訪日観光客が急増し、インバウンド市場の更なる盛り上げ役として期待されている「タイ」。その国内では今どんなことが話題になっているのでしょうか?タイ国内のトレンドを知ることで、インバウンド集客のヒントを探りましょう!
着実に増え続けるタイからの訪日観光客
ランキングに行く前に、まずはタイからの訪日観光客の概要について見てみましょう。
タイからの訪日観光客数:過去5年で3倍以上に
2010年には年間20万人強だった訪日観光客数が、2014年末には約66万人となっており、3倍以上に成長していることが分かります。なお、 2015年の数値は1月-10月までのもののみとなっており、2015年10月末で既に約63万人が訪日。日本政府観光局のデータによれば、例年11月12月の2か月間で10万人以上がタイから訪日していますので、2015年末にはさらなる伸びが期待されます。
この背景には、2013年7月から、タイからの短期滞在者に対するビザ免除を行ったこと、またタイ全体の所得が向上しており、高所得者だけでなく、中間所得層も日本に旅行し買い物消費できるようになったことがあると考えられます。
なお、2015年1-10月の訪日外客数1, 631万人の国別内訳は以下の通りとなっており、タイは全体の6位にランクインしています。
1位:中国(428万人)
2位:韓国(322万人)
3位:台湾(311万人)
4位:香港(123万人)
5位:米国(85万人)
6位:タイ(62万人)
来日のピークは4月と10-12月
月別に見てみると、年間を通してタイからの訪日客数には波があり、4月と10~12月が多いことが分かります。4月には「ソンクラーン(タイ正月)」という連休があること、またタイ人からは「桜」や「紅葉」「雪景色」が人気であることが理由に挙げられるでしょう。
現在、タイでは旅行先として「日本」がトップにランクイン!
出典:日本政策投資銀行 アジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査(平成27年度版)
こちらは、アジア各国で、「今後旅行したい国」についての調査結果です。タイの国民から、日本は「旅行したい国」としてトップに挙げられていることが分かります。
リピーターが7割も
また、タイからの訪日客にはリピーターが多いことも特徴です。平成27年度消費者庁による消費動向調査によれば、タイからの訪日客数のうち1回目はわずか28.6%にとどまり、
残り71.4%はリピーターが占めています。中でも、訪日が4回目以上のリピーターが全体の36%にも上り、日本への強い愛着を持った観光客が多いことにも要注目です。
2015年 タイ国内人気ランキング
それでは、そんなインバウンド注目国の「タイ」では、今年何が話題になったのでしょうか?実際のランキングをご覧ください!
<調査概要>
「タイ国内の2015年トレンドランキング」
・調査方法:アライドアーキテクツと株式会社ドリームインキュベータの100%子会社であるDI Marketing Co., Ltd.(ベトナムホーチミン市)が、インバウンド集客プロモーション支援サービス「モニプラGlobal」を通じて実施。タイ国内でのソーシャル上の話題やメディア露出などをもとに50件のキーワードを選び出し、ユーザー投票によってランキング化した。
・調査対象:タイのFacebookユーザー約300名
自転車人気の高まりも背景に?国民的自転車イベントがトップ
ランキングのトップとなった「Bike for Mom」とは、王妃の誕生日を記念してタイ各地で開始されたイベントで、約14万人もの人が参加しギネス記録ともなったそうです。この背景には、タイ国内で大きな影響力を持つ王室の記念イベントであることに加えて、国内における自転車への人気の高まりがあると考えられます。
タイでは近年、健康やエコ、ファッションといった観点から自転車を利用する人が増加し、SNSでも多くの写真がシェアされています。また、政府主導のもと「Car Free Day」と呼ばれる自転車普及キャンペーンやレンタル自転車の普及プロジェクトが発足するなど、国策としても注目が高まっています。
タイの訪日観光客向けに、「自転車」を利用した観光スポットめぐりの提案なども、喜ばれるかもしれません。
「自然」「健康」もキーワード
7位には「スローライフ」、10位には「食の安全」と、「自然」や「健康」といったイメージを想起させるワードがランクインしました。これらのワードはSNSとの相関性が高く、消費活動にも紐づきやすいことから、インバウンド施策においても要注目です。
日本ならではの自然を体感できる観光ツアーや、オーガニック食材を使った商品やレストランなど、現在のタイの消費者トレンドに対応したサービス・商品がさらに注目を集めていくでしょう。
実際に、現在、タイ観光客からは、首都圏、関西圏だけでなく、「北海道」や「九州」も人気となっています。
「精神的な豊かさ」を求めるタイの消費者
今回の調査では、芸能やスポーツなどのエンタメに関連したワードが数多く選ばれる一方で、自然や環境、健康といったカテゴリのワードも複数ランクインし、高い関心を持たれていることが分かりました。このことから今、タイ国内における消費者のマインドは、「物質的な豊かさ」が一巡した先にある「精神的な豊かさ、満足度」が重視される段階にあると推測します。
また、SNS上で人気を集めたハッシュタグや人物、出来事など、SNSが話題化を後押ししたと考えられるワードが多数ランクインしており、日本と同様にSNSがトレンドの発信地となっていると言えます。
これからますます増えていくと予想される「タイからの訪日観光客」。このような消費者の意識変化や背景、トレンドをきちんと捉えて、効果的なプロモーションを実施していきましょう!
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