バンドワゴン効果とは

日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?

ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。

バンドワゴン効果とは
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用語説明

バンドワゴン効果(Bandwagon Effects)

バンドワゴン効果とは、ある製品・サービスを支持する人が多ければ多いほど、顧客がその製品・サービスによって得る満足・安心感が増加する効果のこと。また、流行しているという空気を醸成することによって、その製品・サービスへの支持は一層強くなること。政治学においては、マスメディアなどの選挙予測報道などで優勢とされた候補者に有権者の投票が集まる傾向にある現象を差す。
バンドワゴンとは「行列の先頭の楽隊車」のことであり、勝ち馬に乗る・時流に乗る・多勢に与する、といった意味がある。アメリカの経済学者、ハーヴェイ・ライベンシュタイン(Harvey Leibenstein)が提唱。

ヒット商品はますますヒットする?!バンドワゴン効果の法則

あなたも、店頭で「今話題の商品!」「ロングセラー商品」「当店人気No.1」などの表示を目にし、思わず商品を手にした経験があるのではないでしょうか?「友達の間で流行っているから」「会社の人が皆使っているから」という理由で商品やサービスを選択したり、雑誌やテレビで「流行」と言われているファッションに身を包んだり、また、行列のできるお店に思わず並んでしまった経験もあるでしょう。
このように、ある製品・サービスに対する需要が大きいほど、個々人のその製品・サービスに対する需要も大きくなる現象をバンドワゴン効果と言い、この心理の背景には「個人の判断よりも集団の判断が正しい」という思い込みがあると考えられています。
同現象を発表したアメリカの経済学者ライベンシュタインは、同じ論文の中で、バンドワゴン効果とは逆に「多くの人の需要がある場合、個々人のその製品・サービスへの需要が小さくなる現象」、つまり「同じような製品が氾濫し、他人とは違うものを持ちたくなる現象」を「スノッブ効果」として発表しました。
また「製品の価格が高まれば高まるほど、個々人のその製品・サービスへの満足度が高まる」現象を「ヴェブレン効果」として発表、いわゆる高価なブランド製品が売れる現象は、このヴェブレン効果として説明されます。
これら、自身の消費欲求が「外部要因」によって左右される3つの現象、

つまり

  • バンドワゴン効果:流行性
  • スノッブ効果:希少性、差別化
  • ヴェブレン効果:プレミアム感、高価なもの

をいかに上手く取り入れるかは、マーケティング活動において大変重要なポイントであると言えます。

ソーシャルメディアの隆盛で、さらに「友達」の影響力が増す

ソーシャルメディアが隆盛した今、これら3つの効果を上手く活かすためには、企業側による「製品の建てつけ・見せ方の工夫」や、マスメディアや店頭等を通じた情報の発信や伝達のみならず、「消費者の間でいかに語られるか」が重要なポイントと言えるでしょう。
中でも、実際の「友達」の間で「流行している」「貴重なものとして評価される」ことは、消費者の意思決定に大きな影響を及ぼすと考えられます。2011年のニールセン調査によれば、テレビ広告を信頼すると答えた人は全体の47%にとどまった一方で、知人からのお勧めを信頼すると答えた人は92%にも上りました。
消費者の「情報」に対する向き合い方が従来とは変わってきた今、改めて自社製品の消費において「外部要因性」が適切に働いているかを見直すことが必要ではないでしょうか?

イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ