こんにちは、SMM Labの小川です。
2011年9月8日、米Twitterはアクティブユーザー数(1ヶ月に1回以上Twitterにログインしたユーザー)が世界で1億人を超えたと発表しました。さらに、そのうち半数以上が毎日ログインしているといいます。(参考:http://blog.jp.twitter.com/2011/09/1.html)
日本でも、2008年4月の日本語対応以降ユーザーは増加しており、2011年9月の月間総ツイート数は約7億6千万ツイートにものぼるそうです。(参考:http://journal.mycom.co.jp/news/2011/10/07/020/index.html)
さらに、Twitterの企業活用も進んでいます。株式会社インプレスR&Dによる調査によると、何らかのソーシャルメディアに取り組んでいる企業において、実際に取り組んでいるソーシャルメディアでは「Twitter」が58.0%で最も高く、「ブログ」の44.5%、「Facebook」の38.7%、mixiの35.0%に比べて群を抜いていることが分かります。
(引用:http://www.impressrd.jp/news/110920/social2011)
このように日本に根付いてきているTwitterですが、結局のところ、Twitterは企業・ブランドにとって利用価値のあるツールなのでしょうか?
今回は、アメリカのリサーチ会社(Constant Contact、Chadwick Martin Bailey)が18歳以上の1, 491人の米国在住の人を対象に調査した「Twitter上におけるユーザー行動」についてのデータをご紹介します。この調査結果はアメリカのものですので、そのまま日本に当てはまるとは言えませんが、Twitter企業アカウントをフォローするユーザーの傾向をつかむ上で、ぜひ参考にしてください。
また、SMM Labでは、先月、同じ調査の「Facebook版データ」をブログでご紹介しています。ユーザーが企業・ブランドと関わる際に、Twitter上、Facebook上でどのような違いがあるのか?という点にもご注目ください。(参考記事:Facebook上でユーザーは何をしている? ~Facebookマーケターが知っておくべき10の事実~)
■ユーザーがオンライン上ですごす時間
Twitterユーザーの50%は、一時間に一回以上はオンラインにアクセスしています。一般のインターネットユーザーの平均値に比べ、Twitterユーザーのオンラインアクセス頻度は非常に高いといえます。
尚、Twitterユーザーの内60%は、一週間の内3時間以上Facebookも利用しているようです。Facebookだけ利用しているユーザーでは、3時間以上利用する人が49%にとどまることと比較すると、TwitterとFacebookを併用するユーザーの、オンライン利用度合いが高いことが分かります。(参考記事:Facebook上でユーザーは何をしている? ~Facebookマーケターが知っておくべき10の事実~)
■ユーザーのTwitter利用暦
調査対象の47%は、Twitterを使い始めてまだ1年以下という結果です。尚、50歳以上のTwitterユーザーの内、約25%はまだ1ヶ月もたっていないそうです。(ここに来て急速に50歳以上のユーザーが増えているとも言えます)
■Twitterで企業・ブランドアカウントをフォローしている数
Twitterで企業・ブランドアカウントをフォローしている人は、全体の21%(約5人に1人)です。尚、その中でもフォローしている数が5個未満の人が64%と大半を占めています。これは、ユーザーが無闇やたらにフォローしているわけではないことを示しています。
■Twitter企業・ブランドアカウントへの反応度(昨年比)
ユーザーの3分の1は、昨年に比べて今年の方が、Twitterの企業・ブランドアカウントに対してアクションを起こしていると回答しています。
男女別に見ると、昨年に比べてアクションを起こしていると回答した人は、女性では27%であったのに比較し、男性は38%と、女性を大きく上回っています。
■Twitterで企業・ブランドアカウントをフォローしている割合(年代別)
35歳以下のユーザーでは26%が企業・ブランドアカウントをフォローしているとのことです。一方で、50歳以上は13%にとどまります。
■Twitterの企業・ブランドアカウントのフォローを解除したことがあるか
ユーザーの75%は、一度フォローした企業・ブランドアカウントのフォローを解除したことがないと答えています。一方、13%のユーザーはフォローを解除したことがあると答えています。
Facebookの「いいね!」を取り消したことがないユーザーも76%との結果なので、ほぼ同数と言えます。
(参考記事:Facebook上でユーザーは何をしている? ~Facebookマーケターが知っておくべき10の事実~)
一人当たりのTwitter企業・ブランドアカウントフォロー数があまり多くないこととあわせて考えてみても、ユーザーは、「一度フォローしたアカウントは基本的に解除しない前提」で、思った以上に慎重にフォローを開始していると言えそうです。
■Twitter企業・ブランドアカウントをフォローする理由トップ5
64%は、自分がもともとその企業・ブランドの顧客だから
61%は、その企業・ブランドの情報を一番に知りたいから
48%は、プロモーションやディスカウントを受けたいから
36%は、フォローすることでしか得られない情報が欲しいから
28%は、友人のリツイート・シェアで知ったから
一方、Facebookで企業・ブランドページを「いいね!」する理由トップ5は以下の回答でした。
(参考記事:Facebook上でユーザーは何をしている? ~Facebookマーケターが知っておくべき10の事実~)
58%は、自分がもともとその企業・ブランドの顧客だから
57%は、プロモーションやディスカウントを受けたいから
41%は、自分がその企業・ブランドのファンであることを友人に示したいから
31%は、その企業・ブランドの情報を一番に知りたいから
31%は、フォローすることでしか得られない情報が欲しいから
TwitterとFacebookのフォロー、「いいね!」の理由を比較してみていかがでしょう?
Twitter、Facebookともに、一番の理由は自分がもともとその企業・ブランドの顧客だからというものです。「新規の顧客」よりも、まずは「既存の顧客」にフォローしてもらえるような情報発信を心がけたほうがよさそうです。
さらにTwitterでは、「その企業・ブランドの情報を一番に知りたいから」という理由が61%を占めています。このことからも、Twitterは、Facebookよりも、よりその企業・ブランドへの愛着を持ったファンがフォローする傾向にある、と言えます。
■企業・ブランドからのTweetに対するユーザーの行動
実際にTweetをするユーザーは23%にとどまり、ユーザーの84%は、投稿を読むだけのようです。
先日Twitterから発表された数値によれば、アクティブユーザーの40%程度は、「自らはTweetせず、読むためだけに」Twitterにログインしているとのことですので、自分のTweetにRetweetやコメントがつかなくても、「読まれている」ことはきちんと意識しておくべきです。
また、企業・ブランドアカウントをフォローするユーザーの67%は、自分のフォローするアカウントからは、「オリジナルで、ユニークなコンテンツ」を求めているそうです。
■企業・ブランドアカウントをフォローした後、自分の友だちにそのページを勧める割合
ユーザーの60%は、自分がアカウントをフォローした後、友だちにそのブランドを勧める傾向にあります。尚、60%の内18%は、多くのブランドについて勧めたい、と答えていますが、残りの42%は、いくつかのブランドのみと答えていますので、その「いくつか」にいかに残れるか、という点がポイントになります。
尚、年代別で見てみると、35歳以上のユーザーは、35歳未満のユーザーに比べて、約2.3倍の割合で、「友達に薦めたいブランドが多くある」と答えています。これは、35歳以上のユーザーは、より慎重に企業・ブランドアカウントをフォローする傾向にあるということでしょう。
■企業・ブランドアカウントをフォローした後、そのブランドから商品を買う意向があるか
約半数のユーザーは、買う意向があると答えています。この傾向は男性に強いようです(男性55%、女性45%)。
以上、今回はアメリカで行われた、企業・ブランドのTwitterアカウントに対するユーザー行動・意識調査のデータをご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
今回の調査データから、以下のポイントが大切と言えます。
・まずは「既存顧客」にアカウントフォローしてもらう努力を
・いかに「他と同じ」ではなく、オリジナルでユニークな投稿ができるか?
尚、ループス&Gooリサーチの共同調査によれば、 企業のツイッター活用は、大企業の7割超が「効果あり」と答えているそうです。(参考:http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/08/goo-7-3a32.html)
今回の調査データも参考にしていただき、改めてTwitterの運用体制を見直してみてはいかがでしょうか?
■今回ご紹介した調査のスライド(全体)
■参考記事
・Facebook上でユーザーは何をしている? ~Facebookマーケターが知っておくべき10の事実~(2011/10/11)
・イケてるコミュニティマネージャーになるための5つの条件(2011/9/30)
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