訪日観光客の急増によって、インバウンド市場が大きく盛り上がり始めています。旅費以外でのインバウンド需要も増えており、企業マーケターにとってもインバウンド施策は「待ったなし!」のタイミング到来。まずは現状データから「インバウンドの今」を知ることから始めましょう!

 
【インバウンド需要を狙うマーケター必見】訪日観光客の今を知る!5つの基本情報
 
こんにちは、アライドアーキテクツの小川です。
連日各種メディアを賑わし、今、最も注目の集まる分野の一つ「インバウンド(訪日観光客)施策」。
街中では観光客の姿をよく目にするようになり、店頭で現地語の案内を表示したり、観光客向けの窓口を置いたり、訪日観光客向けの対策をするお店や企業も増えてきました。
これから「恐らくインバウンド需要が益々伸びてくるだろう…」と思いながらも、まだいまいち現状を把握できていない、そんな企業の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、まずは「インバウンド(訪日観光客)」の今を知るための基本情報を、5つの質問形式にまとめてお伝えします。
なお、今後、SMMLabでは、各社インバウンド先進企業の取り組みや、参考になるインバウンドプロモーション事例まとめなど、【インバウンド(訪日観光客)プロモーション】に役立つ情報を定期的に発信していく予定です。ぜひご期待ください!
 

1.どれくらいの人数が来ているの?

 
日本政府観光局(JNTO)の統計データによりますと、2015年1-9月の訪日外客数は既に1, 448万人に上っており、2014年1年間の訪日外客数1, 340万人を既に上回っています。
日本政府は2020年までに「訪日外客数年間2, 000万人」の目標を掲げていますが、すでに今年中にも達成しそうな勢いであり、今後、この政府目標を「3千万人超に引き上げると見られる」と報道されています。
なお、現在の日本の外国人観光客数は、これでも世界で22位、アジアで7位にとどまっており、政府は「日本の潜在的魅力と経済規模を考えれば、欧州並みの水準は可能だ」としています。(参考:世界最大の観光客受入国はフランスで、年間8, 370万人。アジアではトルコが最大で年間3, 981万人です。)
<参照>
日本政府観光局(JNTO)統計データ
http://www.jnto.go.jp/jpn/reference/tourism_data/visitor_trends/
政府が外国人観光客3千万人超に向け初会合
http://www.sankei.com/politics/news/151109/plt1511090014-n1.html
世界各国、地域への外国人訪問者数ランキング(JNTO)
https://www.jnto.go.jp/jpn/reference/tourism_data/visitor_statistics.html
全体
1位:フランス(8, 370万人)
2位:米国(7, 475万人)
3位:スペイン(6, 499万人)
アジア
1位:中国(5, 562万人)
2位:トルコ(3, 981万人)
3位:香港(2, 777万人)
 

2.どこから来ているの?

 
2015年1-9月の訪日外客数1, 448万人の国別内訳は以下の通りとなっています。
1位:中国(383万人)
2位:韓国(285万人)
3位:台湾(277万人)
4位:香港(110万人)
5位:米国(75万人)
6位:タイ(54万人)
7位:豪州(26万人)
8位:英国(19万人)
9位:マレーシア(18万人)
10位:フィリピン(18万人)
なお、昨年同期間伸び率で見ると、中国からの観光客が114.6%増と断トツの数値となっています。
<参照>
日本政府観光局(JNTO)統計データ
http://www.jnto.go.jp/jpn/reference/tourism_data/visitor_trends/
 

3.訪日観光客の訪問先は?

 

観光庁 訪日外国人消費動向調査(平成27年7月~9月期)概況グラフ出典:観光庁 訪日外国人消費動向調査【トピック分析】平成26年訪日外国人観光客の地方訪問状況 表2
http://www.mlit.go.jp/common/001107179.pdf

 ※クリックすると拡大できます

 
2大都市圏(首都圏:東京/神奈川/千葉/埼玉 及び 近畿圏:大阪/京都/奈良)のみ訪問した観光客は44%なのに対し、2大都市圏含めて地方も訪問した割合は56%に上っており、今後の地方活性化のキーワードとして期待が寄せられます。なお、全体の28%は「地方のみ」訪問しており、北海道や沖縄などの訪問率が高い状況です。
出身の国によっても、
台湾旅行客:北海道への訪問率が高い
豪州旅行客:北海道と長野に集中
など、特色が分かれているのも興味深い点です。
<参照>
観光庁 訪日外国人消費動向調査(平成27年7月~9月期)
http://www.mlit.go.jp/common/001107179.pdf
 

4.どれくらいの金額を何に消費している?

 
2015年7-9月期の訪日外国人全体の旅行消費額は1兆円を超え、前年同期(5, 505億円)に比べ、81.8%増加しました。なお、今年1年間で、最終的に3兆円に到達するだろうと言われています。
 
観光庁「訪日外国人消費動向調査 平成27年7-9月期の調査結果(速報)」図表4

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査 平成27年7-9月期の調査結果(速報)」図表4
http://www.mlit.go.jp/common/001106997.pdf

 
国別・地域別に見ると、以下の内訳となっており、上位5カ国で全体の80.9%を占めている状況です。
1位:中国 4, 660億円(構成比46.6%)
2位:台湾 1, 389億円(同13.9%)
3位:香港  800億円(同8.0%)
4位:韓国  799億円(同8.0%)
5位:米国452億円(同4.5%)
中国が最も大きく、全体の半数近くを占めています。
なお、訪日外国人一人当たりの旅行支出は181, 334円(観光・レジャー目的のみの訪日観光客の場合)。
この内訳は宿泊費44, 954円、飲食費30, 320円、交通費21, 335円、娯楽サービス費6, 438円、買い物代78, 224円、その他59円となっており、前年同期比で見ると、買い物代(前年比50.8%増)、娯楽サービス費(同54.7%増)、交通費(同30.5%増)の伸びが顕著です。
この中でも、国によって、「何に消費しているか」の割合がかなり異なっており、中国・台湾からの観光客が「買い物」に費やす金額がかなり高い点に要注目です。
百貨店は、このインバウンド需要の伸びに牽引されて純利益が伸びており、「三越伊勢丹の4~9月は純利益が前年同期比78%増」と発表されています。
<参照>
観光庁 訪日外国人消費動向調査(平成27年7月~9月期) P4【参考2】
http://www.mlit.go.jp/common/001106997.pdf
三越伊勢丹の4~9月、純利益78%増 訪日外国人がけん引
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/gyoseki.aspx?g=DGXLZO9379242009112015DTD000

5.訪日前・訪日中の情報収集手段は?

 
様々な媒体から情報を収集していますが、訪日前は、旅行ガイドブック、友人・知人からのクチコミ/ブログ/SNS、日本政府観光局などの情報サイト、訪日中は、旅行ガイドブックに加え、無料情報誌や観光案内所、無料パンフレット・小冊子等が上位にきています。
なお、こちらのレポートでは、実際の「訪日経験」についても出身国別に詳しく調査されています。
<参照>
日本政策投資銀行 アジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査(平成27年度版)
http://www.dbj.jp/pdf/investigate/etc/pdf/book1510_01.pdf
 
訪日観光客はこれから益々増える見込みであり、地方も含めた経済活性化に期待がかかっています。
訪日観光客の買い物意欲を捉え、クチコミで評判が広がっていくことで、実際にかなりの実績を上げる事例も増えてきています。
まさに訪日観光客(インバウンド)への対策は「待ったなし」の状況。
日本国内だけでなく世界の消費者に向けて自社の商品をアピールしていくチャンスが到来しています。
この波にうまく乗るために、今から準備を始める必要があるのではないでしょうか?
 
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