【SNS活用の最新事例】事例まとめ

近年、SNSを活用したマーケティングの枠組みは大きく進化しています。ただ情報を発信するだけではなく、ユーザー自身によるUGC(コンテンツ生成)や、縦型ショート動画のようなビジュアル重視のコンテンツが、ブランドコミュニケーションの中心に据えられるようになりました。

こうした背景の中、TikTokやX(旧Twitter)は、ユーザーの日常に溶け込みつつ、企業がターゲット層との深い関係性を構築するための強力なプラットフォームへと成長しました。それぞれのプラットフォームでの戦略的なコンテンツとUGCを活用することで、多くの企業が高いエンゲージメントを生み出しています。

特に若年層をターゲットにするケースでは、短時間で「面白い!」「ちょっと試してみたい!」と感じさせるインパクトのある動画や投稿が鍵となります。本記事では、TikTokやXといったSNSでUGCやショート動画を効果的に活用し、成果を上げた企業の具体的な事例をご紹介します。

アサヒ飲料株式会社:
TikTok122万再生・Instagram635.5万再生を達成!縦型ショート動画で成果を出すための活用テクニック

アサヒ飲料は、Z世代との接点強化を目的に縦型ショート動画の活用を開始し、TikTokおよびInstagramで大きな成果を上げました。2024年5月に開始したTikTok運用では、最新トレンドと「開始2秒で視聴者を引き込む」映像表現を取り入れた戦略的な投稿により、初月で122.2万再生を達成。その成功を他プラットフォームにも展開し、Instagramでは三ツ矢サイダーを活用した「スイカゼリー」の初投稿が635.5万再生を記録。加えて、サメスイカを器に用いた動画は913.9万再生を突破するなど、複数のオーガニック投稿でバイラルを実現しています。

また、同一の動画を複数の媒体で活用する取り組みにより、一部プラットフォームで低パフォーマンスだった動画が他媒体で高い反応を得られ、媒体間での柔軟な活用メリットが明らかになりました。本事例は、縦型ショート動画の継続的活用と多媒体展開の重要性を示す好例となりました。


参照:アサヒ飲料でTikTok122万再生、Instagram635.5万再生突破!アライドアーキテクツが支援する、媒体に最適化した縦型ショート動画の活用法とは

カクヤス、鍛高譚:
総参加数10万超!企業コラボで成功するX(Twitter)活用術と効果を最大化するポイント

酒類販売大手「カクヤス」と焼酎ブランド「鍛高譚」がタッグを組み、X上で実施した企業コラボキャンペーンは、総参加数約10万人、新規フォロワー計約1.3万人を記録し、大きな成功を収めました。このキャンペーンは、鍛高譚がカクヤスの利便性や配達サービスをアピールしつつ、自らのブランド認知を広げることを目的に企画されました。
具体的には、両社アカウントをフォローし、鍛高譚の該当ツイートをリポストした参加者に、抽選で「TANTAKATAN SHISO梅酒」とカクヤス限定商品のセットをプレゼントする仕組みで展開されました。

その結果、キャンペーンは総インプレッション数約75万を記録し、両社ともに認知度向上やフォロワー増加という成果を得ることができました。さらに、異業種コラボが生むストーリー性が生活者に響き、大きな相乗効果を生む可能性を示す、SNSマーケティングの新たな事例となりました。

カルビー株式会社:
投票数約72万を達成!店頭販促とSNSを連携させる成功の秘訣とは

カルビー株式会社はX(旧Twitter)を活用し、SNS戦略と店頭販売を連携させた新たなプロモーションとして「カルビー総選挙」を実施。投票総数約72万、Xキャンペーンからマストバイキャンペーンページへの送客数約44万を記録し、購買転換にも大きく貢献しました。

施策は2段階構成で第1段階では、X上で誰でも参加可能なオープンキャンペーンを展開し、「拡散性の高い投稿+インスタントウィン形式」で高いエンゲージメントを獲得。第2段階では実店舗での購入を促すマストバイキャンペーンを実施しました。また、UGC創出やキャンペーン参加者同士のコミュニケーションを活性化した点も、「総選挙」形式が持つSNSとの相性の良さを活かしています。キャンペーンの結果、購買行動に至った参加者が18%いることを可視化することに成功。この取り組みは、「フォロワー獲得」「UGC創出」「購買行動」の各プロセスを連携させ、SNSを活用することができた事例となっています。

YBC ヤマザキビスケット:
インプレッション数800万&レシピ投稿4,000件超!TVCM施策を成功させるX(旧Twitter)×UGC活用術

ヤマザキビスケットは、ルヴァンシリーズのリニューアルに伴う販促強化を目的として、新CM放映後にXを活用したプロモーションを実施。フォロー&RTのインスタントウィンキャンペーンに加え、Wチャンスとして「おすすめの食べ方」を添えた引用ツイート(UGC)投稿を条件にしたキャンペーンを展開しました。その結果、約4,000件以上のレシピ投稿が集まり、UGCを活用したコミュニケーションによりキャンペーン投稿の総インプレッション数を約800万に到達させました。公式アカウントがUGC投稿を引用ツイートすることで、エンゲージメントを高め、X内での効果を最大化させました。

また、UGC投稿を通じたユーザーとの対話がXアルゴリズム上のスコア向上にも寄与し、多くの投稿がタイムラインに表示される形でクチコミの規模拡大に効果を発揮。この施策は、テレビCMのリーチをデジタルで補完し、UGCを活用して購買意欲を喚起する循環型プロモーションの模範例となりました。

カルビー株式会社の「かっぱえびせん」:
参加者の約10%を誘引!カルビー「かっぱえびせん」に学ぶX(旧Twitter)を活用したマストバイキャンペーン成功の秘訣

カルビー株式会社は、「かっぱえびせん」のマストバイキャンペーンで新たな集客チャネルを模索する中、Xを活用した施策を展開しました。従来、自社キャンペーンサイトへは店頭施策を通じての参加者が中心でしたが、より広範囲な集客を目指して、同社はフォロー&リツイート形式のインスタントウィンキャンペーンを実施。この施策では応募後の抽選結果確認時に、マストバイキャンペーンを告知する自社サイトへ誘導する仕組みを導入しました。

結果、自社サイトへの約5.3万クリックの送客に成功し、マストバイキャンペーン応募者のうち約10%をX経由に誘導しました。さらに、X投稿の総インプレッション数は約685万を記録。既存フォロワー約40万人の拡散力を活かし、自社サイトを購買促進の動線として機能させたことで、SNSでのエンゲージメントの向上にも繋がっています。

まとめ:SNSマーケティングの今後を掴み取るために

この記事でご紹介した事例は、UGCやショート動画を駆使してSNSを最大限に活用することで、どのように消費者との距離を縮められるかを示しています。それぞれの成功ポイントを振り返りつつ、次の重要な学びを得ることができます。

1. UGCの力で親近感を拡大

ユーザー自身が参加したくなるような仕組みづくりが鍵となります。特に、食べ方や使い方について投稿するような、日常の身近な行動を促すキャンペーンはUGCを自然に広げ、ブランドの魅力をユーザー自身の視点で捉えやすくします。

2. 複数プラットフォームの活用で効果を最大化

TikTokやInstagramに加え、拡散力が強いX(旧Twitter)などさまざまな媒体を活用し、1つのコンテンツを多面的に展開することで、より幅広いユーザー層へ効果的にリーチできます。「あるプラットフォームでは再生されなかった動画が、別のプラットフォームでバズる」といった柔軟な戦略も効果的です。

3. 継続的な運用と分析が成果につながる

SNS施策における成功は、一度のヒットだけでなく、継続的な運用を通じた検証と改善の積み重ねによって実現します。限られたリソースの中でもPDCAサイクルを繰り返し回すことで、効果を持続的に高められます。このプロセス自体が、SNSマーケティングの成功の鍵となります。

SNSマーケティングは、従来型の広告手法に比べてリスクが少なく、即効性や柔軟性が特長です。一方で独自のクリエイティブな発想や、ターゲット層に寄り添ったコミュニケーション設計が求められます。そのため、自社の創意工夫を磨く絶好の機会にもなります。

これらの成功事例をヒントに、自社ならではの「SNSマーケティング成功の方程式」をぜひ構築してみませんか?