ソーシャルメディアマーケティング(以下SMM)に積極的に取り組まれている企業のご担当者に、SMM支援企業の新入社員3人が直接インタビュー!知れば知るほど奥深い、純米酒の魅力に溢れている、沢の鶴株式会社のFacebookページご担当者にお話を伺ってきました!
皆様こんにちは、アライドアーキテクツ株式会社新入社員の松本、藤本、高橋です!
今回は、3年後の2017年に創業300年を迎える、沢の鶴株式会社のマーケティング室 矢野麻己子さんにインタビュー!
歴史ある企業でありながら、「当時目新しかったFacebookに挑戦したきっかけ」から、「どんな思いでFacebookページを運用しているのか」、「これからFacebookを活用してどんなことをしていきたいのか」等を伺ってきました。
「矢野さんの熱い思い」から「純米酒の意外な使い方」など、沢の鶴さん、矢野さんのファンにならずにはいられないようなお話を聞くことができました!ぜひお楽しみください!
伝統企業がFacebookページを始めるまでの道のり
――Facebookページの投稿では写真が綺麗に撮られていたりと、非常に熱を感じるのですが、Facebookを始めようと思うまでどんな経緯がありましたか?
今まで卸業者を通して商品を店頭に流通するのがメインだったので、私たちメーカーと消費者の方々が直接接点を持つことはあまりありませんでした。
ただ、これだけネットショッピングが当たり前になっている世の中で消費者に直接コミュニケーションを取るための手段として、Facebookを始めるべきだ、と思い興味を持ちました。
また、小売店のバイヤーさんたちも、FacebookやTwitterを使っているのが当たり前。リアル以外でも接点を持てる機会をつくるのに最適なものでした。
Facebookって、企業によって力の入れ具合に差がありますよね。それって知識とかよりも、ご担当者やFacebookに関わる人の熱が結構関係しているのではないかと思ってるんですよ。私は元々、ネットショッピングとか、Webが好きなのでよく触ったりして、その楽しさを知っていたので、会社でも取り入れたいと思っていたんですよね。
とはいっても、沢の鶴は約300年の歴史がある会社なので、新しいものに手を出すのにも、ハードルが高い環境ではあったんです。
ですが、私の上長が新しいものを取り入れることに前向きだったので、「この人が上司のうちに話を進めないと、どんどん遅れを取るんじゃないか!?」と思って動いていきました。
――上司の方はFacebookなど新しいメディアなどの採用にも積極的だったんですね!でも、さらにその上席の方を説得するのって、大変ではなかったですか?
正直、大変でしたね…。でも、「今のうちにこれをやっていかないとダメなんです!」ということを説明しました。
あと、業界の中でも何かで”一番になりたい”という想いが原動力になりましたね!
今は、純米酒を出荷するメーカーの中では業界ナンバーワンをとれた商品もあるのですが、他の分野や、どんなことでもナンバーワンになるのってなかなか難しいじゃないですか。
ソーシャルメディア運用を始めている同業界の企業も少ない今のうちから活用していれば「Facebookでナンバーワンになれる!」と上席を説得し、「一番を目指そう!!」ということで同意してもらい、活用することが決まりました。
――熱意が伝わって動いてくださったんですね!でも例えばキャンペーンをやったり、少し大きな予算が掛かるとなると、上の方を説得するのがまた大変な場合はないですか?
ありますね。そこでいつも考えているのは、「ソーシャルメディアによる効果は今すぐどうこうじゃない。でもその先にこれをずっとやっていくことによって蓄積されたものが花開く日が絶対に来る」ということです。
逆に、「今やっておかないと数年後にその差は大きくなる」ということはずっと感じています。
そういう考えの根拠となる資料を見せながら説得しました。
――矢野さんご自身がソーシャルメディアの力を信じていたからこその行動と結果ですね!
WebやFacebookを始めて、今もマス広告は出稿していますか?
新聞、ラジオと交通広告を出していますが、テレビCMは今はやっていません。
テレビの影響力は健在だと思うんですが、リアルタイムでご覧になっている方は減っているのではないでしょうか。
そんな時代の変化の中でどうやってうまく予算を配分して、沢の鶴のブランドを知ってもらうか、というところを考えてたどり着いたのがFacebookでした。
しかも、今までのマス広告の予算に比べたら、波及効果は大きいのに値段はリーズナブルと思えるような媒体だった、というのも決め手でしたね。
――たしかに私たち自身もリアルタイムでテレビを見ながら、同時にTwitterやFacebookなどを使うことも多くなりました。ところでそもそもFacebookマーケティングが普及しているといったことは、どうやって勉強されていたんですか?
SNSが浸透する以前からプライベートでもブログなど、Webが好きだったんです。それで個人的に使うだけでなく、Webのマーケティングについても幅広く勉強していました。
そのため、所属するマーケティング室の中で私がWebに関わることを全て担当することになりました。私というより、上司に先見の明があったのかもしれませんね(笑)
“友達に紹介したい、恋人のような存在”のブランドに
――Facebookを運用していく上で、大切にしていることは何ですか?
いいね!を押すときに、躊躇してしまうFacebookページにはしたくないな、と思うんです。
恋愛でいうと「友達に紹介できる恋人にならないといけない」というイメージ(笑)ファンの方がこのブランド、ページを好きであることを誇れるように心掛けています。
そういうFacebookページにしていきたいな、というイメージ像があって、商品を売ろうというよりも、「沢の鶴ってこういう会社なんだよ」ということを、弊社の日本酒に先入観のない若い世代、Facebookユーザー層へ情報を伝えていきたいと思っています!
――投稿を考えたりするのは大変じゃないですか?
正直大変ですね。でも今までは一人でやってきましたが、もう一人担当が増えて、毎月打ち合わせをして投稿を振り分けながら進めています。
迷ったり困った時には『SMMLab』をバイブルにさせてもらってます!(笑)
(SMMLabスタッフより:ありがとうございます!)
また、弊社の本拠地である神戸にある他の企業様が私たちのFacebookページの投稿をシェアしてくださると、嬉しいなと思いますね!この情報を、他の企業が伝えたいと思ってくれているんだ、役立つ投稿ができたんだ、と。
――まさに「紹介したい恋人」だと思ってもらえている、ということですね!
少しFacebookから離れるのですが、私たち一般人が知らない、日本酒業界の豆知識などがあれば知りたいです!
実は日本酒を入れてお米を炊くと、美味しくなるんですよ。おちょこに一杯くらいの量なんですけど、ちょっと入れると、お米の味が甘くなって引き立つんですよ!
そのまま食べても美味しいけど、お弁当にするとよくて、蓋を開けたとき、炊き立てに近い香りになっているんです。傷みにくいことも分かっていて、お弁当屋さんなどでもそうしているところが多いみたいです。
――知らなかった!そういった、業界の人しか知らないような情報をFacebookで投稿していただけたらとても嬉しいです!
ありがとうございます!じゃあ、是非そういったネタを取り入れていきます!(笑)
沢の鶴社のマーケティングのこれから
――何か今後やってみたいマーケティング施策はありますか?
沢の鶴のファンの方と一緒に何かを創り上げることをやってみたいですね。
Facebookページにもたくさんの方が集まってくださっているので、よりコミュニケーションを深められるようなことができたらいいな、と思います。
――そういった新しい取り組みを通して何を伝えていきたいですか?
既存のファンの方にはもちろんのこと、20~30代の女性にもっとお酒の色んな楽しみ方を知ってもらいたいですね!
実は日本酒って色んな使い方があるんですよ。例えば、カクテルのベースに使ったり、チーズにもよく合うし、本当にシーンを選ばずに楽しめるものなんです!
なので、これまで日本酒にあまり馴染みのなかった新たなターゲットも、試してみたくなるような日本酒の魅力を伝えて、アプローチしていきたいです。
――最後に、Facebookをこれから活用しようと思っている企業の皆様へ熱いメッセージをお願いします!
難しい質問!(笑)
そうですね~。Facebookは新しい概念でもあるので始めるにあたって不安な気持ちもあると思いますが、企業がFacebookをやるべきか否かの答えは、その先にいるユーザー、ファンが持っているものだと思います!
企業の中だけで決めつけず、改めて消費者の声に耳を傾けてみるのが大事ではないでしょうか。
――(一同納得!)矢野さんのお人柄の良さがビシビシ伝わってきますね!とにかく熱い!貴重なご意見、ありがとうございました!
プロフィール
矢野 麻己子氏
沢の鶴株式会社 マーケティング室
沢の鶴株式会社公式サイト
http://www.sawanotsuru.co.jp/
沢の鶴株式会社 Facebookページ:
https://www.facebook.com/sawanotsuru
女性ための「日本酒入門」ウェブマガジン『10.5 BAR』
http://10-5bar.com/ でもコラムを掲載。
〈インタビュー後記〉
今回は、約300年もの伝統を誇る企業でありながら、酒造業界においてFacebookマーケティングの先駆者として情熱的に取り組まれている様子を垣間見ることができました。企業がFacebookを始めるにあたってはさまざまな壁があるようですが、その乗り越え方や、チャンスを逃さない姿勢に強さを感じ、やはりご担当者の熱意は大切なポイントのひとつだと改めて気付かされました。
また、Facebookページの運用で大切にしているポイントはもちろん、笑顔の中にも日本酒やお仕事への情熱がたくさん伝わってきたインタビューでもありました。
特に、こちらから質問させて頂いている間にも、会話の中に出てきた私達のいち消費者としての声も逃さずメモをとられている姿が印象的でした。
<インタビュアー/ライター紹介>
高橋栞(Shiori TAKAHASHI)
藤本夏帆(Natsuho FUJIMOTO)
松本篤志(Atsushi MATSUMOTO)
アライドアーキテクツ株式会社 2014年4月入社の、ソーシャルメディア業界1年生3名。
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