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D2Cは原価度外視の初期投資がカギ。DINETTE尾崎氏が語る新しいコスメブランドの形とは?

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投稿日: 2020年1月21日

2017年よりビューティー特化型動画メディア「DINETTE」を立ち上げ、「ファンと距離の近いメディア」を作り上げてきたDINETTE株式会社。 そんな同社が満を持してローンチしたD2C(※)コスメブランドが「PHOEBE BEAUTY UP」です。

「ファンとのコミュニケーションを重視し、共にブランドを育てていきたい」と語るDINETTE株式会社。そこにはD2C型ビジネスを展開する同社ならではの、新しいマーケティングの形がありました。

今回は、そんなD2Cコスメブランドならではのマーケティング論から、ブランドの今後の展望まで、DINETTE株式会社 代表取締役社長CEO 尾崎美紀氏にたっぷりとお話をお伺いしました。

(※)D2Cとは:
「Direct to Consumer」の略。生活者に対して製品を直接販売するビジネスモデルを指す。従来メーカーは店舗などリアルな販路を前提とする一方で、D2Cメーカーはデジタルで完結することが前提となっており、顧客の声や行動などのデータの取得・分析を自社でクイックに行い、すぐに商品や販促の施策に反映して改善していけることが特徴。

DINETTE インタビュー

Topics

ファンの悩みに寄り添う「PHOEBE BEAUTY UP」のプロダクト作り

-まずはじめに、御社のブランドである「PHOEBE BEAUTY UP」について教えてください。

尾崎:もともと弊社は2017年4月頃よりビューティー特化型動画メディア「DINETTE」を運営していました。そのなかで、ファンと距離感の近いメディアに育てていくため、SNS上でのリプライ・DM返信などのライトなコミュニケーションや、メディアを見ていてくれている方々が求めている内容のコンテンツ化などの施策に注力してきました。

そしてInstagramやTwitterにファンがある程度ついてきてくれたタイミングで、ファンとの距離の近さを活かしたブランドを立ち上げたいと、2019年2月に「PHOEBE BEAUTY UP」をローンチしました。プロダクトとしては現在、第一弾としてまつげ美容液、第二弾としてフェイシャルマスクをリリースしています。

 

-ファンとの距離の近さを活かしたブランドとのことですが、どういった点に活かされているとお考えですか?

尾崎:ファンとの距離の近さによって、弊社はメディアでファンの皆様が普段どんな美容の悩みを抱えているのかを知ることができます。こうしたファンのお悩みに寄り添ってプロダクトを作り、ブランドを育てていけるのが私たちの強みです。

実際これまでも、SNSでいただいたお客様のフィードバックからまつげ美容液のブラシを改良したり、同梱物をSNSとの親和性が高いように工夫したりなどの施策を実施してきました。これからも、「少しニッチなんだけど本当にあってよかった」と思っていただけるような、ファンに寄り添い、美容の悩みを解決できるプロダクトを作っていきたいです。

DINETTE株式会社 代表取締役 CEO 尾崎 美紀氏
DINETTE株式会社 代表取締役 CEO 尾崎 美紀氏
名古屋出身。旭丘高校、中央大学総合政策学部卒。大学在学時に芸能活動を行い、美容に触れる機会が増え自身も興味を持ち始める。就職活動で大手企業から内定を貰うが、自分のやりたいことのために起業を選択し2017年3月大学卒業とともにDINETTE株式会社を設立。2019年2月にコスメブランド『PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティアップ)』をスタート。

 

-確かに、これまでリリースされているまつげ美容液、フェイシャルマスクともに、美容の悩みを解決するような商材ですね。

尾崎:はい。さらに、今年は、同様のお悩み解決系の複数プロダクトを一気にリリースする予定です。現在有難いことに、「PHOEBE BEAUTY UP」というブランドに注目をいただいています。その勢いを保ったままブランドを拡大し、いずれはメイクアップ商材までラインナップを広げてきたいと考えています。

 

「お客様の悩みが起点」DINETTE流D2Cコスメのマーケティング

-ありがとうございます。御社はいわゆるD2C型のビジネスを展開されています。これまでのブランドコスメとのマーケティングの違いについてどうお考えでしょうか?

尾崎:これまでは、ブランドが出したいプロダクトや世界観が先行しているケースが多い印象があります。まずブランドが出したいプロダクトを作り、その次にマーケティングでそれを購入してもらう施策を行う形が多いのではないでしょうか。シリーズごとにプロダクトのラインナップ数が多いのも、お客様からの要望というよりはブランドコンセプトが先行しているためかなと思います。

弊社の場合は反対で、まずお客様の声を聞くことが先行しています。そのお悩みに基づいてプロダクトを作り、その悩みをもつお客様にそのまま届けていくという流れが弊社のマーケティングの理想です。お客様と一緒に、お客様が本当に望むプロダクトを作り、寄り添いながらブランドを育てていきたいという思いがあります。

 

-お客様の悩みがプロダクト・ブランドの起点になっているということですね。

尾崎:はい。弊社はメディア発のブランドです。そして初期のころから変わらずに、SNS上ではフォロワーさんのちょっとした疑問やお悩みに対して、コメントバックやDM返信などを通じて丁寧にお答えしていくことを心がけてきました。

こうしたコミュニケーションの積み重ねによって、フォロワーさんも「DINETTEに聞いたら答えがかえってくる」や、「DINETTEのアンケートだから答えてみようかな」、といった気持ちを持ってくれていると感じています。

実際に、私たちのSNSアカウントは、アクティブなフォロワーさんが多いのが特徴です。
Instagramのストーリーの閲覧数やリアクション数も多く、アンケートにも結構な母数の回答をいただいています。

DINETTE Instagramアカウント
PHOEBE BEAUTY UPとDINETTEのInstagramアカウント。どちらもユーザーに気軽に質問を呼びかけている。また、DINETTEのストーリーではユーザーの質問を募集し定期的に答えるコミュニケーションも行なっている。

 

尾崎:また、SNSは複数のアカウントを持つことができますよね。そのため、普段のSNS投稿ではさらけ出せないような本当の悩みも、知られたくない人に知られない形で発信することができます。

そんなSNSの特徴と、これまで蓄積したフォロワーさんとの信頼関係が相まって、私たちは彼女たちが「”本当に”悩んでいること」を拾い、それをプロダクトにするという流れを作ることができているのではと思います。

 

-その関係性によってプロダクトができているんですね。

尾崎:ありがとうございます。私たちが提供しているのはメディアであって人ではないんですけど、メディアを見てくれている人たちにとって、頼れるお姉さんのような人、相談できる人、といった立ち位置でありたいなと思います。

 

-こうしたファンとの関係性の深さに基づいたブランド作りは、これまでのやり方とは違う点ですね。

尾崎:そうですね。今までですと、まずブランドをローンチしてプロダクトが完成してからそのPRのためにSNSのアカウントを開設しているイメージがあります。

弊社の場合は、まずSNSが先にきています。あくまでメディアとSNSを通じてファンとの関係性を築いた上でブランドを立ち上げていますので、そこが大きく違う点だなと感じています。

DINETTE株式会社 尾崎 美紀氏

D2Cブランドにとって「ファンの熱量を高める」意義とは?

-ありがとうございます。そういったこれまでのコスメブランドとの違いをふまえて、改めて御社がマーケティング施策で大切になさっている点についてお聞かせください。

尾崎:ファンの方からの信頼感やその関係性の上に立ち上げたブランドですので、こちらからの一方的なコミュニケーションにならないようにしたいと考えています。押し売りしない、みたいな(笑)

実は弊社のプロダクトは原価を度外視しているんです。

これまでのブランドさんは、まずブランドの世界観を育て、お客様にとっての憧れの対象になるような、ブランド力を高める施策に注力されてきたと思います。そのブランド力があるので、「そのブランドが好きだから」という理由で商品を買って頂ける場合が多いのではないでしょうか。

それに対し、我々はまだそこまでのブランド力がありません。お客様のニーズに合ったプロダクトと、納得していただける品質があってはじめて、商品を手にとってもらえると考えています。まして、私たちのプロダクトはファンの声発信で作っているものですので、内容も価格もその期待を裏切ってはいけないと強く感じています。

そこで、一般的な原価の相場をいったん考えず、お客様が納得するクオリティにするための初期投資は惜しみなく行い、お客様に納得して購入していただける価格設定にしています。

そして、こうした価格設定やプロダクトの開発ができるのも、ファンとの関係性の賜物かなと思っています。

というのも、もともと、メディアやSNSで築いてきたファンの基盤があるので、プロダクトをリリースした初期段階ではあまり広告宣伝費をかけずにファンとのコミュニケーションのなかで売り上げを伸ばしていくことができるんです。それに伴ってだんだん原価も合わせていくことができます。

もちろん限界がくれば獲得のための広告施策も行いますが、初動の広告費をプロダクト開発の部分に回せるのは強みだなと思っています。

 

-やはり、何よりファンからの信頼やファンとの関係性が大切なんですね。しかし、SNS上の1to1の返信といったファンとの関係性を築くような施策については、リソース不足からなかなか踏み切れない企業も多い印象があります。御社の場合はいかがですか?

尾崎:はっきり言って弊社もリソース面は厳しいなかで施策を行なっています。ただ、何よりも「熱量の高いファンづくりをしたい」という強い思いがあるので、とても優先順位が高いんです。

私たちのような新しいブランドは老舗ブランドと比べ、認知度はまだまだ足りないですし、何年もずっと愛用していただける、というところまではブランド力が足りていません。

言ってしまえば、お客様が簡単に離れていってしまう環境に置かれています。例えばまつげ美容液はよかったけど、次のプロダクトがいまいちだったらすぐ離れてしまうのではないかという危機感を常に抱えているんです。

こうした意識もあり、一度ご購入いただいたお客様や、お試しいただいたお客様、少しでも興味をもっていただいたお客様とは丁寧にコミュニケーションをとり、お客様が簡単に離れていかないような関係性を作っていきたいと考えています。

それはメディアを始めたときも同じで、メディアについても1000人、2000人のフォロワーの時からずっとコミュニケーションの丁寧さを心がけ、ファンとともに、育てていくんだという意識をもっています。

DINETTE株式会社 尾崎 美紀氏

-それを一番大切にしている以上、リソースが足りないとは言ってられないということですね。

尾崎:その通りです。DINETTEのSNSは今は社員に任せていますが、「PHOEBE BEAUTY UP」のSNSについては、現在も私が主体的に関わって施策を行なっています。

 

-尾崎さん自ら運用されているんですか?

尾崎:はい。そこにはDINETTEのアカウントを育ててきたのと同様、自分がしっかり入ってブランドを作るとはどういうことか、きちんと考えながらやっていきたいという思いがあります。

 

-素晴らしいですね。では最後に、「PHOEBE BEAUTY UP」の今後の展望にについてお聞かせください!

尾崎:そうですね。D2Cコスメならでは、私たちならではの成功パターンを作っていきたいです。これは、もう少しプロダクト数をださないと見えてこないとは思います。

ただ、メディアを通して得られたお客様の悩みに対し、その解決につながるプロダクトを常に出していき、フィービーならメイクの悩みを全て解決できると思ってもらえるところまでブランドを確立できれば理想です。

そのために、今はスピード感をもってどんどんプロダクトをリリースし、ブランドを確立させることを考えています。お客様が「あ、これはなんとかに効くフィービーだよね」と想起してもらえるような、そんなブランドに育てていきたいです。

 

以上、今回はDINETTE株式会社 代表取締役CEOの尾崎美紀氏にお話をうかがいました。D2Cコスメブランドとして、ブランドやプロダクトについてどう考えているのか、ファンに対しての思いなどが凝縮したお話でした。

同社では、こうした思想に基づいてマーケティング施策を実施するにあたりUGC(※)の活用施策を実施しています。すでに新規獲得施策においてCVR1.27倍という成果をあげている、同社のUGC活用方法やその成果については、ぜひ以下をご覧ください。
UGCを活用しCVR1.27倍!D2CコスメDINETTEのマーケティング戦略

※)UGCとは
UGC(User Generated Contents)とは企業ではなく、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことを言います。 最近はInstagramなどSNSに投稿された写真や動画などが UGCとして注目されています。

 

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