企業のUGC活用徹底解説

UGCがマーケティングにおいて重要視されるようになった背景から、実際の企業事例や活用時の注意点まで、「UGCマーケティング」の全容を徹底解説します!

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1.UGC(User Generated Contents=ユーザー生成コンテンツ) とは?

UGCは、ユーザーの手によって制作・生成されたコンテンツの総称です。SNS、ブログ、動画投稿サイト、写真共有サイト、イラスト投稿サイト、電子掲示板(BBS)、プロフィールサイト、Wiki、ソーシャルブックマークなどの各種ソーシャルメディアに書き込まれたり投稿されたコンテンツや、それらに対する感想、レビューなどのコメントも含まれます。

2.UGCがマーケティングにおいて重要になってきた背景

高性能なデジタルデバイスの登場、ネット環境の高速かつ大容量化、それにより誰もがリッチコンテンツを簡単に制作・配信できるようになったこと…などの変化を背景に、2000年前後から、UGCは「ネット上の重要なコンテンツ」として注目されてきました。

特に、Instagram台頭以降、UGCは「生活者の購買意欲喚起」に大きな影響を与える存在としても注目が集まっています。実際、米国のアンケートでは「63%の生活者が、購入前に商品のUGCをSNSで探している」といった調査結果も出ています。

UGCが生活者の購買意欲喚起に与える影響 グラフ
出典:Olapic『Facebook & Instagram Advertising With UGC : A Practitioner’s Guide』

この背景には、スマートフォン・ソーシャルメディアの普及や各種テクノロジーの進化による近年の爆発的な情報量の増加と、生活者による広告への嫌悪感があります。

生活者は日々無数の情報にさらされており、その中で多くの広告も目にする状況にあります。その一方で、近年のデジタル広告のコミュニケーションはユーザー目線で最適化されているとは言いにくく、生活者は「しつこい」「煩わしい」「怪しい」など、広告への不信感を抱くことも少なくありません。このような状況下で、生活者は「信頼できるデジタル上の情報」としてUGCに価値を見出していると言えます。

また、コロナ禍もこの流れに拍車をかけています。

アライドアーキテクツ株式会社が2020年7月に行った調査では、約30%の人が「外出する時間を減らすために、事前にSNSでサービス内容やクチコミを検索・収集することが増えた」と回答、また約28%の人が「通販やデリバリーを利用する機会が増え、SNSを通じてサービス内容・クチコミを検索・収集することが増えた」と回答しています。ニューノーマル時代において、UGCの重要性はさらに増しているのです。

UGCがこれからのマーケティングにおいてなぜ大切なのか、こちらの記事でもデータや事例をもとに詳しく解説しています!
【UGCはなぜ大切なのか?】ニューノーマル時代のマーケティングに企業がUGCを活用すべき理由

3.企業におけるUGC活用の現状とその成果

現在、こうしたUGCを「生活者の共感を呼び起こし、購買行動に影響を与える強力なコンテンツ」として、積極的に企業のマーケティング活動に取り入れていく流れが活発化しています。

アライドアーキテクツ株式会社が2020年11月~12月に実施した調査では、国内でマーケティング業務を行う回答者の約94%が「マーケティング施策においてUGCを活用する重要性」を感じており、既に半数以上が実際にUGCを活用した経験があると回答しています。

UGC意識調査 UGCの重要性に関してのアンケート結果
UGC意識調査 UGCの活用経験に関してのアンケート結果比率

具体的には、SNS公式アカウントの投稿、LP(ランディングページ)、SNS広告、公式サイトやオンラインショップなどでのUGC活用が進んでいることが分かります。

UGC意識調査 UGCの活用経験のある施策に関してのアンケート結果

また、UGCを活用したことがある人のうち、76.6%が「UGC活用により施策のパフォーマンスが向上した」と回答しており、UGCをマーケティングに活用することでしっかりと成果につなげている企業が多い現状がうかがえます。

UGC活用後のパフォーメンス結果

4.UGC活用、代表的な4つの手法と企業事例

では、具体的にはどのような取り組みが行われているのでしょうか?
企業事例をもとに、代表的な4つのUGC活用手法をご紹介します。

4.1 企業のランディングページ(LP)やECサイトなどのオウンドメディアにUGCを掲載

LPやECサイトにUGCを掲載することにより、サイトに訪れたユーザーの購買意欲を喚起できます。また、自社サイトに来たユーザーがそのサイト内で口コミを参照できるため、他サイトへの離脱を防止する効果も働きます。制作にかかるコストを最小限に抑えた上で自社サイトのコンテンツをリッチにすることも期待できます。

緑でサラナ UGC掲載ページ キャプチャ
(左)「緑でサラナ」の初回購入用のランディングページに掲載されているUGC
(右)「緑でサラナ」の定期購入への引き上げページに掲載されているUGC

サンスター株式会社は、通販事業における主力商品である青汁「緑でサラナ」のモニター募集ページやCRM内への引き上げページにUGCを掲載することで、CVRがおよそ1.1倍〜1.3倍に向上、単月あたり1,000万円強の売り上げ貢献という成果に繋げています。

4.2 SNS広告クリエイティブとしてUGCを活用

SNS広告のクリエイティブにUGCを活用することで、SNSのフィードになじみユーザー文脈で受け入れられやすいクリエイティブを手に入れることができ、その結果、広告効果の向上につながりやすくなります。また、SNS広告では大量のクリエイティブを投下しPDCAを回していくことが求められますが、UGCを活用することにより、自社の制作リソースを使わずに大量の素材を手に入れることも期待できます。

バルクオム UGC掲載ページ キャプチャ

20~30代の男性に話題、急成長中のメンズコスメブランド「BULK HOMME」を展開する株式会社バルクオムは、SNS広告のクリエイティブにUGCを活用することで、CTR165%、CVR407%改善、CPAを約1/3に削減する成果を上げました。

4.3 SNS公式アカウントの投稿素材にUGCを活用

SNS公式アカウントの投稿素材にUGCを活用することで、SNSのフィードになじみユーザー文脈で受け入れられるクリエイティブを手に入れることができ、結果として公式アカウントのファンとのエンゲージメント向上につながりやすくなります。また、ファンのUGCを公式アカウントが紹介することにより、ファンとのコミュニケーションが発生し、結果としてファンからの愛着度が高まることも期待できます。

キリン UGC掲載ページ キャプチャ

キリン株式会社は公式Instagramアカウントの運用にUGCを活用することで素材収集の運用工数を削減、投稿数をそれまでの月3-4本から月6-7本とほぼ倍に増加させることに成功。また、いいね!やコメントなどのエンゲージメントについても、通常の素材を使った投稿と比べ、UGCを活用した投稿の方が、平均して135%と高いエンゲージメント数値を獲得できたそうです。

4.4 商品の同梱物にUGCを活用

商品の同梱物にUGCを活用することで、購入いただいた方に「他の方がどのような使い方をしているか」を知ってもらうきっかけを作ることができます。また、「自分が手にした商品が、他のたくさんのユーザーからも支持されている」と思ってもらえることで、リピートの促進にもつながるでしょう。

PostCoffeeのInstagram上のUGC
Instagram上には「Post Coffee」に関するさまざまなUGCが投稿されている。

POST COFFEE株式会社は、毎月商品に同梱している小冊子にUGCを掲載しています。掲載されたユーザーの方から「私の写真が掲載されました!」という新たなUGCが投稿されたり、冊子を見た方から「私も写真を投稿してみようかな」というモチベーションアップにもつながっていると感じているそうです。

その他にも、ECサイトの商品詳細ページにUGCを掲載したり、購入完了ページに他商品のUGCを掲載することでついで買いを促したり、顧客へのメルマガ内にUGCを掲載したり…など、さまざまな場面でUGCが活用されています。

こちらの記事に、オイシックス・ラ・大地株式会社、株式会社アテニアなど、さらに多くの企業のUGC活用事例を掲載しています。
ECの売上UPに効く、UGC活用アイデア&事例7選【新規にもリピートにも効果的!】

5.UGCをマーケティングに取り入れる3つのメリット

このように、UGCをマーケティングに取り入れることで企業は様々なメリットを得ることができます。改めてまとめると、以下の3つが主なメリットに挙げられます。

5.1 生活者目線のクリエイティブを手に入れることができる

UGCは実際に商品を使ったりサービスを体験したりした生活者のリアルな口コミそのものです。広告がもつ「企業からの一方的な押し付け感」に嫌悪感を抱く生活者が増える一方で、「生活者目線」のUGCは、信頼できるコンテンツとしての価値があります。

5.2 制作の時間とコストを抑えつつ、クリエイティブ量を確保できる

マーケティング施策の多様化や煩雑化によって、コンテンツの量と種類の担保はマーケターにとって重要な課題になっています。UGCをクリエイティブに取りいれることで、制作にかかる時間やコストを抑えつつ、大量のクリエイティブを得ることも可能になります。

5.3 商品開発や施策改善のヒントになる

UGCは生活者のリアルな声であり、生活者が何に価値を感じているのか、実生活において商品をどう使っているのかなどの、生活者心理や行動を知る大きなヒントとなります。UGCは、企業にとって商品開発やマーケティング施策の改善に活用できる貴重な資産なのです。

6.UGC活用を成功させるためのポイント

しかしながら、ただやみくもにUGCを活用するだけでは、思ったような成果に繋がらない可能性もあります。UGCをマーケティングに活用するメリットを最大化し成果につなげるには、ステップごとの成功ポイントを押さえて運用することが大切です。

6.1 UGCを収集する/UGCを生成する

UGCを活用して成果を上げるための第一歩は、UGCの収集からです。ひと口に「UGC」と言っても、その種類はさまざま。企業が考える「よいUGC」と、消費者が求める情報はずれているかもしれません。固定観念にとらわれず、まずは自社に関するさまざまな種類のUGCを収集してみましょう。

また、UGCを活用することでどんな課題を解決したいのか?によって、最適なUGCの種類は異なります。商品の「認知」を向上したいのか、あるいはある程度認知されている商品の「理解を促進」したいのか。ECサイトへの新規訪問者のCVRを向上したいのか、商品の継続購入率を上げたいのか。自社の課題にあわせて、最適なUGCは何かを考えて収集することが大切です。

マーケティングファネル  効果的なUGC

課題毎に最適なUGCは何か?を解説した記事はこちらです。
認知拡大~継続購入まで:目的毎の「効果的なUGC」とは

6.2 UGCを活用する/効果検証をする

「UGCを掲載して終わり」ではなかなか成果につながりません。従来からのインターネット広告やLPO(Landing Page Optimization)、SNS運用の考え方と同様に、UGC活用においても、きちんとA/Bテストをし、反応の良いUGCを探ることが大切です。

WAKAZE UGC系先ページ キャプチャ

日本酒D2CブランドのWAKAZEは、新規顧客獲得用のLPにUGCを掲載、LPにおけるUGCの掲載箇所や、UGCの掲載枚数、どのUGCを掲載するか、UGC掲載箇所への見出しテキストなどさまざまな要素のA/Bテストを行い最適化することで、UGC導入1カ月でLPのCVRを1.1倍にすることに成功しました。

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7.UGC活用時の注意点

また、企業が自社のマーケティングにUGCを活用するときに、注意しなければならない点もあります。

7.1 UGCと著作権

企業がUGCをマーケティングに活用する際は、そのUGCを投稿したユーザーに許可を得ることが大原則です。無断で商用に使用する行為は著作権違反につながってしまいます。ただし、モニター施策などで事前に二次活用の許諾を得ている場合は必ずしも都度許諾を得る必要はありません。

なお、InstagramやTwitterなど各プラットフォームが提供している投稿埋め込み機能を利用して自社サイトにUGCを表示する場合にも著作権侵害に当たるのか否かについてはさまざまな議論があります。ただし、米Facebook社は、アメリカ国内における「Instagramの埋め込み機能を使って記事中に投稿を表示した場合は著作権侵害に当たらない」という判例に対して、「Instagramの埋め込み機能は画像利用の権利を許可するものではない」という見解を示しています。このことから、企業がプラットフォーム社提供の投稿埋め込み機能を利用してUGCを表示する際も、原則ユーザーからの許諾を取得することを推奨します。

Instagram投稿埋め込み機能を活用してUGCを表示する場合の許諾について、詳しくはこちらの記事でも解説しています。
Instagram上のUGCをLPや広告に使いたい!ユーザーへの許諾は必要?許諾の取り方は?

また、自然発生的なUGCは企業がコントロール出来るものではなく、そのクオリティーレベルも玉石混交であり、既存メディアの二次利用など権利関係に問題がある場合もあります。そのため、企業はUGCを活用する段階で、どのUGCを活用するかをしっかり吟味することも大切です。

7.2 UGCと薬機法

もともとのUGCがユーザーによるオーガニックな投稿であったとしても、企業がそれをLPや広告クリエイティブなどの素材に活用する時点で、そのUGCは企業の表現物の一つとみなされ、薬機法の対象となります。UGCを選択する時点で十分に注意することが必要です。

7.3 UGCとステルスマーケティング

企業がインフルエンサーやモニターにUGC投稿を依頼した際に、その投稿上で企業との関係性の明示を行わない行為はステルスマーケティングに当たります。インフルエンサーやモニターにUGC投稿を依頼する際には、必ず投稿上で明確に関係性の明示を行わなければなりません。

また、UGCの良さはあくまで「生活者ならではの言葉で語られており、納得感があること」です。たとえ関係性を明示したとしても、企業からインフルエンサーやモニターに「押し付けた言葉」や「作りものの言葉」、「良い点だけ紋切り型に並べた言葉」を並べたUGCは効果がないだけでなく、企業やインフルエンサー自身のマイナスイメージにも繋がります。インフルエンサーやモニターを起用する際には、その方自身の言葉で語ってもらうことが大切です。

こちらの記事で、UGCを活用する際によく出てくる質問や注意点にまとめて回答しています。
UGC活用について、よくある質問11個に答えてみた!【マーケティング施策「あるある」一問一答】

8.UGC生成を促す3つの手法

マーケティングにおいてUGCを活用するためには、そもそも生活者からのUGCが存在しなければなりません。UGCが自然発生するのを待つだけでなく、企業自らが積極的に関与することでUGC生成を促していくことも大切です。

企業がUGC生成に関与する方法として、具体的には以下のような手法が考えられます。

UGC活用 メリットデメリット

8.1 日頃からのファンや既存顧客とのコミュニケーション

店頭での接客、通販での商品配達時の梱包や同梱物、メールマガジン、公式SNSアカウント上でのコミュニケーションなど、ファンや既存顧客とのあらゆる接点でUGCが発生するきっかけ作りをしましょう。一つ一つの顧客接点でプラスの体験を創りだすことはもちろん、ソーシャルメディア上にUGCが投稿されやすいようオリジナルハッシュタグを作って店頭に表示する、店内に思わず撮影&SNS投稿したくなるようなスペースを設ける、同梱物やメールマガジンでも投稿を促す、特定のハッシュタグのユーザー投稿を公式SNSアカウント上でも紹介するなどの工夫を続けることも必要です。

8.2 ソーシャルメディア上でのハッシュタグキャンペーン

ソーシャルメディア上で特定のハッシュタグを付けて投稿したユーザーに抽選で賞品をプレゼントするキャンペーンを行うことでUGC生成を促す方法も有効です。キャンペーンの企画設計に工夫が必要であり、インセンティブを用意したり特定のツールを用意するためのコストもかかりますが、短期間で多くのUGCを生成できます。

8.3 インフルエンサー施策

ソーシャルメディア上で影響力を持つインフルエンサーに商品を体験した感想や写真をSNSに投稿してもらうことでUGCを生成する手法もあります。ただし、ステルスマーケティングにならないよう関係性の明示をしっかりと行うよう注意しましょう。また、一度に同じようなインフルエンサー投稿が大量に発生した場合などは逆に消費者からの反感を買う可能性もあるため、きちんとブランドを理解し信頼関係をもって案件を進められるインフルエンサーへの依頼を行うことが重要です。

UGC生成手法についての詳細と各手法を実践している企業の事例はこちらの記事にまとめていますので、あわせてご覧ください!
【事例で解説!効果的なUGCの増やし方】認知拡大から継続購入まで、目的に応じたUGC生成方法とは】

8.4 UGCが生まれやすい商材/生まれにくい商材

商材によってUGCの生まれやすさには違いがあります。

一般的に、食品、飲食店、電化製品、書籍、音楽、旅行など日常の会話で話題にあがりやすいものや、アパレル、化粧品、車など自己表現の一環としてアピールできるものは、UGCが生まれやすい傾向にあります。

一方で、こっそり使用したいコンプレックス商材や、日常でもあまり話題に上ることのない商材はUGCが生まれにくいと言えます。

自社商品がUGCの生まれやすい商材なのかどうか判断するには、実際にInstagramやTwitterなどのSNSでハッシュタグ検索をしてみることです。また、すでに投稿されているUGCの内容を確認し、生活者はどのようなモチベーションで口コミを投稿しているのか研究することも大切です。生活者視点に立ってみることで、どうしたらよりUGCが生成されるのかのアイデアが湧いてくるはずです。

9.まとめ:UGCはマーケティングにおいて欠かせない存在に

コロナ禍により人との対面のコミュニケーションが減少、さらなるデジタル化が進む現代において、UGCは信頼できる情報源としてますます価値が高まると考えられます。企業は、UGCを大切な資産と捉え、それをさらに増やし、既存のマーケティングに上手に取り入れていくべきです。

なお、UGCマーケティングの根幹にあるのは「生活者の感情」であり、感情を動かす「商品・サービス」そのものです。商品・サービスに満足する、感動する、驚くなど、生活者の感情が動くからこそUGCが生まれますし、そのUGCに感情を動かされる生活者が出てくるのです。

商品、梱包、配送、カスタマーサービス、宣伝活動、メルマガ、店頭など全ての顧客接点で一貫してプラスの体験を生み出すことができているかを改めて振り返り、改善を続けることで、UGCを起点に「顧客が顧客を呼ぶ」仕組みを構築していくことができるでしょう。

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