFacebookのムコウ側 http://www.insight-scope.com/
 
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