「ファンが増えているのにファンの反応が薄くなっていく、そもそも投稿がファンに届きにくい」ということはありませんか。今回はファンが増えても盛り上がるFacebookページ運用のポイントをお伝えします。

 
こんにちは、SMM Lab ゲストライターの柴です。
あなたのFacebookページのコンテンツが、どれだけの人に見られているか把握していますか?
ファンの数だけを増やしても、日々のファンとのコミュニケーションが充実していなければファンはページから離れて行きます。しまいにはファン数の増加に反比例して、投稿がファンに届かなくなってしまったというページも少なくないのです。
では、ファンが増えても盛り上がるFacebookページ運用には、どのようなポイントがあるのでしょうかラッシュジャパン (Lush Japan Co., Ltd.)のFacebookページを例に考えていきたいと思います。
ラッシュジャパン カバー写真
 

キャンペーンや投稿内容の工夫でページが成長

 
ラッシュジャパンの現在のファン数は51, 967人、週間の話題にしている人は4, 043人います。(2013/5/30現在)つまり1週間で全ファン数の約7.8%にあたる数の人が、何らかの形でラッシュジャパンのFacebookページをシェアするような行動をしているということになります。
この数値は、5万人を超える国内のFacebookページのなかでは、高いほうなのです。
また、1投稿あたりのリーチは47, 891人(2013年4月実績※アルバム投稿を除く)です。1回の投稿で5万人に近い人に見てもらえると考えると、ラッシュジャパンFacebookページの価値の高さを感じますよね。
好調に見えるラッシュジャパンのFacebookページですが、過去には苦戦していた時期があったのです。
下のグラフをご覧ください。2011年に始めたFacebookページも、2012年の6月まではリーチ数の伸びがかなり緩やかでした。しかし、2012年の7月からリーチ数が一気に増えていることがわかります。

▲ラッシュジャパン (Lush Japan Co., Ltd.)のFacebookページ ファン数・リーチ推移

合計リーチは2012年7月以降、途中の高低はあるものの全体的には右肩上がりです。オーガニックリーチが伸びていることから、ページ自身の力だけでファンに投稿を届けられる状態まで成長していることがわかります。
実はこの成長の裏には、ファン活性化のためのキャンペーン実施投稿内容のテコ入れの2つの取り組みがあったのです。
 

ファン活性化のためのキャンペーン

 
ラッシュジャパンでは、2012年の6月末からコンスタントにキャンペーンを実施するようになりました。キャンペーンといっても、プレゼントを乱発して無理に新しいファンを増やすようなものではありません。コンテストやアンケートなど、ファンとの関係性が深まるような工夫がされているキャンペーンなのです。
 

『商品の名付け親になろう』キャンペーン

数量限定や季節限定商品のなかで、特に人気の高かったものを通常商品化にするときに、ファンから新しい名前を募集するというキャンペーンです。ファンが応募する際には商品について知り、考えるぶん、その商品を欲しくなったり、ラッシュを身近に感じたりする効果があります。

ラッシュ商品の名付け親になろう!▲ラッシュ商品の名付け親になろう!『真冬の晩餐』キャンペーン

 
このタイプのキャンペーンは何回か行われていますが、なかでも上記の『真冬の晩餐』の新しい名前を募集したキャンペーンは参加者数が1, 155人と最も多かったものです。応募作品を見ると参加者の想いがこもったものが多く、キャンペーンの効果を実感することができます。
 

アンケート形式のキャンペーン

ホワイトデーの時期には「誰にどのギフトをプレゼントしたいか/してほしいか」を男女別にアンケートをとったキャンペーンを実施しています。旬なタイミングで、多くの商品の存在を知ってもらったり、興味を持ってもらうきっかけになりますね。しかも、アンケート結果は商品を選ぶときの参考になるため、商品購入の後押しとしてラッシュのサイトや店頭でも活用していたのです。

ラッシュジャパン ホワイトデー▲ラッシュのサイトからFacebookページへの導線

ラッシュのサイトから直接Facebookページのアンケート結果にリンクしているので、ラッシュ好きなお客さまが新たにFacebookページのファンになることもあったでしょう。つまりファンになった後に、Facebookページを活性化してくれるポテンシャルが高いファンを増やすという効果があるわけです。
 
そのほか、環境保全をテーマにファンから普段行っているGreenな活動を募集したり、商品の写ったフォトコンテストを行ったりと、応募後も記憶に残るようなキャンペーンを行っています。ファン数5万超えのときには、ラッシュ工場見学にご招待するというファンが喜ぶキャンペーンもあり、いずれもファンが活性化するようなものばかりなのです。
 

投稿内容のテコ入れ

 
2012年はじめのラッシュジャパンのFacebookページでは、(宣伝にも見えてしまうような)商品のお知らせや、メディア掲載のお知らせが並んでいました。投稿タイプも画像より、文章とリンクのみのものが多く見受けられました。

ラッシュジャパン投稿▲2012年7月以前の投稿

 
しかし、同年の2、3月あたりから徐々に画像投稿がメインになりコンテンツ・表現ともに変化を見せます。
工場の様子や、ジュニア野菜ソムリエのコラム、今日は何の日?など色々なコンテンツが誕生します。宣伝・お知らせから、ファンが見て読んで興味を持つようなコンテンツが増えたのです。
 

ラッシュジャパン投稿2▲画像を使い、多様なコンテンツを投稿するようになった

 
注目したいのは商品紹介の表現が大きく変わったこと。キャプチャ右の「今日は何の日?」では、単なる出来事の説明に終わらず、自然なかたちで商品の話につなげています。突然商品の話から始まると宣伝色が強くなりますが、「今日は何の日?」というコンテンツにすることで読み物になり宣伝色が薄まるのです。
 
また、最近では「キッチンクイズ!」というシェフから商品にまつわるクイズを出す投稿を始めました。答えがわかったら、「分かった!」と書き込むようにお願いしていて、コメント数も2桁はついています。

ラッシュジャパンクイズ投稿▲ファンからのコメントが集まっているクイズ投稿

これまでは読んで終わりの投稿が多かったのですが、クイズの投稿をするようになってからはコメントが増え、ファンとの会話が生まれています

 

今いるファンとの関係性を大切に

 
ファン活性化のためのキャンペーン実施と投稿内容のテコ入れにより、冒頭でご紹介したとおりFacebookページのリーチは増加しています。
しかし、それだけではありません。こちらのグラフをご覧ください。話題にしている人が増えただけでなく、話題にしている人ひとりあたりのアクション数も増えています。

要は、アクションをしてくれるファンとラッシュジャパンのページの関係性は、より密なものになっているのです。だからこそクチコミが増え、新たに親和性の高いファンを呼び寄せ、Facebookページがさらに盛り上がっていくという好循環になっています。
新規ファンの数だけを集めてページ拡大をはかるのではなく、ファンの活性化のためのキャンペーンを行うこと。日々の投稿によりファンとのコミュニケーションを取ること。この2つを両輪でまわすことでラッシュジャパンのFacebookページは盛り上がり続けているのです。そして、その2つに共通するポイントは、今いるファンとの関係性を大切にしているということなのです。
あなたも、まずは今いるファンのために何ができるかを考えてみませんか。
 


<ライター紹介>
柴 佳織 (Kaori Shiba)

企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。
 
 
・Facebookプロモーション国内事例集 http://fbsample.blog.fc2.com/
・Facebookプロモーション国内事例集(FBページ)https://www.facebook.com/case.japan
・インサイトスコープ 数字から見えるFacebookのムコウ側 http://www.insight-scope.com/


 
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