3月30日をもって一斉にタイムラインが導入されるFacebookページ。
タイムラインでのコミュニケーションが重要になると言われる中で、今まで「いいね!」の獲得に絶大な効果を発揮してきたキャンペーンアプリの存在意義が問われています。果たして本当にキャンペーンアプリは不要になってしまうのでしょうか?
こんにちは、SMMLabの藤田です。
Facebookページのタイムライン化で、キャンペーンアプリでの「ファン」獲得が難しくなるといった意見を耳にしますが、本当にそうでしょうか?今日はタイムライン導入後の「キャンペーンアプリ」について、その効果と役割を考えてみたいと思います。
誤解していませんか?出来なくなるのは任意タブの初期表示設定だけです!
まず最初に、「ウェルカムページ」が無くなるというのは、少し誤解があります。今までは、Facebookページへの来訪者に、「ウェルカム」的な内容にカスタマイズしたタブを初期表示に設定し、ファンでない場合は「いいね!」を押さないと見られないコンテンツを用意する事(いわゆるファンゲート機能)が出来ました。
それが、今回のタイムライン導入後は、「ファン」であるかどうかに関わらず、Facebookページへの来訪者には、全て「タイムライン」が表示されるように変更されます。
ここで注意していただきたいのは、ファンゲートの機能が無くなるのではないということです。ですから参加の条件に「いいね!」を設定出来る「キャンペーンアプリ」が使用出来なくなったり、効果が無くなったりする訳ではありません。カスタマイズされたページ(タブからアプリへと名称変更されます)へは、別に導線を用意する必要が生まれたため、「ウェルカム」としての意味合いが薄れてしまうだけなのです。
タイムラインのコンテンツだけで「いいね!」してもらえる自信がありますか?
それでは、タイムライン導入後Facebookページに訪れたユーザーは、カバー画像やマイルストーン、表示されている投稿を見るだけで、果たして「いいね!」を押してくれるでしょうか?
しかも、肝心の「いいね!」ボタンはこんなに控えめで分かりづらい表示(赤丸部分)になってしまうんです。
確かに、カバー画像やコンテンツだけで「いいね!」をしてもらうのは、「ファン」になってもらう行為として本質的かもしれませんが、「ブランド」としてのネームバリューや利用経験等なんらかの“愛着”が既にある場合以外は、「いいね!」をしてもらうまでは中々難しいのではないでしょうか?
また、思わず欲しくなってしまうような商品画像や、最後まで見入ってしまう動画を投稿し続けられますか?毎回ファンの共感が得られるコメントが思いつくでしょうか?
はっきり言ってコンテンツの魅力だけで、ファンを獲得しつづけるのは至難の業だと思います。なぜなら「いいね!」をしてもしなくても、全てを見ることが出来るタイムラインでは、ユーザーは「いいね!」をするメリットを少なく感じるからです。
「いいね!」をするメリットを分かりやすくするためには?
ユーザーが「いいね!」をするのは、どんな時だと思いますか?
以前SMM Labが実施したFacebookユーザーに対する「企業・ブランドのFacebookページ利用実態」についてのアンケートでは、「割引やキャンペーン情報を受け取りたいから」という回答が約3割で、「すでにその企業やブランドを利用したことがあるから」を上回り1位を獲得しました。
ブランドや商品の知名度に関わらず新規のファンを獲得するためには、ユーザーに分かりやすいメリットを提供することが必要なのです。その意味で「キャンペーン」は、タイムライン導入後も、「ファン」獲得効果が大いに期待出来る施策と言えます。
参考:【アンケート調査結果大公開!】ユーザーは企業のFBページをどう見ている?~Facebookユーザーの企業・ブランドFacebookページ利用実態調査~
また、「キャンペーン」は新規ファンを獲得するだけではありません。SMMLabで定期的に開催しているプレゼントキャンペーンでは、毎回既存のファンが参加者のほぼ半数をしめています。プレゼントのみならずアンケートやモニター、コンテストなど内容を工夫する事で、「キャンペーン」は既存ファンとのコミュニケーションを活性化する事も出来るのです。
参考:大ヒット実践的マーケ本「エンゲージメント・マーケティング~Facebookが生み出す企業と生活者の絆~」プレゼント♪
問題は、いかにして「キャンペーン」ページを見てもらうか?
来訪者に強制的に見せることは出来なくなってしまったキャンペーンですが、以下のような工夫でユーザーの興味を喚起することは出来ます。
1)アプリのサムネイルを目立たせる
カバー画像の下に表示されるアプリのサムネイルは、順序を入れ替え(先頭の「写真」のみ固定)、オリジナルの画像を設定することが出来ます。
こんな風にキャンペーンの内容を分かりやすく表記すると目立ちますね!
2)キャンペーン紹介の投稿をハイライト表示やトップ固定にする
新しいキャンペーンがオープンしたタイミングではハイライト表示にして目立たせる。その後トップに固定することで、新規訪問者の目に触れる期間が長くなります。(ただし、トップ固定が出来るのは、一回の設定で7日間です。)
3)Facebook広告のランディングをキャンペーンアプリに設定する
コンテンツのリーチ率が16%というデータを見ると、友達のアクティビティだけでは十分な露出に繋がらないことが考えられます。その場合はやはりFacebook広告の出稿も検討すべきです。広告のランディング先として、メリットの分かりやすいキャンペーンを設定する事で、「いいね!」をしてもらえる確立が高まり、広告とキャンペーンの両方で効率を上げる事ができます。
そして、やはり一番重要なのは「キャンペーン」の中身です。自社の商品やサービスを知ってもらえる、魅力を感じてもらえるようなインセンティブの選定や、参加することを楽しんでもらえる企画を工夫することで、ユーザーがFacebookページに「いいね!」をするモチベーションを高める設計が大切です。
期待の新機能「リーチ・ジェネレーター」も母数となる「ファン」がいてこそ!
「ファン」に確実に自社情報を届けたい。そんな企業のニーズに答えるべく、新たにリリースされる「リーチ・ジェネレーター」ですが、「既にファンになっている人の75%へのリーチを保証する」機能であるということに注意してください。母数となる「ファン」が少なくては、期待する効果は得られないため、導入までに事業規模にみあうボリュームの「ファン」を獲得しておく事が必要です。
【結論】タイムライン導入後こそキャンペーンアプリを活用するべき!
タイムライン導入後、より重要になると言われている「コミュニケーション」ですが、その対象はやはり「いいね!」をしてくれた「ファン」が中心になると思います。コミュニケーションへの熱量も増やすためには、下地として自社の商品やサービスに関しての興味関心を高めておくことが必要です。そのため「キャンペーンアプリ」を上手く活用する事は、新規ファンの獲得にも、既存ファンの関与度向上にも、今後ますます必要な施策だといえるのです。
それでもまだ「キャンペーンアプリは終わる」と思いますか?
■参考記事
・Facebook上でユーザーは何をしている?
~Facebookマーケターが知っておくべき10の事実~
http://smmlab.jp/?p=964
・【アンケート調査結果大公開!】ユーザーは企業のFBページをどう見ている?
~Facebookユーザーの企業・ブランドFacebookページ利用実態調査~
http://smmlab.jp/?p=2852
・333件の実施データから分かったFacebookキャンペーンを成功させる3つのポイント
http://smmlab.jp/?p=3268