「SEO」、「SEM」とは? 日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?
ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」 している?!今更人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。
用語説明
SEO(Search Engine Optimization)検索エンジン最適化
SEM(Search Engine Marketing)検索エンジンマーケティング
インターネット上に無数に散らばる情報の中から自身が欲しい最適な情報を見つけ出すために、ユーザーがまずアクセスするのは、Google、Yahooを始めとした「検索エンジン」である。
この「検索エンジン」では独自のアルゴリズムを元に、プログラムが最も最適と判断した情報から上位に表示される。
尚、2012年6月に株式会社ディテイルクラウドクリエイティブが発表した検索エンジンの認知度調査によれば、ユーザーの約8割は検索結果の1ページ目までしか見ていないという結果が出ており、自社Webサイトを多くのユーザーに見てもらうためには、検索エンジンで上位表示されることが大変重要とされる。
SEO(検索エンジン最適化)は、この「検索エンジン」に自社Webサイトを正しく認識してもらい、特定の検索キーワードに対して上位表示されるよう最適化することであり、SEM(検索エンジンマーケティング)は、SEOだけでなくキーワード連動型の「リスティング広告」等も含めて、検索エンジンから自社Webサイトへの訪問者を増やすマーケティング手法のことを指す。
検索エンジン利用の9割を占める「Google」
インターネットで欲しい情報を調べるときに誰もが利用する「検索エンジン」。
この「検索する」という行為は、ユーザーが自らキーワードを入力し、能動的に情報を探す行為であるためコンバージョンに結びつきやすく、企業がインターネットにおけるマーケティングを考える上で、SEM(検索エンジンマーケティング)は必須の対策事項と言えます。
尚、検索キーワード連動型の「リスティング広告」の活用もさることながら、9割近くのユーザーが「自然検索結果から情報を入手したい」と回答しており、SEMにおいて、オーガニック検索対応としてのSEO対策(検索エンジン最適化)が非常に重要とされています。
この「検索エンジン」は、日本国内においてはその利用の9割がYahoo!とGoogleで占められています。また2010年7月からはYahoo!の検索エンジンにGoogleのシステムが利用されているため、実質的にGoogleの検索結果表示アルゴリズムに沿ったSEO対策が求められます。
従来からの代表的なSEO対策とは?
従来より、SEO対策は、サイト内の構造を工夫する「内部施策」と、サイト外からの評価を高める「外部施策」に分けられるとされています。
<代表的な内部施策>
- サイト構造の最適化
- discriptonメタタグの設定
- 画像利用の最適化
- 読みやすい文章やサイトのレイアウト
- ユーザーにとって無意味なキーワードを大量に入れない
- ユーザーにとって無意味なページを作らない 等
<代表的な外部施策>
- 評価の高い外部サイトからのリンク
- グループサイト間でのリンク
- 優良なディレクトリサービスへの登録 等
尚、Googleは、自身のアルゴリズムについて、「検索エンジン最適化スターターガイド」と「ウェブマスター向けガイドライン」を提示しています(この2つは必ず一読されることをお奨めします)。
・検索エンジン最適化スターターガイド
・ウェブマスター向けガイドライン
常にアップデートされ続けるGoogleの検索エンジンアルゴリズム
2011年2月のGoogleブログにもある通り、Googleはそのゴールを「人々に、できる限り早く、もっとも関連のある答えを与えること」であるとしています。そしてGoogleの検索エンジンアルゴリズムは、それを実現するためにサービスのスタート以来常に見直しが行われ、時に大幅なアップデートが実施されてきました。
そして、このGoogleの検索エンジンアルゴリズムアップデートの歴史は、その仕組みをかいくぐってとにかくページを検索の上位表示させようとする悪徳業者との闘いでもありました。無理にキーワードを詰め込んだり、似たようなページを大量に作る内部施策を行ったり、また外部のリンクプログラムから質の低いリンクを大量に買い取る外部施策を行うことで一時的に検索順位を上げようとするなど、Googleの目指す「人々に、できるだけ早く、もっとも関連のある答えを与えること」とはかけ離れた施策を実施する業者が横行しました。
Googleはこれらに厳しく対応し、アルゴリズムを変更して順位を下落させるだけでなく、ガイドライン違反としてペナルティを科しています。(先に紹介したウェブマスター向けガイドラインにおける「品質に関するガイドライン」は熟読しておく必要があります)。
そして、いよいよ日本にも「Pandaアップデート」と呼ばれるアルゴリズムの適用が開始されました。このアップデートについて、Googleは公式ブログで以下のように発表しています。
(以下引用:2012年7月18日付 Googleウェブマスター向け公式ブログより)
”このアルゴリズムの変更では、低品質なサイトの掲載順位を下げ、同時に、良質なサイトの掲載順位をより適切に評価します。例えば、ユーザーにとってあまり価値のないサイト、利便性の低いサイト、他のサイトからのコピーで構成されているようなサイトの掲載順位は下がります。一方、独自の研究や報告、分析など、ユーザーにとって重要な情報を提供しているサイトの掲載順位はより適切に評価されるようになります。この変更は、日本語、韓国語ともに約 4% の検索結果に影響する見込みです。”
このPandaアップデートとは、今まで「内部対策」として行われてきた「サイト構造の最適化」「適切なページタイトルの設定」等だけではなく、Googleの検索アルゴリズムは、そもそものコンテンツの「内容」そのものも判断するようなった、つまりそもそものコンテンツの「質」が問われるようにアップデートされたものと言われています。
これから求められるSEO対策とは?
ではこれからの「SEM」、及び「SEO対策」に求められることは何でしょう?
それは、「ユーザーにとって価値のあるページを作る」という本来の姿に、改めて立ち返ることだと言えます。そして、「ユーザーにとって価値のあるページ」=「ユーザーに評価されているページ」として、ソーシャルメディアでシェアされていることが今後の検索アルゴリズムにおいても重要となってくるだろうと言われています。
また、Googleは既に、2012年1月のブログにて、「Google+」での友人の評価を検索結果に反映させると発表しました。FacebookやTwitter、mixiについては、このように直接的な関係にはならないと思いますが、それでも今後何らかのアルゴリズムへの影響は出てくるでしょう。
小手先のテクニックにばかり頼るのではなく、本質的な運営が改めて求められている、そして「ソーシャル」の影響を決して無視はできない…、そんな状況になりつつあるようです。
イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ