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 オンライントラフィック調査のHitwiseによると、イギリスでは5月のソーシャルネットワークへの訪問が11.88%に達し、ついに検索の11.33%を超えました。
出典:TechCrunch Europe : Social networks overtake search engines in UK ? should Google be worried?
 また、先週行われたIVS(Infinity Ventures Summit http://bit.ly/bTRt2H インターネット、モバイル、ソフトウエアなどIT業界の国内外の経営者・経営幹部を対象とした年2回の招待制のオフサイト・カンファレンス)では、ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏が「新プラットフォームの展望」と題した講演の中で、「これからはSEOではなく、SGO(ソーシャルグラフ最適化)の時代に変わるはずだ」と発言したことが話題となっています。
 これは、WEBマーケティングの主流がSEM(Search Engine Marketing)からSMM(Social Media Marketing)に変移するにつれ、最適化の対象が検索結果からソーシャルグラフへ、「キーワード」から「キーマン」に変化してきているということです。
 「Groupon」 www.groupon.com/ の成功や、日本でも「KAUPON(カウポン)」 http://kaupon.jp/ や「Piku」 http://www.piku.jp/ の登場で話題となっている「フラッシュマーケティング(タイムセール特化型ECサイト)」も、ソーシャルグラフを効果的に活用するからこそ、限定された時間の中でより多くの集客を可能にしています。
 他にもソーシャルグラフにそって表示される広告(ソーシャルアド)など、『ソーシャルグラフ』に着目した新しい手法が次々と誕生してきていますが、企業も一人の「個人」として扱われるソーシャルメディアにおいて、果たしてユーザーは、顔は見たことがあるけどよく知らない人に、いきなり「あなたの友達を紹介して」と言われたらどう思うでしょうか? 「私の友達だから仲良くしてね」と紹介してもらうためには、まず友達に紹介してくれる人と本当の「友達」になるべきではないでしょうか?
 「OpenID」や「OAuth」といった、インターネットサービスの垣根を越え、相互利用するための仕組みが整うにつれて、ソーシャルグラフはネット社会から現実社会へと、じわじわとその影響範囲を広げています。そのため、ソーシャルグラフに積極的に関与していくことで、今までよりも一歩、実生活に踏みこんだWEBマーケティングが可能になると考えられます。これからは、「いかに友人や知人にクチコミを伝えてもらうか」が一番のポイントになり、その鍵を握るのは「キーマン」=「人」なのです。
 では、どんな人とどのように付き合うか? それを見極めるのは容易なことではありません。個人ユーザーはネット社会において、実生活以上に多面性を持っているからです。mixiとFacebookとグリーとブログとTwitterと…それぞれ違う「私」かもしれません。
 そこで、ソーシャルメディア上に多角的に接点を持つことが、今後ますます重要になってきます。交錯する「つながり」の中で自然と浮き彫りになる人物像を把握し、適切な方法で最適な関係性を築く。中長期的なSMMによる、「アドボカシー(支持)」や「エンゲージメント(両思い)」に基づいた関係性になって初めて、ユーザーの持つソーシャルグラフへの本質的なコンタクトが可能になるのではないでしょうか?
 SGO(ソーシャルグラフ最適化)は、一朝一夕ではなし得えません。マーケティングを取り巻く環境の急激なソーシャル化に対応するためには、今からすぐ、あなたの「友達」探しを始めるべきなのです。